2010年11月18日
最高裁の本音はどこにある?
「ひとりごと」さんがブログを更新されています。
「なぜ最高裁は司法修習の給費制維持に反対したのか(番外編1)」
http://blog.goo.ne.jp/henahena007/e/b01722f23b01d2d492f10ae32b99b942
「ひとりごと」さんのご主張のうち、最高裁が大手事務所に優秀な人材が青田買いされることに危機感を抱いていること、いずれ任官者には貸与返還を免除するであろうこと、の2点については、私は基本的に同意します。
『最高裁には,任官者と弁護士との間で貸与資金の返還の有無に格差をつけることによって,裁判官を弁護士より「格上」の職業と位置づけたいという意図があるのではないか』という点も、果たして返還免除程度のことで「格上の職業」と位置付けられるのかは微妙なところではありますが、考え方としては理解できなくもない。
ただ、「ひとりごと」さんの推測に立ったとしても、どうにもうまく説明がつかないと私には思われるのは、「なぜ最高裁は貸与制の下でも優秀な人材は確保できるという考え方に立っているのか」ということなんですね。
もちろん貸与制だけが原因ではありませんが、現在のロー制度・三振制度・貸与制の3点セットで行く限り、これからは優秀な人材を法曹界は確保できなくなるのではないかと私は考えています。優秀な人材ほど、司法試験を目指そうとは思わないし、別の進路を選択してしまうのではないか。
しかし、最高裁にはそういう危機意識がないのではないかと感じられる。この点がきわめて疑問に感じるところです。
最高裁が日弁連に質問状を出した時に、私もこのブログで2回ほど取り上げました。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51759041.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51761819.html
あらためて当時の報道を読み返すと、最高裁の質問状の内容は「日弁連は貸与制だとお金持ちしか法律家になれなくなると主張しているが、この根拠を示せ」と言っているのです。
つまり、最高裁は貸与制の下でも人材は集まるんだと。そう言っているように読めるのですね。
その自信はどこから来るのだろう?と私は疑問に思います。
ローの学費・修習の貸与といった経済的な負担を課された上で、三振のリスクや就職難もある。これだけの負担やリスクを考慮しても、それでも法律家になりたいと思う人が、今後出てくるのか。
現に適性試験の受験者は、毎年減少の一途を辿っています(適性試験管理委員会が出している参考資料参照)。入口たるロースクールに人が集まらなくなっている傾向は、すでに明らかなんです。
さらにここにきて、司法修習生には「収入がない」と見なされアパートの契約を断られるケースが起きている(2010年11月16日毎日新聞)などという報道もされています。住居の確保すらままならないなら、地方での修習など出来るわけがありません。こうなると、人材の確保だけでなく、司法修習制度そのものが存続の危機に瀕していると考えざるをえないと思われます。
こういった点を最高裁がどのように考えているのかを明らかにしない限り、最高裁が給費制維持に反対した本当の本音というのは、見えてこないように思われます。
「なぜ最高裁は司法修習の給費制維持に反対したのか(番外編1)」
http://blog.goo.ne.jp/henahena007/e/b01722f23b01d2d492f10ae32b99b942
「ひとりごと」さんのご主張のうち、最高裁が大手事務所に優秀な人材が青田買いされることに危機感を抱いていること、いずれ任官者には貸与返還を免除するであろうこと、の2点については、私は基本的に同意します。
『最高裁には,任官者と弁護士との間で貸与資金の返還の有無に格差をつけることによって,裁判官を弁護士より「格上」の職業と位置づけたいという意図があるのではないか』という点も、果たして返還免除程度のことで「格上の職業」と位置付けられるのかは微妙なところではありますが、考え方としては理解できなくもない。
ただ、「ひとりごと」さんの推測に立ったとしても、どうにもうまく説明がつかないと私には思われるのは、「なぜ最高裁は貸与制の下でも優秀な人材は確保できるという考え方に立っているのか」ということなんですね。
もちろん貸与制だけが原因ではありませんが、現在のロー制度・三振制度・貸与制の3点セットで行く限り、これからは優秀な人材を法曹界は確保できなくなるのではないかと私は考えています。優秀な人材ほど、司法試験を目指そうとは思わないし、別の進路を選択してしまうのではないか。
しかし、最高裁にはそういう危機意識がないのではないかと感じられる。この点がきわめて疑問に感じるところです。
最高裁が日弁連に質問状を出した時に、私もこのブログで2回ほど取り上げました。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51759041.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51761819.html
あらためて当時の報道を読み返すと、最高裁の質問状の内容は「日弁連は貸与制だとお金持ちしか法律家になれなくなると主張しているが、この根拠を示せ」と言っているのです。
つまり、最高裁は貸与制の下でも人材は集まるんだと。そう言っているように読めるのですね。
その自信はどこから来るのだろう?と私は疑問に思います。
ローの学費・修習の貸与といった経済的な負担を課された上で、三振のリスクや就職難もある。これだけの負担やリスクを考慮しても、それでも法律家になりたいと思う人が、今後出てくるのか。
現に適性試験の受験者は、毎年減少の一途を辿っています(適性試験管理委員会が出している参考資料参照)。入口たるロースクールに人が集まらなくなっている傾向は、すでに明らかなんです。
さらにここにきて、司法修習生には「収入がない」と見なされアパートの契約を断られるケースが起きている(2010年11月16日毎日新聞)などという報道もされています。住居の確保すらままならないなら、地方での修習など出来るわけがありません。こうなると、人材の確保だけでなく、司法修習制度そのものが存続の危機に瀕していると考えざるをえないと思われます。
こういった点を最高裁がどのように考えているのかを明らかにしない限り、最高裁が給費制維持に反対した本当の本音というのは、見えてこないように思われます。
この記事へのコメント
1. Posted by 弁護士HARRIER 2010年11月18日 16:09
加えて、修習生の就職活動にも影響が出ています。
貸与制は、さきほど1年延期になりました。
しかし、貸与制を前提に修習生は就職活動を始めており、修習地と就職希望地が離れている人に関しては、移動の交通機関も高速バスなどの安い手段を使わざるをえない、場合によっては修習地を就職地にせざるをえない状況です。
貸与制延期によってこの流れは改善されると思いますが、貸与制がまた実施されることに決まった場合、この問題は再燃することになります。
貸与制は、さきほど1年延期になりました。
しかし、貸与制を前提に修習生は就職活動を始めており、修習地と就職希望地が離れている人に関しては、移動の交通機関も高速バスなどの安い手段を使わざるをえない、場合によっては修習地を就職地にせざるをえない状況です。
貸与制延期によってこの流れは改善されると思いますが、貸与制がまた実施されることに決まった場合、この問題は再燃することになります。
2. Posted by schulze 2010年11月18日 16:20
ここに来ての延期決定にはビックリしました。
やはり修習専念義務を課しながらの貸与制には無理があると感じます。このままでは修習制度が崩壊してしまいます。
弁護士HARRIER先生ともども、この問題をブログで訴えてまいりましょう。(^^ゞ
やはり修習専念義務を課しながらの貸与制には無理があると感じます。このままでは修習制度が崩壊してしまいます。
弁護士HARRIER先生ともども、この問題をブログで訴えてまいりましょう。(^^ゞ