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2011年09月01日

法曹養成フォーラム第一次取りまとめにあたっての日弁連会長声明(2011年8月31日)

「法曹の養成に関するフォーラム第一次取りまとめにあたっての会長声明」(2011年8月31日 日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2011/110831.html
『同フォーラムは東日本大震災の発生等の事情により開催が遅れ、5月25日から8月31日までの短期間に5回、給費制問題についてはわずか2回の実質審議により本取りまとめを行ったものであり、平成22年頃には司法試験合格者数を3000人程度とすることを目指すとされた法曹人口に関する目標の妥当性や法科大学院の在り方等の法曹養成制度全体にかかわる重要課題については今後の審議に委ねられている。当連合会は、現在の法曹三者統一の修習制度は戦後の司法制度民主化の一環として実現した重要な制度であること、修習生は最高裁判所の指揮監督の下で公務員同様の厳しい規律を課せられており、自己負担の貸与制にするのは不当であることなどを訴えてきたが、こうした主張がフォーラムでは十分考慮されることなく、財政難と修習終了後の経済状況を中心とした議論により貸与制への移行が取りまとめられたことは誠に遺憾である。』


今さら何を言ってるんだよ!!!

と思った人が大多数ではないでしょうか。
ヽ(#`Д´)ノ
こうなることなんて初めから分かりきっていたことなのに。

日弁連は、フォーラムでどれほど説得力のある主張を展開したというのでしょうか。
無様に論破されて、相手にもされなかったようにしか見えないんですが。
仮に給費制についての実質審議が2日間しかなかったとしても、問題は審議時間の点ではないですよ。
日弁連自身の戦略ミスそのものです。
なぜなら『財政難と修習終了後の経済状況を中心とした議論により貸与制への移行が取りまとめられた』のも、もともとは日弁連が「(貸与制では)お金持ちでない限り法律家になれない」と言ってしまったのがきっかけです。
敗因は自分たちにあるんですよ。

だいたい、総務省の「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」に対する意見書においても、
『法務省・文部科学省の「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」の検討結果でも「新たな検討体制(フォーラム)」の構築が提言され、また、司法修習生に対し給与を支給する制度を1年間延長するための裁判所法の一部を改正する法律(平成22年法律第64号)に関する衆議院法務委員会の附帯決議(2010年11月24日)で、「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」とされており、これらの場において、少なくとも法曹養成制度の改革に関しては、総合的な改善方策を検討することが予定されている』
などと、フォーラムのことをさんざん持ち上げておきながら、これだけ手のひらを返されてしまっているのですからね。
無様としか言いようがないんじゃないですか。
┐(´〜`)┌
大宮ローにハシゴを外された二弁に匹敵する屈辱と言えましょう。

結局、こういうことをやっている以上、日弁連は本気で給費制維持に取り組む覚悟があるのか?との疑問を持たれても仕方がないと思います。
今回の会長声明でも、
『現在、法科大学院の入学志願者は急激に減少し、その質の低下も指摘される等、新しい法曹養成制度は危機的状況にある。法曹志願者減少の要因は司法試験の合格率の低迷、司法試験合格後の就職状況及び法科大学院の高額な学費負担であり、このような問題点にメスを入れないまま司法修習についても給費制を廃止して貸与制を実施することは、法曹志願者をますます減少させ、経済的理由により法曹になることを断念する事態を広範に生じさせることは明らかである。』
などと言っているのは、悪い冗談にしか聞こえないです。
法科大学院のベラボーに非常識な高額学費負担の問題は、今までさんざん指摘されていたのに、それでも「法科大学院こそが法曹養成の中核だ」と言い続けてきたのは、他ならぬ日弁連なのですから。

日弁連は、本気で給費制を維持したいと願っているのなら、これまでの戦略ミスを認めて、大きく政策転換するほかないです。
それは法科大学院と、それに牛耳られたフォーラムからの決別です。それしかない。

schulze at 00:01│Comments(9) 司法制度 | 司法修習

この記事へのコメント

1. Posted by 会費!   2011年08月31日 22:47
ほんと主張に説得力ゼロですね。今さら現執行部に何も期待できませんが「まず会から始めよ」でこの機会に会費でも下げてほしいものです。
2. Posted by 某弁   2011年09月01日 10:05
ご無沙汰してます。

全くそのとおりだからこそ、地方単位会から日弁の方向転換を促す意見書が欲しいんですよね。

来年は会長選挙だから地方単位会が現状が悲惨→悲惨の原因はローの高額さというところで一致すると、保守派も舵を切りなおす必要があるでしょう。
3. Posted by 大阪の弁護士   2011年09月01日 18:08
 意見書なんかじゃ保守派は舵を切りませんよ。これまでも意見書、総会決議、会長声明などが多く寄せられましたが、日弁連は会議の参考資料にするだけで検討なんてしません。
 会長だけでなく、副会長や理事の過半数を保守派が抑えている限り、大きく方針を転換させることなんてできません。

 前回日弁連選挙の際は、旧主流派=保守派の方針に批判的な人々が宇都宮氏を応援したため、宇都宮氏は保守派の方針を大きく転換してくれると多くの弁護士が誤解し、宇都宮氏に投票しました。
 しかし、宇都宮氏は法曹人口増員を強力に推進している消費者団体と親密な関係にあり、もともと保守派の推薦を受けて立候補しようとしたぐらいですから、基本的には保守派です。対立候補の山本氏のように超保守派ではなかっただけです。保守派の方針を大きく転換するはずがありません。それを見抜けなかった多くの弁護士が間抜けだっただけです。

 来年の選挙も保守派は候補を立ててくるでしょう。山本氏のように、宮粼氏が合格者増員抑制へと切った舵を元に戻そうとする超保守派の政策を立ててくるかもしれません。それに対抗するためには、宇都宮氏のような保守派の人ではこの2年間と同じになるだけです。
 日弁連の方針は、会長ではなく執行部が作り、理事会が承認します。日弁連会長に保守派以外の人になってもらうだけでなく、東京や大阪以外から選出される副会長や理事を保守派以外の人から選ぶようにして、日弁連執行部と日弁連理事会の主導権をとらないと方針の転換は望めません。
4. Posted by たぬき   2011年09月01日 19:02
しかし、超保守派と保守派が出たら、保守派を選ぶしかないじゃないですか。
間抜けと言われようが、それが合理的投票行動だと思います。
他力本願的ですが、そこそこのキャリアがあって、保守派でも左系でもない反執行部派の候補が出ない限り、選択肢がないですよ。
前回の会長選で、派閥のバックアップなしでも勝てるかもしれないと思って立候補してくれる方がいるといいのですが。
5. Posted by 会費!   2011年09月01日 22:47
保守Aと保守B以外で出そうなのって法曹人口抑制のT女史位でしょうけど…ちょっとなあ。
6. Posted by 某弁   2011年09月01日 23:12
東京大阪の雰囲気は分かりませんが

もう地方単位会では保守色では勝てないと思います。
保守色で無理にまとめようとしても若手がクーデタを起しかねません。恐らく日弁会長選挙では、超革新派が候補を立てて超保守派と一騎打ちになれば、地方では超革新派のほうが勝つと思います。

それはそれでめちゃくちゃになるような気もしますけど

私は、地方単位会から誰かが出るかもしくは東京大阪でも派閥と関係ない方が出ればその人を応援しようと思います。
というわけで、私もたぬきさんと同様の行動をとります。
7. Posted by 某弁   2011年09月01日 23:20
それから私が意見書といっているのは、比較的影響力の強い中規模単位会です(会員が多い会や高裁所在地の会)。ここら辺が司法改革に批判的になると超保守派は完全に中央で孤立する形になるので。
8. Posted by 大阪の弁護士   2011年09月02日 11:30
 たぬきさんへ

 たぬきさんのように、宇都宮氏のことを正しく認識して、より悪くない方を選ぶという合理的行動をとった方を間抜けだとは決して言いません。
 ただ、私の周囲でも「高山さんが出られなくなったから宇都宮さんが代わりに出たんでしょ」とか「宇都宮さんは司法改革反対派だから」とか間違った認識で宇都宮さんに投票した人がほとんどでした。

 某弁さんへ
 地方、特に中規模会で超革新派の方が勝つのは、宮崎vs高山の前々回選挙のときにすでに見られたことです。仙台、札幌、埼玉、横浜、広島、愛知、千葉で高山氏が勝ち、兵庫は同点、福岡も僅差の負けでした。これらの中規模会はかなり前から司法改革に批判的で、いろんな決議や意見書をすでに出しています。
 でも超保守派は孤立しませんでした。なぜなら執行部と理事会を保守派が握っていたからです。

 私も東京大阪以外から有力対抗候補で出て欲しいと思ってます。でも、その候補が会長になったとしても、執行部と理事会で会長支持派が多数をとらなければ、会長が孤立してしまうのです。
9. Posted by たぬき   2011年09月02日 11:58
>その候補が会長になったとしても、執行部と理事会で会長支持派が多数をとらなければ、会長が孤立してしまうのです。

そうなんですよね。
いくら殿様が革新的でも家老たちが守旧派だと、殿様の方が孤立してしまうんですよね。

そうなると、ある程度の基盤のある超革新派の方がいい気もするのですが、やはり劇薬なんですよね。

醒め過ぎかもしれませんが、基盤のない会長は、結局、執行部らに押し切られてしまうのかもしれないですが、それでも執行部らと一緒に仲良くやってしまう人よりはマシだと思ってしまうんです。

前回会長選で、超保守派の某候補が選挙終了後に仮にも自身が掲げた弁護士人口問題の公約を平気で反故にするような記事を載せたときの怒りは未だに忘れていません。当選してたら、こんな風に反故にしたのかと。

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