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2011年09月05日

朝日新聞社説「法律家の養成―腰据え本題に取り組め」(2011年9月5日付)

朝日新聞社説「法律家の養成―腰据え本題に取り組め」(2011年9月5日付)
http://www.asahi.com/paper/editorial20110905.html#Edit2
『約2千人の司法修習生に国庫から給料を払い続けるか、打ち切るか。この1年余、混迷した問題は「一律支給をやめ、希望者には月二十数万円を無利子で貸与する」という当初の方針に落ち着くことになった。有識者や関係省庁の副大臣らでつくる政府の「法曹の養成に関するフォーラム」が取りまとめた。収入が低い人に対する返済猶予の措置も盛り込まれた。遠回りをしたが、妥当な結論に至ったことは歓迎したい。(中略)フォーラムが実施した調査によると、貸与されたお金の返済が始まる弁護士6年目の平均所得は1千万円を超すのに対し、返す額は月2万数千円だ。「税金の使い道はメリハリをつけて有意義に」という納税者の当然の思いが、議論に反映したといえよう。給費制の見直しは、法律家の増員や法科大学院、法テラスの設立など、司法改革の一環として決まった。行政に比べて小さすぎた司法の機能を拡大し、人々が法の下で平等、対等に生きる社会を築く。それが改革の背骨を貫く思想だった。その施策の一部を抜き出して曲げることは、全体の骨格を揺るがし「一部のエリートが担う小さな司法」への逆戻りを招きかねない。給費制問題を考えるうえで忘れてならない視点だ。 』


朝日の社説や報道姿勢については、今までもさんざん論じてきたので、今さら書くことがありません。
過去の記事の繰り返しにしかならないので、そちらを参照してください。


2011年6月14日付社説「司法改革10年―次代担う層どう育てる」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51869928.html
2010年11月24日付社説「修習生の給料―理念なき存続後が心配だ」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51790002.html
2010年10月10日付記事「司法修習生4分の1、貸与申請せず 給費制議論に影響も」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51768362.html
2010年9月18日付記事「修習生の給費制 法改正目指す日弁連、最高裁『根拠を』」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51761819.html
2010年9月12日付社説「司法試験―改革の原点踏まえ論議を」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51759378.html
2010年8月29日付社説「司法修習生―国民が納得できる支援を」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51754160.html
「社会人のための大学院ガイド」があまりにヒドくて読むに堪えない件
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51722491.html
2009年9月12日付社説「法科大学院―法曹が連帯し質向上を」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51614585.html


それにしても、朝日のブレなさ具合は、敵ながらあっぱれという感じです。
(-_-;)

ただ、その朝日新聞も、修習生の就職難については別の記事で報じています。


「弁護士志望の司法修習生、4割が就職先未定 過去最悪」(2011年8月25日)
http://www.asahi.com/job/news/TKY201108250178.html
『就職できず安定収入が見込めないことから、弁護士の登録をしない人も増えている。弁護士会の入会金や月会費が払えそうにないからだ。弁護士活動をするには日弁連と全国に52ある弁護士会のどこかに登録が必要で、通常は修習終了直後に一括して登録する。 』


安定収入の見込めない人が増えていることは、朝日自身も認めざるを得なくなってきているのですね。
それでも社説では貸与制支持のまま、と。
どうも現場の記者レベルの人と、社説を書くような上の人とで、認識が異なっているようにも見えますね。

でも、ここまでハッキリと立場を鮮明にしている以上、今さら主張を撤回できないでしょう。
自分から逃げ道を封じてしまって、法科大学院と心中する覚悟でもあるんでしょうか。
こんな社説を展開したことを後悔するときが、必ずや来るはずだと思いますね。
まぁ、今の朝日に何を言っても無駄でしょうが。

他の新聞社、特に毎日新聞あたりは、朝日の論調とは距離を置きつつあるように感じるので、徐々に朝日の孤立化が目立ってくるのではないかと予想します。


それにしても怖いのは、数字やデータが独り歩きをしているところですね。
「弁護士6年目の平均所得は1千万円を超すのに対し、返す額は月2万数千円」とかね。
そりゃ、政府のフォーラムがそういうデータを公表しているのだから仕方ないとはいえ、それをそのまま鵜呑みにするのは、マスコミの姿勢としてどうなんですかね。
このデータが正しいと本気で信じているのでしょうか。
こういう数字を信じてしまう人たちが、人口当たりの弁護士の数が日本は欧米より少ない、などというのを信じてしまって、法曹人口激増論を唱えてしまったりするわけです。ホント、お粗末なもんです。



(参考:本件について取り上げているブログ等)
ニガクリタケは偶に生えます
http://blog.livedoor.jp/hypholomafasciculare/archives/3522053.html
元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-244.html
ボ2ネタ
http://d.hatena.ne.jp/bo2neta/20110905
ロースクール(法科大学院)等についてのメモ
http://d.hatena.ne.jp/tochimenbo/20110905/1315228209

schulze at 21:44│Comments(0) 司法修習 | 司法制度

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