「予備試験合格率の向上を 法曹養成で民主党PTが提言」(日経新聞)京都弁護士会 企業内弁護士限定 採用情報説明会開催(6/23)

2012年06月16日

ロー入学者の人材枯渇は危機的水準へ

法科大学院特別委員会(第49回、平成24年6月14日)配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/siryo/1322208.htm
志願者数・入学者数等の推移(平成16年度〜平成24年度)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/siryo/__icsFiles/afieldfile/2012/06/15/1322208_2.pdf


こちらの資料に、今年度のロー入学者の既修/未修別の内訳データが掲載されています。


平成16年度 定員5,590人、実入学者5,767人(既修2,350人、未修3,417人)
平成17年度 定員5,825人、実入学者5,544人(既修2,063人、未修3,481人)
平成18年度 定員5,825人、実入学者5,784人(既修2,179人、未修3,605人)
平成19年度 定員5,825人、実入学者5,713人(既修2,169人、未修3,544人)
平成20年度 定員5,795人、実入学者5,397人(既修2,066人、未修3,331人)
平成21年度 定員5,765人、実入学者4,844人(既修2,021人、未修2,823人)
平成22年度 定員4,909人、実入学者4,122人(既修1,923人、未修2,199人)
平成23年度 定員4,571人、実入学者3,620人(既修1,915人、未修1,705人)

平成24年度 定員4,484人、実入学者3,150人(既修1,825人、未修1,325人)



こうして見ると、未修コースの激減ぶりが際立ちます。
ロー制度が、いよいよ「崩壊カウントダウン」から「実際の崩壊局面」に突入したことを実感させます。

入学者数がこれだけ落ち込んだ状況で、なお現状の司法試験合格者数2000人強を維持するとなれば、恐ろしい事態だと思います。
入口で人材が入ってこないのに、出口はそのままということですから。


さて、来年以降ですが、私は既修入学者が激減するのではないかと予想しています。
既修入学者はここまで数を減らしているとはいえ、未修コースと比べればそれなりの入学者数を確保していましたが、いよいよ人材が枯渇するのではないかと。
それも、かなり急速に数を減らしていくのではないかと予想しています。

理由は色々と挙げられますが
・旧司法試験が終了したことに伴い、旧試験から取り組んでいるヴェテラン受験生が数を減らしつつあること。
・予備試験合格者の司法試験成績次第では、予備試験合格者数の増加が期待され、ある程度の基礎力ある学生なら、ロー進学より予備試験受験を選択するであろうこと。
・ロー入学のリスクへの認識が広く浸透し、就職難と相まって、実力者も敬遠するであろうこと。
などが考えられます。

既修コースの入学者数が減ってしまうと、ローの在学生の質の低下は悲劇的な勢いで進むものと思います。
というのも、未修者はもともと合格率が低いですし、法律の勉強の適性もない人もいるのは織り込み済みという面がありますが、既修者は最終的に6〜7割近くの学生が最終合格にまで至りますので、この層の人材が減ることは、ロー出身者の質の担保の意味では重大な意味を持ってくると思われるためです。

schulze at 00:00│Comments(7) 司法試験 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by まじ   2012年06月16日 01:39
金と時間かけても、2、3割の人しか資格が得られないんじゃ、希望者がいなくなるのは当然のこと。それに当初は7、8割合格とか、3000人合格とか謳っといて、不況で仕事が思ったように増えないからと、平気で、2000人しか受からせないことに勝手に変更してしまうような、身勝手な業界を目指すのは、愚か者のすることと受験者が気が付いたからでしょう。この先どんな不利益を押しつけられるかわかりませんからね。上記コメントもそうですが、弁護士会のコメントとかみると現在すでに弁護士になっている人たちは本当に頭が悪いか、自分に都合がいいようにしか物事を見れない低レベルの人たちの集まりだと心底感じています。
当初法科大学院に入学したのは本当に優秀な人たちだったと思います。それがもし自分達の思うように育成できなかったのだとしたら、それは法曹界全体の責任のはず。それなのに屁理屈こねて、自分達が無能な結果引き起こされた事態の責任の全てを、自分たちよりずっと弱い立場の学生だけに押しつけている。自分の無能さ、無神経さをさらけだしてるだけというのがわからないみたいですね。
2. Posted by schulze   2012年06月16日 01:54
「まじ」さん
司法試験の合格者数が2000人で頭打ちになっているのは「不況で仕事が思ったように増えないから」が理由ではないと思います。そういう理由なら、合格者数はもっと削られていなければおかしいです。当初の公約が守られなかったことには変わりありませんが、もう少し事実を客観的に分析された方が良いと思います。同様に「現在すでに弁護士になっている人たちは本当に頭が悪いか、自分に都合がいいようにしか物事を見れない低レベルの人たちの集まり」というのも、弁護士は決して一枚岩ではなく、むしろ弁護士会の内部でも反対の声は多くありましたし、深刻な対立もありました。弱い立場の学生にしわ寄せがきていることや、ロー制度の失敗が法曹界全体の責任であることにも同意しますが、もう少しこの問題の経緯や背景、歴史について、学ばれてみる必要があるかと思いますよ。このブログにコメントするのはご自由にされて結構ですが、感情に任せて書き連ねるだけでは、便所の落書きと変わりありません。
3. Posted by schulze   2012年06月16日 02:11
あと、ロースクールの入学者が減った理由は、「3000人合格と謳っておきながら、勝手に2000人に変更したのが身勝手だから」ではないですよ。数%の合格率しかなかった旧司法試験に5万人も志願者が集まりながら、どうしてローには志願者が集まらなかったのか。そう考えると、司法試験の合格者数・合格率が本質ではないことに気付くはずです。ましてや弁護士会が身勝手だから、という理由でもありません。今やそのような点にこの制度の失敗の理由を求める人は、ほとんどいないと思います。
4. Posted by ニートたけし   2012年06月16日 07:48
人材が来なくなる、なんてのは、制度改悪の戦犯どもには予定のうち、あるいはそれさえ通り越して本当の目的だったのではありませんか?

有能で優秀な人間を最初から排除できれば、てめえの息子とか大学の後輩とか、てめえが後継者に据えたいコネ野郎が蹴落とされる危険はなくなります。そこまでいかなくても、合格ラインが下がればそれだけで万々歳でしょう。どうせその先の採用はてめえの恣意だけが支配してるんだから、優秀なノーコネ野郎なんか最初から門前払いにすればいいだけだ。

「丙案貴族」などという、科挙以来の世界試験史上稀に見る公然たるインチキ制度を有り難がった連中がほざく「優秀」など、広域暴力団が説く「任侠」よりももっといかがわしい。暴力団は独占免許も何もないし、警察や裁判所が甘い顔をしていない(暴力団員の逮捕・下獄それも重刑の実例はいくらでもある)ぶん自分の行為に責任感を持っているでしょう。
5. Posted by schulze   2012年06月16日 12:25
ニートたけし様
「人材が来なくなる、なんてのは、制度改悪の戦犯どもには予定のうち、あるいはそれさえ通り越して本当の目的だったのでは」と言いたくなる気持ちは十分に理解できますね。
ただ、真面目に考えると、実際に弁護士会でロー制度を推進した人たちは、最高裁の司法修習に代わる養成制度に正義があるんだと信じたんだと思います。その勢力の考えに、大学や文部省の思惑がうまく合致したのでしょう。私は小林先生が「法科大学院構想を推進した弁護士たちは、自分たちが何かの利得を得ようと思ってやったわけではない。かれらが法科大学院構想を推進し、法曹一元を実現しようとしたのは、それが実現すれば、ニッポンという国がよくなると信じたからである。官僚裁判官や官僚検事に司法を牛耳らせているうちは、日本は良くならないと信じたからである。言うまでもなく、これは革命思想である。革命思想だからこそ、団塊の世代の弁護士を熱狂させたのだ。」と説明されているのは、とても共感ができました。思想ゆえに、タチが悪かったんだと。
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-24b4.html
6. Posted by k   2012年06月16日 13:59
単純に法曹の魅力がなくなったことに尽きます。
インハウスに行けばいいという意見もありますが、司法試験合格を現実的なレベルで計算できるぐらいの優秀層は新卒で大手企業に入れます。
多額の学費と三振無職のリスクを負って合格してインハウスに行ったのに新卒入社と待遇に差があまり無いのであれば誰があえてロースクールに行くんだという話です。
社会の役に立ちたい等建前は誰でもいいますが、本当に手弁当でそれをやれるのは思想レベルで自己犠牲を是とする人間だけでしょう。
そのような聖人は稀有ですから、目に見えて法曹志望者は減ったのです。
弁護士需要をインハウスに求める識者は少なくないですが、相応の待遇がないものを需要とはいいません。
売れないという車だって1万円ならば飛ぶように売れるはずです。
司法制度改革によって法曹は急速に壊滅しつつありますね。
7. Posted by いなかロー弁   2012年06月16日 21:25
初年度の入学者数からして7〜8割合格なんてありえないこと、我々もわかっていましたよ。
ただ、そういう状況のなかでも3回の受験機会があれば勝ち抜けるという裏打ちのない自信を持っている人が多かったですし、3回目までに合格すればそれなりの就職ができてリスクを補うリターンがある(1回目や上位合格ならほぼ希望通りの就職ができる)という期待が蔓延していました。
そのあたりの漠然とした期待はもうないのですから、ちゃんと人生設計ができる優秀層の法科大学院進学回避につながるのは当然でしょう。

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