2012年11月28日
「司法試験、年3000人合格どう見る」(11/26付・日本経済新聞朝刊)
11月26日付の日経新聞朝刊に「司法試験、年3000人合格どう見る」というインタビュー記事が掲載されています。
聞き手は日経新聞ではもはやおなじみの渋谷高弘編集委員で、日弁連事務次長の中西一裕氏と慶應大法科大学院教授の横井朗氏がそれぞれインタビューに答えています。
中西事務次長は、日弁連が司法試験合格者数を1500人に引き下げるよう求めていることに関して、「現在の需要の下で受け入れられる人数は年1500人が限界だ」などと述べており、減員派という位置付けで扱われています。
ほかにも、政府が司法制度改革を検討していた当時に言われていたような弁護士の需要はなかったこと、合格者数を1500人に減らしても法曹人口は年間1000人増ペースで増加していくこと、などにも言及しています。
これに対して、慶應ローの横井教授のコメントは、典型的な増員論者のそれになっています。
横井教授の経歴は「88年住友銀行入行、91年司法試験合格、95年検事任官。2002年法務省で司法制度改革に従事。10年より現職。」とのことであり、まさに司法制度改革に関わった当事者でいらっしゃるはずですが、司法改革の理念の説明部分は誤りであると思われます。
これは以前から当ブログでも何度か触れていますが、司法制度改革審議会の意見書では、弁護士のギルド的仕組みを変えることで競争を促しサービスを向上させるといったことは、一切謳われていません。
需要が多様化・高度化するから弁護士が足りなくなる、だから増やさなければならない、という話だったのです。
<参考>
「司法制度を支える法曹の在り方」(平成13年6月12日 司法制度改革審議会意見書)
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report/ikensyo/iken-3.html
横井教授の説明とは全く異なる考え方だと思います。
さらに平成13年当時の司法制度改革審議会だけでなく、現在進行中の「法曹養成制度検討会議」においても、「法曹有資格者の活動領域の在り方について」の議論を見る限り、「法曹人口を増やすことで、市場原理による弁護士間の競争を促し、淘汰によって司法サービスの水準を上げる」という立場には立っていないものと思われます。
さらにこれも以前にも書きましたが、ロー制度と自由競争論は本質的に矛盾する関係にあると私は考えていますので、横井教授のコメントは、事実に反しているだけでなく、ロースクールの教授という立場である方の発言としても妥当でないと思います。
人数を増やして競争によってサービスを向上させるというのは、もっともなように聞こえますが、
司法制度改革が行われる前から弁護士同士の競争はあったわけで、国民は自由に弁護士を選べたわけです。
その意味での競争なら昔も今も変わっていません。むしろ現在の無謀な増員は、弁護士の公正な競争環境を破壊するものだと私は考えています。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51974415.html
このことは、必ずや国民に不利益となって跳ね返ってくることでしょう。
・・・・とまぁ、反論をしようと思えばいくらでもできるのですが、
でも、もともとの司法制度改革の目的がどうであろうと、国民がどのように判断するかは別の問題ではあります。
国民の意思が弁護士に競争を望んでいて、サービスを向上させたいというなら、それは仕方がないことです。
私が横井氏のコメントを読んで感じたことは、全く別のことで、増員論者や自由競争論者の思考がどうのという前に、
ロースクールの教授って呑気だな
ってことです。(^_^;)
よくまぁ「弁護士の就職難は当然のことだ(キリッ」と平然と言えるもんだなと。
ローの教授がこんなことを言っているようでは、そりゃ学生は集まらないわな、って思ってしまいます。
┐(´〜`)┌
慶應のローだって志願者減少がかなりピンチなはずなんですが、教授がこんな発言していて大丈夫なんですかね。
あと、もうひとつ思ったことは、今の「法曹養成制度検討会議」は、弁護士間の競争によってサービスをいかに向上させるか、という方向性にはないので、むしろこれからの議論は、「いかに強制的に需要を創出させるか」という方向に進むものと思います。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51974876.html
そうなると、具体的にどうなるのかといえば、たとえば、社外取締役と同じように大企業が社内弁護士を採用しない場合には事業報告に「社内弁護士を採用することが相当でない理由」を記載させるだとか、それこそ民事訴訟で弁護士代理人強制制度を設けるとか、そういったことが真剣に議論される場面が、これから出てくる可能性が高いと思うのです。
たとえそうなっても、それも国民が望んだ姿ならしょうがないかなとも思いますが、実際の国民はそういう動きになっているとは全く知らないんじゃないかと。
こういった動きに触れないまま、「弁護士の数が増えれば、競争が起きてサービスが良くなるよ!」と声高に主張することは、世論をミスリードするもので、とても危険なことだと私には思えるのですが。
聞き手は日経新聞ではもはやおなじみの渋谷高弘編集委員で、日弁連事務次長の中西一裕氏と慶應大法科大学院教授の横井朗氏がそれぞれインタビューに答えています。
中西事務次長は、日弁連が司法試験合格者数を1500人に引き下げるよう求めていることに関して、「現在の需要の下で受け入れられる人数は年1500人が限界だ」などと述べており、減員派という位置付けで扱われています。
ほかにも、政府が司法制度改革を検討していた当時に言われていたような弁護士の需要はなかったこと、合格者数を1500人に減らしても法曹人口は年間1000人増ペースで増加していくこと、などにも言及しています。
これに対して、慶應ローの横井教授のコメントは、典型的な増員論者のそれになっています。
(発言の一部を抜粋)
「日本の弁護士は極めて少数でギルド的な仕組みを作り上げ、安くて手軽なサービスを国民に提供してこなかった。それを変えることが司法改革の理念であり、手段のひとつが弁護士増員だった。」
「弁護士の就職難は当然のことだ。殿様商売でやっていけるなら、料金を下げたり、サービスを高めたりする動機が生じない。」
「需要掘り起こしのために官民一体の取り組みを今後も行うべきだ。弁護士の自助努力も欠かせない。競争と需要は並行して増える。需要が見えないから合格者を減らせというのは合理性に欠ける」
横井教授の経歴は「88年住友銀行入行、91年司法試験合格、95年検事任官。2002年法務省で司法制度改革に従事。10年より現職。」とのことであり、まさに司法制度改革に関わった当事者でいらっしゃるはずですが、司法改革の理念の説明部分は誤りであると思われます。
これは以前から当ブログでも何度か触れていますが、司法制度改革審議会の意見書では、弁護士のギルド的仕組みを変えることで競争を促しサービスを向上させるといったことは、一切謳われていません。
需要が多様化・高度化するから弁護士が足りなくなる、だから増やさなければならない、という話だったのです。
<参考>
「司法制度を支える法曹の在り方」(平成13年6月12日 司法制度改革審議会意見書)
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report/ikensyo/iken-3.html
『今後、国民生活の様々な場面において法曹に対する需要がますます多様化・高度化することが予想される中での21世紀の司法を支えるための人的基盤の整備としては、プロフェッションとしての法曹(裁判官、検察官、弁護士)の質と量を大幅に拡充することが不可欠である。』
『量的側面については、我が国の法曹人口は、先進諸国との比較において、その総数においても、また、司法試験、司法修習を経て誕生する新たな参入者数においても、極めて少なく、我が国社会の法的需要に現に十分対応できていない状況にあり、今後の法的需要の増大をも考え併せると、法曹人口の大幅な増加が急務であることは明らかである。 』
横井教授の説明とは全く異なる考え方だと思います。
さらに平成13年当時の司法制度改革審議会だけでなく、現在進行中の「法曹養成制度検討会議」においても、「法曹有資格者の活動領域の在り方について」の議論を見る限り、「法曹人口を増やすことで、市場原理による弁護士間の競争を促し、淘汰によって司法サービスの水準を上げる」という立場には立っていないものと思われます。
さらにこれも以前にも書きましたが、ロー制度と自由競争論は本質的に矛盾する関係にあると私は考えていますので、横井教授のコメントは、事実に反しているだけでなく、ロースクールの教授という立場である方の発言としても妥当でないと思います。
人数を増やして競争によってサービスを向上させるというのは、もっともなように聞こえますが、
司法制度改革が行われる前から弁護士同士の競争はあったわけで、国民は自由に弁護士を選べたわけです。
その意味での競争なら昔も今も変わっていません。むしろ現在の無謀な増員は、弁護士の公正な競争環境を破壊するものだと私は考えています。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51974415.html
このことは、必ずや国民に不利益となって跳ね返ってくることでしょう。
・・・・とまぁ、反論をしようと思えばいくらでもできるのですが、
でも、もともとの司法制度改革の目的がどうであろうと、国民がどのように判断するかは別の問題ではあります。
国民の意思が弁護士に競争を望んでいて、サービスを向上させたいというなら、それは仕方がないことです。
私が横井氏のコメントを読んで感じたことは、全く別のことで、増員論者や自由競争論者の思考がどうのという前に、
ロースクールの教授って呑気だな
ってことです。(^_^;)
よくまぁ「弁護士の就職難は当然のことだ(キリッ」と平然と言えるもんだなと。
ローの教授がこんなことを言っているようでは、そりゃ学生は集まらないわな、って思ってしまいます。
┐(´〜`)┌
慶應のローだって志願者減少がかなりピンチなはずなんですが、教授がこんな発言していて大丈夫なんですかね。
あと、もうひとつ思ったことは、今の「法曹養成制度検討会議」は、弁護士間の競争によってサービスをいかに向上させるか、という方向性にはないので、むしろこれからの議論は、「いかに強制的に需要を創出させるか」という方向に進むものと思います。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51974876.html
そうなると、具体的にどうなるのかといえば、たとえば、社外取締役と同じように大企業が社内弁護士を採用しない場合には事業報告に「社内弁護士を採用することが相当でない理由」を記載させるだとか、それこそ民事訴訟で弁護士代理人強制制度を設けるとか、そういったことが真剣に議論される場面が、これから出てくる可能性が高いと思うのです。
たとえそうなっても、それも国民が望んだ姿ならしょうがないかなとも思いますが、実際の国民はそういう動きになっているとは全く知らないんじゃないかと。
こういった動きに触れないまま、「弁護士の数が増えれば、競争が起きてサービスが良くなるよ!」と声高に主張することは、世論をミスリードするもので、とても危険なことだと私には思えるのですが。
この記事へのコメント
1. Posted by 猿 2012年11月28日 01:41
たしかにロースクールの教授は呑気ですね。日経の論調も変ですねえ。だけどやっぱりまだまだ合格者を激増させなければなりません。
2. Posted by schulze 2012年11月28日 02:00
そこまで増やしたいなら、増やしてもらって結構ですよ。僕は困らないし。
(^^ゞ
ただ、現実にはこれ以上合格者が増えることはないでしょう。なぜなら合格者が増えることで弁護士が食えなくなって困るのは、実はロースクールだから。
(^^ゞ
ただ、現実にはこれ以上合格者が増えることはないでしょう。なぜなら合格者が増えることで弁護士が食えなくなって困るのは、実はロースクールだから。
3. Posted by Haga 2012年11月28日 11:15
法曹人数増やすのが目的だと、格別法科大学院要らないですよね。
旧司法試験のシステムであっても可能です。
また、法科みたいなアナクロなネーミングに当初から失敗は予言
されていたのです。
もう、弁護士の権威も喪失しているし、日本が終わっていること
を先取りする法曹界といえそうです。
ただ、当該教員の言動は、あまりに異常な言動で怒る気力も削ぐ
のが戦略なんだろうね。
けだし、法曹需要はそんなにないことの説明なんか簡単ですから。
反対に新規需要として、何を掘り起こすのか個別具体的に述べて
欲しいですわ。
旧司法試験のシステムであっても可能です。
また、法科みたいなアナクロなネーミングに当初から失敗は予言
されていたのです。
もう、弁護士の権威も喪失しているし、日本が終わっていること
を先取りする法曹界といえそうです。
ただ、当該教員の言動は、あまりに異常な言動で怒る気力も削ぐ
のが戦略なんだろうね。
けだし、法曹需要はそんなにないことの説明なんか簡単ですから。
反対に新規需要として、何を掘り起こすのか個別具体的に述べて
欲しいですわ。
4. Posted by 弁護士HARRIER 2012年11月28日 16:45
明日かそのあとぐらいの西日本新聞に、僕のコメントが出ますので、チェックしてくださると幸いです。
(別の記事に間違えてコメントしちゃいました)
(別の記事に間違えてコメントしちゃいました)
5. Posted by 架印 2012年11月28日 20:39
何年か前,ロー卒の受験生たちの話を聞く機会がありましたが,成績的に危なそうな方がやたら合格者激増激増を叫んでいたのが印象に残っています。
彼は今,どうしているのか。
彼は今,どうしているのか。
6. Posted by とむ 2012年11月28日 22:03
私は、中西氏の主張の方が説得力に欠けると感じました。「現在の需要の下で受け入れられる人数は年1500人が限界だ」と言われても。国民にとってみれば、「だから何?何で弁護士は全員就職できなきゃいけないの?」です。弁護士が就職にあぶれることの「国民に対する」デメリットを説明しないと共感は得られません。自分たちに対するデメリットの説明に終始している中西氏の主張は、むしろギルド的なものを感じさせ、かえって横井氏の主張を補強しているように感じました。
7. Posted by 弁護士HARRIER 2012年11月29日 00:10
>弁護士が就職にあぶれることの「国民に対する」デメリットを説明しないと共感は得られません。
弁護士の仕事は、労働集約的で、弁護士が行う作業の割合が多い(事務員任せができない)→弁護士の数の適正を保つことによって、紛争を、無駄に訴訟に発展させない効果が得られていた
↓しかし
弁護士が激増する=飯が食えなくなる=訴訟で解決しなくてもよい・あるいは訴訟で解決するには困難が伴う(証拠がないなど)事件を、着手金欲しさに、わざわざ訴訟事件として取扱う
↓
被告側は、さすがにどんな弁護士であろうと、弁護士が代理人としてついている事件を、放置できず、かといって自分で処理することはできない
=弁護士費用が掛かる(弁護士費用は勝っても負けても相手方には請求できないのが大原則)
=つまり被告はいやおうなく付き合わされ、費用を掛けざるを得なくなる
1 こういう社会になることが望ましい場合→激増賛成
2 望ましいと思わない場合→激増反対
私はどっちでもいいです。
1なら1で、仕事は増えると思われるからです。
ただ、私が一般人なら、そんなのは困るので、2かなと思います。
弁護士の仕事は、労働集約的で、弁護士が行う作業の割合が多い(事務員任せができない)→弁護士の数の適正を保つことによって、紛争を、無駄に訴訟に発展させない効果が得られていた
↓しかし
弁護士が激増する=飯が食えなくなる=訴訟で解決しなくてもよい・あるいは訴訟で解決するには困難が伴う(証拠がないなど)事件を、着手金欲しさに、わざわざ訴訟事件として取扱う
↓
被告側は、さすがにどんな弁護士であろうと、弁護士が代理人としてついている事件を、放置できず、かといって自分で処理することはできない
=弁護士費用が掛かる(弁護士費用は勝っても負けても相手方には請求できないのが大原則)
=つまり被告はいやおうなく付き合わされ、費用を掛けざるを得なくなる
1 こういう社会になることが望ましい場合→激増賛成
2 望ましいと思わない場合→激増反対
私はどっちでもいいです。
1なら1で、仕事は増えると思われるからです。
ただ、私が一般人なら、そんなのは困るので、2かなと思います。
8. Posted by 弁護士HARRIER 2012年11月29日 00:15
そういえば、このまえ私が参加させていただいた、福岡県弁護士会の若手の集まり「木曜会」で、あの小林正啓先生にお越しいただき、とても有益なお話をお聞きすることができました。
その中でもっとも衝撃的というかなるほどと感じたことは、「これからは紛争創出型司法だ」ということでした。
人数を増やす以上、そうなることは、避けられないという見方です。
つまり、弁護士が、紛争を作り出し、弁護士が解決する。いわゆるマッチポンプですね。
その一例として、
・弁護士会が上場会社の株式をどんどん買う。
・落ち度を見つけて代表訴訟を起こしまくる。
・火消しのため会社側は弁護士を雇わざるを得なくなる。
こういうことが起きてもおかしくはないのだろう、ということです。
それは望ましくないと私は思うのですが、今の司法改革(というか弁護士「のみの」激増社会)を肯定するということは、まさにそういうことを肯定しているのと同義である、ということを、社会にはもっと知ってもらう必要があると思いました。
そもそも、社会の皆様は、司法がどうなってるのかということにはまったく関心がないと思います。
その中でもっとも衝撃的というかなるほどと感じたことは、「これからは紛争創出型司法だ」ということでした。
人数を増やす以上、そうなることは、避けられないという見方です。
つまり、弁護士が、紛争を作り出し、弁護士が解決する。いわゆるマッチポンプですね。
その一例として、
・弁護士会が上場会社の株式をどんどん買う。
・落ち度を見つけて代表訴訟を起こしまくる。
・火消しのため会社側は弁護士を雇わざるを得なくなる。
こういうことが起きてもおかしくはないのだろう、ということです。
それは望ましくないと私は思うのですが、今の司法改革(というか弁護士「のみの」激増社会)を肯定するということは、まさにそういうことを肯定しているのと同義である、ということを、社会にはもっと知ってもらう必要があると思いました。
そもそも、社会の皆様は、司法がどうなってるのかということにはまったく関心がないと思います。
9. Posted by schulze 2012年11月29日 01:05
たしかに、とむさんのご指摘は同感ですね。中西氏のコメントには足りない部分があると思います。ただインタビューなので、質問の仕方とか、記事にする際の編集などにもよるでしょうから、そこは考慮する必要があるかと思います。それよりも私が感じた違和感は、今の日弁連の執行部が減員論者という位置付けとして紹介されていることでした。たしかに1500人でも減員ではあるのですが…。こうなると、1000人以下への減員を求めている弁護士などは論外の過激派分子ということなんでしょうね(笑)。
私は自分が弁護士なので一般の読者の受け止め方は分かりませんが、「何で弁護士は全員就職できなきゃいけないの?」と思うものなんですかね?というのも、私の会社にいる人たちに聞くと、「弁護士になってまで就職先がないようではやってられないよね」という反応がほとんどなので。数さえ増やせば競争でサービス向上と、単純に信じる読者も、実際にはそんなにはいないかなと思っているのですが。
私は自分が弁護士なので一般の読者の受け止め方は分かりませんが、「何で弁護士は全員就職できなきゃいけないの?」と思うものなんですかね?というのも、私の会社にいる人たちに聞くと、「弁護士になってまで就職先がないようではやってられないよね」という反応がほとんどなので。数さえ増やせば競争でサービス向上と、単純に信じる読者も、実際にはそんなにはいないかなと思っているのですが。
10. Posted by 大阪の弁護士 2012年11月29日 18:30
合格者数を減員しても法曹人口が増加することを理解していないのか、それともわざと混同しているのか。
一般人は、合格者を減らせば法曹人口も減少すると思ってますからね。弁護士が合格者数減員の意味で「減員」を主張しても、一般人は法曹人口=弁護士数の減少を主張しているとしかとってくれないですからね。
一般人は、合格者を減らせば法曹人口も減少すると思ってますからね。弁護士が合格者数減員の意味で「減員」を主張しても、一般人は法曹人口=弁護士数の減少を主張しているとしかとってくれないですからね。
11. Posted by watson 2012年11月29日 19:19
いつもブログを楽しみに拝見しています。
横から失礼しますがお許し下さい。
>というのも、私の会社にいる人たちに聞くと、
>「弁護士になってまで就職先がないようでは
>やってられないよね」という反応がほとんどなので。
私はここの部分は少し疑問です。
弁護士である人に対して、面と向かって「何で弁護士は全員就職できなきゃいけないの?」などとネガティヴなことは(職場の雰囲気にもよるのでしょうが)言いづらいし、わざわざそんなことを言うメリットがないと思うからです。ですから、会社の同僚の反応をみるだけでは、一般の方の本音がどうであるかは分からないと思います。
横から失礼しますがお許し下さい。
>というのも、私の会社にいる人たちに聞くと、
>「弁護士になってまで就職先がないようでは
>やってられないよね」という反応がほとんどなので。
私はここの部分は少し疑問です。
弁護士である人に対して、面と向かって「何で弁護士は全員就職できなきゃいけないの?」などとネガティヴなことは(職場の雰囲気にもよるのでしょうが)言いづらいし、わざわざそんなことを言うメリットがないと思うからです。ですから、会社の同僚の反応をみるだけでは、一般の方の本音がどうであるかは分からないと思います。
12. Posted by watson 2012年11月29日 19:23
むしろ、Yahoo!やBLOGOSのコメント欄など、ネット上の意見(本音に近い?)を見た限りだと、弁護士はもっと増員して競争させればサービスが向上する上に値段も安くなるし、弁護士が増員に反対するのは単に自分たちの既得権益を守りたいため、と考える人の方が多いように私は感じています(もちろん、これについても、それが一般の意見かどうかは分かりませんが)。
私も、「仮に増員によって自分たちがデメリットなく、メリットを受けられるのであれば、弁護士が飢えて死のうが成仏しようが自分たちには関係ない」というのが一般の人たちの本音なのではないかと思っています。
(なお、私自身は増員については賛成でも反対でもありません。増員についてはメリットもデメリットも両方あるうえにそれぞれがどれくらいの程度のものなのか把握できていないからです(法科大学院についてはまさに百害あって一利なしでさっさと廃止しろと考えていますが))。
ですから、とむさんの指摘、「弁護士が就職にあぶれることの『国民に対する』デメリットを説明しないと共感は得られません。」というのはもっともだと思います。
弁護過誤や弁護士主導の濫訴など、具体的に生じた(あるいは今後想定される)デメリットを弁護士の側で積極的に挙げていかなければ、一般市民には響いていかないのかなと考えています(業界の恥を晒す、あるいは身内を批判するようなことなので実際にはこれは難しいのかも知れませんが)。
私も、「仮に増員によって自分たちがデメリットなく、メリットを受けられるのであれば、弁護士が飢えて死のうが成仏しようが自分たちには関係ない」というのが一般の人たちの本音なのではないかと思っています。
(なお、私自身は増員については賛成でも反対でもありません。増員についてはメリットもデメリットも両方あるうえにそれぞれがどれくらいの程度のものなのか把握できていないからです(法科大学院についてはまさに百害あって一利なしでさっさと廃止しろと考えていますが))。
ですから、とむさんの指摘、「弁護士が就職にあぶれることの『国民に対する』デメリットを説明しないと共感は得られません。」というのはもっともだと思います。
弁護過誤や弁護士主導の濫訴など、具体的に生じた(あるいは今後想定される)デメリットを弁護士の側で積極的に挙げていかなければ、一般市民には響いていかないのかなと考えています(業界の恥を晒す、あるいは身内を批判するようなことなので実際にはこれは難しいのかも知れませんが)。
13. Posted by schulze 2012年11月29日 19:33
とむさんのご指摘、「弁護士が就職にあぶれることの『国民に対する』デメリットを説明しないと共感は得られません。」には、私も一点の曇りなく賛同いたします。
ちなみに、私の会社にいる人間の反応をもって世の中一般も同じだなどと言うつもりはありません。冷静に読んでる人も結構いるんじゃないの?という程度の話をしたまでです。
ちなみに、私の会社にいる人間の反応をもって世の中一般も同じだなどと言うつもりはありません。冷静に読んでる人も結構いるんじゃないの?という程度の話をしたまでです。
14. Posted by いなかロー弁 2012年11月30日 12:01
弁護士を使う立場になるかならないか、という違いもあると思いますが、それに加えて、「仮に自分が弁護士を志すとして考えると…」という観点が入るか入らないかでけっこう違う気がしますね。
学部卒段階で取れる資格であれば、取った上で一般企業に入社して資格者として働く、という構想も持ちやすいと思います。そういう資格であれば、法曹資格を取りに行って就職にあぶれるのって制度に還元できない個人の責任かなと。
しかし、現状では、法曹資格を取るためには、基本的に法科大学院を出ないと司法試験を受けられません。そして、法科大学院に通って1回目で必ず受かるとの確証もなく、借金はたまりますし、受かった後も一般的な弁護士としての就職ができるかもわからず、かといって年を食ってしまうのに一般企業で資格や勉強内容が評価されるわけでもない、とすると合格後の就職先等で相当な見込みがあるとかでないと今から法曹資格取ろうと思いますかね?
学部卒の段階である程度一般企業等の選択肢のある学生の立場になって普通に考えれば、上記のようになると思います。
学部卒段階で取れる資格であれば、取った上で一般企業に入社して資格者として働く、という構想も持ちやすいと思います。そういう資格であれば、法曹資格を取りに行って就職にあぶれるのって制度に還元できない個人の責任かなと。
しかし、現状では、法曹資格を取るためには、基本的に法科大学院を出ないと司法試験を受けられません。そして、法科大学院に通って1回目で必ず受かるとの確証もなく、借金はたまりますし、受かった後も一般的な弁護士としての就職ができるかもわからず、かといって年を食ってしまうのに一般企業で資格や勉強内容が評価されるわけでもない、とすると合格後の就職先等で相当な見込みがあるとかでないと今から法曹資格取ろうと思いますかね?
学部卒の段階である程度一般企業等の選択肢のある学生の立場になって普通に考えれば、上記のようになると思います。
15. Posted by いなかロー弁 2012年11月30日 12:02
ただ、そもそも弁護士を使う気もないし、自分がなるということも考えられないし、周囲にそういう人がいるわけでもないし、損なら目指さなければいいだけだし、その結果どんどん法曹資格者のレベルが落ちたところですぐさま自分に害が及ぶわけでもないし・・・という考え方をする人もかなり多いと思います。
まぁ、そこまの無関心な人を味方に付けるのは難しいのでしょうけど、普通に考えれば制度的に問題あるでしょ?というところまでの説得力は持たせないといけないんだろうと思います。
増員の是非や仕方については制度論的にいろいろありうるので、watsonさん的な立場ってじゅうぶんありうると思います。ただ、法科大学院強制制度については、理性的に普通に考えるだけで、廃止すべき制度だという結論に達するだろうと思うので、そこを突破口にすべきでしょう。
日弁連の中西事務次長は1500人派なのかもしれませんが、法科大学院護持派でもあるので、ギルド的な主張に聞こえ、業界外には説得力がないかもですね。
まぁ、そこまの無関心な人を味方に付けるのは難しいのでしょうけど、普通に考えれば制度的に問題あるでしょ?というところまでの説得力は持たせないといけないんだろうと思います。
増員の是非や仕方については制度論的にいろいろありうるので、watsonさん的な立場ってじゅうぶんありうると思います。ただ、法科大学院強制制度については、理性的に普通に考えるだけで、廃止すべき制度だという結論に達するだろうと思うので、そこを突破口にすべきでしょう。
日弁連の中西事務次長は1500人派なのかもしれませんが、法科大学院護持派でもあるので、ギルド的な主張に聞こえ、業界外には説得力がないかもですね。
16. Posted by schulze 2012年11月30日 19:11
いなかロー弁様
うまくまとめていただき、ありがとうございます。
おっしゃるとおりかと思います。
うまくまとめていただき、ありがとうございます。
おっしゃるとおりかと思います。
17. Posted by 大阪の弁護士 2012年11月30日 19:56
就職にあぶれた修習生のために法科大学院や司法修習に投じられた税金の額を教えても、一般人はそれをデメリットだとは思わないんでしょうね。
もう、どうしようもないですね。
もう、どうしようもないですね。
18. Posted by schulze 2012年12月01日 00:18
大阪の弁護士様
それはきっと一般人側の視点では、法科大学院や司法修習のコストパフォーマンスの問題であって、市場原理の競争によるサービス向上とは別の議論なんでしょう。無関心な人は、その程度の認識なんだろうと思いますよ。だからこそ丁寧な説明が必要なんだ、ということをとむさんやwatsonさんはおっしゃりたいのだと私は理解しています。
それはきっと一般人側の視点では、法科大学院や司法修習のコストパフォーマンスの問題であって、市場原理の競争によるサービス向上とは別の議論なんでしょう。無関心な人は、その程度の認識なんだろうと思いますよ。だからこそ丁寧な説明が必要なんだ、ということをとむさんやwatsonさんはおっしゃりたいのだと私は理解しています。
19. Posted by 法科大学院生D 2020年01月19日 02:40
いやいや、schulzeさん議論がすり替わってます。
では、「法科大学院に価値が無い」というのは、巨額の税金の投入による、コストパフォーマンスから、「価値が無い」との結論を導くものであるとの意見でよろしいですか?
では、「法科大学院に価値が無い」というのは、巨額の税金の投入による、コストパフォーマンスから、「価値が無い」との結論を導くものであるとの意見でよろしいですか?