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2014年05月07日

「ロースクールと法曹の未来を創る会」なる団体が発足

すでに各所で話題となっていますが、5月14日(水)に「ロースクールと法曹の未来を創る会」という団体の設立総会が開催されるようです。
http://www.lawyer-mirai.com/index.htm

設立総会の案内文によると、久保利英明弁護士、岡田和樹弁護士、斎藤浩弁護士の3名が発起人となっています。
この3名は、ロースクール原理主義者(^^;)と呼ぶにふさわしいと思えてしまうほど先鋭的な発言を繰り返してきたことで著名な方々ですから、こういう団体を作って活動されることには、何ら驚きはありません。

ほとんどのページが「準備中」となっていますが、現在公開されているものだけ見ても、ロー制度を推進してきた弁護士の考え方がよく分かるように思います。
http://www.lawyer-mirai.com/mirai.html
(司法試験合格者の数が「法曹三者の都合で大幅に抑えられ」ているとの点については、タダスケ先生の解説が詳しいので、そちらに譲ります。このほか、タダスケ先生と岡田弁護士とのやりとりも参考になると思います。)

まだ会の全貌も分かりませんし、この会にどういった方が参加するのか、弁護士の中でどれほどの賛同を得られるか、今後の影響力は見通せないところがあります。
ただ、「私たちの提案」のうち、特に登録した新人弁護士に対するものについては彼らがこれから具体的に実行していくはずでしょうから(まさか「提案」するだけではないでしょう!?)、どのように「社内弁護士、顧問弁護士、相談員などの枠を数万社単位で開拓」していくつもりなのか、さらには無料での提供だの体制とやらをどう整えようとしているのか、今後の展開に注目していきたいと思います。

言うまでもないことですが、「数万社単位の開拓」というのは、およそ簡単なこととは思えません。
東証一部上場の企業数が約1800社、全上場企業数が約3500社と言われる中、数万ともなれば会社法上の大会社よりも数が多いことになります。当然、中小企業もターゲットに入るのでしょうが、これだけの数をどう開拓しようというのでしょうか。
ここで重要なのは、単に弁護士として採用されれば良いわけではなく、(1)弁護士としてふさわしい処遇と業務が与えられた上で、さらに(2)弁護士会の会費負担に見合うものか、も問われなければならないと思います。そうでなければ、一般従業員としての入社の場合と地位も待遇も変わらないということになってしまい、何のために時間とコストをかけてまでロースクールや修習へ行くのか、ということになりかねません。

企業は必要のない人材を雇おうとしませんし、メリットに見合わないコストなど、なおさら払おうとはしないでしょう。
もちろん有能な人材なら雇ってはくれると思いますが、それは一般社員としてなら、という話でしかないでしょう。
それを「弁護士としての採用」にまで格上げして、ましてや弁護士会費まで負担してくれるような形での開拓になるのか・・・彼らがどのような戦略とロジックで企業を説得しようとしているのか、大いに関心を惹かれるところです。

実は私はブログ上ではロー制度に反対したり、給費制問題、司法試験合格者数の削減など司法制度改革の方向性自体を問題として取り上げることしかしていませんが、実社会でのリアルな活動としては、修習生や若手弁護士を中心としてあふれている人たちをどうするかの活動に微力ながら取り組もうとしており、特に弁護士会を通じて経営法友会や経団連などへの具体的な働きかけを考えています。
でも、なかなか企業を十分に説得するだけの材料に乏しいのが実情と思うのです。観念論ではなく、弁護士採用の必要性と意義をどうしたら企業に実感してもらえるのか。彼らはどのように材料を用意するつもりなのか、机上論だけでない具体化をぜひやってもらいたい。というか、やってもらわないと困ります(-_-;)。口先だけで「数万社」などとは言うことは許されません。

もうひとつ、気になったことといえば、ロー制度推進派はよく「従来の法廷弁護士像からの転換」を主張されますけど、この会も同様の趣旨のことを言ってるようです。
しかし、従来の法廷弁護士像をことさら否定する必要はないはずと思うのです。マチベンもいて、それに加えて企業や自治体で働く者もいて・・・それでこそ多様な姿のはずですが、彼らは法廷弁護士の存在は視界に入っていないかのようです。
そうすると、従来マチベンが担ってきた仕事や役割は、誰がどう果たしていけばいいのでしょうか。彼らの提案には、そういった内容のものは見当たらないし、「無料で提供」される内容にも含まれていないように読めます。
昨今の即独の問題なども、彼らは手を伸ばさないようにも見えてしまうのです。もしかして「専門分野に精通した弁護士を組織し、無料でその知識・経験を利用できる体制」の中に含まれるのでしょうか・・・?

ここは、ロースクール制度推進論者の心底が垣間見えると思います。彼らの本心は、弁護士像の否定であり転換であって、我々が考える「弁護士」とは異なるものを指向しているのでしょう。
でも、司法制度改革審議会の意見書を読んでも、そもそも弁護士像の転換も法廷弁護士像の否定も読み取れないと思うのです。
彼らが究極的に目指す姿は、本当に司法制度改革の理念に沿ったもので、国民から支持されるものなのでしょうか。

彼らは「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」のスローガンを多用し、司法制度改革に反することはおよそ「小さくて、分かりにくく、頼りがいのない」ものであるかのように切り捨てています。
「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」という題目自体に反対する人は、おそらくいないでしょうが(「見えやすく」というのが何を指すのか、少々不明確であるのはさておき)、それによって実現される中身こそが問題だと思います。


<関連>
いま求められているのは「夢」ではなく「現実に対処する道しるべ」だと思う(2013年6月26日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52026232.html

<追記>
【超内輪】ロースクールと法曹の未来を創る会!!
http://togetter.com/li/663556

schulze at 01:20│Comments(0) ロー進学、ダメ。ゼッタイ。 | 司法制度

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