予備試験出願者数減少福岡空港なう

2015年02月24日

法科大学院は、いよいよ自身の価値で勝負せざるを得なくなる

予備試験の出願者数減少
たしかに減少幅はわずか(79人減)ですし、これだけをもって直ちにどうなるというものでもないでしょう。
それでも、予備試験の出願者数減少が続くようであれば、法科大学院が望むような受験資格制限を導入することは難しくなっていくだろうと思います。
法曹への「近道」だの「抜け道」だの、法科大学院が志望者に選択されない理由があたかも予備試験にあるかのような主張は、説得力を失っていくことでしょう。

法科大学院は、いよいよ自身の価値で勝負せざるを得ない局面がやってきます。
それはきっと、法科大学院制度が成仏へと追い込まれるときでもあるでしょう。



<参考>
「予備試験」出願者減という段階(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-879.html
法曹界の終わりの始まり(一聴了解)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-9c04.html

<関連>
(感想)今年の予備試験論文合格者数について(2014年10月12日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52094654.html
(再掲)『法科大学院では多様な人材は確保できないという現実を直視すれば、予備試験に対しては、法科大学院へ進学できない事情のある人たちへ門戸を開くというそもそもの制度趣旨だけでなく、法曹への多様な人材を確保するための手段としての積極的な位置付けをしていくべきであり、いずれはそうせざるをえなくなると思うのです。法曹志望者が法科大学院を選択しない以上、これまでのように「例外ルート」という位置付けではなく、予備試験を法曹養成のメインルートとして正面から認めざるを得なくなるときがいずれ必ず来ると、私は予想します。』

法科大学院教育の意義を発信するための広報活動(2014年7月23日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52078704.html
「プロセス教育の重要性を理解する余裕のない状況」by白鷗ロー(2014年6月26日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52075693.html
「法科大学院は予備試験に落ちたら行く場所」という認識すら古い(2014年6月17日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074693.html
「法科大学院 理念倒れ」(2014年6月17日付・日本経済新聞朝刊)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074664.html
予備試験制度見直しを法科大学院が提言(2014年6月14日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074310.html
法曹養成制度改革推進室 予備試験の受験資格制限は困難との見解(2014年6月12日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074078.html
辰已法律研究所が指摘する当たり前のこと(2014年6月2日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52072906.html
自分たち自身とは絶対に向き合わないロースクール(2014年5月20日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52071288.html
法曹志望者数回復「何とかならないか論」(2014年4月23日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52067851.html
「法科大学院離れの最大の要因は司法試験合格率の低迷」(日本経済新聞)(2014年4月20日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52067391.html
消費者(=法曹志望者)を攻撃している時点でオワコン(2014年4月8日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52065942.html
改革推進側が語らないこと(2013年12月7日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52050099.html
どう見ても法科大学院は詰んでいる(2013年3月3日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52007722.html
「予備試験を法科大学院への人材の供給源として位置付けて良いかどうか」(2013年2月23日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52006421.html
(再掲)『「法科大学院への人材供給源としての予備試験」というのは、現状の法科大学院の惨状・体たらくへの皮肉として言っている分には受け入れられますが、これを制度論として正面から認めるのは、私には抵抗があります。私の気持ちとしては、予備試験に受験資格を設けるのが妥当でないのは、予備試験の受験者・合格者を増やすことが法曹の人材多様化に貢献するから、という理由であって欲しいのです。「法科大学院」への人材を確保するためじゃない。「法曹界」の人材確保のための予備試験であるべきだし、そちらに意義と価値を認めることの方が先決だと思います。』

司法制度改革推進派が戦うべき本当の相手(2012年8月22日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51972875.html
法科大学院の理念や必要性は、志望者に強制しないことには、了解も評価もされないことを前提にしている(2012年5月30日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51955538.html
法科大学院へのブーメラン(2011年6月3日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51865739.html
(再掲)『関係者は「未修者を教育するのは実際大変なんだよね」とか「司法試験の内容が教育にマッチしてないんだよね」などと泣き言を言ってる場合ではありません。彼らは自分たちがきちんと教育して育成するんだと約束しました。それが出来るんだと主張してきました。だからこそ、巨額の血税が法科大学院に投入されてきましたし、新司法試験の受験資格も握って独占してきました。今さら彼らがその責任から逃れられるわけがありません。間違いなく、いまの惨状を招いた責任は法科大学院にあります。導入時の理念を語るだけで、「自分たちは悪くない。悪いのは試験制度だ。法務省だ。既存の弁護士だ。」などと強弁することは、もはや許されません。』


schulze at 00:11│Comments(2) 司法試験 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by ポロシャツ弁護士   2015年02月24日 14:13
地方の弁護士会も,若手の会合参加率が低く,大げさではなく,確実に崩壊が始まっています。会務をやる精神的余裕がないのです。
2. Posted by 弁護士HARRIER   2015年02月24日 19:24
どこも同じですね。
忙しさでいえば、僕らの若手の時とそうかわらないはずなのです(今が取り立てて忙しいとも思えないし、就職状況や待遇が悪くなっているということは仕事が少ない可能性もあるはず)。

そんなときに、お金にならないことや、関係ないことに首を突っ込みたくはないですよね。そういう意味でのゆとりのなさというのはあるのだろうと思います。

このままいけば、10年後には、ほとんどの会務が絶滅すると思います。
が、断捨離が出来ていいことかもしれません。
当地は、この度、新会館の規模が事実上決まりました。延床面積で今の3倍くらいのものができることになります。それだけの会務をやるのか?と思うと背筋が寒くなりますが(笑)、きっと担い手はいないでしょう。
会館はおそらく研修用施設として使われるだけで、LSがまともに教育しないツケが弁護士会に回されるだけだと思います。

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