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2016年05月30日

中央大学法学部 「少人数授業」「卒業生のゼミ」「炎の塔」で復活(AERA 2016年6月6日号)

中央・法学部「少人数授業」「卒業生のゼミ」「炎の塔」で復活(AERA 2016年6月6日号)
http://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2016052700210.html
【中央大学 法学部】「労惜しまず」の学風で復活
(中略)
大学のカリキュラムとは別に課外講座として法職講座を設け、90年代には卒業生の弁護士らによる少人数制のゼミを開始。巻き返しのための仕組みを整えた。
「中大は人のために労を惜しまない学風。講師の確保では苦労していません」(中島学部長)
巻き返しを加速させたのが、2002年に新設された冒頭の炎の塔。学部の少人数授業と卒業生による法職講座、新たな自習施設の「3本の矢」で、凋落に歯止めをかけた。
・・・だそうです。

記事の末尾には
「白門完全復活」は目の前だ。
との記載もあります。

何とも威勢の良い内容の記事になっていますが、
実際のところ、中大にも苦しい部分があると思うのです。

それは、何と言っても、法科大学院の入学者数の減少でしょう。
今年の中大ローの入学者数は192人(昨年▲49人)。初めて200人の大台を割り込みました。
その中でも、特に既修者の減少が目立ちます。5月1日現在の在籍者数を見ても、2015年度入学者では既修者184人に対し2016年度入学者は既修者136人と、約50人も減っているのです。
今年の入学者の減少幅は、ほぼ丸々既修者分と見て良さそうです。
このような入学者数の減少は、当然に司法試験の合格実績にも跳ね返ってくるでしょう。

中大独自の法職講座は、たしかに誇るべきシステムかもしれませんが、
一方で予備試験の合格実績を宣伝することは、学生の予備試験志向を強め、法科大学院への入学者減少にもつながるかもしれず、痛し痒しの側面があるでしょうね。
また、法科大学院との絡みで言えば、法職講座を売りにすることは、大学ぐるみでの受験指導として予備校化しているとの批判を招きかねず、認証評価などでも影響してしまう危険もありそうに思います。

中大が司法試験に力を注いでいたことは衆目の一致するところで、法科大学院よりもまずは足元の法学部の強化ということかもしれませんが、
司法試験の合格者の大幅増員で法曹資格の価値が落ちてしまった現在、司法試験の受験指導で法学部が復権できるかどうかは、未知数でしょう。

この記事からは、このような中大の苦悩は読み取れませんが、
学生の立場にしてみれば、たしかに中大の環境が良いことは事実でしょうし、大学本来の取り組みとしては評価されるべきことのように思います。
このような記事を読むと、中大にとっては、法科大学院制度よりも旧司法試験制度のほうが幸せだったんじゃないかと、どうしても感じてしまうのです…。


ところで、もう一点気になったことがありまして。
それは、このような「大学ヨイショ記事」を報じているのが、朝日新聞社が発行するAERAだというところです。
朝日としては、スポンサーたる大学の宣伝記事の一環にすぎないのかもしれません。しかし、司法制度改革に対するこれまでの朝日の社説記事や報道姿勢、また受験指導に対するスタンスなどとの整合性は、問われなければおかしいと思います。
超難関の司法試験を突破するような受験指導との決別を訴えていたのは、誰だったのかということです。
それを考えると、本記事が喜々として賞賛する「大学による予備校に匹敵する指導」は、彼らが崇拝してきた「司法制度改革の理念」と整合するのでしょうか。

媒体や記事によって都合よく立場の使い分けをするようならば、「朝日新聞社は一体、誰のために報道をしているのか」を厳しく問われることになるでしょう。



<参考>大手新聞社の法科大学院広告企画ページに関する当ブログ記事
「読売 法科大学院キャンペーン事務局」が復活(2015年6月21日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52122776.html
大手新聞社による法科大学院広告企画ページの記述 風向きに変化?(2015年3月11日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52112035.html
「読売 法科大学院キャンペーン事務局」なるものの存在(2012年5月31日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51955697.html
朝日新聞サイト「社会人のための大学院ガイド」がさらにパワーアップ(2011年9月6日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51892455.html
「社会人のための大学院ガイド」があまりにヒドくて読むに堪えない件(2010年5月29日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51722491.html

<参考>中央大に関する当ブログ記事
中央大、会計大学院を18年3月に閉鎖へ(日本経済新聞)(2016年4月2日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52151911.html
平成27年司法試験予備試験 法科大学院生・大学生の大学別合格率(2015年12月8日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52141147.html
中央大法学部が都心(後楽園)移転、法科大学院と一体運用(2015年11月9日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52138400.html
中央ローが2016(平成28)年度入試から冬季試験を導入(2015年10月6日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52135156.html
平成27年司法試験 法科大学院別合格率ランキング(2015年9月8日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52131578.html
中央ロー2016年度入試合格発表(2015年8月31日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52130783.html
中央ロー2016年度入試出願者数959名(昨年▲117名、10.9%減)(2015年8月27日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52130340.html
中央ロー・大貫裕之教授「現状(予備試験への人気)が放置されるなら撤退も辞さない」(2014年6月17日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074664.html
中央大の姿勢に注目したい(2014年4月6日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52065646.html
中央大の苦悩 法学部の偏差値67.5→60.0(2013年10月19日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52043156.html

schulze at 18:42│Comments(1) 司法試験 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by ジェームス   2016年05月30日 21:42
〉朝日新聞社は一体、誰のために報道をしているのか
自社の為でしょう。

細かい話しですが、AERAの発行社は、株式会社朝日新聞出版、です。
7、8年前に朝日新聞社の出版部門が分離独立(会社分割)して、別会社になっています。

まぁ別会社なので一応、編集権は独立しており(建て前)、よって媒体毎で見解が相違していてもええやん、と言うつもりなのでしょう。

相手にしないことです。

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