2017年02月01日

第70期司法修習生の貸与申請者数は993人、申請率64.9%は過去最低

山中理司弁護士のウェブサイトに、第70期司法修習生の貸与申請状況のデータが掲載されています。
http://www.yamanaka-law.jp/cont4/31.html


貸与申請者数と申請率の推移(まとめ)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52148018.html
新65期 1742人 87.1%(採用者2001人)
*66期 1654人 80.8%(採用者2035人)
*67期 1449人 73.6%(採用者1969人)
*68期 1181人 67.1%(採用者1761人)
*69期 1205人 67.4%(採用者1787人)
*70期 *993人 64.9%(採用者1530人)
※「申請率」は、再採用者を含まない採用者数を母数とするもの。


申請率は年々低下傾向にありますが、過去最低となりました。

申請率をどう評価するかは、扱いがなかなか難しいところがあります。切り口によって、いかような解釈も可能である側面があると思うからです。
たとえば、申請率が高いということは、それだけ経済的に余裕がない人が多く、貸与という借金を多くの人に背負わせている、という解釈ができそうです。
しかし、一方で申請率が低ければ良いというわけでもなく、そのぶん貸与金に頼らなくとも経済的に余裕のある人たちが増えているということであり、貧困層が法曹を目指さなくなっている(=目指せなくなっている)という解釈も成り立つでしょう。

つまり、どっちに転んだところで問題提起ができてしまうわけですが、
申請率が年々低下傾向にあるということは、借金を背負うことへのリスクが浸透しているということのほか、経済的に余裕のある人が相対的に増えている(=経済面での多様性が失われている)ということは推測できそうです。

ところで、第71期からは給付金制度が導入されますが、給付額は従来の給費制時代の半額レベルであり、貸与の制度も継続すると報じられていますので、引き続き動向には注目したいと思います。


<参考>過去のデータの詳細へのリンク
(いずれも一聴了解様の記事です)
新65期 http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-41e1.html
*66期 http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/h2411-f437.html
*67期 http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/h2511-34a0.html
*68期 http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-7e6c.html
*69期 http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-acd7.html

※結果的に土壇場で給費制が存続となった新64期では、1,537人(78.5%)が貸与を申請していました。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51768362.html


<関連>
司法修習生の給費制 71期から月13万5000円で一部復活へ(2016年12月19日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52175065.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52175140.html
第70期司法修習生の採用者数は1530人 修習辞退率(3.3%)は依然として高水準(2016年12月27日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52175803.html
予備試験合格者はロー修了生に比べ司法修習の辞退率が明らかに高い傾向(2016年2月12日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52147295.html

schulze at 00:01│Comments(8)司法修習 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by 67ローヤー   2017年02月03日 22:07
若江先生の新館特別会費減額案は、会費事務所/企業負担の若手は全く恩恵にあずかれないし、そんなことで貸与制世代のサポートができたと満足されたら困りますね。

67期ですが澤野先生に入れますわ。澤野先生は「弁護士増員で経済状況悪化」という問題もしっかり言及してますしね
2. Posted by 海月   2017年02月04日 09:36
澤野先生は「検討します」というだけで、具体的方策は何も示してませんけど?

それに一弁で新館特別会費が徴収されるのは登録5年目からなので、登録当時は企業や事務所で負担してくれてる若手も5年目には(独立や移籍、雇用条件見直しなどで)自己負担になっている可能性もあるので、メリットは大きいのでは?
3. Posted by 67ローヤー   2017年02月04日 12:16
>>5年目以降は〜の下りは、たらればだからしょうもないですね
4. Posted by いっぺい   2017年02月04日 12:20
ボスに利益集まったところでしゃーないので澤野先生入れますわ
5. Posted by 海月   2017年02月04日 12:37
67ローヤー=いっぺい

ハンドルかえて澤野マンセーとはお疲れ様です。
上から指令でも出てるんですか?
6. Posted by schulze   2017年02月04日 12:43
管理人からもお願いしますが、複数のハンドルネームを使い分けるのはお止めください。
このエントリーでは一弁の会長選挙とは直接関係しませんが、どちらの候補も若手の経済的苦境に真剣に向き合ってくれるとは思えません。選挙向けに耳障りの良いことを並べているだけでしょう。
7. Posted by 貧乏弁護士   2017年02月05日 14:13
それだけ貸与の必要がない=裕福という層が逓増しているってことでしょう。貧乏人が司法試験受けられなくなったことが司法制度改革の最大の成果。

。。。一弁の澤野先生のDMがうちにも届いたけど、それみると見事に「検討します」のオンパレードですな。「実施します。」と書いてるのは「丁寧な研修」それだけw
若手の経済的苦境に真剣に向き合ってくれるかどうか疑問なのはシュルジーさんのご指摘どおりですが、困窮してる身にとってシンプルに会館特別会費50万円の半減を公約してくれるのはありがたいです。若江先生に一票。
8. Posted by 67ローヤー   2017年02月16日 00:49
露骨な利益誘導した若江さん落ちてるやん(笑)

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