2017年07月22日

法科大学院協会 大貫裕之理事長のメッセージ

法科大学院協会 大貫裕之理事長のメッセージ
http://www.lskyokai.jp/about.html
この間の関係者のさまざまな努力の結果、制度は安定化に向かっています。弁護士の活動領域は着実に拡大しており、活躍の舞台は、法律事務所だけでなく、企業、公務員、国際機関、国会議員政策秘書など実に多様になりました。弁護士の就職難といわれる状況も確実に解消されつつあります。司法試験に合格し司法修習を終えた者の97%が就職でき、しかも、弁護士5年目の年収(中央値−経費等を引く前の数字)は1,081万円と、安定した収入を得ています。
また、法科大学院の既修者コース修了者の司法試験の累積合格率(受験資格のある期間内に受験者が合格した割合)は約7割になっています。2017年度の法科大学院全体の定員は2,556名で入学者は1,704人です。政府が司法試験の合格者数の当面の努力目標とした1,500人を前提とすると、真摯に勉学に取り組めば入学者の大半が司法試験に合格できる状況になっています。
授業料免除や奨学金も一層充実してきており、法科大学院生も利用できる大学全体の制度も含めると、すべての法科大学院において給付型(返還不要)の経済的支援制度があり、奨学金だけで授業料や生活費をまかなう学生さんもいます。また、2017年から、司法修習生に対する給付金制度が新設され、基本給付として一律月額13.5万円、住宅給付として月額3.5万円が支給されます。さらに、学業成績が優秀な学生については、飛び級制度や早期卒業制度を利用して、学部3年+法科大学院2年で法科大学院を修了する道が拡充されています。













いやぁ、これはひどい!
ヽ(#`Д´)ノ

これほど神経を逆なでする文章もないでしょうよ。
(`・д・´)


「弁護士5年目の年収(中央値−経費等を引く前の数字)は1,081万円と、安定した収入」
→せめて弁護士会費ぐらいは、明示すべきでしょうね。
経費や税金、社会保障なども含め自営であることを考えれば、サラリーマンの年収1000万と同等であるかのように見せかけるのは、詐欺に等しいと思います。


さらに、あれほど給費制に反対していた法科大学院協会が、司法修習の給付制度のことをあたかも自分たちの成果であるかのごとく持ち出していることも、本当に腹立たしいことです。

<参考>
修習生の給費制維持は司法制度改革に逆行(法科大学院協会理事長所感、2010年10月12日)
http://lskyokai.jp/press/press09.html
貸与制移行を主張する法科大学院なんて、一体誰が信頼するというのか(2011年11月4日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51907815.html
鎌田先生「それ(補助金)を削って合格した人に回すというのは法科大学院の側から言うと納得はしがたい」(2013年7月15日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52029023.html


法律家を輩出するための専門職大学院だというのに、法律家の資格の価値を貶めて、経済的に苦しむような施策に賛成するような大学院が、人々に信頼されるわけがありません。

学生や卒業生である法曹の利益を守ろうとせず、学生さえ確保できれば何でも良いとばかりに自己に都合の良いことを連呼する法科大学院は、潜在的法曹志望者からそっぽを向かれ、いずれ滅びる運命を迎えるでしょう。




<卒業生のことなど「知ったことか」関連>
弁護士の就職難をものすごくうれしそうに語るロー教授(2017年1月6日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52176647.html
2014年 法曹養成流行語大賞「知ったことか」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52100455.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52073046.html

(元ネタ)法曹養成制度改革顧問会議・第7回会議議事録19ページ
「各地域の弁護士会から要請書というものがしきりに届いておりまして、それを見ますと、いろいろなことが書いてありますけれども、弁護士が増えて、収入が減って、事務所が維持できないみたいな話は結構多いのです。それは、我々としては知ったことかというつもりでありまして、数が増えて、需給が緩んで、価格が下がったから調整すべきという話は、ほかの分野ではあり得ないことだと思います」
法科大学院に目の敵にされる予備試験・・・ということで。(弁護士のため息)
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-810d.html
(改変)
「各地域の法科大学院から要請書というものがしきりに届いておりまして、それを見ますと、いろいろなことが書いてありますけれども、入学者が減って、司法試験合格者が減って、補助金も減って、法科大学院が維持できないみたいな話は結構多いのです。それは、我々としては知ったことかというつもりでありまして、入学者数が減って、需要が減ったから調整すべきという話は、ほかの分野でもあり得ることだと思います」

弁護士「保身」批判が覆い隠す現実(河野真樹の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-805.html
『ただ、ある意味、もっとも見過ごせないのは、彼の「知ったことか」というセリフかもしれません。通用しない弁護士の「保身」的論理ということをいわんがために、つい口から出たようにもとれる表現ですが、さすがにこの会議に参加している人間の自覚として、「知ったことか」はありません。弁護士がどうなろうと関係ないと、個人的にお考えになるのは自由ですが、その影響を気に欠けるつもりもないような姿勢では、どういう結論をあらかじめお導きになるおつもりなのか、と言いたくなります。いかに経済界からの参加とはいえ、この発言をもって、さすがにこれが同界の平均的な認識とまではいえませんが、もし、これが多くの経済人の本音だとするならば、弁護士界のなかにある「受け皿」作りの期待感など、どこでつなげていいか分からなくなります。「知ったことか」なのですから。今回の発言をはじめこの会議を見て、何よりも今、私たちが認識しなければならないと感じるのは、想像力が欠如したままスタートした「改革」が、依然として、それが欠如したまま、止まらないという深刻な現実であるといわなければなりません。』

ローを出ても「知ったことか」と思われるのでしょう。 (向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ)
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-11854695097.html
『改革派は、基本的に、法科大学院のために動くのがその仕事なのですが、法科大学院はもともと学生を法曹という人材に仕上げて送り出し、もって社会貢献することが「理念」だったはずなのに、いつの間にか、卒業生のことなど「知ったことか」という扱いになってしまっているようです。』

<関連>
【特別企画】成仏理論生誕10周年 フリートークエントリー(2016年3月29日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52150353.html
「それでも消費者から選択される」という自信はどこから来るのか(2015年10月28日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52137248.html
法曹志望者数回復「何とかならないか論」(2014年4月23日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52067851.html
消費者(=法曹志望者)を攻撃している時点でオワコン(2014年4月8日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52065942.html
改革推進側が語らないこと(2013年12月7日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52050099.html
どう見ても法科大学院は詰んでいる(2013年3月3日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52007722.html
法科大学院の理念や必要性は、志望者に強制しないことには、了解も評価もされないことを前提にしている(2012年5月30日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51955538.html
法科大学院へのブーメラン(2011年6月3日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51865739.html
「国家的詐欺」の本当の中身(2009年9月12日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51614170.html

法曹志望者数回復「なんとか」論の苦しさ(河野真樹の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-799.html
『批判を恐れず、見たまんまを言えば、法科大学院制度の側からすれば、とにかく「資格」が与えられる制度ということで「なんとかならないか」という発想にとれてしまいます。「受かりやすい」制度にさえなれば、とにかく「資格」ほしさに人は来る。しかも、そんなに「弁護士」の現実も将来も暗いのならば、「法曹有資格者」でどうだろう、と。そうだとすれば、そこから見えてくるのは制度維持の苦しさの方です。しかも、これは見方によっては、相当に現実と志望者をナメているようにも見えます。一方で受験資格条件を盾に志望者に負担を強制しながら、はっきりとした「価値」を提供できていない現実を棚に上げ、受験指導もしない(できない)で、合格率さえなんとかしてくれれば制度は維持できる。しかも、弁護士になりたくて法科大学院に来る(来ている)志望者の存在を百も承知でありながら、まるで「その先は弁護士さんの問題」と言わんばかりの姿勢かと思えば、いつのまにか目指すは「法曹」でさえなくなっている――。(中略)これで志望者は必ずや法曹界を目指すようになるはず、法科大学院もなんとかなるはず――。そう考えているようにとれてしまうと、そうした制度維持派の弁護士・会の姿勢も、もはや相当に苦しいように見えます。』


schulze at 00:00│Comments(10)司法試験 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by ロートル二年目弁護士   2017年07月22日 09:01
こんな記事みつけました

https://www.google.co.jp/amp/s/www.businessinsider.jp/amp/post-100342#ampshare=https://www.businessinsider.jp/post-100342

大規模ローの定員を減らした上で、空白地帯となった地域にもう一度ローを作るべきだそうです。
2. Posted by 弁護士HARRIER   2017年07月22日 16:00
法科大学院協会なんて何の力もないので放っておけばいいと思うし、法科大学院自体、もう完全なスティグマと化しているので集客力はほぼありません。お小遣いを支給するとかいう裏技を使わないと無理じゃないですかね。

もっとも、彼ら陣営はもとより学生について「どうなろうと知ったことか」と言い放っているので、学生がどうなろうと、業界がどうなろうと、どうでもいいはずです。

法科大学院さえ残ればどうでもいい人たちのいいうことなんか聞く価値はありません。

また、そこまでの局面に至ってもなお「法科大学院を法曹養成の中心に」と言い続けている日弁連は、もう処置なしです。内紛が起きて早くなくなることを望むしだいです。
3. Posted by やめべん   2017年07月22日 17:17
あれ?大貫教授って、ロー入学者が減少している現状について、「現状が変わらなければ撤退も辞さない」みたいな強気発言をしてたお方ではなかったでしょうか?
一転、入学者減少をロー進学の「売り」にされたのですかね。経営感覚は欠如しているようですが、商魂逞しいことで。
4. Posted by schulze   2017年07月22日 22:28
やめべん様
撤退も辞さない発言は、正しくは「(予備試験の現状が放置されるなら)撤退も辞さない」ですね。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52074664.html
入学者が減少するなら撤退も辞さない、という文脈ではなかったように記憶しております。

「撤退も辞さない」は「撤退したい」の意ではないですし、単なる脅しです。今回の法科大学院協会理事長としてのコメントとも矛盾しないとも思いますし、強気な部分であるとか、世の中をナメているとか、むしろ大貫先生の共通する思考が垣間見えるような気がします。
5. Posted by schulze   2017年07月22日 22:34
弁護士HARRIER先生
そう。問題は法科大学院側より、日弁連の姿勢ですね。そこを変えさせさせるには、どうしたら良いのか…考えあぐねています。弁護士による司法制度改革の反対運動は、どうしても法曹人口論に終始していて、司法試験の合格者数ばかりに焦点を当てているように思うのです。私はそこに不満を持っていまして、本丸は合格者数や法曹人口ではなく法科大学院制度(司法試験の受験資格制限)だと思っているのですが、地方の弁護士会も司法試験合格者数の声明は出すのに、法科大学院のことには触れないですよね。あれはどうしてなんですかね。
6. Posted by ローヤー   2017年07月22日 23:53
後藤昭もそうですがロー擁護派の学者って平気で嘘つきますよね
学者って比較的真っ当に生きてる人達だと思ってたけど認識改めざるを得ない
7. Posted by やめべん   2017年07月23日 00:58
ご指摘ありがとうございます。
たしかに、「撤退も辞さない」発言の直接の矛先は予備試験の現状です。
ただ、予備試験がロー志願者減少の原因と捉えているから、すなわち、ロー志願者減少は改善すべき「悪い状況」と捉えているからこそ、このような脅し発言をしたのではないでしょうか。
一方、今回のコメントは、あたかもロー志願者減少という現状をロー進学の好機であるかのように表現して、志願者を釣ろうとしている。こういうのは、二枚舌のように感じるのですが。
8. Posted by schulze   2017年07月23日 21:51
やめべん様
私からのコメント、やめべん様を批判する意図ではありませんでしたので、ご気分を害されましたらお詫びします。
大貫先生ご自身は、あまり深く考えていないように思いますが…。二枚舌という言い方が適切かどうかは分かりませんが、その度ごとに都合のよい発言を繰り返しているだけのような気もします。
9. Posted by 蚊弁   2017年07月23日 23:00
実務家からのこうした批判について、首都大学東京の堀田周吾先生は、馬鹿の一つ覚えといった趣旨のことをツィートされておられますね
10. Posted by 成仏教授   2017年07月23日 23:11
嘘つき天下りポスト拡大ゲット法科大学院法学部関係教授達は、労務費年間1000万円程度以内(教務関係事務局の事務員の人件費や大学の研究室の電気代やセキュリティ対策費等も含む)で研究して欲しいです。月13万円ボーナス等無しで餓え死にしなければいいんでしょ笑

コメントする

名前
URL
 
  絵文字