前回の記事の続きです。


前回は、『知がめぐり、人がつながる場のデザイン―働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ』という本の中で、デザインと言う言葉がどのように使われているのかの調査を半分だけ行いました。

中間結果としては、「学びの場」という何かだけがデザインの対象となるというよりも、「学びの場」という何かを中心として、デザインされるものがあるという印象でした。具体的には、以下がデザインされるものとして挙げられていました。
・学びの場
・メディアとしての食事、装飾、BGM、スタッフや人々の行動
・カリキュラム(習者の学習経験の総体)
・問いかけ

今回の記事は、続きです。同じようにして、デザインされるものを見ていきます。

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セミナーやフォーラムで「良質の問いかけ」をつくるためには、主催者側や事務局は講師を下支えするだけでなく、講師と一緒になってその場を創造する、という立ち位置にいる必要があります。セミナーやフォーラムやワークショップの設計とは、「コラボレーション」なのです。「この講師に話をしてもらうことで、自分たちはどんな問いかけを聴衆に投げかけたいのか」「この講師に登壇してもらうことで、自分たちはこの場をどう構成したいのか」といったことを念頭におき、聴衆の学習経験の総体を講師とともにデザインしなくてはなりません。

あなたのセミナー、フォーラムはデザインされていますか?

そして、

あなたに伝えないメッセージはありますか?

そして、

あなた自身は学んでいますか?

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ここでは、「セミナー」や「フォーラム」がデザイン対象になっていることが分かります。「場」と「セミナー」や「フォーラム」はどのような関係なのでしょうか?

それから、ここでは「設計」という言葉と「デザイン」という言葉が使われています。何か使い分けているのでしょうか?

次です。
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当日までの準備のうち、最後の仕事は、当日の会場の空間デザインを決め、各種の発注を行うことです。
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ここでのデザイン対象は「空間」です。もう少し引用して、このでの空間デザインの雰囲気をつかみたいと思います。
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[...] ラーニングバーにおいても、入口に「大きなのれん」をかかげ、そこから次第に視界が開けるよう空間配置に気を配りました。のれんをくぐり抜けてきた向こうには、異質な光景が広がるようにとデザインを施したのです。会場全体は、茶店のように見せる演出を施し、赤い和傘をレンタルしました。僕やスタッフは揃いの緑のはっぴを着て雰囲気を出しました。
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次に進みます。
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僕はこの「アイスブレイク」という言葉にどうも引っかかるものを感じてしまうのです。よくデザインされている場であれば、アイスブレイクは必要ない、と思うからです。そういう場では、わざわざテーマと関係ない小さなワークをやらなくても、「アイス=参加者間に存在する壁」は自然と消失してしまうように環境がデザインされています。
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ここでは「場」のデザインだけでなく、「環境」もデザインされるものとしています。「場」と「環境」、あるいは「空間」の間にはどのような違があるのでしょうか?

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ラーニングバーへの参加をきっかけにして、社外に「学びのコミュニティ」をつくっているという人も数多くいます。つまり、「誰かがデザインした環境」に参加するだけでは飽き足らず、自分自身がよりよく学べ、なおかつ、他者も学ぶことのできる機会や環境を自分の力でデザインしはじめた、ということです。多くの場合はひとりではなく、気の置けない仲間をともなって場づくりをはじめることが多いようです。
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ここでは、「環境」だけでなく「機会」もデザインされるものとしているように読めます。「機会」をデザインする、というのはちょっとイメージが容易でないかもしれません。


今回のまとめとです。以下がデザインされるものとして挙げられていました。
・セミナー、フォーラム
・空間
・環境
・機会

前回と今回をまとめると以下のようになります。
・学びの場
・メディアとしての食事、装飾、BGM、スタッフや人々の行動
・カリキュラム(習者の学習経験の総体)
・問いかけ
・セミナー、フォーラム
・空間
・環境
・機会


これらのものの関係を考えてみるのも面白そうです。