無題2卵生の双子より1卵 生の双子の方が、互いに顔がよく似ていることからも想像できるように、顔の形は、もって生まれた遺伝子によってそのほとんどが決められています。この顔の 形を決めている遺伝子が見つかったら、世の中はどう変わるのでしょうね。さすがに、その遺伝情報を使って、絶世の美男美女に変身するのは無理でしょうが、 犯罪現場に残されたDNAから、犯人のモンタージュを作ることはできるようになるかもしれないと考える研究者はいるようです。

 

オランダ・エラスムス医療センターの犯罪科学分子生物学部門に勤めるManfred Kayser氏率いる研究グループは、5000人以上のヨーロッパ人を対象に、MRIを使って測定した顔の立体画像から、両目や鼻の位置といった顔の特徴をよく表す9つの測定ポイント(写真)を設定し、そのポイント間の距離が長い人にはあって(もしくはなくて)、短い人にはない(もしくはある)ような遺伝子変異(1塩基多型)を探しました。そのような遺伝子変異をもつ遺伝子が、ポイント間の距離、つまり顔の形を決めている可能性が高いというわけです。

 

すると、顔の幅、両目の距離、鼻の高さなどの特徴(ポイント間距離)に影響を与えているような遺伝子が5つ見つかったのです。そのうち3つの遺伝子は、すでに顔の形成に関連していることがわかっていた遺伝子だったので、Kayser氏らの手法の正しさが確認された結果となりました。一方で、今回見つかった5つの遺伝子それぞれが、顔の形に与える影響の大きさは、それほど大きくなかったことから、顔の形を決めている遺伝子は、他にもっとたくさんあり、それぞれが顔の形に少しずつ影響を与えているのだろうということがわかりました。

 

というわけで、顔の形を決めている遺伝子探しは、ようやく始まったばかりのようです。実際の犯罪捜査で使われるようになるのは、まだまだ先のことかもしれませんが、日本もアジア人の顔を対象に、顔の遺伝子を探す試みを始めてもいいかもしれませんね。

 

本研究成果は、オンライン学術誌PLoS genetics913日付けで掲載されました。全文購読無料です。