13050一般的に睡眠は記憶を固定するのに必要と言われているため、試験前日の徹夜は最悪なのですが、逆に睡眠中の記憶の固定を促進してくれる方法があったとしたら・・・・?独・チュービンゲン大学のJan Born氏らが5月8日号の Neuron誌にて発表した方法を用いると、な、なんと記憶量がほぼ倍になったそうです。それも、意外に簡単な方法で。


Born氏らは、11名のボランティアに対し、1週間以上の間隔をおいて、2回の実験を行いました。一方の実験では、Born氏らの記憶強化法を試し、もう一方の実験は、それを試さない対照実験です。各実験において被験者には、モニターに順次4秒間現れる、意味的に関連性のある単語のペア120組を覚えてもらいました。その直後に、今度はランダムに一方の単語だけを表示し、その相方を当てるというテストを行ってもらったところ、その平均正答数は120問中56問でした。そして翌朝もう一度同じテストを行ったところ、前日のテストの後の睡眠時に記憶強化法を試さなかった対照実験では、平均正答数が前日の結果に比べて13問増加しただけだったのに対し、記憶強化法を試した実験では、22問も増加したのです。そして、この差は統計的にも有意な差でした。


では、Born氏らの行った記憶強化法とはどのような方法だったのでしょうか?それは、深い睡眠状態のときに現れる、1秒間に1回という非常にゆっくりしとした周期の脳波(SO)に同期させた音を聞かせるだけという簡単なものだったのです。この聴覚刺激により、元々記憶固定に関与していることが知られていたSOが強化された結果、記憶の増強につながったと考えられるようです。もちろん、SOの周期に同期させない聴覚刺激に同様の効果は認められませんでした。


脳波測定用ヘッドセットとイヤホンをiPhoneにつないだ、睡眠時記憶強化アプリが登場する日も近いかもしれませんね。