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【両親の遺伝的差異が大きくなるほど】

7月1日・英エジンバラ大:

両親の遺伝的背景が異なっているほど、子供の身長は高くなり、頭が良くなることがわかった。

近親婚で両親から受け継ぐ遺伝子が似てくると遺伝病など単一の遺伝子に起因する病気などにより適応度が低下することはすでにダーウィンが指摘していたが、実際のところヒトで見られるような、そこまで遺伝的均質性が高くない集団では、その遺伝的均質性が高くなるとどういう影響があるのかよくわかっていなかった。特に複数の遺伝子が関与する量的表現形質では、関与する遺伝子のいくつかがホモであってもそれが全体にどのような影響を及ぼすか推測しにくいからだ。

今回、16の量的形質について、102の集団に属する合計35万人以上の大規模データを用いて、高密度ゲノムSNPアレイによって調べた遺伝的均質性と相関する、言い換えればそれによって影響を受けていると考えられる量的形質を調べたところ、これまでのより小規模な研究で指摘されてきた血圧やコレステロール値ではなく、身長、肺活量、一般認知能力、最終学歴の4つの形質が見つかった。

これらの形質はすべて遺伝的均質性が高くなるほど、値は低くなる傾向があった。例えばいとこ同士の子供は親より身長が平均で1.2センチ、最終学歴が10か月短くなるという。またこれらの形質は、血圧やコレステロール値とは異なり、病気など何らかの適応度の低下につながるとは言えないことから、ヒトの場合、遺伝的均一さの弊害ではなく、遺伝的不均一さの利点が原動力となって進化したと考えられる。

Peter K. Joshi, Tonu Esko, Hannele Mattsson, Niina Eklund, Ilaria Gandin, Teresa Nutile, Anne U. Jackson, Claudia Schurmann, Albert V. Smith, Weihua Zhang, Yukinori Okada, Alena Stančakova, Jessica D. Faul, Wei Zhao, Traci M. Bartz, Maria Pina Concas, Nora Franceschini, Stefan Enroth, Veronique Vitart, Stella Trompet, Xiuqing Guo, Daniel I. Chasman, Jeffrey R. O'Connel, Tanguy Corre, Suraj S. Nongmaithem et al. Directional dominance on stature and cognition in diverse human populations. Nature, 2015 DOI: 10.1038/nature14618