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サイエンスあれこれ

万年駆け出し、自称サイエンスライターの神無・久(かんな・きゅう)改め「サレコレ」が今の科学を伝えます・・・よう努力します・・・

2011年09月

28 9月

ゲーマーが人類を救う?(続編)

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年ほど前に本ブログでも取上げました、ゲーマーによるタンパク質構造解析の話に、最近新しい展開があったようです。今回は、一般メディアでも結構大きく取上げられているの で、もうすでに耳にした方も多いかと思いますが、前回と今回ではその内容に大きな違いがあります。前回が予測精度を確かめるために、すでに構造決定されて いるタンパク質を使った、いわば練習問題だったのに対し、今回は、研究者が長年格闘した末、果たせなかったタンパク質の構造決定を、ゲーマー達があっさり 達成してしまったという快挙なのです。まさに好きこそものの上手なれですね。この成果は、『Nature Structural & Molecular Biology』の918日付けオンライン速報版に掲載されました

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26 9月

なぜヒトはボケるのか〜後編

00000339511-00000239253前回からの続き)

■ ケース2

死ぬまでボケない脳が夢ではないと期待させてくれるもうひとつの論文は、『Nature』誌91日号に掲載されました。米スタンフォード大学のTony Wyss-Coray氏率いる研究チームが、老化に伴う脳の機能低下の原因と考えられる血中タンパク質を同定したというのです。

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23 9月

なぜヒトはボケるのか〜前編

00000339511-00000239253なぜヒトは齢をとるとボケるのでしょう?なぜって、そんなの古くなった機械の調子が悪くなるのと同じで、古くなった脳がボケるのは当たり前じゃないの?なんて思ってやしませんか?いやいや、それはちょっとあきらめが早すぎるというものです。最近報告された2つの論文は、ボケることが絶対に避けられないものなどではない可能性を指摘しているのですから。

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21 9月

遺伝子ごとの転写・翻訳のスピードは?

200961111遺伝子であるDNAからメッセンジャーRNAmRNA)が転写され、それが次にタンパク質へと翻訳されるという、よく知られたこの流れの速度解析は、これまでいくつかの限られた数の遺伝子についてか、もしくは全遺伝子の平均としてしか行われてきませんでした。マックス・デルブリック・センターのBjörn Schwanhäusser氏らは、パルスラベル(短時間標識)した細胞内の全mRNAと全タンパク質を、それぞれ次世代シークエンサーと高速液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析装置(LC/MS/MS)で同定することにより、個々の遺伝子について、それがタンパク質へと翻訳されるまでの速度解析を行いました。この成果は、『Nature』誌519日号(2011; 473: 337-342)に掲載されました。

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16 9月

世界初、1分子電気モーター

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小さくするにもほどがある。何と
1分子で作動する世界最小の電気モーター(冒頭図)を作ってしまった人たちがいるのだ。これまでも、1分子電気モーターは、モーターと電極が正しく配置されれば、理論的には可能と言われていたのだが、成功した人はいなかった。今回の成功の秘訣は、全米にまだ100台ほどしかない最新の走査型トンネル顕微鏡を使うことで、顕微鏡から出るトンネル電流を電源としてモーターを動かし、同時にモーターの回転を観察することができた点にあるようだ。

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