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サイエンスあれこれ

万年駆け出し、自称サイエンスライターの神無・久(かんな・きゅう)改め「サレコレ」が今の科学を伝えます・・・よう努力します・・・

2015年02月

27 2月

運動するとストレスが解消されるのは何故?

hamstring_stretching_exercise【運動するとストレスが解消されるのは何故?】2月23日・米ジョージア大:ガラニン(galanin)と呼ばれるペプチドが運動によるストレス解消に関与している可能性が示唆された。ラットにガラニン受容体拮抗剤を与え、ガラニンが機能しないようにすると、運動しても不安やストレスが解消されなかった。逆に外からガラニンを与えると運動させなくても不安やストレスを感じなくなった。これらの効果はシナプスの可塑性を維持できたからだと、運動しないと減って、運動したり、ガラニンを与えたりすると増える前頭前皮質の神経樹状突起の数の変化から推定された。 news.uga.edu/releases/artic…

posted at 06:49:56

Sciolino NR, Smith JM, Stranahan AM, Freeman KG, Edwards GL, Weinshenker D, Holmes PV. Galanin mediates features of neural and behavioral stress resilience afforded by exercise. Neuropharmacology, 2015 Feb;89:255-64 DOI: 10.1016/j.neuropharm.2014.09.029

26 2月

本当の日焼けは日光を浴びたあとに

large【本当の日焼けは日光を浴びたあとに】2月19日・米エール大:本来紫外線によるDNAへのダメージを防ぐはずのメラニンが、紫外線を受けた後のDNAへのダメージに関与していることがわかった。 その割合は、紫外線を浴びている間に受けたダメージと同程度だった。一方、メラニンを含まない細胞ではDNAへのダメージは紫外線を受けている間だけだった。紫外線によって生じた強力な酸化物質、過酸化亜硝酸が核内でメラニンの分解物と反応しそのカルボニル基の電子を3重項状態へと励起し、そのエネルギーが解放されるときにDNAにダメージを与えるというしくみらしい。化学励起と呼ばれるこの現象は紫外線がなくなっても数時間続きDNAへダメージを与え続けるというわけだ。研究者らは引き続き、この日光を浴びた後の日焼けに着目し、その進行を抑える薬を開発中とのこと。news.yale.edu/2015/02/19/sun… via @Yale

posted at 08:51:30

Douglas E. Brash et al. Chemiexcitation of melanin derivatives induces DNA photoproducts long after UV exposure. Science, February 2015 DOI: 10.1126/science.1256022

25 2月

中東トイレ考

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日常生活もっと言えば生理現象に密接したものほど異文化に触れた時の驚きもひとしおです。トイレはその最たるものかもしれませ ん。ただしここではきれいだとか衛生的だとかという主観的な話をするつもりはありません。ただできる限り客観的に日本のそれと比較し、一見どうして?と思 うところに何らかの合理性があるのかどうかを探ってみたいと思うわけです。ただその考察は今だ道半ばであり多くの誤り、勘違いもあるかもしれませんが、適 宜内容の更新に努めることでご容赦頂ければと存じます。
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24 2月

インドヨーロッパ(印欧)語族の起源に決着か?

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"IE expansion" by Dbachmann (トーク ・ 投稿記録) - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

【インドヨーロッパ(印欧)語族の起源に決着か?】2月13日・ScienceNews:異なった手法で独立に行われた最近の2つの研究結果を合わせると、印欧語族の起源は5,000–6,000年前の黒海・カスピ海北方(現在のウクライナ)とするクルガン仮説(上図)が有力になってきたようだ。これまで有力だった8000–9500年前のアナトリア(現在のトルコ)を起源とするアナトリア仮説(下図)より数千年遅れたことになる。

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23 2月

ミトコンドリア(mt)DNAは細胞間を移動する?

index【ミトコンドリア(mt)DNAは細胞間を移動する?】2月10日・グリフィス大(オーストラリア):もしメカニズムまで明らかになれば教科書を書き換える大発見かもしれない。ミトコンドリア内のDNAを薬剤によって枯渇させたガン細胞を移植すると、宿主細胞のmtDNAを取り込んで、段階的にミトコンドリアの機能が回復したが、それに合わせるようにガンも悪性化した。どのようなメカニズムで宿主のmtDNAを取り込むのかは不明だが、少なくとも悪性化にはミトコンドリアの機能回復が必須だということもわかった。 app.griffith.edu.au/news/2015/02/1…

posted at 20:08:15

An S. Tan, James W. Baty, Lan-Feng Dong, Ayenachew Bezawork-Geleta, Berwini Endaya, Jacob Goodwin, Martina Bajzikova, Jaromira Kovarova, Martin Peterka, Bing Yan, Elham Alizadeh Pesdar, Margarita Sobol, Anatolyj Filimonenko, Shani Stuart, Magdalena Vondrusova, Katarina Kluckova, Karishma Sachaphibulkij, Jakub Rohlena, Pavel Hozak, Jaroslav Truksa, David Eccles, Larisa M. Haupt, Lyn R. Griffiths, Jiri Neuzil, Michael V. Berridge. Mitochondrial Genome Acquisition Restores Respiratory Function and Tumorigenic Potential of Cancer Cells without Mitochondrial DNA. Cell Metabolism, 2015; 21 (1): 81 DOI: 10.1016/j.cmet.2014.12.003

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