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ヒトは、サルと比べて個体間の遺伝的差異が非常に少ないこと、それは、かつてヒトの個体数がかなり少なくなった時期があること(ボトルネック)を意味していることなどを、以前お話したかと思うのですが、今回はそれについての新しい説をご紹介します。

 

そんな遺伝的多様性の少ないヒトですが、それでもアフリカの人々は、それ以外の地域に住む人々と比べて遺伝的に多様であることが知られています。これは、およそ5-6万年前にアフリカを旅立った、そしてその後世界中に広がったヒトにおいて、ボトルネックが生じたことを意味します。でも、いつ、どこで、どのような苦難に出会って、個体数が激減したのでしょうか?もしくは、そんな特別なことが起こったわけではなく、少しずつ少なくなったのでしょうか?

 

最近行われた、世界中に分布する人間の53集団におけるマイクロサテライト(人類の遺伝的差異の大部分を占める遺伝子領域)解析の結果、中東に住む集団と北東シベリアに住むヤクート族の集団の先祖において、ボトルネックが生じた可能性が高いことが示されました。なぜなら、これらの集団と地理的にアフリカからより遠くの位置で接しているお隣の集団内の遺伝的差異が、これらの集団内の遺伝的差異より特別小さかったからです。つまりこれらの集団が、さらにアフリカから遠くへ進出する過程で、遺伝的多様性を失ったというわけです。

 

これによってどのようなシナリオが考えられるか?まず、5-6万年前にアフリカを旅立った集団は、早速最初のボトルネックを中東のどこかで経験しました。中東といっても広いので、その原因はたくさん考えられるのですが、ヒマラヤ越えに伴う苦難などもそのひとつかもしれません。次に人類は、当時陸続きだったベーリング海峡を渡るときに、2回目のボトルネックを経験しました。

 

もちろん、過去にさかのぼって確かめることはできませんので、これはひとつの仮説に過ぎませんが、人類が大変な苦難を乗り越えて、世界中に分布したのは確かなようですね。

 

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