はこだて国際科学祭2009速報ブログ

はこだて国際科学祭2009の各イベントを,はこだて科学寺子屋の受講生たちがレポートします。

未来の昆虫学者へメッセージ

8月30日、函館市営熱帯植物園にて、小学生を対象とした昆虫学集会が行われました。このイベントは、講演者として函館短期大学の林原和哉氏をお招きし、道南に分布する昆虫を紹介するというもの。植物園園長の酒井さんは「これをきっかけに、自然に関心を持ってもらいたい」と話していました。

koncyu1

北の大地で南国の花々と出会える函館市営熱帯植物園に、世界のクワガタとカブトムシが集結。はこだて科学祭の一環として本園で催された「昆虫学習会」では、小学生を対象に、道南に分布する昆虫に関する講演が行われました。
主な内容は、名前当てクイズとして出題された昆虫の生息地、生態、食性などを解説するというもの。正解者は外国産のクワガタやカブトムシをもらえるという特典から、子供たちは競うように手を上げて答えていました。スクリーンに昆虫の写真が写された瞬間、会場中に飛び交うたくさんの「ハイ!」という声に圧倒された保護者の皆さんも多かったはず。素人の私には分類すら分からない問題ばかりでしたが、中には長いカタカナ語の種名を正確に答える強者も現れ、出題者が「素晴らしい!」と、驚きを隠せない一面もみられました。
出題された昆虫は、増殖しすぎてモンシロチョウの存在を脅かすオオモンシロチョウや、毒性のあるジャコウアゲハに擬態しているアゲハモドキ、米国の農業に害を与えるマメコガネなどで、それらがみられるようになった経緯も合わせて解説されました。講演者である函館短期大学の林原和哉氏は「問題意識を持つことが何より大切です」と、未来の昆虫学者たちにメッセージを送っていました。
また、道南に分布するクワガタやカブトムシが好む樹木の見分け方や、飼育法についての解説もされました。参加者全員にそれらがプレゼントされることから、お母さんたちの「ちゃんと聞いておきなさいよ」という耳打ちと、「大丈夫!」という自信満々の返答が、あちこちから聞こえてきました。ここ数日で急に肌寒くなった函館。林原さんからの宿題「越冬させてくださいね。」を達成すべく、今日から各ご家庭で飼育に奮闘する子供たちの姿が見られそうです。
講演終了後、七種ものクワガタの名前を当ててヘラクレスオオカブトをもらった男の子の周囲には人だかりができていました。「すごいね。128ミリメートルもあるなんて大きいね。」と声をかけると、「もらえてうれしい。でもね、これの仲間のヘラクレスレイディは180ミリメートルもあるんだよ。」と、昆虫博士の顔をして答えてくれました。

koncyu2

広く深い昆虫の世界をのぞき、興味の種をまかれた子供たち。いつかどこかで、紹介された昆虫を目にしたとき、あるいは将来、自分の子供が「クワガタを飼いたい」と言い出したとき、今日のことを思い出してくれるに違いありません。

(レポート:大西 由花)

爆発おじさんついに現る―ドクター・バンヘッド サイエンスショー

9日間に亘って開催されてきた、はこだて国際科学祭の最終日の8月30日(日) 函館市民会館大ホールで、ドクター・バンヘッドのサイエンスショーが行われました。(13:00開演)
この日は同所で財団フェスティバルも開催されており、たくさんの人で溢れ、会場はまさにフェスティバル!の賑わいでした。
バンヘッドのショーの当日券を求めて、老若男女いろいろな方が列をなすなか、朝7時から並んでいたという先頭の家族連れは、椅子や毛布まで持参で、このイベントに対する市民の方の関心がとても大きいものだと感じました。

オープニングはおよそ科学実験ショーとは程遠い、怪しげな雰囲気から始まりました。
照明とスリルに満ちた音楽のあと、オレンジ色のツナギと帽子で登場した科学者らしからぬ変なおじさんのドクター・バンヘッドは、いきなり風船を「ボン!!」  観客の心をグッとつかんでしまったのでした。
「スイソー!」「サンソー!」「ヘリウム!」と片言の日本語を交えながら、次から次へと燃焼実験などを繰り広げていきます。色とりどりの風船や泡が、さまざまな実験によって爆発していきます。
会場から選んだボランティアにも白衣やゴーグルを渡し、言葉が通じなくても、同じサイエンティストとしてアシスタントさせるその手馴れた様子は、世界各地での経験で培われた賜物なのでしょう。実験のショーでありながら笑いが絶えず、しかし常に会場には緊張感が漂っていました。
「キティちゃーん」「アンパンマーン」と日本のこともきちんと調べて準備して使用する、サービス精神もとっても旺盛なドクター・バンヘッド。
同時通訳のための受信機を使用するというハンデをものともせず、子どもから大人までさまざまな笑い声や驚きの声があがっていました。

ショーの後、インタビューさせていただいた桔梗から来た親子連れ(母と小6の女子)は、「最前列で興奮しました。ドキドキして楽しかった。受信機は快適に使えました。また来年も来てみたい。」(母)「いろんな事を予想しながら見られた。おもしろかった。」(小6女子)などと、それぞれ興奮気味に答えていただきました。

翌日、ワークショップを終えた素顔のドクター・バンヘッドことトム・プリングルは、はこだて国際科学祭のクロージングパーティにも参加し、学生達やカフェの人たちとも気軽に会話を楽しんでいました。好奇心はとても旺盛で、むしろ自分のことを知らない人に「スイソー!」「サンソー!」。どんな人をもたちまち「たのしい科学」の入り口に誘う!!そういうオーラを感じました。
普段から予想のつくものを見慣れている私達ですが、よくわからない外国人のおじさんが函館に来て、そして何が始まるのか。
予想のつかない緊張感とワクワク感、そしてあの不思議でショーのような科学実験は、子ども達はもちろんのこと、大人たちにも非日常的な出来事として記憶に残るのではないでしょうか。

(レポート:加藤 加奈女

舞台裏からみるサイエンスショー~ドクター・バンヘッド サイエンスショー~

bunshow

8月30日(日)、函館市民会館大ホールではイギリスから来た科学コミュニケーター、ドクター・バンヘッドによるサイエンスショーが行われました。爆発をともなう過激なショーは、見に来た人々に科学の楽しさを伝えるものでした。

サイエンスショーでは、水素と酸素を混合して入れた風船を燃やして大爆発を起こしたり、頭の上に水素の入った泡をのせて火をつけ爆発を起こすなどの、日本のサイエンスショーでは見られない過激なパフォーマンスが繰り広げられました。舞台の上でのバンヘッドさんは、いわゆるマッドサイエンティストに見えるかもしれません。しかし、その背景には綿密に練られた計画と準備があります。

バンヘッドのサイエンスショーの準備は8月29日の午後から行われました。実験機材を市民会館に運びいれて、サイエンスショー当日の流れをスタッフと確認しました。準備をするバンヘッドさんは、本番の姿からは想像もできないほど真剣な顔をしていました。実験の手順がびっしりと書かれたぼろぼろのノートを確認しながら、バンヘッドさんは機材の動作確認や機材の配置を丁寧に行います。ステージと観客席を行き来して、何度も機材の配置を変えたり、舞台上で行われる実験をバックスクリーンに拡大して映すカメラの微調整を行います。世界400か所以上で1000回を超えるショーを実施してきたバンヘッドさんのプロの仕事は、本当に丁寧なものでした。

本番を終えたバンヘッドさんから「ショーのはじめ、観客はおとなしく、緊張しているようでしたが、ショーが進むにつれて緊張がとけて盛り上がったようでした。日本の観客は、イギリスの観客と比べるとおとなしいのが印象的でした。」、と感想をいただきました。この感想に対して、バンヘッドさんの通訳の方から「日本ではこのようなサイエンスショーに触れ合う機会がすくなく、慣れていないからだと思います」、という意見をもらいました。

舞台裏にいたスタッフからは「準備が印象的でした。安全にとても気をつかっていました。」、「このようにイベントでサイエンスショーをやるのはとても意味のあることです。教育的なことや、科学の危ないところを子供たちに教えることになるので、もっと日本に広めてほしいです。」、「しっかりとコントロールされた実験で、とてもよかったです。」、と感想をもらいました。

サイエンスショーは、取扱いに注意しなければいけないものを多く使います。バンヘッドさんはそれらのものを非常に厳しく管理しており、その姿はすごく刺激になりました。バンヘッドさんのサイエンスショーのような一般の人に科学の楽しさを教えるイベントはとても意味のあるものだと思います。バンヘッドさんの来日は、今後の日本のサイエンスショーに大きな影響を与えたのかもしれません。

(レポート:宮部 好克
カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ