東十条無頼

東十条の夜を彷徨い続けるオトコ独り、その妄想ロンド

俺の夜/タイフーン19号襲来 !! そして皆同じ月を ……

―― ごめん ――
―― ね ――

【R1.10.11 金曜日】

タイフーンの直撃がもはや避けられぬ状況の中、職場を出たのが午後6時。
一直線に上野松坂屋地下のパン屋さん「アルサスローレン」に向かうも、やはり誰も考えることは同じようで(日持ちする食料であってもより美味しいものを求めていく気持ちは同じようで)、商品が棚からきれいさっぱり無くなっていて、レジスタカウンタは既にclose状態である。

―― ああ、やっぱ出先から一旦帰社したときに調達しとけば良かったよ …… でもパン屋のパンパンの袋を抱えて帰社する売れない営業マンに突き刺さる視線っていうのがどんなもんかと考えると、それも空恐ろしいものがあるけど ……

12-10-2019 011-15-36 AM
“死して尚相手を威嚇し続けるハサミをリスペクトしつつ ……”

その後赤羽駅の「フェルツ」というパン屋でも、店こそ開いていたもののやはりほとんど棚にパンは残っておらず、レジまでの最後の行列に恐れおののき踵を返し、そのまま十条駅に。
そして今度は十条銀座のアーケードの中、「石窯パン工房」というパン屋を覗いたら、やはり同じくほとんど商品が並んでいない中にカレーパンが二つ残っているのが見え、勢い突っ込んで巨大なメゴチバサミ(メゴチバサミではない)とトレイを構えてそれを掴んだら、カレーパンからカニのハサミがにょきりと突き出ているではないか !
これは何事かと思ったら季節限定カニクリームシチュウパンというものらしく、ちょっと怯んだがそのまんま一つだけ購入

12-10-2019 011-08-15 AM
“何故に「パン屋の !」の謎の溶けぬまま ……”

それはいいんだけど、棚の上に並んでいた“パン屋さんのスープ”というのを、一つ220円もするのに血迷ってミネストローネとオニオンスープの2種、購入してしまう。

―― いったい何の為に ?(笑)

それだけでも結構な出費となったのだが、これではまったく非常食の確保という意味を為していないではないか !(笑)

12-10-2019 011-21-56 AM
“2食入り 95円 !!”

ということで更にアーケードを進み、突っ込んだスーパーマーケットにてラーメンを購入。
となれば味噌の生即席麺であったがこれが2食入り95円 !! に消費税と、十条商店街の実力をまざまざと見せつけられた次第。明日一日だけ持ちこたえれば良いと考えれば、もうこれで十分であろう。寧ろ、一日味噌ラーメンを二度食べたくはない(笑)。

その後仲通り商店街のカレー屋で初めての飲みを試み、いつもの居酒屋にchina-girlたちの幻影を追いかけ、演芸場通りをつたって東十条に堕ちて終点、私の酒人生にとっての東十条南口において“最初で最後の階段”を上がった。
カウンターには俺の店に知らない客都合二名と、そして前々から腐れ縁ではあるけれど“違う”人がカウンターの向こうに陣取っているということこそが哀しい。
もうすべて、これから迫りくる最大最強のタイフーンで吹き飛ばされてしまえばいい ! その時はほんとうにそう思った ……

05-10-2019 017-42-04 AM
【R1.10.12 未明】

やがて日付が変わり、朦朧とする意識の中でSちゃんに堪らずにLINEしてしまう。人間として最悪な行為だということは分かっていたが、それでも。
目の前の根性の曲がった女の人は(笑)家に幼子を抱えているということもあり、近づきつつあるタイフーンに不安を隠せない。なので武士の一分で千葉の田舎出身のその人に、この辺りの治水の歴史を教えてあげる。
この辺りの歴史は江戸時代からそのまんま治水の歴史で、それもそのはず荒川は文字通りに頻繁に洪水を引き起こす荒っぽい川のこと。だから昔の人たちは明治の終わりに前代未聞の大工事である今の荒川放水路を着工、それが大正の初めに完了し(付帯工事のすべてが完了したのは昭和 ?)、その後どれだけ更新されたかは知らないけど、俺の子供の頃にも土手の高さはそれを増し、一先ず自分が生まれてきてからは荒川土手、そして隅田川の護岸を越えてくるような水害は起こっていないので、一先ずは安心出来るのだと。

―― でも常にそれを超えてくるのが自然なんだけどね、と付け加えなければならぬことも忘れはしない。だから、結局自然は怖いって当たり前のことを言ってしまっただけのことなんだけど ……

05-10-2019 015-04-40 AM
千葉の田舎者(そのBarの人)は、荒川放水路が人工の河川だと知ってかなり驚いているよう。
余談ながら、私の住む町に江戸時代に入植してきた人たちの末裔の家柄が二つあり、現在もかは知らないが名主として町を二分していた。そこで確か小学校の社会科見学だったと思ったが、内一方の屋敷を見学させていただいたことがある。
その屋敷は、盛り土の上に建てられていることに加えて軒先にはワカサギ釣りのボートをもっと細身にしたような大きさの舟が吊られており、この地域の水害との戦いの歴史を感じさせるに十分なものであった。

時刻は午前二時に達し、もう店を仕舞うというオーナーを詰りつつ階段を下りた。
その頃には鉄道各線は概ね明日、というか今日の運休を決めており、丸一日缶詰になろうことは間違いない。だから今夜どれだけベロンベロンになってもかまわない、いや、ベロンベロンにでもならなければ間が持たないと自分を痛めつけるように飲み続けて、今まさにぼろきれのように闇夜に静まりかえった町に放り出される。
もう何度も何度も味わった孤独だが未だに慣れることはなく、それはこれからも同じだろう ……

それでも生きていくのが人間とはいえ ……

05-10-2019 017-37-39 AM
【R1.10.12 目覚めてそれから】

最初のうちはまだ風雨もおとなしく電子日誌などの更新に勤しんでいたのだが、午後にかけて問答無用に鳴り響き始めたスマホや会社の携帯電話の非難警告。加えてアナログ電波を拾えなくなってからというものただの箱と化していたブラウン管テレビをとうとう捨て去り、そこからテレビ無しの生活を続けていた私だが、それにしてもとつけておいたスマホのワンセグ放送からも次々と放送中の緊急速報のチャイムが鳴り響き、局地的に、自分ちの前だけであればこの程度の風雨は散々体験してきた規模だろうと思いつつも、この鳴り猛るアラートの雨あられにはさすがに恐怖を覚えてくるのは、これは年のせいであろうか ……

激しい二日酔いの中でひっくり返ってその一日を無くしてしまおうという作戦であったが、このけたたましさの中では逆に気分が冴えてきてしまう(笑)。
俺の荒川放水路、またこの町に備えられた相当に大容量であるはずのポンプ場の排水ポンプは、今この瞬間にも自身に与えられた最大限の仕事を文句も言わずに果たしているに違いなく、何の為す術もない自分の無力さが募る一方 ……

05-10-2019 015-15-58 AM
【そしてR1.10.13 未明】

なんだかんだ眠りに落ちて、夜中の3時前に警戒速報でふたたび起こされトイレにいって、ふとカーテンを除けて窓から覗いた西の空には、それはそれは神々しくも満月のお月様が、もうまぶしいくらいに光り輝いていて ……

―― ああ、だから大潮とぶつかって高潮被害の警戒が、となってたのか ! とあらためて。それにしてもこのえも言われぬ美しき月。嵐が去るってこんなにも象徴的なことなのかなぁって、もう感動さえ覚えちゃうわよ。きっと江戸時代の水害に藻掻いてた人たちも同じように見上げていたんだろうなあ、この神々しいお月様を ……

そして恐る恐る、どんな送信をしてしまっていたのかと恐れおののいていたSちゃんへのLINEを開く。そこには夥しい数の、社会人一年生の若い女の子に対する中年男の熱い思いの丈が、しかも一方的に綴られていた(笑)。見るも涙、語るも涙の光景。Sちゃんの返信を、辛うじてそこに一言だけ見つけた

Sちゃん 「明日も仕事だからもうやめて」
俺 「ごめん」
俺 「ね」

―― 何故“ごめん”と“ね”を分けたのかが分からない (笑)

錦/お米はササニシキ使用 ! かは知らない4

傘をさすかささぬかくらい、うっすらと雨の浅草。
まだ正午に達していないが、外国人観光客はもう余裕で稼働している。浅草松屋の向かいのアーケードからは、もう卒業しなければならないだろう。いや、自分自身どこかで何かを成した上で戻ってくるということであればよかろうが、このままではいつまでも乳離れできない子供と一緒のような気がして。

そんな葛藤を経て、雷門をパーシャルスロットルで通過。いつもとは指向をかえて、徒歩で田原町へと向かう途中でご飯処を見つけようという作戦である ……

<R1.10.11>
11-10-2019 012-02-42 AM
「錦」

黄色をイメージカラーとする、新興中華居酒屋とは明らかに一線を画し、どちらかと言えば昭和の町場の中華屋を思わせる店構えを見せるこちらを雷門通り反対側から発見。信号を渡って前まで行くと看板に“浅草一”とあったので、それを信じて(嘘)ドアを引く。
が、目の前に広がったのはイケイケドンドンの居酒屋風伽藍堂で(伽藍堂なのは未だ時間が早いからだが)、対応してくれたのも十分に大陸系の女の子であったことには、ちょっと肩透かしくらってしまったかな。

BGMは奥のテレヴィジョンからのインフォメイション、台風19号の迫る猛威。
東海道新幹線/東京~名古屋間の明日始発から終日運休を筆頭に様々な路線、様々な公共交通機関で計画運休が実施されるという。
我々サラリーマンは悪天候で公共機関が運休となったとき、ほんとうに手段がなくなった時には遅刻で済まされるかも知れないが、彼らの場合には例え電車を止めていても現場の保守保全やら日常起こりえない安全点検やら、またそこからの再開時にも莫大な労力が伴うだろうし、大変だろうなあと。

―― その点、生徒が夏休みになったら一ヶ月以上まるまる休んで給料貰える学校の先生はいいよなぁ ……
(ないない ! 先生だって生徒が夏休みのとき、何かしてるはず。何らかのことを/笑)

11-10-2019 011-44-14 AM
Aセット
“支那麺・餃子4コ・半ライス” @900也。

先ず支那麺というのがラーメンなのか何なのか、ということに警戒するラーメン屋に長けていない私であるがしかし、そうとしか考えられないので果敢に注文してみた。ほんとうは最近の流れで“餃子定食”的なものをやりたかったのだが、ぱっと見みつからなかった為。
しかし白いご飯と餃子と、そしてラーメンを味わえるこの揃いものは、リスクの分散という観点からも(笑)私にとって願ってもないものと言えるだろう。

果たして小姐が持ってきてくれたそれらは、お店の外見的佇まい方向に振れたどこか懐かしいラーメン、餃子であった。
ご飯の白さとうっすらとした粘りは、我々がいつも口にしている日本のご飯と同等の違和感のないものであったことが嬉しい。ラーメンもそこら辺の町場の中華屋さん仕様で、ふつうに美味しいやつであった

11-10-2019 012-00-45 AM
最近いきつけのカレー屋さんの使用頻度が上がるとともに、これは宿命的に、そのインドカレー店舗量産パッケージングに従ったカレーの画一感がどうしても“厭き”を生じさせ、カレー屋ではない居酒屋使いの利くところ、ということはシンプルに考えて中華屋となろうが、王子、十条の幾つかの敷居を跨いでみても、このお酒と餃子の相乗という最低限、且つ最大のマッチをみせてくれるお店がなく絶望しているところであるが、こんな餃子でいいんですよね、ボクは ♪

特筆すべき点は繰り返しとなるが、ご飯の美味しさ、というよりも日本人にとっての“普通さ”で、大陸系の中華居酒屋ではまず見られないものと感心させていただいた次第。
何故お茶碗じゃないのかは謎だけど ……

―― いや、これじゃ明らかにご飯冷めやすくしてるだけでしょ。と、いつも最後に一言余計なのが俺の悪い癖 ……

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YEBISU BAR/たとえマスプロダクツとて3

いつもの鉄板焼き屋のカウンター。
気付けばママに「トップガン」を熱く語っていた。あれはほんとうに素晴らしい青春映画だったのだと。そしてその続編公開にあたっては当時世界最速であったKAWASAKI GPZ900R 通称“忍者”から、スーパーチャージャー付きの最高時速400㎞(笑/先ず400km/hを保障するタイヤがないでしょ ?)、やはりKAWASAKIのスーパーバイクに更新され、それを今のトム・クルーズが駆るんだよという流れから、でもそのバイクは確か300万円以上するのかなぁとなり ……
そこで私はとつとして、今は亡きマスターのことを思い出してしまった。当時鳴り物入りで日本上陸を果たしたバケモノ、ブラックのTURBOを駆ったマスターのことを !

「まあマスターの930に比べたら安いもんだよね。でもクーラーも効かないしパワステもついてない空冷エンジンの骨董品が、なんで1,980万もしたんだろうね ……」
「ほんとよ~、あのガタピシが !! クーラーだけじゃなくってヒーターも効かないのよ ……」

―― ガタピシって言葉、久しぶりに聞いたなあ ……(笑)

<R1.10.10>
05-10-2019 017-55-10 AM
「YEBISU BAR 上野の森さくらテラス店」

人差し指を一本立てれば「カウンター席とテーブル席、どちらがよろしいでしょうか ?」とのことで、テーブル席を所望させていただく。午後1時半を過ぎている為にお客の姿も疎らであった為、とりわけ罪悪感を感じることもない。
テーブルに予約席の札が目立つのは、これはほんとうなのであろうか。それともバッシングをやり易くする為の作戦なのであろうか。でも映画館でもあるまいし、限られたスペースの中でそれはないよなと結論付けてしまえば、余計に謎は深まるばかり ……

「ナポリタン下さい !!」
「すみません、それは日替わりでして本日はこちらになりますね」

本日のスパゲッティはペペロンチーノであったが、それををあきらめた理由は、そこに“きのことベーコン”が織り込まれていた為に他ならない

10-10-2019 013-44-56 AM
“和風おろしハンバーグ/150g” @882
“ランチサラダ” @182
税込みで〆て ¥1,170也。

ほんとうはハンバーグに和風は気乗りしないのだが、ドミソースっぽいのにまたしても“きのことベーコン”という私にとってのエネミーの影がちらついていたので、仕方なくの注文となった。
サラダはカットされてから冷蔵庫でキンキンに冷やされたものとはいえ、182円とは思えないボリウム。おっかけ舞い降りた鉄板のハンドルの、例の“熱い!”と書かれたどぎついRedの紙カバーは、否が応でも「銀座 LION」による支配を予感させる。

おもむろにお姉さんに挙手し、味も見ずにお塩を持ってきてもらう。
無論つけあわせのジャガイモ他に振る為であったがこれが食べてみるとけっこうに塩っ気が効いており、そのままでも味の濃さ的には十分だった。焦って持ってきてもらったお塩を確かに使いました ! というアリバイづくりをどうしたものかと真剣に悩んだが、上手い方法がとんと思いつかない(笑)

10-10-2019 013-41-12 AM
ハンバーグ、及び付け合せはマスプロダクツ感に溢れたものであったが、“手作り”を堂々謳いながら堂々不味い店よりも(笑)、このきれいで広々とした席にいつでも着けるという安心感との相乗とも鑑みればそれも納得のものである。
且つ、今回テーブル席と我儘を言った私はフロアに対しかなり奥の、他にお客さんのいないエリアへと通されたのだが、これはお店のルーティンだと思うが定期的に店内を巡ってくれるホール係の方たちのおかげでちょっとお水を頼むにもストレスを感じることなく、快適なお昼ご飯タイムを享受させていただいた。

接客をホール係個人個人のセンスに依存している店が目立つばかりだが、このように標準作業として決めたことをしっかりと守っていくということが、先ずは大切なんだよなあと、沁み沁みと。
どこかの居酒屋などは具体的なそれを規定せず、でも店長は上手くいっていないと見るや憤りをただ漠然とバイトの女の子にぶつけ、そして具体的なものは、この店にバイトとして席を置いている間は客として飲みに来てはいけない、またお客さんと連絡先の交換はするな、一緒に飲みに行くな、などとわけの分からないマイルールを新たに勝手に定め(笑/いや、わけは分かるけど、それは本質じゃないですよね)、そしてこれがとどめとなろうが、暇なときには悪いけど早上がりしてくれと ……

―― それでボクの楽園は、今まさに崩壊の一途をたどっているわけです。あなたが店長になる前からずっと飲んでいるボクの楽園がね ……

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