2月

ニュクスの角灯 / 高浜寛
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時は1878年(明治11年)、ところは長崎。

異国の文化が流れ込み和洋混沌の様相を成す町の一角に、

西洋から仕入れた舶来品を売る、「蛮」という輸入道具屋があった。

 

このお店に奉公することになった少女・美世は、モノの未来と過去の持ち主を

透視できる不可思議な神通力を持っていて・・・
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ドレスを着た藩士の娘がダンスパーティに行き、

遊女あがりがミシンで洋服を縫う、そんなちぐはぐな時代ならではの面白さと、

そこに懸命に生きる人々の姿を描いたレトロで情緒あふれる物語。

「異国迷路のクロワーゼ」「ちろり」「大正四葉セレナーデ」「大正乙女カルテ」

「大正処女御伽噺」「百貨店ワルツ」「明治ハナアリ同盟」

あたりが好きな人にオススメ。

☆☆☆☆☆

 

 

流れ星に願うほど僕らは素直じゃない / 佐藤ミト

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いつだって一緒に過ごしていた幼馴染6人組、だがあるとき

そのうちの一人が事故に遭い目を覚まさなくなってしまう。

それをきっかけにバラバラになってしまった彼らだが、

五年後、事故を悔やむ少年・北斗の前に、目を覚まさなくなったはずの

少女・すばる(の生霊?)が現れる・・・。

言っていいのかわからないけど、タイトルの感じも設定もストーリーも

某大人気アニメとすごく似通っている。

というかタイトルをグーグルに打ち込むとサジェストでその作品名が出てくる。

比べるのは失礼かもしれないけど、あのアニメを縮めて恋愛要素を強くして

サクッとダイジェストで終わらせた感じ。

のめりこんだり余韻を感じるような作品ではないけど、あのアニメを「重い」と

感じた人にはこのくらいが丁度良いのだと思う。

おまけして☆

 


牧場OL /  丸井まお

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食品メーカーに就職した新人OL・野花南。

都心のオフィスでオシャレに勤務・・・と思いきや、配属先は北海道の牧場。

牧場経営の苦労と向き合いつつ牛とともに成長していく物語。

絵柄は丸っこい萌え絵感がありますが、きちんと内容もあるちゃんとしたお仕事ものです。

社会人版「銀の匙」といったところ。「水族館ガール」「サンタクロースの候補生」

「テラモリ」「ハナハダハナヤ」「ケモノみち」「ローカル女子の遠吠え」

「まつりごよみ」「パト☆ラッシュ!」あたり好きな人向け。

☆☆

 


ひとみしりの私が恋をした /  倉田ちよ
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某SNS発、作者の実体験を基に描かれた恋愛エッセイ漫画。

コミュ障がコミュ障に恋をした、という内容なので恋愛強者には

もどかしいというかモヤモヤするであろう。

SNSでよく見るような1ページ日記漫画を「くっせぇ!」「創作乙」

と思ってしまう人間にはつらいかもしれない。

逆に言えばそういうのが好きな人には強くオススメできる。

「シャッツキステにようこそ」「ひみつのおねえちゃん」などのノンフィクション風漫画や

「ヲタクに恋は難しい」などのSNSのノリ全開の漫画が好きな人向け。

 


 ニヴァウアと斎藤 / ながべ

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地下深くの水辺に住まうアーフィカ族。その子供が、人間世界を体験しにやってきた。

なんか流れで彼を預かることになってしまった人間・サイトウと、

やんちゃで好奇心旺盛で(人間基準では)非常識なアーフィカ族のニヴァウァ。

デコボコでズレまくりな二人の、ペットとも友情とも違うよくわかんない

同棲生活を描いたファンタジー系日常もの。

「ばけもの町のヒトビト」「九十九の満月」などの妖怪人外系や、

「うにうにうにうに」「2KZ」などの異文化?コミュニケーション系漫画好き向け。

☆☆

 


 左門くんはサモナー / 沼駿

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週刊少年ジャンプの召喚士系男子と仏系女子のドタバタコメディ。

説明は不要かと存じます。わりとすき。

☆☆☆



 たべものけもの /榎本あかまる
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お母さんがいつも仕事で家にいない母子家庭の女の子。

子供たちに上手く接する事ができず、厳しいと思われている学校の先生。

逃げ癖のついてしまっているフリーター。

そんな彼らの家の冷蔵庫から、たべものなのかどうぶつなのか

よくわからないへんないきものが現れた!

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へんてこな「たべものけもの」たちと触れ合って、いろんな人たちが

元気をもらって一歩を踏み出すような、やさしい物語。

「ゆずべんとう」「おかいこぐるみ」「ラッキー」「今日、カレー!」など

ごはんものとペットものの良いところを掛け合わせたような作品。

☆☆☆



金平糖の花嫁 / おかもとこと乃
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有能だが協調性の無さゆえに会社を退職することになった星野金助(30歳)。

ふと手にした求人に興味を持ち、金平糖工場に赴いたところ、

話の流れで住み込みで働くことに。

しかし本採用の条件は社長の孫娘・天使の婿候補として認められる事で――

砂糖の塊に過ぎないと思っていた金平糖に無尽の愛情を注ぐ天使に

興味を持った金助。

不器用な男のさわやかで甘やかなラブストーリー。

2巻を楽しみにしていたのだが、1巻完結だと最近知った。終わり方は少し中途半端な印象。

「であいもん」「わさんぼん」「はるはなのみの」あたり好きな人にオススメ。



バテリバイス 人間電池と砂の巨像 / 赤岸K

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自らの身体に電気を溜め、それを利用して生きる”人間電池”の暮らす世界。

地上に生活し、天空の”貴族”たちに電気を搾取されていた平民たちが、

叛乱の狼煙を上げる――。近未来SFアクションもの。

絵も設定も良いのだが、先日発売した2巻目でなにひとつ進展解決しないまま

「第一部 完」となっていた。

第二部の情報なしで巻末に未公開設定を連ねる仕様から、打ち切りとみられる。うまく広がれば「トライガン」好きには堪らない作品になったことだろう。

ストーリーは☆ゼロ(論外)、絵はまあよかったので☆ひとつ。

明けましておめでとうございます。

漫画をレビューする時間があれば漫画を買って読むみたいな生活をしていたため
しばらく触れていなかった当ブログですが、
年も明けたしいっそがっつり時間を割いて振り返ってみようと思い立ちまして。 


2016年に購入した漫画は700冊でした。 2015年が555冊だったので、けっこう伸びました。
合わなくて売っちゃったやつは勘定から外してますが、まあ安定して1日2冊ペースだったので
ここらが打ち止めかなと・・・・なんて去年も同じこと言ったような。
去年「来年は600冊くらいかな」とか言ってましたけど、まあ2017年は6~700冊に収まると思います。

毎年末になると「このマンガがすごい!」とかいう俺のクッソ大嫌いなランキング
(その年にピックアップされたマンガを取り扱うはずなのに2年連続ランクインとか4年前に開始した漫画とかを
 ランクインさせてる全く意味のわからないし何の参考にもならない意味不明ランキング。
「このマンガは知ってたランキング」とかに改名すればいいんだと思います)
が公開されますね。
対抗して・・・というわけではありませんが、2016年に1巻が発売されたマンガに絞って
個人的にひとこと感想とかまとめてみようかなと。
まあ僕が買ったものに限られるのでジャンルはだいぶ絞られてしまいますが、
もし何かの参考になれば幸いです。

わりとフィーリングでつけてますが、
☆ 面白かった
☆☆ かなり面白かった
☆☆☆ とても面白かった
☆☆☆☆ お気に入りに入れる
☆☆☆☆☆ 覇権級
くらいの感覚。
もちろん大いに好みが反映されているので、漫画そのものの絶対的評価ではありません。あしからず。


1月

血界戦線 Back2Back / 内藤泰弘

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アニメ化もした内藤泰弘の人気SFファンタジーアクションバトル伝奇譚の続編シリーズ。
新作扱いにするのはどうかなとは思うし、知名度も高いから今更レビューもクソもないが、
良い意味で「相変わらず」の一言に尽きる。
同作者の「トライガン」 や平野耕太の「ヘルシング」「ドリフターズ」、或いは「NO GUNS LIFE」や
「KEYMAN」「エリア51」などアメコミチックなノリのファンタジー/SFバトルアクションが好きな人間なら
まず間違いなく抑えておきたい一品。っていうか知らない奴はモグリ。
☆☆☆☆☆


味噌汁でカンパイ! / 笹乃さい

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幼い頃に母を亡くし父子家庭で育った善一郎は、日々テキトーにインスタントや惣菜で
朝ごはんを済ませる生活を続けていた。
しかし、ある日幼馴染の八重が唐突に朝ごはんを作りに来て・・・ 
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朝、起きたらごはんが用意されているということがいかに贅沢か、 をしみじみ感じる
ほっこり朝ごはんドラマ。 
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”善のお母さん見習い”の八重が、ぎこちないなりに「おいしい朝ごはん」を食べさせてあげようと
奮闘する姿に癒される。
「新米姉妹のふたりごはん」「ゆずべんとう」「ゆかりちゃん」「甘々と稲妻」など、
家族とごはんをテーマにしたホームドラマが好きなら必読。
☆☆☆☆☆ 


タカコさん /  新久千映

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「ワカコ酒」で一躍知名度を揚げた新久千映の新作。
至って平凡、ただし”人よりちょっとだけ耳がいい”タカコさんの日々を描いた
エッセイ風ドラマ。
「幸せは、聞こえてくるんだよ」
日常に溢れかえっていて、でもいつもは聞き流してしまうような、
そんな様々な「音」を拾ってタカコさんはいろいろなことを思い耽る。
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「コトノバドライブ」「ちろり」「恋に鳴る」「ARIA」「たまゆら」といった
ちょっとノスタルジックでなんとなく共感できる、そんなお話が好きなひと向け。 
☆☆☆☆

リトルウィッチアカデミア / てりてりお

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TRIGGER原作、「アニメミライ」にて人気を博し、クラウドファンディングであっという間に
続編制作が決定、劇場版を経てとうとうTVアニメ放送まで決定した同名アニメのコミカライズ。
魔女に憧れて魔女養成学校に入学したアッコを中心に巻き起こるドタバタ劇を描いた
ファンタジーコメディ。
キャラクターの魅力をしっかり漫画に落とし込めているので、コミカライズとしてはかなり良作。 
「クライシスガールズ」「放課後カタストロフィ」「現代魔女の就職事情」「現代魔女図鑑」などが
好きな人向け。 
☆☆


俺んちのメイドさん / 大原ロロン

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新人メイドは、同級生でした。
コミックキューンという時点でド安定の、キャラがかわいければ良かろうなのだと言わんばかりの
メイドさんコメディ。
ストーリーは薄いしキャラは既視感すごいけど、まあメイドさんかわいいからいっか、って感じ。
「月刊少女野崎くん」「ピース*2」「SECRET×SIBLINGS」「ルルメイト」「箱入りドロップス」・・・
類挙に暇無いけれど、とりあえずきらら系列・コミックキューン・ガンガンオンライン的なアレが好きなら
買っても損はしないはず。
強いて言うなら、1ページに4コマ1つなのでボリューム感が無く、内容も薄味なので読み応えは無いかも。
暇つぶしに頭空っぽにして読むタイプの漫画。



子猫拾いました / よはち


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2週間だけ姪っ子の面倒を見ることになった大学生・敦生。
姪の重音はやたらしっかり者で、ちょっと無愛想で、何を考えているのかわかりづらい・・・
ぎくしゃくした擬似家族から少しずつ「家族」になる二人が微笑ましい、いわゆる擬似子育てもの。 
「ひゃくにちかん!」「おはようとかおやすみとか」あたりと近い系統。
☆☆ 


さらば、佳き日 / 茜田千

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とある地方に引っ越して来た、『新婚夫婦』の桂一と晃。
二人はある重大な秘密を抱えていて・・・・。
ズブズブの共依存を美しくも虚しく描いた、歪んだ純愛ラブストーリー。
画力・構成力が非常に高く引き込まれるが、主人公(男)が優柔不断・意志薄弱なクズなので
不快感を抱く人も多いだろう。穏やかとか癒しとかとは真逆な構成なので苦手な人は苦手だと思う。
「シュガーウォール」「兄の嫁と暮らしています」「親父の愛人と暮らす俺」といった
ドロドロ共依存ものが好きな人や、「神様がうそをつく。」「わがままちえちゃん」「秒速5センチメートル」など
決してハッピーエンドとは言えない余韻を残す作品が好きな人なら引き込まれるはず。



しかばね少女と描かない画家 / 神江ちず

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少女をこよなく愛する画家・ネルは、隣人の風変わりな博士から、もっと風変わりな少女・リリを預かった。
彼女は、死体で出来ていた。中は、かつて博士が愛した天才女流画家・ジュリの魂が入っていると言うが、
リリはジュリの記憶も才能も持っていない、ただの天真爛漫な少女(死体)だった。
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リリに絵を教える事になったネルだが、色々と簡単には行かなくて・・・。
コメディとシリアスが絶妙にブレンドされた中世風ファンタジー。 
「魔法使いの嫁」「魔女の森」などの御伽噺チックなファンタジー好きにも、
「アルテ」「シャーリー」「ジゼル・アラン」 などの中世ヨーロッパを舞台としたドラマ好きにもオススメしたい逸品。
☆☆☆


1月に購入した68冊の漫画のうち、新作は上記8点。
どれもとても良い作品でしたが、特に「味噌汁でカンパイ!」が家族もの・ごはんものという僕のツボを
完璧に抑えつつ、ほんのり純朴系ラブコメの風味も香らせつつとカンペキな塩梅で琴線に触れました。

のーどうでいず / せきはん
アーススターエンターテイメント「コミックアース☆スター」(2016年2月-連載中)
既刊1巻


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【レビュー】

日常 / 田舎・自然

埼玉県のどこかで暮らす四人の少女たちと
小さな生き物たちとのふれあいをリアルにつづる
《ご近所アウトドア・ストーリー》

(公式より引用)

002

先日完結編描き下ろしを加えて単行本が発行された「グッバイエバーグリーン」の
せきはんが描くのんびりスローライフなアウトドアストーリー。

とある埼玉の片田舎に、東京育ちの姉妹が引っ越してきた。
「ポンポン山の美人姉妹」としてご近所さんの噂の種になっていたその姉妹、
地元っ娘の純とはなこは東京育ちと聞いて興味津々。

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そっこい仲良くなってみたら、物静かな知的お姉さん()は
とんだ水棲生物オタクで・・・
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しまむらとイオンはある程度の片田舎の農道で自然と戯れる
少女四人の日常を描いた田舎マンガ。

癒し満載なのんびりストーリーもさることながら、
なんといっても全編というのが最大の魅力。

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なんてことない雨のシーンも、
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晴れた日の田んぼのシーンも、
田舎の風景が映えるやさしい塗りで魅力倍増。
150Pフルカラーなのにお値段が普通の青年コミックスと大差ない(¥800)のはありがたい限り。

コミックアーススター」で最初の3話と最新話が立ち読みできます。
また、前作にあたる「グッバイ エバーグリーン」も特別公開中なのでぜひ。

系統としては、
「ゆるゆる」(たかみち / 少年画報社)
「りとうのうみ」(たかみち / ワニマガジン)
「イキガミ」(TAGRO / 太田出版)
「神様のハナリ」(吉村拓也 / 集英社)
「ハヤチネ!」(福盛田藍子 / スクエアエニックス)
「のんのんびより」(あっと / メディアファクトリー)
「ばらかもん」(ヨシノサツキ / スクエアエニックス)
「すみっこの空さん」(たなかのか / マッグガーデン)
など、総じて田舎ものマンガ好きに超オススメです。

また、やさしい塗りとノスタルジックな雰囲気は
「ヨコハマ買い出し紀行」「カブのイサキ」「コトノバドライブ」の芦奈野ひとし、
「空からこぼれた物語」「みずいろ」「水惑星年代記」「おいでませり」の大石まさる、
「ARIA」「あまんちゅ」「浪漫倶楽部」の天野こずえ、
「スケッチブック」の小箱とたん、
あたりの作品がすきな人にとってはたまらないはず。

とりあえず関連作品の多さからお察しのとおり、超オススメ。
今年の俺的トップを争う作品のひとつです。

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