アンゴルモア 元寇合戦記 / たかぎ七彦 ーナナヒコ
隔月『サムライエース』(2013年5号―)→Webサイト『コミックウォーカー』(―連載中・毎水曜更新)

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【レビュー】
戦争・戦記 / 歴史

タイトルの通り、鎌倉時代に実際にあった文永・弘安の役(=元寇)を
テーマに描かれた、戦国軍記漫画。 

元寇と言えば大風によって侵略側のモンゴル軍が撤退し、 
それを讃えて「神風」と称した・・・という旨は多くの人にとって既知だろうが、
当然「神風」の吹くまでに戦があったわけで。

交戦勢力はモンゴル帝国(大元ウルス)と九州御家人。
本作の舞台は、対馬。
主なスポットを当てられるのは、対馬へ流罪となり、半ば強制的に
蒙古戦に加えられた流人達。

その中には、かつて鎌倉御家人として一軍を率いていた、
朽井迅三郎という侍も含まれていた。
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やむを得ず国を守る戦いに巻き込まれた迅三郎は、
旧知の鎮西奉行より、「援軍が来るまで七日間、この島を守れ」との厳命を受ける。
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兵力差は圧倒的、流人という立場ゆえ対馬の侍にも軽んじられ、
敵は未知の兵器や戦法を駆使してくる。

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朽井迅三郎は、この逆境を如何にして乗り切るのか。



といった作品です。 元が史実とはいえ、そこは解釈次第ということで、
日本史知識があるから展開読めてつまらん、とはならないはずです。
歴史準拠の程度としては『キングダム』くらい?

ここまで画像や展開を見て、察しの良い諸兄はお気付きでしょうが、この作品
あのレジェンド級の傑作と非常に共通点が多い作品です。
シチュエーションは対侵略者の大軍、舞台は南北に長く伸びた島、
戦い守り抜くべき期限を伝えられ、指揮できるのは限られた部隊のみ。
主人公は人殺しの手練手管に長けた偏屈者。 
冷徹でありながら偽善的に助けられる限りの人を助ける優しさのようなものもある。

そうです、彼です。
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(←皇国の守護者:新城直衛   アンゴルモア 朽井迅三郎→)

諸事情により5巻完結とはいえ、実質未完の大作と化した『皇国の守護者』と
非常に類似点が多く、かの作品のファンであれば惹きつけられること請け合いの
期待の新作、というわけです。

パクりだなんだという事は全く無い(というかそもそも史実がモデルだし)でしょうが、
主人公の顔立ちや展開を見てると、影響を受けたのかな?というシーンはしばしば
散見されるのは勘繰りすぎでしょうか?
しかしこの作品の場合、似ているというのは寧ろプラスの評価だと思います。

終わるべきところまで行かなかったあの傑作を、もう無理だろうと思いつつも
続きを待ち望んでいるファンは多いはず。私もその一人なのですが、
『アンゴルモア 元寇合戦記』のおかげで少しその渇望が癒されたような気がします。

共通オススメ作品は言うまでもなく
『皇国の守護者』(原作・佐藤大介 画・伊藤悠 / 集英社)

ほか
『シュトヘル』(伊藤悠 / 小学館)
『キングダム』(原泰久 / 集英社) 
などが挙げられます。

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