魔女の心臓 / matoba

スクエアエニックス『ガンガンOnline』(2012年3月ー連載中) 
現在6巻刊行 

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【レビュー】
ダークファンタジー / 旅・放浪

一話~数話完結のダークファンタジー。一貫して、主人公の魔女・ミカの旅路を描く。
ガンガンOnlineにてWeb連載中で、一話~三話と最新話を読むことができる。
  ※リンクはPC用。スマホユーザーはアプリ『ガンガンOnline』ダウンロードで無料試読可能。

昔々、魔女という生き物がいました。
心臓を失くし、空の胸腔を抱いて生と死の境界を渡るあわれな不死の魔女でした。
やがて魔女は人々に疎まれ 今はもうおとぎ話の中にしかいなくなってしまいました。


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主人公の旅人・ミカは外見こそ幼気な少女だが、正体は数百年前に心臓を実の妹に奪われ、
心臓を取り戻す為に妹を探し彷徨い続けている”境界の魔女”。
 
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心臓を奪われた彼女には”死”がなく、胸にあるのは虚無の空洞。
喋るランタンのルミエールを連れ合いに、自らの死を求めて国から国へと渡り歩く。


旅先で関わる人間たちは、一様に生きているか死んでいるかのどちらかで、
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先に逝く者を悼みつつどこかほんの少し「死ねること」を羨ましく思ってしまったり、
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かつて共に旅した一座に再会し、自らの存在を確かめ直したり、
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生を苦しむ者、死んで楽になる者、或いはその逆。
 そんな中で、ミカは一人だけ生でも死でもない存在として歩き続ける。

物語の系統としてはファンタジーで、数話完結のオムニバス形式ですが
一貫してテーマに「死」と「生」という言葉が関わってきます。
テーマは重いですが、話の構成としては
ほっこり6:不思議3:ダーク1
くらいな感じで、全体的には癒されたり綺麗な話が多いです。

わりと軽快なコメディタッチの会話も多く、たまに漏れ出すミカのお茶目っぷりも
いいアクセントになっています。

寡黙な少女がお喋りな不思議ツールと一緒に様々な国々を旅して回る、という設定は
『キノの旅』に通じるところがあるかもしれません。 


絵柄は少女漫画のような印象も受けますが、特に違和感とか不快感は無く
書き込みも多くて画力については文句無しという印象。
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 個人的にこういう一枚絵すごく好きです。

 
現6巻刊行で、そろそろなぜ妹がミカの心臓を奪ったのか、妹が何処にいるのかなど
物語の核心がちらほらと語られ始め、クライマックスに向けて加速しつつある印象。
全8から10巻くらいで綺麗に完結してくれれば僕としてはベストに思えます。 

改めて、Webで無料で試し読みができるので是非こちらから読んでみてください。
※スマホの方はアプリ『ガンガンOnline』をダウンロードして無料試読できます。

系統としては、
『キノの旅』(時雨沢恵一 / 電撃文庫)
『棺担ぎのクロ ~懐中旅話~』(きゆづきさとこ / 芳文社)
『少女終末旅行』(つくみず / 新潮社) 
『夜森の国のソラニ』(はりかも / 芳文社)
『タビと道づれ』(たなかのか / マッグガーデン)
『ソマリと森の神様』(暮石ヤコ / 徳間書店)
『おもいでエマノン』(原作・梶尾真治 漫画・鶴田謙二 / 徳間書店)
などが好きな人には鉄板かと。