メイドインアビス / つくしあきひと
竹書房Webサイト『まんがライフWIN』(2012年?ー連載中)
既刊3巻

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【レビュー】
SF・ファンタジー/ シリアス / 冒険・探検 / ミステリー / ※微グロ描写有

遥か昔、とある絶海の孤島で巨大な「穴」が発見された。
幅1000メートル。深さ、不明。
無題

その「穴」の中には、この世の理から外れた不可思議な現象や、科学では解明できないような
「遺物」と呼ばれるオーパーツが発見された。

「穴」は次第に人々の畏怖と浪漫や憧れの対象となり、
深淵・冥府を意味する言葉「アビス」という名で呼ばれるようになった。

1無題
 

1900年後、 「穴(アビス)」は未だそこにあり、全容はまるで解明されていない。

とある孤児院で育った少女・リコは、アビスの浅い層でそれほど価値の高くない”遺物”を
採掘して暮らす「探窟家」の見習いである。
※遺物を掘り出し持ち帰る事を生業とする人々は「探窟家」と呼ばれている。

ある日、リコは探窟中に不思議な少年が倒れているのを見つける。
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どうやら彼は人ではないようだが、現代の科学で完全に自律行動する、
人間と見紛う外見を持つロボットなど作れる筈もない。
その存在を国に奪われるレベルの貴重な特級遺物と考えたリコは、彼の存在を隠すことにした。

記憶を失っていたロボットの少年を「レグ」と名付け、孤児のフリをさせて共に孤児院で過ごしていたリコに、
唐突に人生の転機が訪れる。

リコの母は、アビスの奥底まで潜れる力量を持つ伝説級の探窟家であったが、
最後の探窟から帰らぬ人となっていた。
その母の身元を証明する”白笛”(超一級の探窟家にのみ持たされる目印)が持ち帰られたのだ。

遺族として検品に随伴したリコは、母の持ち物の中に
小さな紙切れに「奈落の底で待つ」というメッセージが書かれているのを見つける。

そのメッセージを見て母の生存を確信したリコと、
リコの母の報告書の中に自分の出自の謎を解き明かす可能性を感じたロボットの少年・レグは、
屈強な大人たちの命すら容赦無く奪う、アビスの奥底へ挑むことを決心した・・・。



長い時をかけてゆっくりと少しずつ解明されていったアビスの形態のうちでも
最も深刻なものの一つが「アビスの呪い」と呼ばれる、帰還に際して発生する怪奇現象である。

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リコの母親が潜ったのは、「人間性の喪失」「確実なる死」が待つ、最下層の深界。 
艱難辛苦が待ち受ける、帰り路のない旅に挑むリコの運命は・・・?



主人公はまだ幼くか弱い少女と、それなりの機能と戦闘力を備えたロボットだが少し頼りない少年。
挑む先は、ワクワクするようなゾッとするような魅力的な生物や遺物・現象が襲いかかる
容赦も慈悲もない絶望的な大穴。

わりと丸っこくてかわいい絵柄ですが、グロテスクな描写もちょこちょこあり
苦手な人には厳しいものもあるかもしれません。
しかし、深海とか未踏の秘境とか、そういった言葉に心躍るタイプの人間には堪らない作品です。

また、設定やストーリーもよく練られている印象というか、
端々に「あ、これ伏線かもしれん」的な意味深な描写が有り、今後の展開にも期待できます。
ミステリーとしても良質。 

とりあえず、WEBサイト『まんがライフWIN』で1~3話と最新3話ぶんが無料で見れるので、
ぜひ1~3話を読んでみてください。
ちなみにこの段階では微グロ描写はないので大丈夫です。
微グロっつっても血界戦線とかテラフォとかよりも緩い程度のものなので
よっぽど抵抗ない人以外は大丈夫だと思うけど一応。

系統としては
『ダンジョン飯』(九井諒子 / エンターブレイン)
が最も近く、他には
『牙の旅商人』(原作・七月鏡一 作画・梟 / スクエアエニックス)
『棺担ぎのクロ~懐中旅話~』(きゆづきさとこ / 芳文社)
『100 -HAND RED-』(高畠エナガ / 集英社)
少女終末旅行』(つくみず / 新潮社)
ソマリと森の神様』(暮石ヤコ / 徳間書店)
『ディメンションW』(岩原裕二 / スクエアエニックス)
あたり好きな人にオススメ。

冒険・探検・流浪ものとは違いますが、
『KEYMAN』(わらいなく / 徳間書店)
『エリア51』(久正人 / 新潮社)
あとはゲームですが『うたわれるもの』シリーズあたりの雰囲気とも共通点があるかも。

或いは
『放課後!ダンジョン高校』(山西正則 / 徳間書店)
『あせびと空世界の冒険者』(梅木泰祐 / 徳間書店)
を冒険要素に焦点を絞ってシリアス方面に偏らせたような。

 
1巻読んだ段階では「設定は面白そうだけど、どう展開していくのかな」 程度の感想だったんですが、
先日出た3巻の盛り上がりどこを読んで「あ、こりゃ傑作当確ですわ」と思ったのでぜひオススメしたい次第です。
ネタバレになるため詳しくは書けませんが、オーゼンさんは近年稀に見るよくできたキャラクタだと思います