ニュクスの角灯 / 高浜寛 タカハマカン
リイド社「トーチWeb」(2015年5月―不定期連載中)

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【レビュー】
レトロ・歴史 / 日常・ややファンタジー

2015年春先にWebコミックサイト「トーチWeb」にて連載開始。

舞台は西暦1878年(明治11年 )の長崎。
文明開化に沸き立ち異国の文化が雪崩をうって日本の日常に侵入してきたばかりの頃。

主人公・美世は西南の役で両親を亡くし、親戚の家に厄介になっていたが、
タダ飯を食らうわけにも行かず奉公先を探すことにする。
叔母の紹介でやってきた風変わりなお店「蛮(バン)」は、
西洋から仕入れた舶来品を売る輸入道具屋だった。
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美世は家事の類が苦手で読み書き算盤もできず力もないが、一つだけ、不思議な能力を持っていた。

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「触ったものの過去と未来の持ち主を見る」という不思議な神通力を持つ少女が出会う
様々な異国の道具や、それを取り巻く人々を描いた短編連作型の作品集。

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和洋が未だ馴染みきっていない時代の、異国情緒溢れる不思議な道具屋。
大政奉還から11年、廃刀令からたった2年しか経っていないのに
貴族の娘はドレスを着て社交界デビューしてダンスを踊り、和服を手縫いしつつミシンで洋服を作り、
そして何より日本が初めて国際博覧会に参加したパリ万博の年。

そんな革新と混沌の長崎に思いを馳せる、異国情緒溢れる短編集。

系統としては、
『異国迷路のクロワーゼ』(武田日向 / ドラゴンコミックス)
『ちろり』(小山愛子 /  小学館)
『大正乙女カルテ』(野広実由 / 双葉社)
『大正四葉セレナーデ』(香日ゆら / 竹書房) 
『大正処女御伽話』(桐丘さな / 集英社)
あたり好きな人向けです。