現代魔女図鑑 / 伊咲ウタ イサキー
 一迅社『comicREX』(2014年2月号―連載中)
 現1巻刊行

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【レビュー】
ファンタジー / 学生・青春 / オムニバス

『魔女』が人口の数%を占め、科学と魔術で成り立つ世界。 
そんな世界で暮らす、魔女だったり普通の人々だったりの青春オムニバス。

『1. 或る魔女の願い事』
 美人で運動神経抜群、明朗快活おまけに”魔女の才能(ギフト)”持ちの姉・マリと、そんな姉に
 ちょっと劣等感も抱いちゃう平凡(よりちょっとおバカ)な妹・エリ。
 ある時、エリがクラスのイケメンと家で二人で勉強をする事になって・・・・

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 ちぐはぐ姉妹の、確かな絆を描いた爽やかな第一話。

『2. 或る魔女の人助け -1』 
 ”魔女の才能(ギフト)"を持って生まれた、 タクヤは、幼少期に魔女の才能
(とちょっとした不運)が原因でオカマ扱いを受けていた。
 高校生になったタクヤは、"ギフト"を隠して生きていたが、ひょんな事から
 学校一の変人魔女・河野に(勝手に)占われ、"ギフト"持ちであることがバレてしまう。
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 河野は熱心にタクヤを『魔女部』に勧誘、一緒に人助けをしようと誘うが・・・

 『3. 或る魔女の人助け -2』 
 河野の押しに負けて結局『魔女部』に体験入部したタクヤ。
 彼女が人助けに愚直に拘るのには、ある理由があった。
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 河野が「人助け」をする事で得ている報酬、それを知った時タクヤが選んだ行動とは。

 足りないものだらけの魔女もどき、でも彼と二人なら「やりたいこと」が出来る力を持てる。
 だけど・・・彼の「やりたいこと」が、私と違ったら?

 大事なものに気付くお話。ラストの河野さんの表情がズキュンと胸に刺さりました。

p.s. 河野さん、モジャ髪フェチの僕にはドストライクです。
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『4. 或る魔女のお守り』
 美容師見習いのリョウは、魔女っ娘のミヨと黒猫のジジと仲睦まじく暮らしている。
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 ミヨは魔力が制御できないため、ほとんど年柄年中引きこもりっぱなしだが、
 それともう一つのこと以外、二人は何不自由なく幸せに暮らしている。

 二人の間にはちいさな、けれども何よりも重い「やくそく」があった。 
  今日もふたりは、しあわせな眠りに就く。

『5. 或る魔女と花火』 
 この巻のラストを飾る一話。
 1-4話も非常に完成度が高く、読後感も爽やかに間違いなく傑作の域ですが、
 第5話『或る魔女と花火』は特に凄いです。
 敢えてレビューはしませんので、ご自分の目でお確かめ下さい。
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いやほんと、オムニバスってブツ切りになりやすいのに、毎話毎話引き込まれて、
1巻一気に読み通して、読み終わったあと「ほぅ・・・」ってため息ついちゃうような。

伏線というか、序盤の何気ないセリフがラストに繋がって綺麗に締めたりミスリードだったり、
構成の上手さが光ってます。そういう点では去年話題になった
『式の前日』(穂積 / 小学館) 
に通ずるものがあります。

感動3:爽やか6:笑い1って構成比でしょうか。おまけマンガでシリアスな本編を自分で
茶化すノリはわりと好きです。

系統としては、
バックトゥー★ザ・ヒーロー』(鬼灯 /徳間書店)
『ミガワリメーカー』(恩田澄子 / 講談社)
ふらいんぐうぃっち』(石塚千尋 / 講談社)
『式の前日』(穂積 / 小学館)
『ユキのいた街』(八神健 / 竹書房) 
『人生は二日だけ』(堤谷菜央 / 徳間書店)
『メイプルさんの紅茶時間』(碧空唄 / マッグガーデン)
ばけもの町のヒトビト』(くまのとおる / 双葉社)
あたり好きな人向け。

絵もキレイ、話もキレイで毒がない、清涼飲料水のような読み応えだなあと思います。 
とりあえず6月発売の新作の中では頭二つくらい抜けてMVP。