こんにちは。

公認スポーツ栄養士の

「つっきー」こと月野和 美砂(つきのわ みさ)です。

260630 引き算の育成 1
 

サッカーワールドカップで日本は残念ながらブラジルに敗退しました。

昨日までテレビなどでもサッカー一色でしたね。

 

「なんで!ネーションズリーグ日本男子バレーは無傷の連勝じゃん!
アメリカ、フランスを撃破したんだからもっと大きく取り上げてよ!!!」という気持ちの方々、よ~~〜くわかります(笑)。

 

今回は、そんなちょっと悔しいバレー界の皆さんにもぜひ知っていただきたい、サッカー界で今すごく話題になっている「ある育成の話」をします。

 
■将来を見据え、練習を抑制するという育成

今回のワールドカップでも大活躍した
日本代表のゴールキーパー、鈴木彩艶(ザイオン)選手。

彼の190cmもの恵まれた体格の裏には、
浦和レッズの下部組織(ジュニアユース)時代、
クラブが彼のためにとった特別な育成方針があったそうです。

 

他の選手たちが週5日で練習する中、
鈴木選手だけはあえて休みの日を増やされ、
練習日であっても軽い筋トレ程度で済ませる日を作られていたとのこと。
そして本人もその意図をしっかりと理解して生活をしていたというのです。

 

サッカーにおいてゴールキーパーは
「サイズ(大きさ)」が命。

私自身、以前に
日刊スポーツの「アスレシピ」で『身長を伸ばす』という
連続講座を担当した際も、
サッカーのGKの親御さんから
「もっと大きくしたい」という相談を多く受けたので、よく覚えています。

 

チームの中で一人だけ練習量を減らすというのは、
周りの目もあり勇気がいることです。

しかし、未来を見据えて「エネルギー不足にならないよう練習量を抑制し、しっかり寝て体を育てる生活」を本人と指導者が納得して守り抜いた。
その徹底した「引き算の育成」があったからこそ、世界と戦える大人の身体が完成したのです。

 

■ 誤解されがちな「運動すればするほど大きくなる」という神話

先日もSNSで、
「子どもが水泳もサッカーも両方やっているのに、身長が伸びない」
というお悩みの投稿を見かけました。

私は思わず、「水泳もサッカーもやっている『からこそ』、消費エネルギーが多すぎてエネルギー不足になり、身長が伸びていない可能性は大いにありますよ」と返信を入れさせていただきました。


 

世間の多くの人は、

「運動をすればするほど身長が伸びる」

と思いがちですが、
それは半分しか正しくありません。

確かに適度な運動による物理的な刺激は
骨が伸びる良いきっかけになります。

 20240930_193301

しかし、
過度な運動量、
多すぎる運動頻度、
長すぎる練習時間、
そしてそれに伴う「食事(エネルギー)量の不足」

がおこれば、
子どもたちの身長は鈍化します。
これが複合的に起こった子は伸びが鈍化しています。

体を動かすことだけ
にエネルギーが使い果たされ、
身長を伸ばすための「エネルギーの余裕」が残らないからです。

 

さらにサッカーなど本格的なクラブチームになると、
練習が終わる時間が夜遅くなりがちです。
遠くから時間をかけて通う子はその分帰りも遅くなり、
帰宅してからの食事も遅くなり、
睡眠時間(成長ホルモンが出る大切な時間)も削られてしまうのです。

 

■ バレーボール界が変わるキッカケに!神奈川を制した強豪校の実践

これは今の時代決して、サッカーに限った特殊な話ではありません。

それどころか、遺伝的には世界の中で大きくなりにくい「日本人の子どもたち」を預かるジュニア〜ジュニアユース世代のバレーボール界こそがちゃんと理解してほしいのです。

 

長時間練習をさせるというのが、果たして育成の在り方として正しいでしょうか。

ジュニアではやった分だけうまくなる、というのはあります。
週1度のバレー教室であっても小学生から始めた子は動きが違う、それくらい「鉄は熱いうちに」というのもわかる。

でも・・・

鉄が熱い(成長期)だからこそ
「鍛え上げる」ことばかりに目を向けるのではなく、
子どもたちの「体を育てる」ために、あえて

休ませる、
早く寝かせる、
しっかり食べさせる

という視点が不可欠です。

短い時間の中でできる効率の良い練習を心がけ、
選手の日々の就寝時間まで指導者が気にすることが大切なのではないでしょうか。

 



この4月、神奈川県の私立武相中学・高等学校のバレーボール部で身長を伸ばすための栄養セミナーを行いました。

このチームは、単なる強化だけでなく「この先の日本のバレーボールのためにも、選手の身長を最大限伸ばす」ということを指導者・選手ともに意識し日々実践しています。

 

そして先日、武相中学・高校ともに、神奈川県で見事に優勝を果たしました!

 

科学的なアプローチで「からだを育てる」ことを大切にする
このようなチームが強くなり、注目されることで、
日本のバレーボール界の常識が大きく変わっていくことを私は強く期待しています。

 

子どもたちの可能性を未来へ繋ぐために、指導者も、保護者も、そして選手本人も。「正しく食べて、正しく休むこと」がいかに強力なトレーニングであるか、今一度見直してみませんか?


今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました。

チームや団体むけスポーツ食や
栄養の講習会などのご要望も承ります。
下記HP内「お問い合わせ」フォームよりご連絡ください。


ジュニアアスリートのための
公認スポーツ栄養士  月野和美砂