先日の新潟市長選で篠田昭氏が再選された。
市は当選後、新潟市BRT計画の件について以下のように述べている。
市報にいがた2490号(2014年11月16日発行) 1面
また、健康寿命の延伸のため健康づくりとまちづくりを連携させ、歩いて楽しく自転車や公共交通で移動しやすい持続可能なまちをつくります。そのためにバス交通を持続可能なものにする新バスシステム・BRTを来年スタートさせます。BRTにはまだまだ誤解が広がっていることが今選挙で明確になりましたので、正しい情報を積極的にお届けします。
果たして「誤解」しているのは市民の方なのだろうか?
ひょっとして、本当に誤解しているのは篠田氏や新潟市の方では無いのだろうか?
篠田氏や新潟市には、その点を含めて改めて問題点を整理した上で、謙虚な姿勢で市民とコミュニケーションを深める責任がある。

そもそも「BRT」とは何なのか?
バス・ラピッド・トランジット [Wikipedia日本語版 2014/11/16 20:32現在]

バス・ラピッド・トランジット(英: bus rapid transitBRT)とは、バスを基盤とした大量輸送システムである。真実のBRTシステムは概して、システムの質向上や典型的な遅延の原因の除去を目的とする特殊なデザイン、サービス、社会基盤を有する。BRTを考慮すると、バスの運行経路の重要箇所では交通渋滞を避けるため、バスレーンのような交通の優先権を完全に用いてバスは運行すべきである。さらに、真実のBRTシステムは以下の要素のほとんどを有するものである。

  • 道路中央における配列 (典型的な歩道の縁石側の遅延を避けるため)
  • 駅での車外運賃徴収 (運転手への支払いに関連する乗車及び降車の遅延を減らすため)
  • バスの床面に合った駅のプラットフォームの高さ (段差に起因する乗車及び降車の遅延を減らすため)
  • 交差点におけるバスの優先権 (交差点の信号による遅延を避けるため)
上記にて「真実のBRTシステム」について、4つの定義が述べられている。
これらの定義は、LRT(Light Rail Transit)すなわち「軽量都市旅客鉄道」の概念をバス交通に適用したものである。LRTの代表格としては、近代化された路面電車であり、その代表的なものとして富山市の富山ライトレールなどが知られるほか、その他残存している日本国内の路面電車各路線もこぞってLRT化への脱皮を図っている。

さて、新潟のBRT計画を思い返し、「真実のBRTシステム」の要素と対比してみよう。、
  • 広い道路でも道路中央は走らないし、停留所も路側側
  • 精算は全て車内精算を予定
  • 低床連接バスを導入するが、プラットホームの無い停留所も一部ある
    (プラットホームと言っても歩道をそのまま流用するだけ)
  • 交差点におけるバスの優先権については未定
    (但し、専用レーンが設置されないため優先権を設定する意味は無い)

ぶっちゃけ

「低床連接バスを走らせたいので、BRTって名乗ってみました!! テヘッ(≧▽≦)ゞ」

なのだ。

だったら「BRTなんて小洒落た名前使わないで、単に『基幹バス』と名乗るだけで事足りてるんでしょ?」と激おこな交通政策事情通や交通ヲタが湧いて出るのも当たり前な話。専用レーンも無いのに"Rapid"(快速)な運行なんてできるのかよと小一時間(ry。「BRT」って名前冠するのなら、時間短縮見込み予定を提示しろよと。それができないなら「BRT」なんて名前冠する意味無いんじゃね? ……みたいな話になるわけ。


交通政策事情通や交通ヲタがこういった「原理主義的論争」を好むのも理解はできる。彼らは無駄に知識あるし理想も高い。しかしその言葉に責任があるかどうかと言えば、おおむね無責任だったりする。大抵自分の懐も直接的に痛まないから好き勝手言うしね。

でも市にも「あえて『BRT』を名乗らなきゃいけない理由」がひょっとしたらあるのかもしれない。例えば国や国交省からの補助金絡みの事情で「それっぽい計画」にしないといけない裏事情もあるのかもしれない。であれば、市は市民にそれをきっちり説明して欲しいと思う。そういう「オトナの事情」くらいは市民も理解するっての。


現状の路線バス系統が既に綱渡りで破綻寸前なのは素人目に見ても判る。そこで都市交通政策として新潟市が自らコミットしていかなきゃならないという事情や理念も理解はする。新潟交通という民間会社一社に全てを依存するのはあまりに危険だし、道路環境整備も含めて戦略的に先手を打って行わないと、高齢化が進む市民の生活そのものが崩壊しかねない。

その一環として「オムニバスタウン構想」が立ちあがり、次のステップとしてBRT構想が持ち上がったわけだが、そのBRT構想があまりにもポンコツ過ぎて誰得なのよ?結局美味しい思いしているの新潟交通だけじゃね? ……というカオスに陥っているのだと思う。


私の個人的意見としては、

  • 専用レーン導入するつもり無いのなら、「BRT」を名乗るのはとりあえず止めて、「基幹バス」という名称に変更したうえで、現行の計画をそのまま推進したらどう?

という提言をしたい。


※余談

今日新潟市西区青山の方を自家用車で通った際、『青山水道遊園前」BS付近の交差点付近にあった新潟日産(地図)が空き家になり、そこに『道路改良工事中』の看板が立っていた。

まだ具体的な工事は始まっていない模様だが、恐らくこの敷地が全部交差点用地に代わるものと思われる。

この交差点は連接バスの回送ルートに当たり、狭隘かつ鋭角になっている場所だ。

既に連接バス運行に向けての準備工事は始まっている。
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