大相撲データアナリストの大相撲日記

大相撲のデータ分析を中心に大相撲についていろいろと語ってまいります。

【今後のスケジュール】
★第13回トークライブは12月7日に東京開催。テーマは「データで振り返る2019年」。数字で2019年の大相撲を振り返ります!

2018年04月

あと3時間ほどで新番付が発表される。
おそらく、東関脇は栃ノ心だろう。栃ノ心以外に東関脇に在位する力士が思いつかないといっても良いくらいだろう。

先場所、西関脇に在位していた栃ノ心は、先場所が関脇在位2場所目。そして関脇では初めての勝ち越しだった。
そして東関脇の御嶽海が負け越したことで関脇の座を手放すことは決定的。そうなると、だれが東関脇の席につくのか、と問われれば栃ノ心以外にはあり得ないといって何ら差し支えはないだろう。

栃ノ心は西から東に回るだけといえば、それまでではあるが、私個人的な考え方としては「東関脇は特殊な地位」という思いがある。単純に言えば「大関に最も近い地位である」という思いだ。これは私の「理想」でしかないのだが、東関脇には「大関に最も近い力士が在位するべき」という思いが強く、このブログでも記事にしたことがあるのだが、大関から陥落してきた関脇力士は東関脇に据えるべきだ、という主張をしている。それは単純に、10勝で大関に戻れる(上がれる)のだから、陥落してきた力士が最も大関に近いのだから、その力士を東関脇に据えるべきだ、という理屈である。

最高位関脇の力士がいて、最高位小結の力士がいる。
私はよく「ラッキー小結はあっても、ラッキー関脇はない」という言い方をする。
過去を紐解いていけば、どう見ても「ラッキー関脇」としか思えないような成績で関脇に上がり、関脇在位がその場所だけだったという力士がいることも否定はしないが、元小結の力士たちと、元関脇の力士たちを比べると、どう見ても「元関脇の力士たちのほうが残した実績は大きいものだ」と言い切ってよい実力差が存在しているとも感じている。

だが、元関脇力士の面々を見ると、「ラッキー関脇」としか思えないような元関脇もいれば、「大関になり損ねた」と言っても良いような元関脇がいることもまた確かである。

近年だと琴錦や若の里なんていうところは「大関になり損ねた元関脇」ともいえそうだし、現役でいえば、もちろん現役である以上、将来大関になる可能性はあるとはいえ、栃煌山なんかも「大関になり損ねた」と言えなくはない力士かもしれない。つまり、元関脇でもその中で「実績差」というのがある、という思いである。

そんな関脇。私は関脇を以下のように分類している。
 ①大関以上に上がった関脇
 ②関脇で2場所連続で2桁勝利を挙げた経験がある力士
 ③関脇で2桁勝利を挙げたことがある力士
 ④関脇で勝ち越したことがある力士
 ⑤関脇で勝ち越したことはないが東関脇に在位したことがある力士
 ⑥関脇で勝ち越したことがなく西関脇または張出、3番手以下の関脇にしか在位したことがない力士

先場所前までの時点では、栃ノ心は⑥に該当する関脇だった。だが、先場所10勝したことで、一気に③の関脇までランクアップさせてきた。

①は大関以上に上がった力士ということになるのだが、②の関脇になると4名しかいない。琴錦、若の里、琴ヶ梅、長谷川である。ちなみに余談ではあるが、大関以上に昇進した力士の中では「関脇在位中に連続2桁勝利経験がない力士」というのはいるが、関脇以上の地位で2場所連続2桁勝利を挙げたことがない大関以上の力士は豪栄道が唯一である。

③の関脇になると、かなりの人数が出てくる。
そして⑥の関脇となると27名。現役では、豪風・隠岐の海・勢・宝富士・正代が⑥の関脇に相当する。
過去の名関脇と言われるような力士でも、紐解いてみると、実は⑥の関脇だった、という力士もいる。古くは藤ノ川なんていうところがそうだし、益荒雄、旭天鵬なんていうところも⑥の関脇だ。

同じ関脇なのに「格付」みたいなことをするのはどうなのか、なんていうご意見も出そうだが、大関に上がらなければ、関脇に在位しても元関脇は元関脇だ。その関脇の中で、どうやって「ランクアップ」させていくのか。

栃ノ心は⑥の関脇から、先場所の10勝で③の関脇に「ランクアップ」した。
そして5月場所は初めて「東関脇」に在位することになるだろう。その5月場所で10勝以上を挙げることができれば、②の関脇に「ランクアップ」だ。そして大関を手にすることが出来れば①にさらにランクアップだ。

そして5月場所、西関脇に在位するのは逸ノ城だろう。
ちなみに逸ノ城は④の関脇だ。関脇で勝ち越したことはあるが、関脇で2桁勝利を挙げたことはない。
逸ノ城はまずは③の関脇に「ランクアップ」できるか。

「大関候補」となるためには、やはり、まずは最低限③の関脇にならないと大関の声はかからないだろう。
いくら関脇に在位し続けていたとしても、9勝を1年間続けたって、大関にはなれないはずだ(②の関脇になったとして、10勝をずっと続けていたとしても現行の大関昇進基準では永遠に関脇だろうが)。

1月場所の優勝を含め、このところ、本当に力を見せつけられるようになってきた栃ノ心。
調子が戻ってきて本来の力を取り戻してきた逸ノ城。
5場所連続で関脇に在位していたが、おそらく関脇の座を手放し、5月場所は小結に在位するであろう御嶽海も今の時点では④の関脇だ。

ちなみに現役では、大関以上の力士と、大関経験者の琴奨菊と照ノ富士が①の力士。
②の力士はおらず、③が栃ノ心・玉鷲・栃煌山・妙義龍・安美錦、④が御嶽海・逸ノ城・嘉風・碧山・豊ノ島、⑤が魁聖・琴勇輝、そして⑥が前述した豪風・隠岐の海・勢・宝富士・正代。

この②~⑥の「関脇経験者」は、関脇としての「ランクアップ」を果たせるか。
そして関脇未経験で関脇をつかみ取れる力士が出てくるか。
そして①になれる力士は誰なのか。

こんなのも楽しみにしつつ、ゴールデンウィークが明けて少し経てばいよいよ5月場所が始まり、またいろいろな見どころがあるのだろうが、「大関争い」も楽しみの一つだろう。栃ノ心が引き離すか、逸ノ城や御嶽海はどうなるのか。このところ上位で安定している玉鷲はどうなるのか。

まずは2時間後、番付発表。
どんな番付が出てくるのか。いよいよ5月場所への気分を高めていこう。
個人的にはゴールデンウィークはまずは仕事漬けなのですが。

ちなみに私、5月場所は9日目の観戦は確定です。もし9日目、観戦の方がいらっしゃればご連絡いただければ当日、現地でご対応させていただきます。



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【追記】※読者の方より、記事番号に重複があるとご指摘を頂きました。せっかく500本目の記事だと思って書いたのですが、ブログの「マイページ」を見てみたら、投稿記事は500本…。ということで「確認作業」をしてみたところ、記事番号067が欠番になっており、488が重複していました。ということで、「500本目」ということには違いがなかったのですが…。落ち着いたら、記事番号を徐々に修正していこうと思っておりますが、400本強の記事番号を修正しないといけない…。頑張ります。
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当ブログ、2016年12月に開設し、500本目の記事となりました。
どうも今日が開設512日目ということになるようなので、ほぼ1日に1本の記事を平均で挙げていることになります。

mixi時代は1000を超える日記を書いていたり、過去はyahoo知恵袋にもかなり回答していたので、その数をすべて足すと結構な数にはなるのではないかと思いますが、今の livedoor Blog にしてからは、多くの方にアクセスしていただけることになり、この500本まで1年ちょっとで達することができた。それだけの記事を書こうという気にさせてくれたのも、読者の方々がいらっしゃるからこそだと思っております。本当にありがとうございます。

さて、そんな500本目の記事なわけですが、そこで今回は500という数字。大相撲の数字で500というのに着目してみようかと思います。

通算500勝を達成した力士。1066勝の白鵬を筆頭に220名。ちなみに500勝ぴったりなのが、元大関琴ヶ濱と、元幕内の鳥羽の山。琴ヶ濱は6場所制への移行期の力士でもあるため、キャリアからすれば、現代の力士と比較すると通算勝利数はやや低めになってしまうか。そして元小結陣岳が500勝に1つ足りない499勝。そして現役の栃ノ心が現在通算498勝。おそらく5月場所中に通算500勝を達成ということになるのだろう。歴代で220名しかいない記録ともなれば、最高位が幕下以下の力士もいるが、大相撲の世界でそれなりに実績を残せた力士たちと言って良かろう。

これが幕内500勝ともなると、数はさらに限られてくる。
そもそも幕内にまで上がれる力士が少ないというのはあるが、56名が幕内500勝を達成している。
500勝ちょうどという力士はおらず、一番近いのが栃煌山で幕内501勝。ちなみに幕内500勝を達成している力士は全員、最高位は関脇以上。最高位が小結以下だと、隆三杉の472勝が最多で、平幕になると347勝の豊響が最多。豊響は幕下に陥落し、先場所は幕下でも大負けを喫してしまったが、この勝利数をさらに積み上げることはできるのか。

では、連勝となれば。双葉山の69が最多。500なんていう数字はこれと比べたら、天文学的数字といっても差し支えなさそうだ。もう、どうやったら。どんな競技であれば500連勝なんて達成できるのか、という数字だろう。ちなみに、500連勝を達成しようと思ったら、6年弱、34場所が必要。少なくとも、32場所連続で全勝優勝をしないといけない。もう、あり得ない数字といってよさそうだ。

では500負けるのはどのくらい大変なことなのだろう。
こちらは500勝達成者よりも少ない169名。500敗ちょうどなのが、現役の栃煌山と、元幕内の大鷲。さすがに栃煌山がこのまま引退まで1敗もしないということはないだろうから、今のところは500敗ちょうどで引退したのは大鷲のみといったほうが適切か。

500敗に近い現役力士は491敗の三段目の剛力山。もうベテラン力士ではあるが、数少ない「500敗力士」になれるか。続けていれば、遅くとも年内には達する数字ではあるが。

では、幕内500敗力士ともなれば。こちらは773敗の旭天鵬、753敗の寺尾が上位2名で、幕内500敗達成力士は31名。横綱で幕内500敗達成者はおらず、元大関でも4名(魁皇・雅山・琴奨菊・霧島)。魁皇以外の3名は、大関から陥落しており、現役が長かったからこそ達成出来た記録ともいえるが、魁皇の500敗はある意味名誉な記録か。私はこういう記録をよく「魁皇らしい記録」と形容するが。ちなみにその他の力士は全員、関脇か小結が最高位。最高位が平幕の力士での最多敗者は朝乃若で434敗。変な言い方だが、三役に上がれないようでは幕内500敗なんぞ達成できないということか。そして横綱まで上り詰めた力士での幕内最多敗者は稀勢の里で439敗。現役力士であるため、当然、この記録は伸びる可能性があるが、初の横綱昇進者の幕内500敗達成となるか。とはいえ、稀勢の里があと61敗することが許されるのだろうか。10勝5敗を2年間続ければ、60敗にはなるので、10勝5敗をひたすら続け2年以上たった後に引退。稀勢の里だったら許されてしまいそうな成績でもあるが。イレブン横綱ではなくテン横綱(言いづらいな…)。とはいえ、横綱としてほめられた数字でもなく、やはり横綱になることで負けが増えないというのは間違いなく言えることなのだろう。ちなみに500敗ちょうどの力士は貴闘力。

では、500連敗はどうだろう。服部桜が現在82連敗中と記録更新中。とはいえ、500連敗。幕下以下だと1場所7番。71場所連続で全敗を続けないといけない。そこに要する期間は約12年。服部桜が30歳まで現役を続け、なおかつ、すべて負け続けて達成される記録。うーむ。辞めないで続けていれば、達成しかねないようにも思えなくもなかったりするのは気のせいだろうか。とはいえ、尋常でない記録であることもまた確かだろう。

こう考えると、連勝の最多が69。そして優勝回数は白鵬の40回が最多。そうなると、優勝500回なんて、できるわけがない記録としか言いようがない。考えるだけムダといったところだ。

では、優勝ではなく在位で見たらどうなのか。
在位500場所。これもなれば、約83年。もう年間12場所制なんていうことになっても、達成できない記録か。
そもそも年寄の停年は65歳だが、現役力士のまま65歳に達したら停年となってしまうのだろうか。だとしたら、絶対に達成されない記録だ。現実味がないというか、これまた考えるだけムダな話でもありそうだ。

では、懸賞500本となるとどうか。
懸賞のデータはとっていないし、昔の記録はわからないが、稀勢の里は1場所で500本を超える懸賞がかけられている。昨年1年間の白鵬の懸賞獲得本数が1301本。つまり、横綱・大関クラスであれば、懸賞500本というのは、特段凄い数字ではなさそうだ。とはいえ、1場所10本程度しか獲得できない平幕力士だっている。こういう力士からすれば、懸賞500本というのは、結構「夢の数字」ともいえるのかもしれない。

各場所の番付記載力士500名となると、昭和15年5月場所が611名で戦前では最多。その後、第二次世界大戦への出兵力士がいたり、終戦直後は力士数が少なかったため、500人を割り込んでいたが、昭和29年9月場所以降、500名を割り込んだ場所はない。とはいえ、最大で900名超だった力士総数も近年は600名台で推移。これが500名以下になるようではちょっと寂しいところだ。

では、上から500番目の力士は? となると、現行定員だと、付出がいたり場所前の引退等もあるが、ほぼほぼ、西序二段55枚目が上から500番目の力士になる。では、この500番目の力士になったことが最も多いのは。といっても、序二段中位。そうそう同じ番手になることもなかろうと思っていたが、平成20年から22年まで現役だった佐田の昇という力士が、この「500番手の力士」を唯一3回経験。ただの偶然でしかなく、何の記録的価値はない数字でしょうが。

やはり数字の区切りという意味では、500勝、500敗といったところか。
そんな500勝が近づいてきた力士。通算500勝だと、前述したように栃ノ心があと2勝。三段目の大雷童があと7勝、そして同じく三段目の翔傑があと11勝。関取だと、隠岐の海があと15勝、高安があと20勝。関取と取的の番数の違いもあるし、高安は他力士よりも多く白星を重ねる可能性は高いだろう。おそらく次に通算500勝を達成する力士は栃ノ心ということになるのだろうが、大雷童、翔傑、隠岐の海、高安。栃ノ心の次の「通算500勝達成者は誰か」こんなところもなかなかみどころかもしれません。

今回は500本目の記事を勝手に祝って、500にまつわる記録をご紹介させていただきました。



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昨日、元プロ野球選手の衣笠祥雄氏が亡くなられた。
衣笠選手といえば、広島カープの名選手。鉄人の愛称で知られ、17年間にわたり全試合出場。その連続試合数は2215試合だ。休むことを知らない選手ともいえるのかもしれない。入団時の背番号が28だったことも「鉄人」と言われる所以だったのかもしれないが、当初はそこまで大きな期待をかけられている選手でもなかったようで、入団後の努力が花開き、休むことなく40歳まで現役選手を続けられたのだろう。

衣笠選手と言えば、この連続試合出場があまりにも偉大すぎ、有名な記録であることは間違いないが、その他打者としても歴代の選手の中でも相当に傑出した数字を残していることも付け加えておこう。
まずは衣笠選手のご冥福をお祈りしたいと思います。

さて、これはプロ野球の話なのだが、衣笠選手が初めて全試合出場を果たした年、昭和46年。大相撲の世界で十両に初めて昇進した力士の中に青葉城がいる。野球の世界での連続出場が衣笠なら、大相撲の世界で休まない人といえば、青葉城だろう。衣笠より2つ年下の青葉城は中学卒業後の昭和39年に大相撲の世界に入門する。そして、衣笠よりも1年早かったが、昭和61年の引退まで休むことなく出続けた。

衣笠の現役時代も、青葉城の現役時代も、私自身、その晩年のみなら記憶に残っている。といっても当時の私は小学生だったのだが。

どうでもいい話だが、この青葉城。私は私の勘違いで応援していた力士の1人だった。
私が小学生低学年から中学年にかけてのころ。自宅近くに相撲部屋があった。旧・木瀬部屋である(今の木瀬部屋とは継続性はない)。その旧・木瀬部屋にいた関取が「青葉山」である。私の父曰く、「探せば、青葉山に肩車をされた幼き頃の私の写真があるはず」ということなのだが、いまだに見つけられずではある(たぶん、そういう写真を撮ったのは事実なのだろうが写真はどこかで処分したのかわからないが残っていないのだろう)。と言っても、青葉山が引退したのは私が小学校に入る前。とはいえ、この「青葉なんちゃら」という四股名が記憶にあったのか、小学生の頃の私は「青葉城が以前住んでいた家の近くの相撲部屋にいた」と思い込んでいたのである(私は小学生の時に引っ越しをしたので、その時に旧木瀬部屋の近所から離れた)。そんなところで、私の勘違いによって、幼き頃、応援している力士の1人がこの青葉城だったのだ。

閑話休題。

昭和の後期。野球の世界では衣笠選手が。そして相撲の世界では青葉城が「休まない人」だったわけだ。
奇しくも、といってよいのかわからないが、時代も昭和50年代を主に、連続出場記録を伸ばしていく時代はもろかぶりだ。
そして、この両名の連続出場の記録は未だに破られていない(衣笠選手の場合は「日本では」ということになるが)。

そんな青葉城だが、連続出場記録は1630。
ただ、競技の違いはあるが、衣笠と青葉城の記録。大きな違いがある。
青葉城は、入門以来、1日も休まずに引退まで土俵を勤め上げたのだ。

大相撲の場合、いくら弱かろうが、いくら親方に嫌われようが、「休場届」を出さねば試合(取組)があるのが前提なのだ。だが、プロ野球の場合は「試合に出場します」ということで、ベンチ入り登録をされて、メンバー表に名前が書かれ、初めて試合に出場ができるのだ。つまり、下手くそな選手は試合に出してもらえないわけだ。それ故、プロ野球に入ってから、引退するまで全試合に出場したなんていう選手はいない。衣笠選手も全試合に出場しているが、試合の全て。プロ野球の記録的な言い方だと「フルイニング出場」を果たしていたわけではない。フルイニング出場の記録保持者は現阪神タイガース監督の金本選手だ。だが、金本選手だって、1年目からフル出場していたわけではない。金本選手が残した記録は偉大だが、どちらかといえば「遅咲き」の選手だ。

詳しく調べたわけではないが、フルイニング出場という記録では、昨年、西武ライオンズの源田選手が「1年目の選手としては56年ぶりのフルイニング出場」を達成し、もし今年もフルイニング出場を果たせれば「史上初のプロ入りから2年連続フルイニング出場の選手」ということになるらしい。つまり、フルイニング出場という記録でいえば、プロ入りから2年間でもやってのけた選手は過去にいないということだ。

だが、弱くても試合に出場できる力士では、入門から2年連続で休みなし、というのは特段珍しい記録でも何でもない。言うまでもなく、試合(取組)が組まれるからだ。

では、簡単に続けられる記録なのか、と問われれば当然そんなことはない。
青葉城の1630回連続出場は金字塔だし、休場なしで1000回出場を達成した力士は16名しかいないのだ。
そして、単純に「連続出場」という点だけで見ても、青葉城の1630回連続出場というのは、歴代1位の記録だ。

そもそも、1630回出場するということが並大抵のことではない。
この青葉城の1630回出場というのは、出場回数としても歴代8位の記録なのだ。
大相撲の世界では、いくら弱かろうが試合(取組)はあるというのを前述したが、関取は1場所15番だが、幕下以下では1場所7番。つまり、幕下以下で1630回出場しようと思えば、約39年現役を続けないといけないのだ。15歳で入門したとしても、その番数に達したときは54歳だ。現実離れしすぎている。

現役最年長、戦後最年長力士の華吹も、出場回数は1317回(当然、最高位が幕下以下の力士では史上1位であり、全力士でも歴代43位の出場回数にはなる)。青葉城の記録まではまだまだだ。いかに青葉城の記録がすごい記録であるかわかろうものだ。

だが、「期間」という観点で見ると、既に青葉城越えを果たした力士はいる。そして青葉城が超えられなかった「先輩力士」も存在する。

「連続フル出場場所記録」という見方をすると、史上1位は現役の翔傑だ。
昭和51年生まれで高校卒業後の平成7年に入門した翔傑は、昨3月場所まで、今のところ23年間137場所休場なしで出場し続けている。青葉山は134場所目の場所途中に引退しているので、その記録は133場所ということになる。そして、青葉山以前では牧本(轟)が136場所休みなし(入門から休場・不戦なし)で引退している。つまり、翔傑は先場所、単独史上1位に立ったのである。

旭光が先場所を最後に引退したことで、現役3番目の年長者となった翔傑がこの記録をどこまで伸ばしていけるのかが非常に興味深いところだ。

そして、現役の「入門から休場なし」での出場回数が最も多いのが、翔傑の1学年下で、やはり翔傑と同じく高卒で入門した芳東である。その数、1092回出場。芳東は力士としての期間は翔傑よりも1年少ないわけだが、関取経験があるため、出場回数は翔傑よりも上ということになる。だが、関取を長く務める玉鷲が休場なしで1076回出場を続けている。
現在、三段目に定着してしまっている芳東は年間42出場だが、玉鷲は関取であるため年間90出場。このまま行けば近々玉鷲が芳東を逆転することになるのだろう。とはいえ、芳東であれ玉鷲であれ立派な記録だが、青葉城にはまだまだたどり着かない数字だ。

いかに青葉城が長く出続けた証だろう。
玉鷲が青葉城を超えるためには、あと6年ちょっと休場なしで関取在位を続けないといけない。その時、玉鷲は39歳。そこまで現役を休まず続けられるのか。

ちなみにプロ野球の世界では、阪神タイガースの鳥谷選手が現在1914試合連続出場で継続中だ。とはいえ、今シーズンは不調で記録の継続が話題になっている。こちらも、超えるとなると、今年、来年、全試合出場をして、再来年早々に塗り替えが可能な記録だ。

それだけ青葉城であれ、衣笠選手であれ偉大な記録を打ち立てた偉人ということなのだろう。
よく「記録は破られるためにある」などという言い方をするが、果たしてこの偉大な記録が破られる時は来るのだろうか。

衣笠選手の訃報を耳にし、今回は「連続出場」に目を向けてみました。
重ねて、衣笠選手のご冥福をお祈りいたします。



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Twitterでさんという方からフォロー頂いた。
正直なところ「なんだこの名前?」と思ったのだが、ちゃんとした元力士によって運営されている組織であった。

この方のプロフィールにあったサイトを見たところ(サイトはこちら→http://www.sirius-net.jp/sumo/)、設立理念として以下のようなものがあった。
 ・伝統文化「相撲」の底辺拡大
 ・力士引退後の支援
 ・墨田区には存在しない民間のための土俵を誘致

この中で興味深いのは2番目の「力士引退後の支援」である。
一般的なイメージでいえば、引退後相撲協会に残れない力士は「ちゃんこ屋になる」とか「プロレスラーになる」というイメージが強いのだろうが、現実的に、20歳そこそこの元序二段力士が簡単にちゃんこ屋を開店できる資金があるとも思えないし、プロレスラーになるとしたって簡単な道ではないだろう。

だが、人として相撲の世界を離れても、何らかの職について生きていかねばならないのは当然のことだ。
とはいえ、相撲の世界しか知らない、最終学歴が中卒の人が簡単に就職できるのかといえば、難しいというのが現実なのだろう。

そんな中、元力士が「力士引退後の支援」を行っていくというのは、素晴らしいことだ。
そしてサイトの事業内容にあった、支援の一つになるのだろうが、「役者」という道だ。
サイトの文章をそのまま紹介させていただく。
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 身体の大きな人材のキャスティング
  弊社では力士を引退した人材を多く起用しております。映画、CM、ドラマなどで「身体の大きな人」、「相撲の動きが出来る人」など大柄な人材をキャスティングすることができます。190cm以上の人間、200kgの巨体、これはなかなかキャスティング出来ないかと思いますが、弊社におまかせください。ただの大きな人間ではありません。相撲の所作に精通しており、CMやドラマ制作に対して助言なども可能でございます。
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これは確かにその通りだ。

数年前だが、NHKで放送されている「歴史秘話ヒストリア」という番組で双葉山が取り上げられたことがあった。この中で出てきた力士役の役者の所作がすごく綺麗だったことが、番組の内容と関係ないところではあるが、非常に印象に残ったのだ。言葉でいうのならば「なんだこの人。役者のくせに、妙にきれいな所作だな」といったところだ。そして番組終了時のエンドロールで、「両國宏」という名前が出てきており、それが目に付いた。双葉山を取り上げた番組で、両國なんていう名前の役者がいる。まさに「なんだこの人?」と思ったので調べてみたのだが、この両國宏という芸名の役者、元幕下の祥映斗だったのだ。

若貴ブームの時代に幕下上位におり(当時は霧の若という四股名だった)、あと一歩で十両というところまで上がった力士で、相撲の取り口の印象まではないものの、私の記憶に残っている力士であったため、元力士から役者になるということもあるのかと思ったのだ。

祥映斗はサイトにあるような、200kgの巨体を持つような力士ではなく、力士としては「小兵」とされる力士ではあったが、確かに元力士の役者が演じるにはもってこいの仕事を与えられたと言えるだろう。
ちなみにこの両國宏さん。現在は両国で「Riverside ryogoku」というお店も営んでおり、私も足を運ばせていただいたことがあるが、この歴史秘話ヒストリアの話含めて、いろいろと良いお話を両國さんにしていただいたことを覚えている。

やや話ずれてしまったが、役者という道もある、というのは非常に興味深いところだ。

元力士であるからこそできる仕事がある。
探せばまだまだあるのだろう。昨今、人員不足ともいわれ今後需要があると言われている介護士。力士なら力もあるし、話も上手い。老人相手の介護の仕事は、力士の「人間力」がすごく生かされる職でないか、なんていうことも耳にする。

力士の特徴というのは、大きな体であるということと、やはりその大きな体を生かした「力仕事」だろう。
そういう人材を必要とする企業に元力士を送り込む。こういう役割を果たせる組織というのがあれば、それは力士の再就職に大きな役割を果たすのではないだろうか。

さすがに元力士専門の人材派遣業というだけで企業として成り立つかどうかはわかりかねるところはあるが、元力士がこうやって力士の第二の人生を支援するということは、現役力士にとっても「安心」の一つになるのではないだろうか。

関取になれるのは10人に1人の世界と言われ(実際には13人に1人程度)、それが幕内に届くまでの力士ともなれば、もっとその門は狭くなるし、三役に上がれるところまでたどり着けるのは50人に1人の世界なのだ。そして引退後親方になれるのは数少ない道。最高位十両の親方もいるが、ほぼほぼ元幕内。それも定年まで親方でい続けられる元力士となれば、本当に一握りの人だけなのだ。

つまり、大相撲の世界でそれなりに成功したといっても、大部分は相撲協会を離れ、生活する手段、すなわち何らかの職を見つけて生きていかねばならないのだ。だが、それが容易ではなかったりする。だからこそ、このような組織があり、力士の第二の人生を支援し、それによって力士引退後も一人の人間として生きていける道を見つけられれば。

こういう組織が力士にとっても、世間にとっても認知されることで。そしてここから巣立った元力士が社会の役に立っていけば。元力士の第二の人生というのが非常に明るいものにもなっていくのではないだろうか。
陰ながらではあるが、この組織を応援していきたいと思うし、この組織が続いていくことを期待してみたいと思います。



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ここ半月ほど、公私ともに多忙になっており、記事の更新が滞っておりました。
大相撲とはまるで関係のない話で恐縮ですが、「任意保険に入っていないクルマ」に突っ込まれ、相手方ともめておりました(まだ解決していないけど)。

さて、そんな中でブログ記事を更新できていなかったわけですが、徐々にまた再開させていきたいと思います。

そんな中、今日は第7回のトークライブのご案内です。
気づけば、毎場所後開催が恒例化してきました。
幕下相撲の知られざる世界(http://makushitasumo.com/)の西尾克洋氏とコンビを組み、私の作成した資料をもとに面白楽しくプレゼンをさせて頂いております。

ちなみに第7回のテーマは「歴代1位」です。
いろいろな角度から、とにかく「歴代1位」について見ていきます。

白鵬の優勝40回。これも当然「歴代1位」です。
連敗となれば、服部桜が連敗街道を進んでいます。
良く知られた「歴代1位」から、驚きの「歴代1位」まで。
いろんな「歴代1位」を取り上げます。

ご都合着けば、是非、足を運んでみてください。

ご予約サイトは
https://peatix.com/event/372219/view
です。

本日は「番宣」(?)だけで大変恐縮でしたが、ブログ記事も随時更新してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。




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