大相撲データアナリストの大相撲日記

大相撲のデータ分析を中心に大相撲についていろいろと語ってまいります。

【今後のスケジュール】
★第13回トークライブは12月7日に東京開催。テーマは「データで振り返る2019年」。数字で2019年の大相撲を振り返ります!

2018年05月

沖縄県出身の木崎改め美ノ海の新十両が発表された。
四股名も沖縄のイメージということで、早くから木崎自身は十両に上がった際につけると決めていたようで、この日、お披露目になったといったところか。

沖縄にはまるで縁がない私なので、沖縄の方が「美」とか「ちゅら」という文字、言葉にどういう思い入れがあるのかというのは図れないところがあるのだが、沖縄の方にとって、とても意味があること、沖縄らしさを伝える、伝えたいという思いがあるのなら、なかなか良い四股名だと思っている。個人的には、また学生出身が本名のまま十両に上がるようなことをしないというだけでも、ほっとしたりするところもあるのだが。

さて、そんな沖縄だが、古くは琉球王国。その後、日本の一部となり、太平洋戦争後から昭和47年までは米軍の統治下。このような歴史があるので、固有の文化があったりもするものだが、少なくとも現代においては日本国と言う主権国家の中で「沖縄県」という1つの県として存在していると言って良いだろう

そんな沖縄だが、大相撲の世界においては、なかなか活躍している力士がいない地域でもある。
現在の47都道府県の中で、唯一、三役以上の力士を輩出していないのも沖縄県だ。
今の美ノ海に三役を求めるのは尚早かもしれないが、過去、平幕まで上がった沖縄出身者はいても、小結以上になった沖縄出身者はいないので、美ノ海がまずは三役を目指すことが沖縄力士の躍進ということになるのではないだろうか。

さて、そんな沖縄出身者だが、米国統治下にあった昭和47年までは、たとえ日本国民であったとしても、いわゆる「本土」に渡るためにはパスポートが必要だった。米軍統治下でもあり一般道路も右側通行。米軍統治下の沖縄のことなんぞ、私は近しいところにそれを経験した方もいないため、聞いた話ですらほぼほぼないのだが、わずかではあるが、そんな時代にも沖縄からやってくる力士はいた。

調べられる範囲では昭和34年7月に高ノ花(後に那覇錦)という沖縄出身力士がデビューしているのが最初のようだ。
番付には今は出身県(国)、昔は藩が書かれていたが、琉球藩出身の力士がいた記録はないようだ。
当時は米軍統治下にあったわけだが、この昭和34年4月に沖縄巡業が開催されており、この際にスカウトされたのかも知れない。

ちなみに、米軍統治下ではこの昭和34年のほか、昭和27年、昭和42年にも沖縄で巡業が開かれていたようで、米軍統治下の沖縄で少なくとも3回は巡業が行われていたようだ。敗戦直後はGHQの許可を得て、土俵も1尺大きくして開催するなど、米軍と相撲というのは少なからず接点があったようにも感じられる。

さて、そんな沖縄出身の力士だが、力士数はその昭和34年から現在に至るまで以下のように推移している。
沖縄出身
最も多かったのが、昭和51年。この年のみ1年間通して10名以上の沖縄出身者が現役力士として在籍していたことになる。昭和47年に沖縄が返還されてから右肩上がりになっているのを見ると、この沖縄出身の力士の増加は沖縄返還と無関係ではなかろう。

その後、若貴ブームの時代、平成初期にやや少なくなっているが、それでも、その後は6~7名程度は安定して沖縄出身力士が在籍していると言って良いだろう。

だが、前述したとおり、沖縄出身者、いまだに三役はいない。また三賞受賞者もいない。
沖縄出身者で最も番付を上げたのが、沖縄出身初の関取でもある琉王で、その最高位は平幕筆頭。次いで琴椿の平幕3枚目だ。そして未だに横綱から勝利したことがある沖縄出身者は琉王ただ1人だ。幕内まで上がったのも(最高位十両の力士がいないため、関取経験者は新十両が決まった美ノ海以外は全員幕内経験者ということになる)、その他、若ノ城と琉鵬の2人だ。若ノ城はabemaTVで解説をするなど、今は大相撲の世界から離れてしまっているが、ここ最近またメディアで見かけるようになっているので存じている方も多いだろう。そして引退後、親方として相撲協会に残ったのは琴椿ただ1人だ。現在も白玉親方としてその業務にあたっている(その他世話人として協会に残った元幕下の勇鵬が協会に残った人としているにはいる)。

大相撲「後進県」と言えてしまうのが沖縄出身の現状だ。
いわゆる「南西諸島」で括れば、奄美大島出身者の活躍は良く知られるところであり、いくら地理的には近いところであっても、沖縄の歴史的なもの、文化的なものもあるのかもしれないのだろう。

だが、そんな沖縄出身の美ノ海が上がってきた。
こんなことを言っては過去の沖縄出身力士に対して失礼だが、現時点では歴代で最も期待の持てる沖縄出身力士といっても良いだろう美ノ海。

過去の沖縄の力士。琉王と琉鵬は「琉球」の「琉」の文字を四股名に冠してきた。
琴椿の「椿」も沖縄で良くみられる椿の花を由来にしていると聞いたことはある。

ちょうど1年ほど前、やはり沖縄出身の力士が「美(ちゅら)」という四股名に改名し話題になったが、美は現在序二段の力士であり、まだまだ美の力では「沖縄旋風」とはいかないだろう。そんな中、現れたもう1人の「美」である「美ノ海」。そして来場所は美ノ海の実弟である木崎海も幕下昇進が確実。こちらも関取になったら「美」を使った四股名にしてくるのでしょうか。

相撲後進県と言って差し支えないだろう沖縄出身力士が今後、どう活躍していくか。美ノ海に期待だ。

最後に沖縄出身の関取と、沖縄出身現役力士をまとめたものを提示しておきます。
沖縄出身関取
▲沖縄出身の関取
沖縄出身現役
▲沖縄出身現役力士



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さすがに三段目以下は労力がかかると思いながらも、三段目の予想番付を作成してみました。
幕下から陥落してしまう力士の位置がどうなるかが興味深いのと、豊昇龍が全勝して一気にジャンプアップして、納谷との番付差がどうなるのか気になるところなのでからやってみたといったところでしょうか。

ちなみに幕下までは
 ■528 平成30年7月場所予想番付(幕下5枚目まで)
 ■533 平成30年7月場所幕下予想番付
をご参照ください。

では、早速ですがその番付です。

201807三段目1
201807三段目2
201807三段目3
201807三段目4

過去に序の口までやってみたことはあるのですが、経験値はそんなにないために、手探り。精度のほどもよく分からないと言ったところですが、過去の昇降幅を目安に合わせてみました。

整合性を保つだけでも結構な作業です。なにせ三段目だけで200名。幕下下位から序二段上位まで陥落や昇格者も勘案していかねばならない。しかも、同じ星で逆転現象を起こさないということがマストになるため、なかなか手ごわいですね。

現実的なことを考えると、本当に審判部の親方が作っているのか?という思いもあり(勝手な想像ではこのあたりの地位になると中堅行司さんあたりが土台のようなものを作っているのではないかと邪推もします)、番付編成会議で700名近い力士の番付昇降を、あっちが上だ、こっちが上だとやっていたら、それこそ1日で終わるようなものじゃない。

いざ三段目までやってみても、2か月に一度、これをやっている審判部、本当に頭が下がります。
まずはミスなくやってみた。こんなレベルですが、参考にはなるかと思います。

取組編成のように、ほぼほぼ機械的に作られるものならともかく、機械的に作っているような印象もないので、本当にすごい作業と思います。序二段は…、ここまできたらやってみても面白いですが、ただの「私の意地」にはなってしまいそうです。



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さて、引退力士も発表されましたので、幕下の予想番付です。毎場所、作るだけ作って、振り返りもしないのですが…。

早速ですが、その番付を。
201807幕下1
201807幕下2
※ピンク:初昇進 オレンジ:再昇進 青:陥落 太字:最高位更新

照ノ富士は7枚目。この辺りまで落とされるでしょうというのが過去例から察せる範囲。
あとは難しかったのが「天風をどこまで落とすか」です。幕下筆頭の2勝5敗なら15枚目以内には踏みとどまる。だけれども、1勝6敗なら15枚目以内からははじかれる。とはいえ「2勝6敗」。だいたい幕下5枚目以内の2勝が15枚目に踏みとどまれるラインで、1勝だと20枚程度の陥落が想定される地位なので、その中間をとって、15枚目には入れてみたのですがどうでしょう。

さすがに幕下以下全員を5枚以内のずれで収めるというのは、なかなか至難なのですが、だいたいこの辺りに位置するのではないかと想像してもらえれば良いのかなと思います。



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5月場所が終わったが、5月場所というのは、いわゆる卒業組が初めて番付に付く場所でもある。
3月場所に初土俵を踏み、そして5月場所を序の口で迎える。

近年は中卒入門者が減ってきており、高卒や大卒が増えている。
相撲経験の有無というのもあるのだろうが、単純に15歳と18歳を比べれば、まだ体格も成長途上。18歳のほうが同じ経験値なら「強い」ことが多いのではないだろうか。

そんなこともあるのか、近年は中卒でいきなり好成績を収めるような力士は減ってきている。
今年の中卒組は、平成14年度生まれということになるが、中卒即入門でいきなり序の口で優勝したのは、昭和55年生まれの大雷童が直近。昭和55年生まれが今年38歳になるわけだから、もう、中卒即入門での序の口全勝は22年出ていないということになる。

最早、序の口の一部の力ある力士は、どう見ても序の口レベルでない力士が多いわけで、序の口優勝者もほぼほぼそれなりに年齢のいった経験者だったり、元三段目、幕下クラスの、ケガ等で番付を下げてきた力士たちである。

では、平成年間の中卒即入門者の5月場所の成績はどうなっているのだろうか。勝利数ごとにその比率と全員の平均勝利数を見てみた。早速だが、グラフを提示しよう。
2018中卒
平成初期に比べ、入門者分母というのはかなり少なくなっているのだが、平均勝利数は平成年間で最高(5月場所は平成最期の5月場所だから「確定」と言えるか)、全勝こそいないものの、5勝以上比率も過去最高だ。
これだけを切り取ってみれば、今年の中卒入門者は「質が高い」と言えるのかもしれない。

現実的なことを想像してみると、そもそも相撲未経験で中卒で入門するという気概のあるチャレンジャーが減ってきており、中卒でも経験者が増えているということも想定はできるのですが。

いずれにせよ、このグラフから、今年の中卒組は期待できそうだ、という思いを持って追いかけていきたいと思います。

最後に、今場所の中卒即入門での勝ち越し者を以下にまとめておきます。

2018中卒勝ち越し



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今場所、逸ノ城がある意味「妙な記録」を打ち立てた。
過去、この記録は1度だけ。今回の逸ノ城が2回目。そして、こんな記録を持っているのは今のところ逸ノ城だけ。
これはいったい、どんな記録なのだろうか。

もったいぶってもしょうがないのだが、もし、千秋楽に阿炎が勝って勝ち越しを決めていれば、阿炎もこの記録を「やってのけた力士」になるところだったが、残念ながら負け越したために、これはならなかった。お分かりになっただろうか。

これは、横綱白鵬に不戦以外で勝った場所で勝ち越したが三賞を受賞できなかった関脇以下の力士である。

白鵬の全盛時。白鵬に勝って勝ち越せば、それだけで殊勲賞確定とまで言われるような時代があった。確かに白鵬の全盛時、白鵬に勝つことは殊勲以外の何物でもなかっただろう。

実際には殊勲賞ではなく、その他の賞の受賞だったケースもあるわけだが、三賞の受賞資格者になれる「関脇以下の勝ち越し力士」。これを満たし白鵬に勝つというのは、それだけで三賞受賞に相応しいともいえただろうし、実際に「逸ノ城以外は」全員、何らかの三賞を受賞しているのである。

ちなみに今場所の逸ノ城。白鵬に勝ったのは2回目だった。だが、今場所もそうだし、前回白鵬に勝った場所も勝ち越しているのだが、その場所、逸ノ城は三賞受賞はならなかった。

逸ノ城はここまで金星5つ。横綱戦は8勝(うち不戦勝1)。だが、三賞受賞は通算2つ。しかもこれは新入幕の場所での敢闘賞と殊勲賞のダブル受賞。つまり、入幕2場所目以降の逸ノ城は三賞に無縁なのである。

では白鵬に勝った場所で勝ち越した関脇以下の力士のリストを見てみよう。
白鵬
そもそも白鵬が関脇以下の力士に負けることというのが稀なのだが、だからこそ、白鵬に勝てばそれが殊勲賞でなくとも、何らかの三賞を手にしているのが常と言っても良いだろう。だけれども、逸ノ城だけは例外ともいえるのだ。

そもそも逸ノ城が新入幕場所を別にすれば、三賞に無縁というのも、また逸ノ城は何か「損をしている」ようにも見える。
やや逆説的な言い方ではあるが「三賞を受賞できなかったことが強さを認められた証拠」ともいわれることもある。だとしたら、逸ノ城は、逸ノ城に対する期待感からすれば、三賞はもっと高いレベルの結果を残して受賞できるものなのか。そして、逸ノ城なら白鵬に勝ったくらいでは殊勲賞に値しないということなのか。

今場所の成績からすれば、逸ノ城に三賞がない、というのは理解はできる。
そして、前回、やはり白鵬に勝って勝ち越した場所も小結で8勝7敗。白鵬も11勝4敗と優勝はできなかった。
この平成27年5月場所は関脇の照ノ富士が優勝。そして三賞はこの照ノ富士が敢闘賞を受賞したのみだった。
逸ノ城も大関以上戦は白鵬以外には8勝6敗1休の豪栄道に勝ったのみだったが、やはりこの程度では「殊勲賞該当者なし」になってしまうのか。ちなみに白鵬の4敗は逸ノ城のほか、豪栄道、稀勢の里、日馬富士だった。だが、初日に白鵬に土をつけており、もう千秋楽の三賞選考の時には、2週間前の逸ノ城の白鵬戦勝利は選考委員には忘れられてしまっていたのか。

理由はわからない。だが、逸ノ城は白鵬に勝っても三賞を受賞できないという現実はある。

今場所、冒頭にも記したように、阿炎が千秋楽の嘉風戦で勝っていれば、勝ち越し。白鵬に勝って勝ち越したが三賞を受賞できなかった力士になる可能性はあった。だが、結果的に負け越したために、逸ノ城だけが成しえた記録ともなったし、それも逸ノ城だけで2回という結果となった。

今の衰えてきた白鵬だったら、今場所の阿炎に可能性があったように、同様のケースは生まれるかもしれない。だが、少なくとも今の時点では逸ノ城だけの「妙な記録」である。



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