大相撲データアナリストの大相撲日記

大相撲のデータ分析を中心に大相撲についていろいろと語ってまいります。

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★第11回トークライブは6月8日に東京開催。テーマは「令和の大相撲」。平成年間を振り返り、未来の大相撲を考えてまいります。

11月場所、西幕下筆頭の大成道が4勝3敗と勝ち越したが、1月場所の十両昇進は見送られた。
おそらく、1月場所の地位は東幕下筆頭だろう。

西幕下筆頭の勝ち越しで東に回るだけのケースというのは時折見られる。
番付運に泣かされて十両昇進が成らなかったともいえるのだが、東幕下筆頭という、まだ「十両に上がれなくても上がれるスペースがある」と考えれば、必ずしも、西幕下筆頭の勝ち越しは十両昇進を確約されるわけではないということは言えそうだ。

では、実際に十両に昇進できる人数と幕下に留まる人数。どの程度の差があるのだろうか。
それをグラフで見てみよう。
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幕下以下が1場所7番になった昭和35年7月場所以降、西幕下筆頭の4勝というのは過去106例。大成道以前の105名は上記のような差になっている。大成道は29回目の西幕下筆頭の4勝で十両に昇進できなかった力士ということになる。

比率でみると以下のグラフになる。
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十両に上がれなかった例は28例は比率でいえば、約1/4ということになるので、番付運が悪いといえば悪いのだが、4回に1回は上がれないケースがあるわけで、とても番付運が悪いとは言い切れない面もある。

ちなみに5勝以上で十両に昇進できなかったのは、ちょうど10年前の平成20年11月場所の福岡(現・隠岐の海)の1例だけであるが、1例だけなので今回は「4勝3敗」にのみ注目している。

話し戻して、十両から幕下への陥落力士はどの程度いるのかというのを見てみる。
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オレンジの棒グラフが全場所での十両から幕下へ陥落した力士の人数で青の棒グラフが西幕下筆頭の4勝で十両に上がれなかった力士がいた場所の十両から幕下への陥落した力士の人数だ。

全場所で見ると2~4名の場所が多いが、西幕下筆頭の4勝で十両に上がれない力士が出た場所の陥落人数を見ると、ほぼほぼ大部分が「陥落2名」ということになる。つまり、「あと1名の陥落がいなかったことで昇進できなかったケースが多い」ともいえるのかもしれない。

では、その場所に十両に昇進した力士はどのような地位で成績を残したのかを見てみよう。
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黄色が東幕下筆頭での勝ち越し力士。オレンジが7戦全勝力士。ピンクが6勝力士である。
上記表を見ても分かるように、東幕下筆頭が勝ち越しているから昇進の優先順位が下がる。そこに番付が2枚目、3枚目の6勝力士がいたり、全勝力士がいたりすることで、さらに昇進優先順位が下がってしまい、そこでさらに十両からの陥落者が少ないと起こりうることなのだろう。

とはいえ、約60年の記録を見ているわけで、その間に細かい昇進優先順位を変えているようなところはあるのだろうが、昭和時代には近年の編成だったら西幕下筆頭の4勝を優先するのではないかと思える編成も見られる。上記表は、昭和年間も平成年間もほぼ30年ずつあるわけだが、平成年間のほうが事例が少ないことを見ると、近年は西幕下筆頭の4勝というのは、やや優先させて昇進させているとはみられる。

だが、西幕下筆頭の4勝。
東幕下筆頭が勝ち越して、現在の基準でいえば15枚目以内で全勝が出れば、この両名が十両昇進では優先される。それ故、昇進優先順位が3番手になるケースというのは十分にありうる話だろう。そして、さらに幕下2枚目や3枚目で6勝力士何ぞ出てくれば、昇進優先順位が4番手や5番手になってしまうケースも生まれるのが、西幕下筆頭の4勝なのだろう。

西幕下筆頭の4勝は3/4程度の率で十両に昇進できる地位ではある。
だが、十両からの陥落人数や幕下上位での他の力士の成績で、必ずしも上がれるとは言い切れない、西幕下筆頭の4勝だ。

ちなみに過去28例のうち、23例は翌場所は東幕下筆頭だが、5例は西幕下筆頭に据え置かれている。
西幕下筆頭据え置き事例は昭和40年代前半が最後になっている。近年の編成でいえば、西幕下筆頭で勝ち越して十両に上げられないのであれば東幕下筆頭に位置すると言い切って良さそうだし、来場所の大成道もほぼほぼ間違いなく、東幕下筆頭に置かれているだろう。

そして現在では考えづらいが、昭和30年代後半から40年代前半にかけては、今以上に幕下上位の4勝での番付の上げ幅はシビアだったようだ。宝満山という力士は、昭和40年11月場所に西幕下筆頭で4勝を挙げたが、翌場所は西幕下筆頭に据えおかれ、この場所も4勝3敗だったが番付は西から東に回っただけ。そして、東幕下筆頭で4勝3敗だった昭和41年3月場所も4勝3敗だったのだが、なんと東幕下筆頭に据え置かれるというシビアさだった。ちなみに、翌昭和41年5月場所は3勝4敗と負け越し、番付を東幕下3枚目に下げた。時津浪という力士は、西幕下筆頭だった昭和35年7月場所から3場所連続4勝3敗で十両に昇進できた。西幕下筆頭で4勝を3場所続けてようやく上がれた十両。当時は4勝では昇進しづらかったともいえるのだろう。

なお、上記表の力士の中で、十両に昇進できなかったのは、昭和36年7月の東山と昭和48年5月の時潮の2人だけで、それまでに十両経験があったり、後に十両に昇進できている力士ということになる。大成道もすでに関取経験がある力士だ。やはり、幕下筆頭で勝ち越せるだけの力がある力士は、関取をつかむ力は持っているとはいえるのだろう。

では、西幕下筆頭で4勝して十両に上がれなかった力士のその後1年間の成績は以下の通りだ。
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特に近年は、ベテラン北太樹が東幕下筆頭に上がった場所で3勝4敗と負け越して、3枚目に落ちた場所初日前に引退しているが、近年は勝ち越している力士が大部分だし、1年以内に関取に上がれている力士は多い。

これを見ると、大成道。確かに11月場所後に十両昇進が果たせなかったことは、番付運が悪かったとは言えなくはないのだが、関取に近い力があることがあるということも、また間違いがないことともいえるだろう。

1月場所、大成道は一発で3月場所での十両復帰を決められるだろうか。
こんなところも注目してみたいところだ。



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コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. ねこたろう
    • 2018年12月22日 05:16
    • 十両10枚目以下で負け越したらたとえそれが7勝8敗でも幕下に落として構わないというルールがあってもいいかと思います。一方で場所中に十両と対戦しての白星がある幕下力士については十両昇進へアドバンテージがあってもいいでしょう。また当座の十両優勝力士を破った白星がある幕下上位力士は地位に関係なく勝ち越していたら絶対優先の十両昇進でいいかと…
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