正代のここまでの記録をいろいろ見ていると、「3場所32勝だった」ということ以外に、大関昇進に対してケチをつける要素がほとんどない言うことが分かってくる。

今回はそのうちの1つの数字を提示してみようと思う。

昨日、NEWSポストセブンのネット記事でこのような記事が配信された。
大関昇進で期待の正代 「苦手の2横綱に勝てるのか」問題

確かにこの記事で指摘しているように、正代の白鵬との対戦成績は「3勝9敗(うち不戦勝1)」で、鶴竜に対しては過去13戦全敗だ。だが、これはあくまでも横綱に対しての対戦成績で、仮にも正代が横綱に昇進するようなタイミングであれば、同じ地位になろうとするには横綱に勝てないというのは大きなマイナス要素としてもいいだろうが、大関昇進に対しては横綱戦勝利はそこまで大きな要件としなくてもよいだろう。実際、朝乃山も昇進直前3場所で横綱に1勝もせずに昇進している。そして正代は3月場所に白鵬に勝利している(7月は不戦勝)。

そこで年6場所となった昭和33年以降、小結・関脇在位時の横綱・大関戦の勝率はどの程度なのかというのを、横綱・大関戦合計で10戦以上ある力士についてみてみた。

ちなみに正代は9勝10敗。その勝率は.474ということになる。では、この数字は高いのか、低いのか。

この数字が最も高いのが輪島で11勝7敗で勝率.611だ(10戦未満の大関昇進者だと照ノ富士5勝2敗や朝乃山5勝3敗という例もある)。10戦以上の対戦があれば、6割強の数字が最高になるのだ。輪島は横綱まで昇進しているので、最高値がこのくらいで大関以上に昇進できるということもできる。

これを勝率別、最高位別のグラフで見てみると以下のようになる。
三役の横綱大関戦
これを見ても分かるように、三役で横綱・大関相手に4割台の成績を残すことが出来れば、大関に上がれる力は十分にあると言えよう。

ちなみに、5割以上で大関以上に昇進していないのは、益荒雄(12勝9敗)と現役の阿炎(7勝7敗)だけだ。そして4割台で大関に昇進できなかった6名の関脇は現役を含めて、前田川・房錦・玉鷲・嘉風・安芸乃島・朝赤龍だ。安芸乃島は大物食いでも知られた力士だし、地力あったり、安芸乃島同様大物食い、それと在位が少なく、その短い在位のうちの1場所で好成績を残したりという力士だ。

いずれにせよ、4割に達すれば大関昇進への可能性はというのは大きく広がり、十分な上位戦勝率ともいえるのだろう。その中で、正代の.474という数字はかなり高い水準と言ってよいだろう。

逆に2割台で横綱・大関に昇進したのは、若島津・増位山・隆の里・若羽黒・栃ノ心だ。
増位山、隆の里、栃ノ心は平幕の時期が長く、隆の里は急激に力をつけた力士、栃ノ心も同様と言えるだろう。
いずれにせよ、どちらかと言えば高齢で大関に昇進。それ以前の平幕在位が長い力士ということだ。

その中間に入る3割台は大関に上がる力士もいれば、関脇で終わる力士もいるといった数字だが、この中には含まれる関脇は、いわゆる歴代最強関脇として名前が挙がりやすい、琴錦・長谷川・若の里といったところが含まれるし、やはり三役在位の多い、土佐ノ海、琴ヶ梅、水戸泉、安美錦なんて言ったところも3割台の力士だ。現役だと、御嶽海や逸ノ城もここに該当する力士だ。

つまりは、正代の三役在位時の横綱・大関戦勝率というのは相当に歴代でも相当に高い数字と見て取れるだろう。こういうところからも正代の大関昇進に異論がほとんど聞かれなかったというのがあるのではないだろうか。この数字を把握して評価している方も少ないだろうが、横綱・大関(正代の場合は大関に対してという言い方が適切かもしれないが)に決して弱いわけではないというのをファンは体感的に掴んでいたのではないか、とも思える数字だ。

最後に、この三役で横綱・大関に10戦以上対戦した力士の一覧を提示しておきます。
三役の横綱大関戦2
※色付きは現役




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