時折、むちゃくちゃ強い御嶽海といったら失礼か。
もう、このブログでは幾度となく書いているが、全力士が常に100％の力を出し切る相撲を取ったら、一番強いのは白鵬。その次は御嶽海と言い続けている。一番だけの強さなら間違いなくある。ただ15日間トータルでの強さとなると話は別。それが御嶽海評だろう。
そんな御嶽海だが、昨年は平幕に番付を落とす場所もあったが、もう幕内デビュー以来、ほとんどの場所を関脇か小結で過ごしているといっても過言ではないだろう。
現時点で御嶽海は幕内在位31場所。そのうちの22場所、関脇か小結に在位している。これをパーセンテージに直すと71.0%ということになる。要するに幕内在位場所の2/3強を関脇か小結に在位しているということになる。
無論、この数字は御嶽海が大関以上に上がるか、平幕に下がれば下がっていく数字なので、現役の御嶽海は「確定値」ではないが、この数字が高い力士は誰がいるのだろうか。単純に「関脇・小結在位場所数÷幕内在位場所数」の数字である。なお、今回は年6場所となった昭和33年以降の新入幕力士で見ている。
早速だが、その表を見てみよう。在位率が30％を超えている力士である。
いくら現役で、仮にもここから大関にあがる、平幕に下がる可能性があるとはいえ、傑出しているのが良く分かる。
引退した力士の中では琴錦が1位なのは納得だろう。そして大関にあがったとはいえ、大関在位はそこまで長くなく、関脇在位が長かった琴光喜が上にいるのも納得だ。それは魁傑や武双山がいることからもうかがえよう。
ちなみに現役2位は逸ノ城。幕内在位35場所で関脇・小結在位が10場所。パーセンテージでいうと28.6%となる。
入幕2場所目に関脇の座を射止めた逸ノ城だが、逸ノ城の入幕からの地位は、平幕⇒関脇⇒関脇⇒平幕。つまりは、入幕3場所の時点で66.7%になったものの、4場所目は50.0%に戻ったということになる。仮にも4場所目が関脇・小結在位3場所目としても75%。4場所に3場所、関脇か小結いるということは、相当に実力がないとできないこと。反面、大関に上がるだけの力もないともいえる、力士全体でいえば、7～8番目レベルの力を安定して持ち続けた力士ということになるのだろう。
とはいえ、御嶽海の71.0%というのは、この表を見る限り異様だ。
では、この数字、どのように推移しているのだろうか。上位力士と逸ノ城の変化をグラフで見てみよう。
いわゆる「出だし」は御嶽海よりも逸ノ城のほうが上だ。だが、御嶽海はその数字を徐々に上げていく。
しかし、御嶽海よりも上を行く力士がいる。武双山だ。武双山と御嶽海の違いは「出だし」だけとも言えるくらい、武双山も元大関の印象が強いが、小結・関脇在位が多い力士であった。
大関在位27場所の武双山だが、関脇在位20場所、小結在位11場所。武双山も振り返ってみれば、なかなか大関に上がれない力士だった。その武双山の「最高値」は幕内在位23場所の時点。なんとこの時点で18場所が関脇・小結在位だった。そして、新大関直前の大関昇進を決めた関脇場所。この時点で幕内在位40場所中、30場所が関脇または小結だ。パーセンテージでいうと75.0%。御嶽海の最高値は久々に三役の座を手放すことになった令和元年11月場所で72.0%。まだ武双山の数字には届いていない。
御嶽海、武双山そろって学生力士だが（武双山は3年次中退）、武双山の伸び、入門時、入幕時の期待値からすれば、「大関に届きそうで届かない」という感覚は、数字だけで見れば、まだ武双山のほうが上となるのではないだろうか。
だが、そんな武双山も関脇で初優勝を果たし、その翌場所が大関取りとなり、その場所大関昇進を決めた。
御嶽海はすでに2回優勝をしているわけだが、武双山が関脇・小結に在位していた時代は曙・貴乃花の全盛時だ。優勝まで遠かったのは致し方がないかもしれない。そんな中、御嶽海は優勝も果たしているわけだが、果たして、御嶽海はこの数字をさらに伸ばすのか。それとも力をさらに付けて大関に上がるのか。それとも（まだ年齢的に衰える年齢ではないが）力衰え、平幕在位が伸び、この数字を下げるのか。
武双山との単純比較ということになれば、まだ焦ることはない。そうも見える数字であるが、果たして御嶽海が引退するとき、この数字は何パーセントになっているのだろうか。
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もう、このブログでは幾度となく書いているが、全力士が常に100％の力を出し切る相撲を取ったら、一番強いのは白鵬。その次は御嶽海と言い続けている。一番だけの強さなら間違いなくある。ただ15日間トータルでの強さとなると話は別。それが御嶽海評だろう。
そんな御嶽海だが、昨年は平幕に番付を落とす場所もあったが、もう幕内デビュー以来、ほとんどの場所を関脇か小結で過ごしているといっても過言ではないだろう。
現時点で御嶽海は幕内在位31場所。そのうちの22場所、関脇か小結に在位している。これをパーセンテージに直すと71.0%ということになる。要するに幕内在位場所の2/3強を関脇か小結に在位しているということになる。
無論、この数字は御嶽海が大関以上に上がるか、平幕に下がれば下がっていく数字なので、現役の御嶽海は「確定値」ではないが、この数字が高い力士は誰がいるのだろうか。単純に「関脇・小結在位場所数÷幕内在位場所数」の数字である。なお、今回は年6場所となった昭和33年以降の新入幕力士で見ている。
早速だが、その表を見てみよう。在位率が30％を超えている力士である。
いくら現役で、仮にもここから大関にあがる、平幕に下がる可能性があるとはいえ、傑出しているのが良く分かる。
引退した力士の中では琴錦が1位なのは納得だろう。そして大関にあがったとはいえ、大関在位はそこまで長くなく、関脇在位が長かった琴光喜が上にいるのも納得だ。それは魁傑や武双山がいることからもうかがえよう。
ちなみに現役2位は逸ノ城。幕内在位35場所で関脇・小結在位が10場所。パーセンテージでいうと28.6%となる。
入幕2場所目に関脇の座を射止めた逸ノ城だが、逸ノ城の入幕からの地位は、平幕⇒関脇⇒関脇⇒平幕。つまりは、入幕3場所の時点で66.7%になったものの、4場所目は50.0%に戻ったということになる。仮にも4場所目が関脇・小結在位3場所目としても75%。4場所に3場所、関脇か小結いるということは、相当に実力がないとできないこと。反面、大関に上がるだけの力もないともいえる、力士全体でいえば、7～8番目レベルの力を安定して持ち続けた力士ということになるのだろう。
とはいえ、御嶽海の71.0%というのは、この表を見る限り異様だ。
では、この数字、どのように推移しているのだろうか。上位力士と逸ノ城の変化をグラフで見てみよう。
いわゆる「出だし」は御嶽海よりも逸ノ城のほうが上だ。だが、御嶽海はその数字を徐々に上げていく。
しかし、御嶽海よりも上を行く力士がいる。武双山だ。武双山と御嶽海の違いは「出だし」だけとも言えるくらい、武双山も元大関の印象が強いが、小結・関脇在位が多い力士であった。
大関在位27場所の武双山だが、関脇在位20場所、小結在位11場所。武双山も振り返ってみれば、なかなか大関に上がれない力士だった。その武双山の「最高値」は幕内在位23場所の時点。なんとこの時点で18場所が関脇・小結在位だった。そして、新大関直前の大関昇進を決めた関脇場所。この時点で幕内在位40場所中、30場所が関脇または小結だ。パーセンテージでいうと75.0%。御嶽海の最高値は久々に三役の座を手放すことになった令和元年11月場所で72.0%。まだ武双山の数字には届いていない。
御嶽海、武双山そろって学生力士だが（武双山は3年次中退）、武双山の伸び、入門時、入幕時の期待値からすれば、「大関に届きそうで届かない」という感覚は、数字だけで見れば、まだ武双山のほうが上となるのではないだろうか。
だが、そんな武双山も関脇で初優勝を果たし、その翌場所が大関取りとなり、その場所大関昇進を決めた。
御嶽海はすでに2回優勝をしているわけだが、武双山が関脇・小結に在位していた時代は曙・貴乃花の全盛時だ。優勝まで遠かったのは致し方がないかもしれない。そんな中、御嶽海は優勝も果たしているわけだが、果たして、御嶽海はこの数字をさらに伸ばすのか。それとも力をさらに付けて大関に上がるのか。それとも（まだ年齢的に衰える年齢ではないが）力衰え、平幕在位が伸び、この数字を下げるのか。
武双山との単純比較ということになれば、まだ焦ることはない。そうも見える数字であるが、果たして御嶽海が引退するとき、この数字は何パーセントになっているのだろうか。
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コメント
コメント一覧 (1)
大相撲データアナリスト横尾誠（
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