さて、阿炎の優勝で終わった11月場所ですが、来場所も上位の番付渋滞は解消されなさそうな番付予想となりました。早速ですが幕内から。

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まずは動かないだろう確定事項として、正代は関脇。
大関への昇進者もいないため、大関以上は照ノ富士と貴景勝の2人。
優勝決定戦まで進んだ貴景勝が西になるのは違和感でもあるが、東西に大関は各1名必須となり、照ノ富士が「横綱大関」として大関も兼任するのであれば、東大関は照ノ富士、西大関は貴景勝ということになろう。

次に関脇だが、若隆景、豊昇龍、正代の3人であることに異論はないだろう。小結で勝ち越した霧馬山は8勝では上げづらい。もう1人の関脇候補がいるとしたら、それは霧馬山ではなく高安だろう。だが、ここ最近の傾向を見ていると関脇には上げづらい。いつまで事例として挙げられるのかは難しい話ではあるが、大栄翔が西筆頭の13勝で優勝しても小結どまりだったことを鑑みると、予想としては高安を関脇に上げるのは困難だ。

ではこの3人の序列だ。理想論で言えば、正代、若隆景、豊昇龍の順で並べるべきだと思っている。正代の東関脇については、私が幾度も述べている、「正代は来場所10勝で大関に上がれるが、豊昇龍と若隆景は10勝では上がれない。だから、大関に一番近い正代を東関脇に据えるべき」という主張である。だが、やはり予想としては関脇の中では最下位だ。過去事例を見ての通りだ。では、豊昇龍と若隆景はどちらが上になるのか。

平成10年代あたりまでは、東西関脇が勝ち越した場合、西力士が東力士よりも多く勝っていれば東西が入れ替わっていた。だが、平成29年3月場所は東の高安8勝、西の高安12勝だったが、東西は入れ替わらなかった(これについては当時■145 関脇の「序列」についてで記しているので参照していただければ幸いだ)。それを鑑みれば、若隆景は東と考えたほうが妥当のように思うし、2場所の勝利数の合計も若隆景と豊昇龍そろって19勝。平成26年の豪栄道と栃煌山の事例から見ても、この10年程度の傾向からすれば豊昇龍を東にするにはやや無理があると考えている。

次に小結だ。
小結で勝ち越した霧馬山、そして東筆頭で12勝の高安は当然昇進。そしてそこに西筆頭で9勝の琴ノ若。これが直感的な来場所の小結だ。このところの編成だと2枚目9勝で小結に上がるのは甘いとすら感じてしまう。だが、明生を上げないとそれこそどうにもならない編成になってしまう。

優勝した阿炎は当然、大きく上げなくてはならない。それに加え、東4枚目で10勝の若元春、西3枚目で勝ち越した翠富士、西4枚目で勝ち越した佐田の海。明生を小結に上げないと、御嶽海や玉鷲を大きく落とさないと「勝ち越した佐田の海の番付を下げないといけなくなる」のだ。そして東西2番手小結の翔猿と大栄翔は8敗。大きくは下げづらい。相場は筆頭。落としても2枚目がせいぜいだ。御嶽海も関脇の9敗なので平幕陥落は避けられないが、相場からすれば筆頭か2枚目だ。もちろん、こういった力士を大きく落とすという考え方はあってよいとは思うが、近年の傾向との公平性には欠ける。今場所これをやるのであれば、先場所後(要するに11月場所の番付では)逸ノ城は大きく落としても良かったことになる。そうもなると、上記の予想が精いっぱいだ。

平幕中位はある程度すんなり組めた。
十両との入れ替えは、引退した千代大龍の枠に加え、熱海富士と照強の陥落は必至。
つまりは3枠は空くことになる。そして4枠目ができるかどうかは宝富士を残すか落とすかだ。

昇進候補は剣翔、天空海、千代丸、水戸龍。そしていわゆる合格の成績ではないが武将山、北青鵬といったところ。剣翔、天空海の昇進には異論がないところだろうし、千代丸は西とはいえ筆頭だからある程度有力といえよう。そして水戸龍と宝富士の比較になるが、小結が1名減ったことで平幕に東17枚目ができるとなると、9枚降下目安の宝富士は幕内には留まれる計算になることと、このところ陥落に対しては甘めの編成をしているところもあるので宝富士は残留とした(もう1つ予想として加えたくないが想像できる要素が1つあるが、そこは皆さまの想像にお任せしたい。簡単な想像ともいえますが)。

続いて十両。こちらも一部エアポケット的なところはできるものの、ほぼ昇降原則に従って編成。幕下との入れ替えも、千秋楽に魁勝ー白鷹山、對馬洋ー藤青雲と組まれたことで分かりやすい入替になったと思います。千代大龍枠があり、陥落必至は徳勝龍。それにつき、1名引退1名陥落2名昇進となるのではないかと思います。
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さて、このように予想してみましたが、実際の番付はどうなるのでしょうか。
1月場所の番付発表は例年クリスマスイブ24日ですが、今年は土曜になるため、12月26日が番付発表ですが、今からかなり気になるところですね。