本日、令和7年3月場所の十両昇進力士が発表された。その中の1人が栃木県出身の若ノ勝。栃木県出身の関取と言えば、昨年7月に新十両を果たした生田目がいるし、少し遡ったところでも、貴源治、貴公哉(貴ノ富士)の双子がいた。だが、貴源治と貴公哉は同部屋だったし、生田目と十両以上在位が被った場所はない。ゆえに栃木県出身力士同士の十両以上での対戦は組まれていないが、若ノ勝が十両に上がったことで(1月場所好成績だった生田目の番付は大きく上がるだろうが)、3月場所は少なくとも対戦可能な若ノ勝と生田目が揃って十両にいるのは間違いないと言ってよいだろう。それでは栃木県出身力士が十両以上で対戦するのはいつ以来になるのか。そこで今回は「同一出身県力士同士の対戦」について調べてみた。

■令和7年1月場所は「6都府県」で発生
1月場所では、大阪府・鹿児島県・熊本県・埼玉県・千葉県・東京都の6都府県力士同士の対戦があった。同一出身県力士が複数いて、その両者の地位が近ければ対戦が組まれるケースは多い。1月場所の十両以上での同意出身県力士同士の対戦は以下の通りだが毎場所のように組まれている対戦もある。
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■いまだにゼロの鳥取同士・沖縄同士
そもそも人口だったり、関取が少ないというのもあるが、鳥取県同士・沖縄県同士の対戦は十両以上の土俵で組まれたことはない。鳥取県出身力士には伯桜鵬がいるが、現在、現役で鳥取県出身力士は伯桜鵬ただ1人だ。伯桜鵬は幕内にいるが、伯桜鵬1人では十両以上どころか、対戦相手すらいないのが現状だ。だが、沖縄県出身は幕内に美ノ海。そして十両には嘉陽がいる。1月場所で嘉陽が勝ち越し、幕内昇進を決めていれば、3月場所でこの両者の対戦は十分に考えられた。1月場所の成績からすれば、おそらく美ノ海は幕内のかなり下。嘉陽も十両上位に位置するだろうから、絶対に対戦が組まれないとも言い切れなさそうだが、近い将来、沖縄県同士の十両以上での対戦は組まれそうだ。

■101年ぶりの栃木出身同士の対戦はあるか
あくまでも私の予想番付ベースだが、生田目は十両4枚目付近。若ノ勝は11枚目付近。この差があると、対戦自体は同じ十両力士と言えども、組まれても組まれなくても違和感はないという番付差だ。とはいえ、両者ともに将来を期待される若手力士。生田目は平成14年生まれの22歳(来月23歳になるが)、若ノ勝は平成15年生まれの21歳。来場所、組まれなかったとしても、どこかで組まれる対戦であるとはいえそうだ。そしてこの栃木県出身同士が前回十両以上の土俵で戦ったのは、なんと101年前の大正13年5月場所。横綱栃木山と平幕阿久津川の対戦で、横綱の栃木山が勝利している。これは十両以上の土俵ではもっとも古い記録となる。

■幕内同士限定だと岡山県もゼロ
これを幕内同士にまで限定すると、岡山県出身同士の対戦も組まれたことがない。岡山県出身の幕内力士となると昭和59年7月場所鷲羽山が直近。そして岡山県出身力士が2人いたのも大正時代が最後だ。ちなみに十両以上となると、昭和60年11月場所14日目に大鷹ー鷲羽山の対戦が組まれている。大鷹は最高位十両で13場所十両を務めた力士だが、ちょうど、幕内の座を手放し十両に落ちていた晩年の鷲羽山と2場所十両在位が重なり、そのうちの1場所で対戦が組まれた結果だ。

■各都道府県の直近の対戦一覧
最後に、各都道府県出身力士同士の直近での対戦データを載せておきますので、ご覧いただければと思います。
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