注日は、どうでもいい内容だけど「レアな記録」ということで。
注目すべきは佐田の海と錦木。
■来場所の幕尻は「18枚目」か
照ノ富士の引退で三役以上が1人減。多くの予想屋さんが、東小結で7勝8敗の阿炎を西にスライドさせるだけと予想しているような番付なので、三役以上の人数は1月場所と比較すると1人減で、幕内最下位が「東前頭18枚目」になるのだろう。幕内定員は42人。つまりは三役以上が7人以下の場合に発生する地位と言ってよいだろう。そして来場所はその可能性が高いと言える。これがしばらく続くのか、1場所で終わるのかは各場所での各力士成績次第だが、少なくとも来場所は「東前頭18枚目」が存在する公算が高い。
■現役での18枚目経験者は琴ノ若(琴櫻)と王鵬
現在の幕内定員42人になって以降、前頭18枚目が存在した場所は2場所。幕内の定員が多かった時代はそれなりに存在していた地位だが、関取定員が42人になって以降では令和2年3月の琴ノ若(琴櫻)と令和4年1月の王鵬だけだ。それ以前となると、昭和34年9月の東前頭18枚目時錦、西18枚目鯉の勢まで遡る。そもそも東西に横綱から小結までそろって居れば8人。これが7人以下にならねば前頭18枚目は存在しないことになるので、そもそも18枚目がある時点でイレギュラーな番付になっているとはいえる。
■筆頭~17枚目まで在位経験がある佐田の海と錦木
この前頭18枚目に誰が在位するのか。3月場所の予想では私は東前頭18枚目は白熊と予想しているのだが、仮にも佐田の海がこの地位に就いたとするのならば(1月場所の成績を鑑みれば3月場所で佐田の海が18枚目に就くのは現実的ではないが)、大相撲史上、唯一、平幕筆頭から18枚目までのすべての地位に在位した力士となる。では、そんな佐田の海の幕内での番付と成績を見てみよう。

※ピンクは初めて就いた枚数の場所
新入幕場所の17枚目に始まり、17,11,12,7,8,2,3,1,5,9,10,15,14,13,16,4,6と埋めてきた。一時は平幕下位が指定席にもなっていた佐田の海だが、令和4年、5年に少し番付を取り戻したこともあって、スキマだった4枚目と6枚目を埋め、筆頭から17枚目はコンプリートした。残るは「レア」な18枚目を埋められるかだ。
■筆頭から17枚目コンプは過去7人
筆頭から17枚目まですべて在位経験ある力士は過去6人だ。前頭17枚目ですら存在する場所、しない場所とあるので、筆頭から17枚目までコンプリートするのもなかなかのものだ。現在の幕内定員が42人になったのは平成16年1月場所のことで、全員が平成16年以降に幕内在位がある力士である。ちなみに、栃乃洋、隆乃若、安美錦、魁聖、時天空、錦木、佐田の海。今回は佐田の海に着目しているが、現役の錦木にも当然可能性はある記録だ。ちなみに、栃乃洋、隆乃若、安美錦、魁聖は関脇と小結にも在位経験があるので、関脇から17枚目までコンプリートとなる。時天空と錦木は関脇在位はないものの小結経験はある力士だ。仮にも錦木が前頭18枚目に就くことがあれば、錦木は小結から平幕18枚目まで埋めたことになる。競う、狙うものではないのだろうが、佐田の海と錦木。どちらが先に平幕18枚目に在位できるのか。これはちょっとした関心になるかもしれない。そしてこの7人がどの地位に何場所就いたかを表で示しておく。

■惜しかった魁聖
令和3年9月場所後に白鵬が引退。これにより小結以上が7人になった。白鵬の正式な引退は11月場所の番付編成会議後だったため、11月場所番付は白鵬の名前は抜かれ11月場所は幕内は41人の番付となった。そしてその翌、令和4年1月場所も小結以上7人だったため、令和4年1月場所は東前頭18枚目が存在し、ここに就いたのが前述した王鵬だった。令和3年11月場所の時点で魁聖はすでに関脇から17枚目まですべて経験済み。そしてこの場所、東前頭17枚目で7勝8敗だった魁聖には十分に(?)東前頭18枚目に就く可能性を持たせていたが、東十両7枚目で11勝4敗だった王鵬が就くことになった。星勘定からすれば、ここは魁聖でも王鵬でも、どちらでもいいのではないかといったところだったが、魁聖は東から西に回るだけの西前頭17枚目に就き、関脇~18枚目までのコンプリートはならず、その後、前頭18枚目が存在する場所なく、魁聖は引退していった。
■前頭18枚目はしばらく存在し続けるか
何度も記しているように、幕内定員が変わらなければ、小結以上が7人以下になることが絶対条件だ。新横綱が生まれても、大関が横綱になるだけ。小結以上の人数は変わらない。つまりは、新大関が誕生することで関脇の枠が空き、下からスライド的に人数が増える。あるいは平幕上位に好調者が多く、関脇ないしは小結を3人以上にしないといけない状況になる。これがない限り、平幕18枚目は存在し続けることになる。現時点での関脇以下力士で最短で大関が期待できるのは大栄翔なのだろうが、それでも3月場所後の昇進となると、14勝以上での優勝レベルの成績が求められるだろう。もちろん、平幕筆頭以上が全員勝ち越すともなれば、三役力士も増えるだろうが、何かしばらくは平幕18枚目が存在し続けそうな気配もある。錦木が幕尻まで番付を下げる。再入幕の佐田の海がまた幕内の最下位まで番付を落とす。こんなことは期待はしたくはないが、レアな記録の達成は見てみたくも思えるが、この先、錦木や佐田の海の番付はどう推移していくのだろうか。
最後に関脇・小結を含めて、15以上の地位に就いた力士の一覧を表にしておきます。

注目すべきは佐田の海と錦木。
■来場所の幕尻は「18枚目」か
照ノ富士の引退で三役以上が1人減。多くの予想屋さんが、東小結で7勝8敗の阿炎を西にスライドさせるだけと予想しているような番付なので、三役以上の人数は1月場所と比較すると1人減で、幕内最下位が「東前頭18枚目」になるのだろう。幕内定員は42人。つまりは三役以上が7人以下の場合に発生する地位と言ってよいだろう。そして来場所はその可能性が高いと言える。これがしばらく続くのか、1場所で終わるのかは各場所での各力士成績次第だが、少なくとも来場所は「東前頭18枚目」が存在する公算が高い。
■現役での18枚目経験者は琴ノ若(琴櫻)と王鵬
現在の幕内定員42人になって以降、前頭18枚目が存在した場所は2場所。幕内の定員が多かった時代はそれなりに存在していた地位だが、関取定員が42人になって以降では令和2年3月の琴ノ若(琴櫻)と令和4年1月の王鵬だけだ。それ以前となると、昭和34年9月の東前頭18枚目時錦、西18枚目鯉の勢まで遡る。そもそも東西に横綱から小結までそろって居れば8人。これが7人以下にならねば前頭18枚目は存在しないことになるので、そもそも18枚目がある時点でイレギュラーな番付になっているとはいえる。
■筆頭~17枚目まで在位経験がある佐田の海と錦木
この前頭18枚目に誰が在位するのか。3月場所の予想では私は東前頭18枚目は白熊と予想しているのだが、仮にも佐田の海がこの地位に就いたとするのならば(1月場所の成績を鑑みれば3月場所で佐田の海が18枚目に就くのは現実的ではないが)、大相撲史上、唯一、平幕筆頭から18枚目までのすべての地位に在位した力士となる。では、そんな佐田の海の幕内での番付と成績を見てみよう。

※ピンクは初めて就いた枚数の場所
新入幕場所の17枚目に始まり、17,11,12,7,8,2,3,1,5,9,10,15,14,13,16,4,6と埋めてきた。一時は平幕下位が指定席にもなっていた佐田の海だが、令和4年、5年に少し番付を取り戻したこともあって、スキマだった4枚目と6枚目を埋め、筆頭から17枚目はコンプリートした。残るは「レア」な18枚目を埋められるかだ。
■筆頭から17枚目コンプは過去7人
筆頭から17枚目まですべて在位経験ある力士は過去6人だ。前頭17枚目ですら存在する場所、しない場所とあるので、筆頭から17枚目までコンプリートするのもなかなかのものだ。現在の幕内定員が42人になったのは平成16年1月場所のことで、全員が平成16年以降に幕内在位がある力士である。ちなみに、栃乃洋、隆乃若、安美錦、魁聖、時天空、錦木、佐田の海。今回は佐田の海に着目しているが、現役の錦木にも当然可能性はある記録だ。ちなみに、栃乃洋、隆乃若、安美錦、魁聖は関脇と小結にも在位経験があるので、関脇から17枚目までコンプリートとなる。時天空と錦木は関脇在位はないものの小結経験はある力士だ。仮にも錦木が前頭18枚目に就くことがあれば、錦木は小結から平幕18枚目まで埋めたことになる。競う、狙うものではないのだろうが、佐田の海と錦木。どちらが先に平幕18枚目に在位できるのか。これはちょっとした関心になるかもしれない。そしてこの7人がどの地位に何場所就いたかを表で示しておく。

■惜しかった魁聖
令和3年9月場所後に白鵬が引退。これにより小結以上が7人になった。白鵬の正式な引退は11月場所の番付編成会議後だったため、11月場所番付は白鵬の名前は抜かれ11月場所は幕内は41人の番付となった。そしてその翌、令和4年1月場所も小結以上7人だったため、令和4年1月場所は東前頭18枚目が存在し、ここに就いたのが前述した王鵬だった。令和3年11月場所の時点で魁聖はすでに関脇から17枚目まですべて経験済み。そしてこの場所、東前頭17枚目で7勝8敗だった魁聖には十分に(?)東前頭18枚目に就く可能性を持たせていたが、東十両7枚目で11勝4敗だった王鵬が就くことになった。星勘定からすれば、ここは魁聖でも王鵬でも、どちらでもいいのではないかといったところだったが、魁聖は東から西に回るだけの西前頭17枚目に就き、関脇~18枚目までのコンプリートはならず、その後、前頭18枚目が存在する場所なく、魁聖は引退していった。
■前頭18枚目はしばらく存在し続けるか
何度も記しているように、幕内定員が変わらなければ、小結以上が7人以下になることが絶対条件だ。新横綱が生まれても、大関が横綱になるだけ。小結以上の人数は変わらない。つまりは、新大関が誕生することで関脇の枠が空き、下からスライド的に人数が増える。あるいは平幕上位に好調者が多く、関脇ないしは小結を3人以上にしないといけない状況になる。これがない限り、平幕18枚目は存在し続けることになる。現時点での関脇以下力士で最短で大関が期待できるのは大栄翔なのだろうが、それでも3月場所後の昇進となると、14勝以上での優勝レベルの成績が求められるだろう。もちろん、平幕筆頭以上が全員勝ち越すともなれば、三役力士も増えるだろうが、何かしばらくは平幕18枚目が存在し続けそうな気配もある。錦木が幕尻まで番付を下げる。再入幕の佐田の海がまた幕内の最下位まで番付を落とす。こんなことは期待はしたくはないが、レアな記録の達成は見てみたくも思えるが、この先、錦木や佐田の海の番付はどう推移していくのだろうか。
最後に関脇・小結を含めて、15以上の地位に就いた力士の一覧を表にしておきます。

コメント
コメント一覧 (7)
その常錦は三役経験どころか幕内上位がたった2度、その2度の戦績は3勝・1勝と惨敗で殊勲星に大関に1つ勝っただけと、まさにザ・平幕力士でした。入門と出世が遅く、入幕が26歳で引退は35歳と、当時としてはかなり長く相撲を取っていました。いわば平幕中下位の門番みたいな感じでしたが、こういった地味な力士も当時の大相撲をより盛り立てていたのでしょう。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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分母となる平幕在位場所数や、現時点でのコンプリート数に達するのに要した場所数もあわせてみていくとさらに面白かったです。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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栃ノ心は大関を含めて18の枠へ入れても良さそうです。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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大相撲データアナリスト横尾誠(
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直近で平幕コンプリートの可能性が高いのは、春場所前頭15~16枚目が予想される佐田の海が6勝9敗でギリ十両陥落を免れ18枚目に留まるケースか。
上記「15以上の地位に就いた力士の一覧表」に掲載される現役力士の玉鷲・錦木・宝富士・遠藤等は丈夫で長持ちのベテランだが、明生はもっと上で取らないといけない。29歳は令和ではベテランに入らない。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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関脇~前頭18枚目の20の地位全部に在位した力士は過去にいないのですね。
栃ノ心は大関~前頭15枚目を経験したんですね。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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もしも、照ノ富士の引退がなかったら御嶽海か琴勝峰が十両に落ちていたか。
余談ですが、幕下に山藤(「やまふじ」ではなく「やまとう」)が上がりました。
彼は体重が70数kgしかなく、平成年間以降では「最軽量の幕下力士」と思われます。十両で見ると昔70kg台の関取がいましたが、昨今の角界で80kg未満の体重で幕下に上がるのは至難の業。
大相撲データアナリスト横尾誠(
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