さて、早いもので本場所が始まりました。今場所は通常よりも場所と場所の間隔が1週短いため「早いもので」というのは文字通り。体感でもいつも以上に早く場所がやってきた印象です。今場所も15日間雑感を書き連ねていく予定ですので、お付き合いただけば幸甚です。

■良くも悪くも初日らしかった
初日独特の空気感。残された結果も何となくありがちな展開。一言で言うと「初日らしい初日」そんな印象だ。横綱豊昇龍に土はついたものの、特段荒れたという印象はない。最後は東横綱の大の里がしっかりと締めた。熱戦はあっても、まだまだ様子をうかがうような状況。悪く言えば、まだおとなしいともいえるのだが、それでもこれが初日なんだろうといったところだ。私自身にまだ「観戦のエンジン」がかかってないようなところもあるからなおさらなのかもしれないが、やはり「初日」だったのだろう。

■力をつけている伯桜鵬
豊昇龍は張り差し狙いだったのか。伯桜鵬の動きを止めようとしたのだろうが、豊昇龍が逆に止まってしまってそこを伯桜鵬に付け込まれた。そんな内容だっただろう。伯桜鵬の前に出る力というのはここ数場所確実についているというか、増してきているだろう。そこを横綱が見切れなかったか。この負けだけで豊昇龍の良し悪しはいまいち判別がつかないというのが本音でもあるが、横綱が初日黒星。痛いことには変わりないだろうし、調子の良し悪し、内容の良し悪し関係なく、横綱の黒星スタートは痛い。2日目以降、決して状態が悪くて負けたわけではないというところを見せられるか。

■圧力があった琴櫻
先場所終盤での休場で、今場所はやや「強行出場」感があった琴櫻だが、相撲内容も決して悪くはなく、前に積極的に出ようとして勝利をつかんだことは非常によかったとは思う。ただ、琴櫻は守り抜くこと。その防御力で守る中から勝機を見出す相撲。膝の状態がどうなのかはわからないが、良く言われる前に出ていれば大丈夫。下がるとまずい。という状態なのであれば。琴櫻本来の姿で戦えるのかどうかは気になるところでもあるし、前に出て勝てる相撲が増えていけば。それは怪我の功名になるのかもしれない。

■不安を覚える3力士
上位陣の取組を見ていて気になったのが、若隆景、若元春、霧島の3力士。初日の相撲を見た限りだと、何か今場所も若隆景と霧島は苦しい土俵になりそうな気配を感じるし、若元春も先場所の良さがいまいち感じられない内容だった。ただの杞憂であればそれでいいのだが、何か不足しているというか、彼ららしさがまるで感じられない。2日目以降の巻き返しに期待したいところだ。

■大の里の独走になっていくのか
今場所は両横綱の時代になっていくのか、それとも大の里の独走の時代の始まりになるのか。その分水嶺。のちにそう見える場所になるのではないかとも想像している。先場所の優勝は大の里だったが、本割では豊昇龍が勝利し、大の里は本割で敗れたあとの決定戦での勝利での優勝だった。「直接対決」でいえば1勝1敗だった両者だ。だが、今場所。大の里が突っ走れば。今場所の1場所単位での結果が、年、時代になっていくとも思えてしまうのだ。そんな中、「1勝」と「1敗」という差がついた両横綱が場所全体をどう整えてくるのか。今場所は両横綱に注目してみてみようとは思っている。もちろん、ほかにも注目すべき点は多々あるが、まずはここだ。そんなことを感じる初日でもあった。