その10:ピーテル・パウル・ルーベンス「虹のある風景」
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ルーベンス「虹のある風景」1638年
ピーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」 ウォレス・コレクション

 画家の王にして王の画家とのキャッチフレーズもつけられた、17世紀フランドルを代表する画家ルーベンスの一枚。晩年のルーベンスが本作で描いたものは、広大なフランドルの風景とそこに生きる人々、そして大きな虹である。

 大きな虹ももちろん美しいのだが、それ以上に生き生きとした人々が印象深い。牛飼いは牛を追い、牛乳売りの娘は朗らかに笑い、それを藁積みの男がナンパしている、といったような当時のどこにでもありそうな風景を美しく描いている。

 ルーベンスは晩年、アントウェルペン郊外の大邸宅に住み、そこを捜索の拠点としていた。ここで描かれていた風景も彼の領地で見られたものであったのかもしれない。雄大な光景と細やかな人物描写双方が織りなす美しい作品である。

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