フェルメール探訪

このブログは主に、フェルメール鑑賞記、美術関係の本の紹介、美術館の見どころ紹介、美術展の感想でできています。

コレッジョ

裸婦画を斜めからみるその82:コレッジョ「レダと白鳥」

その82:アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ「レダと白鳥」
裸婦画を斜めからみるの一覧

コレッジョ「レダと白鳥」c. 1630

アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ「レダと白鳥」

 ルネッサンス期のイタリア、特にパルマで活躍した画家コレッジョの一枚。前に紹介した「イオ」と同様に、マントヴァ公フェデリーコ2世・ゴンザーガの注文による連作「神々の愛」に含まれる作品でもある。

 描かれているのは、ギリシア神話の最高神ゼウスが白鳥に姿を変え、スパルタ王の妃レダと交わるシーンである。16世紀、ルネッサンスの時代この主題は官能を表現するものとして非常に好まれた。クピドたちが音楽を奏でる中、ゼウスとレダは愛を交換し、さらに小さな白鳥たちがレダの付き人と思わしき少女たちと戯れている。
 
 「イオ」もそうだったが、コレッジョの描くゼウスと女神のセックスシーンは直接的であり、そして優美である。むしろ白鳥と戯れる少女たちの方がより性的である。白鳥とレダのセックスの横で裸の少女と白鳥が追いかけ、追いかけられている様は背徳的とすら言えるかもしれない。

裸婦画を斜めからみるその19:コレッジョ「イオ」

その19:アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ「イオ」
裸婦画を斜めからみるの一覧


 ルネサンス期のイタリア、特にパルマで活躍した画家コレッジョの一枚。マントヴァ公フェデリーコ2世・ゴンザーガの注文による連作「神々の愛」のなかの一枚でもある。

 題材はギリシア神話。自らの性欲に忠実な最高神ゼウス。嫉妬深い妻の目をかいくぐるために様々なものに変じて、女性(時には男性)と関係していく。この絵は、黒雲に姿を変えたゼウスが、ヘラ(ゼウスの妻)の神職にあったイオと交わるという、美しくも怪しい場面を描いている。

 雲の中に見えるのはわずかに顔と手のみ。しかし、その黒雲にすべてをゆだねるイオ。その表情、肉感的な肢体はエロティックである。恍惚とした表情、黒雲を抱きかかえる腕、緊張感のある足、特に反り返ったつま先は、今何が行われているのかを雄弁に語っている。


コレッジョ「イオ」1531年ごろ
アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ 「イオ」 美術史美術館(オーストリア、ウィーン)
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