2006年07月30日

暑い日照り。抜けるような青空とはよく言ったものだ。
そんな中、俺は人生の岐路に立たされている。
よく岐路と聞いて、生きるか死ぬかと言うが、確かに俺の立場も生きるか死ぬかだ。

つまり、ヒーローになれるか、ヒーローになれない中途半端な人間になるか。
ただのそれだけ。

ここは夏の日差しも厳しい野球場。
熱戦を繰り広げる俺のチーム。
1-2の最終回。2アウト。満塁。

ここで告げられたのは「代打」。そう、ベンチウォーマーの俺に出番が来た。

「○○、選手の交代をお知らせいたします。バッター、××に変わりまして、△△」

ヘルメットを被り、両手のバッティンググラブの口を締める。
ネクストバッターズサークルにある滑り止めを手にしたとき、俺は一つ約束を思い出した。

監督から代打を告げられた際、ひどく緊張し、がちがちになった。
きっと誰から見ても、カチカチになっていただろう。

だが、その約束を思い出した途端。

ふっと力が抜けた。
そして、微笑がやってきた。
その次に、必ず打てるという自信も訪れた。

よし、いける。

滑り止めをバットのグリップに馴染ませ、グリップ状況を握って確かめる。
グッと握ったバットは、いつもより軽やかだ。
サークルからバッターボックスへ向かう。
トントントンとリズムを刻み、素振りを1スイング。
イメージは前進守備の外野を抜くサヨナラヒット。

バッターボックスに入り、軸足の位置を決める。
スパイクから伝わる土の感触。ベンチからの熱い気持ち。
そして、スタンドから伝わる思い。

それらを背に受け、俺は構えた。

投手をにらみつける視線は、必殺。
理論ではなく、もはや気持ちの問題。
気持ちで勝てるかどうかが死線を分かつ。
任せろ。俺はお前のために打つ。

投手が投げたボールは、俺の狙ったコースにきた。
構えたバットをトップの位置から、流れるようにその球を迎える。
カッという音が響き、打球は左中間を抜ける。

…俺はヒーローになった。








と言うのを夢見た時代も俺にはありました(´ー`)y─~~





(02:57)

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