セバスティアーノの官能小説blog

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第4夜 日常化する調教
 第六話 2回目の自宅奉仕①


 4月23(土)・24(日)の週末の温泉旅行から帰宅した芽美を待っていたのは27(水)の自宅奉仕だ。セックス合宿後2回目になる。1回目は旅行前の20(水)に実施済だった。そしてGWはじめの29(土)・30(日)は16(土)・17(日)に続く合宿後2回目の週末調教が待っている。自宅奉仕では、芽美が能動的に拓海に快感を与えるセックスをして奉仕の精神とテクニックを学習する。週末調教はその逆で、芽美が受動的な立場でSMセックスを享受し、社会的タブーに縛られずに牝としてセックスに没頭する悦びと新たな性感・性癖開発、被虐の精神を培う。


 2回目の自宅奉仕の今日、芽美の部屋を訪れた拓海が鍵をはずしてドアを開けると、メイド服を着た芽美が正座をして待っていた。驚いて芽美の顔を見ると、いたずらっぽい顔をして、おきまりのセリフを口にする。

「おかえりなさい、ご主人様。ご飯になさいます?お風呂になさいます?それとも、わ・た・し?・・痛いですぅ!」

「俺のげんこつを頭に受けながらも最後まで言い切った根性は褒めてやろう。だがさっき電話で先に食事にすると伝えたばかりじゃないか!そもそも先週、お前にあまり面倒かけないよう食事を済ませてきたら、『一緒に食べたかったな』なんて寂しげに 言うから!」

「ごめんなさいご主人様。だって、『なに食べたいですか?』って尋ねたら『なんでもいい』って気のない返事をするから一緒に食べたくないのかなって悲しくなっちゃって。それならいっそ定番メイドに徹しようかな、と。」

「だから今週もメイド服着てるのか。部屋着は俺の目を愉しませるようなものなら何でもいいと言ったはずだが。」

「だって、部屋着なんて持ってないもん。いつもスウェットの上下着てたから。」

「わかってる。だから一着持ってきた。食事が終わったら、これに着替えろ。」


 拓海から紙袋を受け取ると服にしては重い。

「他にも何か入っているみたいですよ?」

「食後のデザートだ。ブルガリのチョコ。前に約束しただろう?重いのはコアントローの瓶。香りのよいオレンジリキュールだ。割って飲んでもいいし、紅茶に入れてもいいからチョコと一緒にどうかと思ってな。それからこれ。先週のと差し替えてくれ。」

 そう言って片方の手に持っていた一輪の花を渡される。

「わぁ、いろいろありがとうございます、ご主人様!」

 花束と紙袋を手に持って立ち上がろうとする芽美。しかし脚がしびれていて転びそうになる。

「おっと危ない!」

 そんなドジッ子メイドはご主人様にがっしりと抱きとめられる。逞しい胸に抱きかかえてぼおっとしながら拓海の耳元で小声で本心を吐露する。

「毎週お花くれたり、軽い約束を忘れずにチョコ買ってきてくれたり、一緒にご飯食べる約束守ってくれたり、恋人みたいに大事にしてくれて嬉しいです。だからメグも心を込めて精一杯ご奉仕するから、ゆっくりしていってくださいね。」

 そして自分から拓海の唇にキス。拓海が強く口を吸うとするとうっとりとして荷物を持つ手を拓海の背中に回す。ピーというやかんのお湯が沸く音が聞こえると、名残惜しそうにゆっくりと身体を引き離し、こんなセリフを言いながら、ミニスカートの裾を翻してムチムチとした太腿を限界まで見せ付けてキッチンに消えていく。

「今日の献立は栄養バランスと手軽さを考えてボロネーゼ、チーズの温やっこ、野菜スープにしました。来週からはどんなものが食べたいか夕方までに教えてくださいね。素材は肉、魚、野菜のどれを食べたいか、味付けはこってり系かあっさり系か、和洋中のどれ系か。量はがっつりか小腹がふくれる程度か。料理はあんまり得意じゃないけど、ご主人様のために頑張って作りますからね~!」

 玄関でのんびりと靴を脱ぎながら拓海は芽美のことを思う。

―ついこの間まで処女だった若い女は、少し優しくしてやれば、すぐに恋人気取りで尽くしてくれるからお手軽でいいな。それにしても今日はやけにテンションが高い気がする・・・旅行中になにかあったのか?少し調べてみる必要があるかもしれん・・・とりあえず、あとでカマをかけてみるか―

 

 食事の後、芽美は拓海の手伝いの申し出を断り入浴を勧めると、一人でキッチンと食器の片付けを済ませてから拓海の後を追って入浴し身体を洗うのを手伝った。風呂から上がった二人は部屋着に着替えて芽美待望のデザートの時間を迎えた。

 芽美の服はVネック・七分丈で裾が短めな白の薄いニットワンピース。タイトなデザインで拓海の命令により下着は上下とも着用していないから身体のラインが浮き彫りになっている。乳首の位置も丸わかりだ。半乾きの髪は無造作に下ろされているが、化粧はばっちり。拓海のほうは黒のロングTシャツに白いゆったりめの綿パンを履いている。


「それにしても、このチョコ凄くおいしいですね!それにこの紅茶も!」

「お前がおみやげに買ってきてくれた温泉饅頭もふつうに旨いぞ?」

「どうして疑問系なんですかぁ!ご主人様のいじわる!」

「よしよし、ほらチョコだぞ~。アーン。」

「わーい

 二人は今、リビングのソファに並んで座って、デザートのブルガリのチョコをコアントローを垂らした紅茶と一緒に味わいながら雑談をしている。照明は消され、カーテンの開けられた窓からの月明かりとテーブルの上の2本のアロマキャンドルのみが二人の世界を照らしている。BGMには芽美が選曲したJazzyHip-Hopが音量を絞って流されている。芽美の腰には拓海の左手が回されている。拓海に身体を預け太腿を密着させている芽美は明るい笑顔を浮かべていて楽しそうだ。


「温泉旅行はとても楽しかったようだね芽美?」

「はい!行かせていただいてありがとうございました!」

「大学時代のアルバイトで知り合った友達仲間と行ったんだよな?」

「うん。今でもみんな仲良しで時々会ってご飯食べたり遊んだりしたりしてますよ♪」

「確か、そのグループの中の男の子を昔好きだったとか聞いたけど、今回の旅行でその男と素敵な思い出でも作ってきたのかな?」

「え、よく覚えてますね?その子も行くはずだったんですけど、残念ながら仕事の予定が入って泣く泣くキャンセルしてました。混浴を楽しみにしてたみたいですけどね(笑)。だから女の子三人の旅行でしたよ。」

「ということは男1人女3人で行く予定だったのか。それはどうなんだ?」

「リゾートバイトの時は大部屋にまとめて雑魚寝させられましたからね。拓海ご主人様と違って女の子に変なことする男子じゃないし。」

「変なことというのはこういうことかな?」

 拓海は腰に回している手で芽美の尻や太腿を撫で回す。

「ああん、そういうことですっ!もう・・・でも、どうしてそんなこと聞くんですか?あ、もしかして嫉妬してるんですかぁご主人さまぁ?」

 ニヤニヤしながら冗談めかして言う芽美。

「そうさ。お前は俺のものだからな。お前の男関係は気になる。」

 予想外に真顔で真面目に返事をされ、ドキリとした芽美の頬が赤く染まる。

「あ、えと・・・ありがとうございます・・・」

「ん?どうしてお礼なんか言うんだ?」

「うん・・・そんな風に言われたことないから、なんだか嬉しくなっちゃって・・・ご主人様の女たらし!他の女の子にも言いまくってるんでしょう?」

 芽美は上目遣いで拓海の様子を伺いながら、女関係について探りを入れる。
 

「そんなことはないぞ。前にも話したとおり、俺は男子校出身の弱気な男だったから大学を卒業するまで女とはずっと縁がなくてな。亡くした妻が初めての女だが、向こうから押されて付き合ったようなものだしな、今で言う『誘い受け』というやつか。」

「ふーん、喪女の私とは対極ですねぇ、羨ましいことですわぁ。」

 ジト目になる芽美。

「お前が喪女?なに言ってるんだモテモテじゃないか、孝に俺にお前を襲ったあの男。今回の旅行でも客の男から口説かれたりしたんじゃないのか?」

「あの男のことは言わないでくださいよ、忘れたいんですから・・・今思うと、孝さんは私が年下の処女で扱いやすそうだから口説いてきたような感じだし、拓海ご主人様はモロにそれですからねぇ。お客さんから口説かれるなんてことも、もちろんなかったですからモテモテとは言えませんよ。」

 芽美は心中でつぶやく。

―嘘は言ってないもの、ただお風呂でのことを言ってないだけ―


「ああスマン。しかしモテるっていうのはそんなものじゃないのか?男女とも理想のタイプばかりからモテるなんてアニメやマンガの世界だけで、実際はお近づきになりたくないタイプが寄ってくる。身体目当てだったり、ストーカー気質だったり。自分の好きなタイプと付き合いたければ自分から積極的に行かないと。」

「それはそうかもしれませんけど・・・積極的になるのは勇気が要りますよ。それに勇気だしたところで、異性に慣れてないと、ぎごちなくなって変な人と思われちゃいそうだし。」

「確かに普段異性との交流がないと厳しいかもしれないが、そこも含めて努力する必要があるってことだろうな。まず異性に慣れることを目的に社会人サークルに入るとか合コンを数多くこなしてみるとか。積極的なアプローチはそうした経験を積んでからのほうがいいかもしれない。」

「拓海ご主人様もそんな経験を積んでから、ナターシャさんを口説いたの?」

「俺は結婚してたからな。結婚すると余裕ができるのか、妻以外の女とも普通に話せるようになった。ナターシャの場合も向こうからアプローチしてきたようなものだからなぁ・・・俺も経験を活かして積極的になったことは否定しないが・・・」

「ふーん、奥さんとナターシャさん以外の女性とはお付き合いしなかったの?」
 

 拓海は興味深げな視線を芽美に向け、紅茶を一口飲むと微笑を浮かべて逆質問を返す。

「そんなに俺の女遍歴が気になるのか?」

 視線をさまよわせて、どう答えようか迷う芽美。同じように紅茶を一口飲むと、視線をティーカップに向けたまま答える。

「うん、まあ・・・」

「ふふ、素直だな。セックスのときは俺の命令と快感に流されて好きだと言ってくれているが、もしかして俺に本気で惚れたか?」

 そんな風に揶揄されてしまったら、もしそうだとしても、正直に肯定することはできない。本気で惚れたわけではないから否定するのはやぶさかではないけれど・・・。

 拓海に腰を抱かれたままの姿勢で拓海の向こう側のサイドテーブルに目を向ける。小さな花瓶に拓海が買ってきた一厘の赤いバラが挿してある。ブルガリのチョコもコアントロー入りの紅茶は美味しかった。二人で食べた食事も、一人で食べるいつもの食事より美味しかった。プレゼントされたワンピースは、自分では購入する勇気が出ないデザインだが、自分に大人の色気を醸しだしてくれている素敵なものだ。それを着て、今こうして恋人のようにいちゃいちゃしながら会話している。とても楽しく幸せな気分。

 だから芽美はこう答えようとして、流行の濃いめの赤いルージュで彩られた口を開く。

―そうね、もしかしたら・・・そうかもしれないわ・・・―
 

 しかし、拓海がほんの数瞬先んじて口を開き、そのセリフは紡がれずに終わる。

「妻とナターシャ以外に、あと二人だけ深く付き合った女がいた。二人のことは長い話になるからおいおい、そうだな、お前が本気で俺に惚れてパーフェクトな恋人、いやマゾ牝奴隷になった時にでも話すことにしようか。それでいいな?」

「わかりました、ご主人様・・・」


 芽美は恋人と言いかけてマゾ牝奴隷と言い直されたことに一抹の寂しさを感じる。そんな芽美に続けて拓海が声をかける。

「だが心配するな、ナターシャを除けばみんな過去のことだ。ナターシャだって近いうちに帰国して別れることになる。だから今の俺が、甘い言葉を囁くのも、プレゼントを渡すのも、多くの時間を割くのも、心を込めて抱くのもお前だけだ!」

 右手を伸ばし芽美の左肩をつかんでぐいと引き寄せると、情熱的な瞳で芽美の目を覗き込み、大きくはないがはっきりとした声でそう断言する拓海。

―それは、私を理想の完璧なマゾ牝奴隷に調教するためでしょう?―

 そう自分に言い聞かせて視線をそらす芽美。だがサイドテーブルの上のバラが目に映る。

―でもいいわ、あんなふうに大事にしてくれるのなら、あなたの理想のマゾ牝奴隷になってあげる、だから―

「これからも大事にしてね、ご主人様♡」

 そう言うとご主人様の目を強い視線で見つめ返しニコリと微笑む。可愛らしさの中に固い決意と被虐の悦びが垣間見えるその妖艶な微笑みに男心を突かれた拓海。自分のセリフで芽美が照れたところをギュッと抱きしめてキスをする予定だったが、逆にその笑顔から目を離すことができない。
 

 数秒後、はっとして目を話すと誤魔化すように話題をそらす。

「ところで、今日のお前のテンションがやけに高いのはどういうわけだ?どうやら、いい男との出会いがあったわけではなさそうだが・・・。旅行が楽しかったというだけで、そんな風にはなるまい。旅行でなにがあったのか正直にいってみろ?正直に言わないとどうなるのかは、もうわかってるよな?」

 隠し事をしている芽美はドキリとする。優斗とのことを言おうか言うまいか・・・。考える時間を稼ぐために話をそらす。

「そんなにテンション高いですか?自分ではよくわかりませんけど?紅茶にコアントロー入れすぎて酔っちゃったのかな?」

「一杯しか飲んでないのにそれはないだろう。お前のことをよく観察している俺にはわかるんだよ。絶対に旅行でなにかあったに違いないと男の勘が告げている!」

「男の勘て、当てになるんですかねぇ?聞いたことありませんけど。」

「俺もないな!」

「まったくもう、ご主人様ってば・・・つまらない冗談はやめてください!」

 つまらないと言われしゅんとする拓海。

「ああ、すまない・・・」


 そんな会話で回答を保留していた芽美は決断する。

―とりあえず、できるだけ誤魔化してみよう。二人だけの秘密にしようと提案した自分がさっそく破るわけにはいかないし・・・どんな懲罰うけるか怖いし―

「そうですね、思い当たるとすれば美咲と里奈の二人と、ようやく親友になれたことかな。」

「うん?ずっと仲良くしてたんじゃないのか?」

「仲良しではあったけど、遊び友達レベルで、あまり深い話をしたことがなかったんですよ。それが今回の旅行では二人の恋の悩みからはじまって、いろんな深い話ができて。」

「恋バナなんて会うたびにしてきたんじゃないのか?」

「そうなんですけど、今まではやっぱり未経験の私に遠慮とか優越感とか色々あって、表面的なことしか話してもらえてなかったみたいで。美咲も私が思ってたより全然経験豊富で驚かされたし、里奈の経験といったら、想像できる範囲を越えていて、衝撃的すぎて言葉も出ませんでしたから!」

「ふむ。話の内容も大いに気になるが、それより気になるのは、なぜ二人が今更そんな告白をお前にする気になったのか、ということだな。もしかしてお前・・・俺とのことを自慢げにペラペラ話したりしたんじゃないのか?」


 疑問系ながらも拓海の表情はそれを確信している様子だ。芽美は正直に答える。

「自慢げにもペラペラ話したつもりもありませんが、追求されて仕方なく。」

 半分はウソだった。追求されて仕方なくの体で、芽美はわりと自慢げにペラペラと話してしまっていた。それどころか里奈に対抗意識を燃やし、拓海からどんなSM調教を受けているかをかなり具体的に話してしまっていた。おかげで同じようなSM調教を受けている里奈と仲間意識が芽生え、美咲からは「芽美もなかなかやるわね」と悔しそうなセリフを吐かせて溜飲を下げた。ただ「私もSM調教してくれる年上の男性を捜そうかな」と本気で言う美咲を里奈と一緒に思いとどまらせるのにとても苦労させられた。

「追求されるだけの理由があったんだろう?」

 芽美が自分から話したのではないかとまだ疑っている様子だ。


「私が二人の恋バナを聞く様子がこれまでと違ってたみたいなんです。なんか余裕があったみたいで。それにご主人様がいけないんですよ!私の下着がこれまでと全然変わっているのに二人とも目をパチクリさせてましたから。フルカップ・フルバックの形状で色合いもピンクとか花柄とか可愛い系だったのが、いきなりハーフカップ・ストリング系で色合いも黒や赤、紫とかのセクシー系に180度変わってたら、異性関係で絶対なにかあったと思われますよねご主人様!?」

 自分の過失を鋭く追及されて苦虫を噛み潰したような顔をする拓海。

「普通の下着を着ていけと命じておくべきだったな、うかつだった。」

「そうですよご主人様!ところで、どうしてご主人様のことを秘密にしなくちゃいけないんですか?その、SMプレイの関係にあることは秘密でも、普通にお付き合いしているように言うなら、べつに構わないんじゃないかなぁ。」

「それにはいくつか理由があるのさ。まずはだな。」

「うん」

「俺がSM好きなことを知っている人も多いから、俺と付き合っているとなるとお前もSM好きってことになってメグが恥ずかしい思いをすることになる。」

「ああ、そうね。それから?」

「お前に彼氏がいるってことになると、お前をタイプだと思う男が現れても遠慮してデートに誘ってこなくなる可能性が高い。お前には色々な経験を積んで欲しいから、可能性をつぶすことは避けたいと思ってね。そういうところはミステリアスなほうが魅力的に見えるしな。」

「色々な経験て、他の男とエッチしちゃってもいいってこと?」

「もちろんよくはない。だがお前の一挙一動を監視できるわけじゃないからお前がそうしようと思えば止めることはできないからな。お前が他の男と寝るのなら、俺以上にそいつに魅力があるということなんだろうよ。」

「貞操帯をつけられてしまえば、そんなことできないわよ?」

「今後まったく付けさせないとは言わない。だが俺がやりたいのはお前を無理やり従わせることではなく、俺の魅力とSMセックスの虜にして自発的に従わせることだから。」

「ふーん?」
 芽美は拓海をジト目で 睨む。

「そうか?それに男がいるというと、どれくらいエッチしてるとか、結婚するのかとか、妊娠してないとか、プライベートな質問が許されると勘違いして根掘り葉掘り聞いてくる馬鹿な男や女に絡まれたりするから。かわすのもうっとおしいし、だからと言ってそういうことを赤裸々に話すのは、上品な淑女がやる行為ではないし。」

「私は上品な淑女なんかじゃないわよ?」

「お前にそうなって欲しいのさ。」

「どうして?」

「お前にもっと魅力的になって欲しいから。」

「そ、そうなんだ?」

 少しだけ挙動不審になる芽美。

「ああ」

「理由は以上?」

「いや、もうひとつだけ。」

「なに?」

 拓海はなにやら言いづらそうだ。


「・・・付き合ってるとか結婚してますというと、私たちはセックスしてます!って宣言しているようなものだろう?それって恥ずかしくないか?」

 芽美はそれを聞くと吹き出してしまった。

「なによそれ。ふだん私にあんなにエッチなことをしてるくせに、そんなことが恥ずかしいなんて子どもみたいだわ。」

「そうだな、自分でもそう思う。」

 拓海が肯定したのを聞いて悪戯っぽい表情をすると、こう続ける芽美。

「なら、今日はそういう恥ずかしいことは止めておきますか、ご主人様?お子様にはまだ早すぎるのではないかと。お食事後の休憩も充分にとられましたし、そろそろお帰りになられてはいかが?」

「いやいや、勘弁してくれよメグ!?実はさっきからずっと、お前に襲い掛かるのを堪えてるんだ。白いミニのミットワンピースがよく似合っていてセクシーだし、旅行から帰ってきたお前はなんだか一皮むけたようで、さっきの笑顔なんか、今まで見たことがないような艶やかだったぞ。だから、忘れずに買ってきたブルガリのチョコに免じて、お前の新しい魅力を堪能させてくれないか?」

 強引にエッチに持ち込むこともできるのに、こんな風に下手に出られて賞賛されお願いされば決して悪い気はしない。食事と入浴を済ませ、恋人と過ごすようにくつろいでいた芽美もまた、ヤりたい気分が大いに高まっていた。


「そうね。チョコだけじゃなくてお酒もお花もワンピースも頂いてしまったし。そのお礼に、今日はメグがたっぷり悦ばせてさしあげますわ♪」

「ありがとう。もしメグが望むなら、今日はこのまま恋人みたいにセックスしてもいいぞ。首輪をつけたり、俺のことをご主人様と呼んだりしないで。」

 魅力的な提案だった。しかし拓海が自分をあくまで恋人ではなくマゾ牝奴隷と位置づけようとしていることを知っている。それなのに恋人みたいなセックスをしても、後で惨めな気持ちになるだけのような気がした。だから芽美はこう言った。

「ありがとうございます。でも、わたしは自分の立場をわきまえている優秀なマゾ牝奴隷でございます。ですからお気持ちだけいただいて、そのぶんも含めてたっぷり御奉仕させていただきますわ。」

「・・・そうか、わかった。ではこれは命令だ。今夜は寝室ではなくこの部屋でその白いニットワンピースを着たまま御奉仕すること。いいねメグ?」

「かしこまりましたご主人様。それでは準備をしてまいりますので、しばしお待ちくださいませ。」
そして芽美は身だしなみを整えに姿を消した。 


第4夜 日常化する調教
 第五話 温泉宿にて⑤夜明け前の秘密のレッスン


「まず聞くけど、なんで裸なの?ここでは湯浴み着の着用がマナーでしょう?」

「慌てて部屋を出てきたから忘れたんですよ。内湯だけにしようかと思ったけど露天風呂にだれもいなそうだったし、雨の降る深夜にもう誰も来ないかと思って。」

 二人は足湯の奥に並んで座ってぼそぼそと会話している。細雨は大雨に変わっている。芽美の悲鳴と騒ぎの音は大雨の音に消されて母屋にまで届いていないと思われた。

 平手打ちされた若者は落ち着きを取り戻し、足湯の中で立てることがわかると恥ずかしげな顔をしてそそくさと足湯を去ろうとした。しかし芽美は雨が酷いからしばらく雨宿りしなさいと命令口調で言って、気弱そうなこの男子を強引に引き止めた。同じく気弱な芽美といえども、自分の痴態を見られ、しかもスマホでそれを撮影された懸念があるとなれば必死だった。


「どうして慌てて部屋を出る必要があるのよ?」

「それは、そのう・・・・・」

「言えないってことは、やましい理由なのね?スマホを持ってるのも怪しいし。やっぱり盗撮しようとしたんじゃないの?部屋の窓から私が一人で足湯に向かうのが見えて慌てて来たんでしょう、盗撮魔さん?」

「ちがいます!部屋の窓から露天風呂は角度的に全く見えませんから!スマホは普段お風呂に持ち込んでるからつい・・・だれもいないからいいかと・・・」

「なるほど、ばれたときはそうやって言い訳してるのね、常連盗撮魔さん?」


 どの部屋の窓からも見えないことは芽美にもわかっていた。部屋と風呂の位置関係は川沿いに横に並んでいて、部屋の窓は川の方角にしかないのだから。スマホを持っているという弱みを徹底的に突き優位に立ちたいための方便である。オナニーを見られたことは間違いない。口止めをするにはなんとかして男の子の弱みを握る必要がある。気弱そうだから絶対に誰にも言わないでといえば承諾しそうだが、見知らぬ人間の口約束など信用できるわけがなかった。


「だから違いますって!そのう・・・実は彼女とケンカして部屋を追い出されたんですよ、スマホも投げつけられて仕方なく持ってきただけです。」

「盗撮魔のくせに彼女いるなんてウソでしょ?そもそも深夜にどうしてケンカなんてしたのよ?普通のカップルならエッチして仲良く寝入ってる頃合でしょうに。」

「・・・それがそのう・・・それがケンカの原因で・・・・・」

「エッチがってこと?誤魔化さずにはっきり言いなさい。盗撮犯として警察に通報されるかどうかの瀬戸際だってことわかってるのかな?」

「えっ!?それは困ります!」

「なら包み隠さず全部話しなさい!」

「は、はい!彼女とは昨年学祭で知り合ってクリスマスから付き合い始めたんです。」

 警察に通報と聞いて動揺したのか、若者は彼女との馴れ初めから語り出す。芽美はどこかで弱みを握れないかと続きを促す。


「クリスマスから交際開始なんてロマンチックね、それで?」

「ええ、それで何度かデートもしたんですが、女性と付き合ったのは彼女が初めて・・・」

「つまりエッチしたことがなかったってこと?」

「はい、エッチはおろか恥ずかしながらキスもしたことありませんでした。」

「そんなの別に恥ずかしいことじゃないわ、よくある話よ。で、今はもう経験済みと?」

「キスはホワイトデーにバレンタインチョコのお返しに彼女にねだられて初体験しました。それでいよいよ初エッチをということになって、思い出になる場所でしたいと彼女にこの宿をおねだりされてしまって・・・」

「この宿はなかなか予約がとれないって聞いたけど?」

「ええ、彼女も、どう頑張っても予約できなかったらしいです。僕は家族で毎年利用しているけどそうなの?って話したら食いつかれました。」

 芽美は思う。

―ここを毎年利用しているなんて良家のお坊ちゃんなのね―
 

「素敵な宿ですものね、深夜に盗撮魔が出ることを除けば。」

「だから違いますって!あとでスマホの写真フォルダお見せしますから!」

「ああ、それは良い考えだわ。それで初夜はどうだったの?ケンカしたってことは上手くいかなかったんでしょう?」

「その通りです。緊張をほぐすためにお酒をたくさん飲んだら立たなくなってしまって・・・酔いがある程度醒めてちゃんと勃起するようになるまで彼女を待たせて、雰囲気を壊してしまって。 

 それでもせっかくなので行為に及んだのですが、僕の愛撫は下手すぎて全然気持ちよくないどころか痛いらしくて。どうしたらいいか彼女に細かく尋ねながらやってはみたのですが、焦って上手くいかないし。その間にアレが萎えてちゃうのですが、そのたびに彼女が口で大きくしてくれて・・・でもそれが上手すぎて引いてしまったり。彼女のアソコも全然濡れなくて、何度挑戦しても挿入まで至りませんでした。  

 僕のアレは膨張と収縮を繰り返してヘビの生殺し状態だったので、とうとう我慢できなくなって「口でイカさせて欲しいな、口の中には出さずにちゃんと顔にかけるから」と言ったらキレられました。 

「もう無理!AVばっかり見てないで、スマホで検索して女心とエッチの仕方を勉強してよ!あなたといるとイラついて眠れないから風呂でも入ってきて!」と怒鳴られてスマホと一緒に部屋を追い出された、というわけです、はぁ・・・」 

 芽美も溜息をつく。

「彼女が怒るのも無理ないわね。」

「そうですか?いったいどこが悪かったんですか?やっぱり童貞で経験のないところでしょうか?」

「いいえ、そこは問題ではないわ。ひとつ確認したいのだけれど、最初に声をかけたり付き合おうと告白してきたりしたのも彼女のほうからかしら?彼女のほうが年上だったりする?」

「そうです、よくわかりますね!?僕は22歳で彼女が25歳です。」 


―まったく、最近の若い男の子ときたら・・・―

 つい最近までの自分のことを棚にあげて、上から目線で彼を評価する芽美。

「今までの話を聞けばだれでもすぐ想像つくわよ。だって全部彼女がリードしているんだもの。初エッチだって彼女がなんとかしてくれると思って何も勉強してこなかったんじゃないの?どういう愛撫なら女の子が感じるのかとか、エッチのときの女の子の気持ちの盛り上げ方とか。」

「えっと、AVなら何本かじっくりと見てみたのですが・・・」

「あんな男性向けの内容、現実とは全く違うわよ。どうせ旅行まで我慢できずに、エッチの勉強を名目に、彼女似の女優さんが出演してるAVで一人エッチしてたとかでしょ?」

「うっ、そんなことは・・・・・」

 うろたえる若者。図星だった。

「それに彼女がフェラが上手だからって引いてるくせに、それでイカせてもらおうなんて都合が良すぎると思わない?彼女はAV女優でも風俗嬢でもないのよ?どうせ好きでもないのに告白されて、エッチできると思ってカラダ目当てで付き合いだしたとかじゃないのかしら?」

「・・・そういう気持ちがなかったとは・・・言えません・・・」

「なら矛盾したこと言わないで頂戴。未経験の処女の子がいいなら彼女じゃなくて他の女の子を自分で口説いてみたらどうなの?18歳くらいの大学生になったばかりの処女っぽい女の子。学生ならサークルなんかで知り合う機会はたくさんあるでしょう?大学もよさそうなとこ通ってそうだし。大学はどこなの?」

「慶O大学の理工学部です。でもサークルはもう引退しました。フットサルやってたのですが、理系なので研究で忙しくなってきたし、就職するか院に行くかを決める大事な年なので。」

―やっぱり。幼稚舎からずっとなんでしょうね。良く見ると顔は整ってるし、身体も細マッチョっていうやつ、細いのに筋肉がしっかりしてそう、腹筋も割れてはいないけど引き締まってるし。背は高くはないわね・・・173くらいかしら?それに童顔で男にしては声が高めだから子どもっぽく感じるけど可愛いともいえる。お坊ちゃん気質で気弱なことを除けば全然ありだわ。その彼女もそんな風に思って先物買いしようとしたのかしら?―


「進路に悩んでフラストレーションが溜まって盗撮に逃げてしまったというわけ?」

「ほら、写真見てくださいよ!撮ってませんから!」

 若者はスマホのロックを解除して芽美に差し出してくる。

「やましい事は全くないので全部見てください!操作方法はわかりますか?」

 妹と同じ防水機能付きのアンドロイドスマホだった。

「大丈夫。使ったことあるから。」

 そう言って芽美は写真フォルダを開く。画像も動画も芽美を撮ったものはなく、この露天風呂の画像も他の風呂で盗撮したような画像も皆無だ。最新の写真は若者と彼女らしき女の子がこの宿の看板の前で二人並んで写っている写真。それより前は彼女の写真がちらほらとあるほか、なぜか草木や花の写真が大量にあった。

「認めたくはないけど、盗撮魔ではなさそうね。」

「そこは素直に認めてくださいよ!」

「でも怪しい写真がたくさんあるわね!」

「え、そんなのありますか?」

「いったいこの大量の植物の写真はなんなの?」

 サムネイルを指差して疑問を呈する芽美。

「ああ、それですか。僕は植物が大好きなんですよ。将来の夢は植物学者です!」

「そうなんだ?慶○大学の理工学部にもそういう学科があるなんて知らなかったわ。」

 そう言うと若者はがっくりと肩を落とした。

「いいえ、アリマセン・・・それで悩んでるんですよ・・・・・」

「どういうこと?」

「僕は幼稚舎から慶○で両親も大学まですっとそうなんです。それで迷うことなく大学にも進学したのですが、自分がやりたいのは植物学だって最近気が付きまして。それでこれからの進路をどうしようかと悩んでるんです。両親はそのまま慶○の院に進学して欲しそうだし、彼女は就職を勧めるし。大企業の研究所勤めになれば社会に役立つ実用的な研究ができるよって。でも僕は正直、植物学研究のできる他の大学の院に行きたいから、どうしたものかと。」

―彼女は慶○卒で大企業勤務のエリート男性の奥さんっていうステータスが欲しいんだろうな―

「希望を持つのは自由だけど、院に行くのも大企業に就職するのも難しいのでは?」

「こう見えて僕は勉強好きなので成績が良いんです。それに院への転入試験てそんなに難しくはないんですよ。就職については、正直コネがあるので大概の企業ならなんとかなりそうです。」

「あー、世の中には生まれながらの勝ち組っているのね・・・」

 遠い目をする芽美。そして悔し紛れに一言つけ加える。

「こう見えて、っていうのは盗撮魔に見えるってことかしら?自分でも自覚あるなら誤解されないように気をつけないと!」

「あーもういいですなんでも。」

 若者が挑発に乗らずに面白くないので芽美は話を進める。

「どの進路も選べるなら、自分が好きな道に進めばいいと思うけどなぁ・・・ところでこれがあなたの彼女?」

 サムネイルの最新の写真を指差す。

「そうです。可愛い子でしょ?」

「うーん、可愛くないとは言わないけど、それより色っぽいというか何というか・・・」 


 彼女が写っている写真を何枚か開く。普段どういうファッションなのかはわからないが、大きな胸の谷間が見え太腿が露出するような服を常に着て、若者の腕にすがり付いて胸をおしつけたり、座っているときは身体をピタリと寄せている。可愛い系というより、どうみても肉食系女子だ。どこかで見たことがあるような気がする。

―里奈に近いタイプよね・・・あっ、そういえば!―

 芽美は里奈への連想から、里奈に誘われて行った年末のクラブでの年越しパーティで彼女に会ったことを思い出した。彼女は、年齢が近く見た目のタイプ的にも似ている里奈をライバル認定しているらしく、近寄ってくると聞かれもしないのに自分の男関係を自慢してきた。騒がしい中で、里奈に探りを入れてきたり、男が声をかけてきて中断したりして長い話になったが、たしかこんなことを言っていた。

『私にはイケメンと金持ちの二人の彼がいる。二人とも年上でエッチの相性がいい。でもイケメンは貧乏で金持ちは不細工な成金だから結婚する気にはなれない。だからイケメンで育ちの良い金持ちの家の前途有望なお坊ちゃんを探しに慶○大学の学祭に行った。
 そうしたら条件ドンぴしゃりの男の子がいたから速攻で逆ナン。20歳過ぎてるのに彼女いない暦が年齢と一緒でキスもしたことがないウブな男子で、すぐに私のセクシーな魅力にメロメロに。クリスマスにうまく告白させて付き合うことになった。
 まだ学生だから卒業して一流企業に就職するまでは他の二人もセフレとしてキープしておくつもり。エッチの相性が合うか不安だけれど、合わなければ結婚した後もセフレを切らずにいるつもり。大晦日なのに彼氏と一緒じゃないのかって?うん私実家に帰省したことになってるから。クラブ通いは秘密にするつもりだし、明日から成金不細工とハワイだし。忙しくてたまにしか会えないっていうことにしておけば、他の男とのスケジュール調整しやすいでしょ?最初が肝心てこと』


―あーあ、この子、悪い女に捕まっちゃったのねぇ―

 芽美は彼女の本当の姿を若者に言うか言うまいか悩む。

―他人の私が口をはさんだところで余計なおせっかいにしかならないわよねぇ・・・あ、でも?―

「ねぇ盗撮くん。」

「なんですか痴女ねえさん?」

 男の子の思わぬ反撃だった。やはり見られていたと思うと恥ずかしくて瞬時に赤面してしまう。

「・・・見た?」

 先ほどまでの優位性を失い、羞恥のあまり目を合わせられずに下を向いたまま小声で確認する。

「・・・ええ、凄かったです・・・」

 若者も恥ずかしそうに下を向いて小声で本音を告げ、ナチュラルに芽美に大ダメージを与える。

「こういうときは見てても、見てません、てとぼけるのが女の子への思いやりってものよ・・・それどころか、凄かったです、なんて年下の男の子に言われたら立ち直れないわ・・・」

「そういうものですか?ごめんなさい」

「そういうものよ・・・まったく・・・もし仮に彼女のそういうシーンとか恥ずかしいとこ見ちゃってもスルーするスキルを身につけなさい」

「はい、がんばります」

「それで、その彼女のことなのだけれど・・・」

「はい?」

「わたし、彼女に会ったことがあるのよ」

「え、そうなんですか?」

「ええ、それで・・・彼女の秘密を知っているの」

「秘密って?なんか大げさな感じですね?」

「そうね・・・秘密というより隠し事かな?彼女があなたに知られると都合悪いことよ」

「そんな深刻そうな言い方されると、とても気になりますね」

「うん、知っておいたほうがいいと思うわ」

「もったいぶらないで教えてくださいよ」

「もちろん教えてあげるわ。その代わり、私がさっきしてたことは誰にも言わないで欲しいの。あなたの心に留めておいて、できれば早く忘れてくれないかしら?」 

「もちろん誰にも言いませんよ。もし仮に言ったとしても誰も信じないと思いますよ、初カノとの童貞卒業セックスに失敗して欲求不満だったから幻覚でも見たんだろうって。

 忘れるのは・・・無理ですねぇ。僕には刺激強すぎましたから。しばらくは夜のオカズに不自由しないですみそうです、なんて冗談ですけど」 

 芽美が若者の股間をチラ見すると、腰におかれたタオルがテントを張っている。とても冗談とは思えなかった。
 

―この様子だと、彼女のことを教えてあげるだけじゃあダメね、1週間もしたら絶対誰かに話してしまいそう。彼の弱みを握らないと・・・やるしかないわ!―

 芽美がそんなことをする気になったのは、美咲や里奈や、男の子の彼女の話を聞いて影響されたからなのか、最後までイケなかった一人あそびの熱が燻ったままだったからなのか、色々な経験をしろとの拓海の指示に従った結果なのか、少し前の気弱で性体験のなかった自分に彼が似ていて同情したからなのか・・・。

「悪趣味な冗談はいいから、そのスマホで彼女とのやり取り見せてくれない?ちょっと確かめたいことがあるの。」

「え~、恥ずかしいですよ。」

「あれを見られた私からしたら、どんな甘々なやりとりしてても恥ずかしいと思えないから大丈夫、見せなさい!」

「それはそうかもしれないけど・・・わかりましたよ、もう」

 若者は芽美の高圧的な勢いに負けてスマホのロックをはずし、アプリを起動して彼女とのトーク履歴を開いて渡す。見られるのが恥ずかしいのか、若者はスマホを持つ芽美のほうを見ようとしない。

 彼女とのトーク履歴を見るふりをして若者の気配をうかがっていた芽美は、すばやく自分のIDを検索してフレンド登録すると、若者の手をとる。

 その手を自分の股間の湯浴み着の下にもっていくと、驚き硬直している若者と自分の姿を自撮りし、その写真を自分のSNSに送付した。
 

「あなたが痴漢した証拠写真を私のアプリに送ったわ。もし私がオナニーしてたことをしゃべったら、この写真を警察と大学とご両親に提出するから。」

 そう宣告すると手を離しスマホを返却する。警察に提出という危険なセリフで若者の硬直が解ける。

「僕は痴漢じゃありませんっ!痴漢、いえ痴女はあなたのほうじゃないですか!」

「私も痴女じゃないわ。なんであんなことをしてたか理由を話すから聞いてくれる優斗君?」

「こんな写真を撮って僕を脅迫するつもりですか?芽美ちゃん。」

 嫌がる女の子の股間に強引に手をやっているようにも見える写真を確認して顔面蒼白の優斗。二人はSNSアプリの画面で初めて知ったお互いの名前を呼び合う。

「脅迫なんてしないわ。これは保険よ、保険。口約束だけだと不安だから。こんな写真を見せるのは私だって相当勇気がいるのだから。」

 そう言って動揺する優斗を落ち着かせる。

「彼女の隠し事というのは嘘だったんですか?」

「嘘じゃないわ。後でちゃんと話すから、今は私の話を聞いて。」

「わかりましたよ、もうっ!」

 芽美は大急ぎででっちあげた悲しいラブストーリーを話し出す。
 

「実は今日は、亡くなった恋人の一周忌だったの・・・・」

 いきなりの重い話に優斗は黙り込む。嘘とは知らずに。

「私は彼のご両親に嫌われていたから法事に顔を出させてもらえなくて・・・そんな私のために友達が思い出のこの宿を予約してくれたの」

「・・・」

「3年前の彼の誕生日に彼と初めてここで結ばれて、私は処女を卒業したの」

「・・・」

「その時はとても嬉しかったけれど、処女だったせいか、あまり気持ちよくはなかったわ・・・彼もあまり気持ちよくなかったみたい」

「・・・」

「2年前の誕生日にも二人でここに来たわ。そのときのエッチはとても気持ちが良かった、1年間、エッチの時はお互いを気持ちよくしようと努力したから」

「・・・」

「そして去年の誕生日もここへ来る予定だったの、でもそれは実現できなかった・・・だってその朝、彼は私をバイクで迎えに来る途中に交通事故に巻き込まれて・・・」

「・・・」

「つまり今日、正確には昨日ね。昨日は彼の誕生日であり、彼との思い出の日でもあり、彼の命日でもあったの」

「・・・」

「私が元気に過ごしていないと天国の彼が心配しちゃうから、さっきまでは友達と明るく騒いでたんだけど・・・」

「・・・」

「一人になったら、やっぱり寂しくて、悲しくて、切なくて、この宿で彼に優しく強く抱かれたことが思い出されて・・・」

「・・・」

「そしたら、もう、どうしても我慢できなかったの・・・・・」

「・・・」

「重い話、しちゃってごめんね、優斗君・・・」

 下を向いている芽美には優斗の顔をうかがうことはできないが、雰囲気から察するに、衝撃のあまり絶句しているようだ。優斗の反応を引き出すために黙っていると、優斗がなんとか言葉をひねり出してきた。

「芽美ちゃん、痴女だなんて言ってごめんね。亡くなった恋人のことを想う大事な時間を邪魔してしまったことも謝らないと。ほんとうにごめんなさい。一人になれるよう、部屋に戻りまね。」

 そう言って立ち上がろうとする優斗を引き止める芽美。人間の行動をコントロールするには鞭だけでなく飴も必要なことを、芽美は拓海から身体に叩きこまれていたから。
 

「待って、優斗君!」

「なんだい、芽美ちゃん?」

 名前にちゃんづけで呼ばれることに小さな疑問を感じつつ、重要なほうの会話を進める芽美。

「彼女さんの秘密、まだ教えてあげてないから」

「いいよ、また今度SNSで教えてくれれば」

「ううん、大事なことだから、今言わせて頂戴!彼女、おそらく浮気してるわよ。いえ浮気というか、複数の男性とお付き合いしてるみたい」

 ショックを受けるかと思ったら、優斗はわりと冷静だった。ただ表情は暗い。

「やっぱりそうか」

「知ってたの?」

「ううん。ただ、なんか変だな、とは思ってたから。連絡が取れないとき多いし、僕と行ったことのないお店のことを話題にして慌てて誤魔化したり。クラブなんか行かないって言ってたのに、男連れの彼女を友達がクラブで見かけたり」

「そうなんだ、それでも付き合ってるのね?」

「うん、彼女は美人だし、初めての彼女だし。できれば上手く付き合っていきたいんだ。友達にすごい女たらしがいるんだけど、彼からは、女は考えなしのところがあるから寛容な心でつきあってあげないとアドバイスされてるし。それに人間だって動物だからね。雄と雌の取り合いは単純に魅力的なほうが勝つのさ。そういう意味では僕にも問題があるのはわかってるんだ。特に今夜はそれを思い知らされたからねぇ。」

「へえ、意外。よくわかってるじゅない。そうね、そんなあなたには彼女と上手くいって欲しいわ。今晩あなたがやろうとしたことは昔の私と同じだから、親近感も感じてるし。だから・・・私があなたに女の身体のことをレクチャーしてあげるわ・・・」

 優斗は二度目の衝撃で再度絶句し、慌てる。 

「・・・えっ!いやいやっ、それはっ!」

「女の子に恥をかかせたらダメ。ここは乗っておくところよ。あんなことをしていたせいであなたには随分迷惑をかけたから。私のせいで足湯に落ちちゃったり、痴漢や盗撮魔扱いしちゃったし。スマホで女の勉強をしてこいって言われたのに勉強時間なくなっちゃたしね。」

「でも、亡くなった彼氏さんに申し訳ないから・・・・」

「んもう、じゃあ本音をいうわね、自分の指で慰めても切なすぎていけないのよ。やっぱり実在の男性のぬくもりが欲しいの。優斗君とここで恥ずかしい出会いをしたのは、そんな私を慰めるためにきっと彼が引き合わせてくれたんだと思うの。だって優斗君、亡くなった彼とよく似てるんだもの・・・彼と同じくらい格好良くて素敵なあなたに、彼氏の変わりに指で私を感じさせて欲しい・・・わたしも彼女の代わりにあなたを気持ちよくしてあげるから・・・」

 優斗の左手に右手を重ねあわせ、耳元で甘い声で囁きかける。

―うふふ、ここまでお膳立てしてあげたら、お人よしな感じのこの男の子なら断れないはず。それに、身体のほうは随分期待しちゃってるみたいだしねぇ―

 彼との悲しい別れの創作話を聞いている間に萎んでしまった股間のテントが再び大きく広がっているのを見て、芽美は誘惑の成功を確信する。とどめに上半身をひねって左手を優斗の太腿に這わせ、潤ませた瞳で下から顔を覗き込む。彼の顔は真っ赤で、視線は芽美の色っぽい表情と湯浴み着が張り付いて悩ましい身体を落ち着きなく行ったり来たりしている。心臓がドキドキと早鐘を打っているのが容易に察せられる。
 

 数秒後、陥落した男子は芽美と視線を合わせ手をぎゅっと強く握る。

「・・・そうか・・・そうなのかもしれない・・・これ以上芽美ちゃんに恥をかかせるわけにもいかないし・・・わかりました!謹んでご協力させていただきます!でも僕、女の子の身体の扱い方下手ですからね?」

「大丈夫よ。そこは芽美お姉さんが優しく教えてあげるから。でもお互い使うのは手だけよ。それ以上は彼もきっと許してくれないわ。それに今夜のことは彼女に秘密にするのはもちろんだけど、親友に言ったり、ぼかしてSNSに載せたりするのも絶対ダメよ。優斗君とわたし、二人だけの秘密にして欲しいの。約束できるわね?約束を破ったときは・・・」

 言外にさっきの写真を使うことを仄めかす。

「もちろんさ!ご先祖様に誓うよ!」

「んふふ、なにそれ?」

「自慢じゃないけど由緒ある家系だからね。ご先祖様を穢すわけにはいかないから。」

「それなら安心ね」
 

―拓海さん、ごめんなさい・・・口封じのために仕方ないことだから許してください・・・ご主人様がナターシャさんとしてることに比べたら子ども騙しみたいなものだから―

 心の中でそう言い訳すると、唇を軽く合わせる芽美。

「えっ、手だけじゃなかったんですか?」

「これは契約締結の証よ、もうしないわ。じゃあ始めるわよ。」

 芽美は優斗の手を秘裂に導き、自分の手もタオルの下に差し入れる。

「いい、女の子の身体、特にココはとってもデリケートだから、最初はとにかく力を抜いて優しく、やさしくね・・・」

 夜明け前の温泉露天風呂の片隅の足湯小屋で、夜のとばりと大雨にまぎれて芽美の淫靡なレッスンが開始される。

 その動機として、優斗の口封じと拓海へのささやかな意趣返しのほかに、拓海以外の男性への性的好奇心と、優斗という自分に似たところのある性格の、若く優秀な男の子への純粋な好意があることを芽美は自覚していない。
 そして暫くの時が過ぎ、若者が満足そうな溜息をついて真夜中のレッスンは終了した。 


「ところで、どうして私のことを『ちゃん』づけで呼ぶの?」

 レッスン終了後、汚れたタオルと体を男女別の内湯で洗ったあと、冷えた体を温めるために二人は露天風呂に浸かっている。二人の距離は近すぎもなく遠すぎもなく、静かに会話できる程度の自然な位置関係だ。雨は小降りになっていた。

 優斗は勉強が得意と言っていた通り、物覚えが良く芽美の性教育を適切に理解し正しく実演し、芽美もそれなりに満足できた。
 いっぽうの芽美は手で奉仕したことが殆どないことを思い出して内心焦ったが、ぎごちない手つきで擦っただけで優斗はすぐにイキそうになったから、むしろ暴発を抑えるのに苦労した。細かく指示をだして満足するまで存分に愛撫させたあと、少し強く摩るとあっさりイった。
 満足して放心する優斗。その隙をついて手についた白濁液を、好奇心にかられてぺろりとひと舐めしてみる。孝のそれの不健康な苦い味とも拓海のそれに感じる芳醇な美味しさとも違う、あっさりした淡白な味わいだった。


 芽美の疑問に優斗は不思議そうに尋ね返す。

「え、芽美ちゃんて呼ばれるの嫌いだったりします?20歳ぐらいの女の子をちゃんづけで呼ぶのは普通ですよね?」

「・・・えっと、私はもう25歳で、あなたより年上よ?最初は敬語で話したり『おねえさん』て言ったりしてたじゃない?」

「初対面ですし・・・勢いに押されて怖かったからですよ・・・でも25歳って本当ですか?!童顔だし背も低いからてっきり高校生かと思いましたが、さすがにそれはないだろうと20歳に上方修正したんですけど?」

「童顔で悪かったわね!」

「なに言ってるんですか!それすっぴんですよね?すごく可愛いですよ!」

「盗撮魔じゃなくてロリコンだったのね?」

「違いますよ!さっきは凄く大人っぽくて素敵でした!」

 そんな恥ずかしい感想を照れもなく言って無邪気な瞳で見つめてくる男の子に芽美はドキッとしてしまい、照れ隠しにこんなことを言う。

「それなら今度会ったときは『芽美ちゃん』じゃなくて『芽美お姉さま』と呼ぶように。あなたのことは『優斗』と呼び捨てにさせてもらうわよ。まあ二度と会うことはないと思うけど。」

 芽美のフレンド登録は消去済みだった。

「そうですか?この宿でまた会ったりしませんか?」

「ここでの彼とのお別れは済んだから、もう二度と来ないつもり。」


 嘘をつくことになれていない芽美の心は痛んだ。それだけでなく純情な男の子を言いくるめて自分の性欲発散の道具にしてしまい、申し訳ないと思う。

「そうですか、それは残念ですね。」

「わたしのことは忘れて彼女と仲良くするのよ。」

「忘れるのは難しそうなので、心の奥に甘美な思い出として封印することにします。はい、教えていただいたことを守って頑張ります。ありがとうございました。」

 雨は上がり、空は明るくなりはじめている。潮時だ。芽美は露天風呂から上がり、優斗にひとこと別れを告げる。

「さよなら」

 そして熱い視線を背中に強く感じ、身体の疼きを抑えながら、自分の艶かしい後姿を目に焼き付けてもらいたいと、ゆっくりとした歩調でその場を歩み去った。


第4夜 日常化する調教
 第四話 温泉宿にて④深夜のひとり遊び


 回想を終えた芽美がふとそうした行動をとってしまったのは、里奈と美咲の秘密のセックスライフに圧倒され気が昂ぶっていたからかもしれないし、こんな時間に人が来るわけがないと油断しきっていたからかもしれない。お尻の下の黒いゴムマットが調教部屋を思い出させたからかもしれないし、芽美がふだんお風呂場でヤることが多かったからかもしれない。

 確かに拓海から「会わない日も調教の一環として俺のことを想いながらオナニーするように」と命じられてはいた。しかし公共の場所でいたしてしまうとは、後から考えると魔が差したとしかいいようがなかった。

 

 雨は少しづつ強さを増していた。深夜の静かな足湯小屋の中で、投げ出されていた芽美の右手が太腿の上に移動する。しばらく迷うように蠢めいていたが、太腿に張り付いている湯浴み着の下に潜り込み濡れた布地を太腿の付け根までめくり上げる。唇が小さく動き小声で覚えこまされたマゾ牝奴隷の口上を囁く。囁き終えると、左手が同じように伸ばされ、湯浴み着の左側を同じようにめくりあげる。芽美の脳内妄想では、目の前で拓海ご主人様が一眼レフを構え自分の性器を撮影しようとしている。本人の前ではなかなか素直になれない芽美だったが妄想の存在の前では素直になれた。


「拓海ご主人様、この間の撮影のときは反抗的な態度をとってしまってごめんなさい。芽美、自分がきっとまたエッチな姿をさらけ出しちゃうと思うと恥ずかしくて、照れ隠しのあまりあんな態度をとってしまったの。だって・・・ご主人様が凄くイヤらしいことをお考えになるんだもの。性器の写真を撮って犯されて変化していく過程を記録されてしまうなんて、想像するだけでも凄く淫らですから・・・芽美、すごく濡れてしまいましたわ・・・ほら、今ももうこんなに・・・・・」

 足を開き大陰唇を両手で押さえて左右に広げ、性器をさらけ出すとクチュリと音がして愛液がトロリと流れる。

「今日はマニキュア塗ってなくてごめんなさい、お仕事の時は派手なやつは塗ったままにしておけないから・・・次回の撮影の時はお仕事の時も大丈夫で写真映えする色にしますから許してください・・・ぺディキュアはまだ残してありますから・・・・・」

 お湯につけていた足をあげ膝を曲げて足の指が見えるようにする。

「この湯浴み着、濡れると体に張り付いてとてもエッチですよね・・・宿では否定してるけど、絶対女の子をエッチに見せようとして作ったに違いありませんよ・・・きっとご主人様みたいな変態さんがデザインしたんだわ・・・いいからさっさと次のポーズに写れ?かしこまりましたご主人様・・・・」

 大陰唇から両手を離し、右手の人差し指と中指で小陰唇を広げる。膣内から情欲の蜜がたらたらとこぼれ出す。

「写真撮られるのは好きじゃなかったけど、このまま続けられたら好きになってしまいそう・・・だってご主人様が熱い視線を向けてくださるのがわかるから・・・きっとそのうち、あのカメラのシャッターを聞いただけで濡れるようになっちゃいます・・・はぁ・・・・・」

 左手は左の乳房に添えられやわやわと揉みしだいている。セリフの合間にハァハァと喘ぐ回数が増えている。

「ご主人様、良い写真撮れましたかぁ?芽美、もう我慢できません・・・この間のように激しく襲ってくださいませ、ご主人さまぁ・・・ご主人様のアソコも凄く元気になってますぅ」

 芽美の脳内では、写真を撮り終えて興奮した拓海に飢えた獣のように襲い掛かかられ、逞しい剛直を濡れそぼつ膣内に乱暴に突き入れられたこの間のセックスが再現されている。

 右手中指の先の柔らかな部分でクリトリスを優しく撫でさする。

 クチュクチュクチュ。

膣内から溢れ出る蜜が潤滑油となって滑らかに指が滑り淫音を奏でる。


―これじゃ、ものたりないワ―

 中指を弓なりに曲げてグチョグチョの蜜壷の中に挿入し快感のスポットを探しながら慎重に抜き差しする。

 チュプッ、チュプッ、チュプッ。

「アアンッ!」

 入り口から数センチ奥の上部のざらざらした箇所を中指の腹が探りあてたとき、その甘美な刺激に芽美は思わず自分でも驚くほどの大きな嬌声を発してしまう。

―部屋まで聞こえるなんてことはないわよ、ね?―

 焦って客室のほうに気を向けるが、遠くにみえる客室棟は静まりかえっていて人が起きている気配はない。聞こえてくるのは変わらず、しとしとと降る雨の音と遠くに聞こえる川のせせらぎの音だけだ。芽美は安心して行為を再開する。

 チュプッ、チュプッ、チュプッ。

―気持ち良い・・・でも、もの足りない・・・・・―

 中指だけでは拓海の肉棒が膣壁を押し分けて侵入する際の力強い圧迫感には到底至らず、芽美は人差し指を添える。

―いいかも・・・ううん・・・もう少しだわ―

 薬指がさらに加わる。芽美は3本の指をピンと伸ばし、指先をそろえて媚肉を抉る。

 グチュッ、グチュッ、グチュッ。

―ああっ、これならっ・・・・・―

 目を閉じて瞼の裏側に、写真撮影の直後、自分を拘束椅子に座らせ、斜め上からのしかかるようにして濡れた秘密の花園を荒々しく犯してきた拓海ご主人様の姿を思い浮かべる。

 グチュッ!グチュッ!グチュッ!

 最初はぎごちなく、慎重にスローペースで行なわれていた三本指のピストン運動は、慣れるにつれて次第に早さと乱暴さを増し、深夜のイケナイ一人遊びに耽る発情した牝を淫夢の深みへと導いていく。芽美の意識はドロリとした濃いピンクの淫夢の中にどっぷりと沈み込み、周囲へ気を配ることなど完全に忘れている。心を占めているのは犯されていたときのご主人様との会話。
 

「写真が溜まったらネットにアップして、お前の処女マンコが俺とのセックスでどう変わっていったのか、皆さんの意見を聞いてみるのもいいかもしれないなぁ、メグ?」

「そんなのっ、契約違反ですっ!」

「そんなことはない、アップするのはヴァギナの写真だけで、名前はもちろん出さないし顔や身体はアップしないから特定されるようなことはあり得ないから安心しろ。」

「でも、でもっ、ネットだと永遠に残っちゃいますからっ!そんなの絶対にダメですっぅ!」

「そうか、ではこうしよう。『セックスによる女性器の形状変化に関する考察』として医学論文にとりまとめて発表するんだ。」

「そんな破廉恥な論文だれも読みませんよ!」

「そうかななぁ?性器とセックスの研究はなかなか進めにくいのが現状だから、きっと大歓迎されるんじゃないかな?医学の発達のために恥ずかしさに耐えて、貴重な資料を提供した人物として名前が残るぞ!」

「そんなの絶対にいやぁあ!」

「いいから想像してみろ。産婦人科医希望の若い男がお前の女性器の写真を資料としてじっくりと観察するさまを。その何割かはそれを見て間違いなくオナニーするだろうな。こんな写真を提供する女は露出狂の変態だろうと思いながら。想像するとマゾのお前ならいっそう興奮するだろ?」

「そんなこと、ないもんっ!」

「ふふ、身体のほうはもういつでもイケそうなほど昂ぶっているようだが?」

「もういやっ!ご主人さまっ、メグをこれ以上苛めないでっ!」

 口ではそう言いながらも、ご主人様に嘘をつけないマゾ牝奴隷の奉仕穴は、快感の源泉である肉棒を情熱的に締め付け、熱い蜜のシャワーを浴びせかける。拓海はただやみくもに突くだけではない多様な腰の動きで牝穴内部の上下左右・浅い箇所深い箇所全てを丹念に刺激する。

 芽美の身体は拘束椅子に固定されている。両手は、香油性感マッサージによって開発されつつある芽美の全身を這い回り、時折思い出したように乳房をギュッと揉みしだき、乳首を引っ張り、クリトリスを軽く捻る。

 快感に耐えかねて下を向こうとする芽美だが、「watch!」の命令が飛び弱々しい視線をご主人様に向ける。情欲に囚われたその双眸はゾクリとする色気に満ち、拓海の瞳の奥の獣欲の炎を燃え上がらせる。


「ご主人様なら、芽美のオマンコいつでもご覧になってかまいません!だからもう許してぇ!」

 視線でも犯されて今にも達しそうな肢体を押さえつけようと、おこりにかかったようにふるふると身体をふるわせながら潤んだ瞳で媚びたセリフを発するマゾメス。いじらしい姿に心打たれて絶対的な支配者は牝奴隷の希望を受け入れる、ほんの少しだけ。

「俺の可愛いマゾ牝奴隷がそこまで言うなら、実際にどうするかは写真が溜まったときに再検討することにしてやろう。」

「やらないとは仰ってくださらないのねっ?」

「そうだ、命じたときはいつでも、どこででもオマンコを見せることを条件に、写真をどうするかは未定にしておいてやる。」

「ああ、そんなっ!」

「何を勘違いしてるんんだ?俺はお前のご主人様だなのだからマゾ牝奴隷であるお前の指示に従う必要はないんだぞ。それを譲歩してやったのだからお礼を言うべきところだろうが。」

「・・・ありがとうございます・・・・・」

「不満そうだな、ならこういうことにしてやろう。写真が溜まったら具体的なプランを俺がお前に提案するが、実行するかどうかはお前に決めさせてやる。それでよければお前から俺にキスするんだ!これ以上つべこべ言うようだとイカせてやらんぞ!」

 口調は厳しかったが、芽美の顔に近づいてくる拓海の顔は優しかった。


―拓海ご主人様は私がほんとうに嫌がることはなさらないから―

 そう思うと芽美の口から自然に甘えた声が出る。

「ありがとうございますぅ、ご主人さまぁ♡」

 息がかかるくらいまで接近した優しいご主人様の唇に首を上げて吸い付く。

 チュッ。ついばむようなバードキス。

「それだけか?」

「だってぇ、この姿勢からだと苦しいんですよう。」

「しょうがないな。」

 拓海は唇と唇の間がほんの数ミリになるまで顔を近づけるとニヤリとして言う。

「写真が溜まる頃にはお前は心の底から俺の奴隷になっているから、お前は俺を満足させようと自ら進んでオマンコ写真を公開することになるだろうよ。」

「そんなこと、ない・・もん・・・そんな先のことはどうでもいいの・・・今はもうイカせてください・・・もう我慢できないの」

 言い終えると拓海の唇にむしゃぶりつき隙間なくぴったりと合わせ、舌を入れ激しく絡ませる。その激しさに首輪から伸びる鎖がシャラシャラと揺れ動く。焦らすような小刻みな動きをしていた拓海の腰が大きく動き出し唇が離れる。性奴のとどめのおねだり。

「大好きな拓海ご主人さまっ!マゾ牝奴隷の芽美をイカせてくださいっ!芽美の子宮に気持ちよく射精して、マゾ牝奴隷の刻印を刻んでくださいませっ!」

「自分からそんなセリフを吐くとは随分素直になったじゃないか。」

「べつにほんとに好きになったわけじゃないわ・・・こんなイヤらしいセイフを言うのも本心からじゃなくてご主人様が悦ぶからです・・・」

 ツンデレじみたセリフで言い訳する芽美。しかし表情には淫らな興奮だけでなく褒められた嬉しさが滲み出ている。先ほど命じられたとおりに視線は合わせたままだ。絶頂に達したときの最高に恥ずかしくて悩ましいマゾ牝奴隷の表情をご主人様にお見せし、愉しんでいただくために。


 拓海の剛直が満を持してマゾ牝奴隷の子宮口に襲い掛かる。身体の外部、次に心、最後に身体の内部までもを侵略されてしまった女は完全なる屈服の吐息を漏らす。撮影時のライトが消されていつもの薄暗さを取り戻している調教部屋を、男の荒い息と女の甘い嬌声が満たしていく。女の双眸が焦点を失い淫欲の鈍い光に満ちていく。嬌声が高まり、静かに繰り返し流されているジムノペティをかき消すほどの大きさになる。そして体内に熱い放出を感じると、女の意識はオーガズムのエクスタシーに飲みこまれ、絶叫する。

「いくわっ!イッ、クウウウウウクッ!♥」

 絶叫がおさまると二人はどちらからともなく、軽く何度も唇を重ねるバードキス。男はマゾ牝奴隷が天国の階段を下りてくるのを頬を撫でながらのんびりと待つ。虚な瞳が光りを取り戻しマゾ牝奴隷は最後の義務を果たそうとする。

「ご主人さまぁ・・・おそうじするから・・・拘束を・・・はずして・・・・・ください・・・」

「時間はたっぷりあるんだ、焦らずにゆっくり休んでいなさい。」

 支配者は絶頂の余韻の残るマゾ牝奴隷の肉体を労わるように優しく撫でさする。

「はい・・・ありがとう・・・ございます・・・・拓海ご主人様さま」

 性交後の弛緩した空気の中、時間がゆっくりと過ぎ去っていく。

 拓海のそのなにげない振る舞いに、芽美は自分への想いを察する。芽美は思う。

―すこし変わった愛され方かもしれない、でも私は確かにこの男に愛されているわ―

 拘束され首輪をつけられて犯され、手足を固定されたまま秘所から精液を垂らしているにもかかわらず、芽美は幸せだった。鏡面天井の鏡に映っている自らの笑顔が何よりの証だった・・・。


 そうした撮影後の甘美な性交を脳内で回想しながら、右手の三本指で蜜壷を激しくかき回し、それでも足りない官能的な刺激を左手でクリトリスを愛撫することで補って、無意識に小さな喘ぎ声をあげてオナニーにふけっている芽美。
 「アアン、アン、アン、アンッ!」

こちらもいよいよ絶頂に達しようかというとき。

 コトッ。

 足湯小屋の入り口のほうから硬質の音が響いた。小さな音ではあったが、回想にない異音は芽美の意識を少しだけ現実に引き戻す。いやいやながら手を止め、閉じていた瞳をうっすらと開き音のした方向をぼんやりと眺める。淫欲にかすれる視界に、入り口手前の石畳の上の手のひら程度の長方形の物体が写りこむ。

―なんだろう?―

 そのすぐ横には2本の棒が立っている。視線を上にずらすと棒が一本の太い棒になり、一本になったすぐ上から小さな棒が上に向かって突き出している。両側には細い棒が垂れている。さらにその上には中くらいの太さの棒が少しだけ飛び出ているように見える。うーん?と働かない頭をひねっているうちに、だんだん視界と理性が戻ってくる・・・・・・・・・・えっ!?


 成人男性が湯浴み着を身につけないで裸で立っていた。顔は逆光でよく見えない。

「ひぃぃっ!ち、ちかんっ?!」

 芽美は驚きと恐怖で大声を上げる。両手を股間にあて湯浴み着を捲りあげたまま。

「ちがいますっ!露天風呂に入ってたら、ネコの鳴き声みたいなのがかすかに聞こえてきたからっ!僕ネコ好きなんでっ!それで見つけにきたらそのっ・・・お姉さんが・・・・」

 中性的で気弱そうな声。どうやら若者のようだ。終わりのほうは奥歯に物が挟まったような感じなのを疑問に思うが芽美は少し安心する。

「なんか変な音がしたけど・・・何か落したりしなかった?」

「えと、スマホを床に落しちゃって・・・・」

「え?大丈夫なの?っていうかなんで持ってるの?お風呂は持ち込み禁止でしょ・・・やっぱり盗撮が目的で?・・・やっぱり痴漢!?」

「だから違いますってば!お姉さんこそ痴女ってやつですか?!こんな時間にこんな場所でそんなことしてるなんて!」

 若者の逆襲を受けて芽美は自分がナニをしていたのか思い出すと、恥ずかしさのあまり顔を一瞬で真っ赤にして大声を上げる。

「いやああああああっ!!」

「ああっ、そんな大声だしたらまずいですよっ!あわわわっつ!」

 焦った若者は芽美に駆け寄って状況を打開しようと目論むがゴムマットのへりにつまづき、足湯に豪快なダイブを決める。

 ざっぱーん!

「大丈夫?えと痴漢じゃなく盗撮犯でもない露出狂の変態さん?」

 その隙に慌てて股間から手を離し裾を直す芽美。自分の自慰行為をなかったことにしたいようだ。

「た、助けて!僕、泳げないんです!溺れる~!」

 浅い浴槽でうつぶせで手足をばたばたさせている若者は、差し出された芽美の手にしがみ付くと無我夢中で引っ張った。若者の力は思ったより強く芽美の姿勢が前のめりになり限界を超える。

「え?」

 ばっしゃーん!

 若者に続いて芽美も足湯にダイブ。若者は芽美に必死でしがみ付いてくる。

「きゃあっ!」

 体勢を立て直した芽美は大声を上げて若者の頬を平手打ち。パーンという小気味いい音が足湯小屋に響いた。

 

 やはり毎日更新することが厳しくなってきました。
 そこでしばらくの間は原則「月・水・金の 夜10時30分」に更新することにさせていただきます。余裕があれば土曜日の夜にも更新します。また 一話が短いときには、二話連続して掲載することもあるかもしれません。
 楽しみにしていただいている方には申し訳ありませんが、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。 

第4夜 日常化する調教
 第三話 温泉宿にて③美咲と里奈の男事情


 深夜の混浴露天風呂で、ひとりでそんな淫らな回想に浸っていた芽美はのぼせそうになって、足湯へと移動して身体の熱を冷ますことにする。広い湯船からあがると、灯篭の薄明かりに照らされた通路を歩き10段ほどの階段を上って露天風呂敷地内の隅の、やや高い位置にある足湯の建物に入る。


 雨よけの屋根と四方に風除けの壁が設置されていて、温泉に温められた空気が内部にこもる構造で思ったより暖かい。屋根に灯りはなく正面の壁がやや低めで、夜でも足を温泉につけながら薄暗い中で鬼怒川の景色を眺められるようになっている。芽美は薄暗い中を慎重に進んで一番奥の隅に座ると、足を温泉につけ壁に背中をもたせかける。誰もいないし、こんな時刻になればおそらくもう誰も来ないのに隅に座ってしまうのは、控えめな性格によるものだろう。


 霧はいつのまにか春の細雨に変わっている。川のせせらぎの音が雨に吸収され遠くなり、屋根に降り落ちるかすかな雨音のみが耳に届く。落ち着いた雰囲気を演出するために、最低限の明るさに抑えられている灯篭の灯りも、雨でいっそうぼんやりとしている。


 最初は子どものように足をチャプチャプさせていた芽美だが、すぐに飽きてそんな幻想的な雰囲気を静かに受け止め、もの思いにふける。心に浮かぶのは先ほどのガールズトーク。美咲と里奈から激しい追及を受けて拓海さんのこと、拓海さんとのエッチのことをしゃべらされてしまった。というより、これまで聞くことしかできなかった自分が話す側であることが嬉しくて、いやいや答えるふりをしながらも、内心では嬉々として自慢げに話してしまったのだ。

 拓海さんの命令―上品であれ―に背かないように、できるだけ遠まわしに、オブラートに包んだ表現をしたつもりだが、恋バナ(エッチ体験含む)に慣れている二人には、言いたくなかったことまで十二分に通じてしまったようだ。彼との関係が『特殊』であること、彼とのセックスもまた『特殊』であること、そして、そんな特殊さを芽美が決して嫌がってはいないことさえも。


 しかし、拓海さんとの特殊な関係について何を言われるかとビクビクしていた芽美の不安は杞憂におわった。25歳で処女を卒業したことについてからかわれるのは想定の範囲内だった。孝さんと拓海さんとで二股をかけているみたいに責められたら拓海さんとは無理やり付き合わされているのだと言い訳しようと思っていたが、「拓海さんが本命で孝さんがキープでいいじゃない」というのが二人の共通見解だった。


「話を聞いた限りでは、拓海さんという男性と芽美は彼氏彼女の関係みたい。孝さんとのほうが付き合いは長いけど、彼氏というより親しい異性の友達って感じ。でも大事なのは二人がお互いをどう思っているかよ。拓海さんがあなたのことをどう思っているのか、あなたが拓海さんのことをどう思っているのか。さあどうなの芽美?」

 そう諭されて回答を求められたが、芽美はなんと答えていいのかわからなかった。恋人?そんなロマンチックな関係ではない。友達?会えばエッチする関係が?じゃあセフレ?そんな軽い関係ではないし、その言葉は嫌い。愛人?近いけど違うと思う。

 答えに窮した芽美は二人の猛烈な追及をかわしきれずについポロリと事実を言ってしまった。契約上の恋人関係、それも多少過激なエッチを含む関係、だと。口が滑った直後にまずい、と焦ったが二人の感想は共通していた。

 「「フィフティシェイズオブグレイみたいでオシャレ!でも、いきなりステップアップしすぎで心配だわ、大丈夫?」」
 という賞賛と気づかい(とその裏にあるささやかな嫉妬)だった。
 ああいった女性向けの官能小説・映画を楽しんでいるのは、自分のような男性にさほど縁がない女性だけかと思っていたが、美咲と里奈も映画を見たり原作を読んだりしていることを知り、芽美は二人に親近感を覚えた。


 フィフティシェイズオブグレイの感想を言い合ったあと、自然な流れでエッチの話になった。彼と普段どういうエッチをしているのか、アブノーマルなエッチをしたことがあるか、どんなエッチをしてみたいか、等々。日ごろの言動と男好きのする外見から里奈がさまざまな経験を積んでいることは予期していたが、清楚系お嬢様の美咲も意外と多くの経験をしていることに芽美は驚かされた。


 だらだらと会話の中から美咲の話をまとめると、こんな感じだ。

・彼が忙しくて短い時間しか会えないことが多く、つい映画館や公園、トイレ、ビルの隙間など野外でインスタントセックスをしてしまう。

・イケメンの彼が実は隠れアニメオタクで芽美に2次元アニメのきわどいコスチュームを着用させてエッチするのが好き。彼氏の要望にイヤイヤ従っているふりをして、その対価として高価なプレゼントをおねだりしている美咲も、実はそこそこ有名なレイヤーだった。どうやら、アニメ・マンガサークルの「姫」として君臨していたようだ。大学卒業・就職を機にレイヤーを卒業したものの、アニメは今でも好きで彼の趣味に染まったふりをして一緒にアニメ映画を鑑賞したりしている。だから本当は美咲もノリノリでコスプレエッチを楽しんでいる。

・彼が忙しくて会えない日が続いたときはアダルトグッズでひとりエッチしたり、アダルトチャットや通話で知らない男性とヴァーチャルセックスをして欲求不満を解消している。SMトークをすることもあるが、なぜか女王様役が多いらしい。

・処女を卒業したのは高2の3月。高1のときに行った超進学校であるKS高校の文化祭で知り合って付き合った高2の初めての彼と1年以上ずっと清い交際をしていたが、T大に合格したご褒美に彼の部屋で両親がいないときに処女を捧げた。その後、彼が大学生になると話が合わなくなり、避妊せずにエッチをした後に生理が遅れたときの彼の態度が最悪だったことからケンカ別れした。幸い、妊娠はしていなかった。


 いっぽう、里奈の場合はより複雑だ。

・処女卒業は幼馴染の大輔と。高校までずっと同じ学校で、高1のときに告白されて交際開始。北陸の田舎で遊ぶ場所も少なく、お互いの部屋や校内、自然の中などで、会えばエッチばかりしていた。二人とも東京の別々の専門学校(里奈は経理・大輔は情報系)に通うために上京すると、お互い出会いが増えて浮気したり仲直りを繰り返す関係に。社会人になった今は友人だが、流れ出たまにエッチをしてしまうことも。

・専門学校に通っているとき、遊ぶお金が欲しくて銀座の高級バニーガールバーでアルバイトをしていた。衣装が特殊なことを除けば、カウンター越しに座って話をするだけの健全なお店だ。お酒を勧められても未成年であることを理由に断ることができた。若く、化粧栄えのする派手めなルックスとナイスボディ(身長162、92G-63-88)なだけでなく、愛嬌のある明るい性格で経理の勉強にもしっかりと取り組んでいた里奈は、メイン客層であるお金に余裕のある中高年男性に非常にもてた。上京したばかりでチヤホヤされることに慣れていなかった頃は、誘いにのってプライベートで美味しいご飯をご馳走になり高級アクセサリーをプレゼントされホテルのバーでお酒を飲まされて綺麗だ、惚れた、抱きたいなどと口説かれると、舞い上がってベッドインしてしまうことも度々。

・だが何度か繰り返すと、そうした男性の殆どが妻子持ちで、目的が自分の身体だけであることに気づき空しくなって誘いに乗らなくなった。それでもガードの固い里奈をゲームのように口説こうとしてくる男は多く、里奈のほうも食事やプレゼントだけいただくなど駆け引き上手になっていった。

・男好きのするルックス・スタイルの里奈は、社会人になってIT会社の経理の仕事をしている今もよくナンパされる。繁華街でのストリートナンパはシカトするが、ライブハウスやクラブ、プールや海などで気持ちが高揚しているときは誘いに乗ることもあり、エッチした後に付き合うこともたびたび。しかし別れるのも早い。
・そんな恋多き里奈だが、実は銀座のバニーガールバーでアルバイトをしているときに知り合った2人の年上男性と、今でも交際を続けている。
 

・一人は地方の開業医。紳士だが50代前半で子どもが二人いる。若いときに愛する妻を病気で亡くして以降、再婚する気にならず自分の両親や義理の両親の助けてもらい子どもを育てながら、父親から地方の大病院の院長の座を継ぐための修行を必死にしてきた。

 40代半ばで院長の座を継ぎ、仕事の関係で上京することも増え、接待で偶々連れて行かれたガールズバーで里奈と会い、一目ぼれ。亡くなった妻に似ているからと言われても里奈はありがちな口説き文句のひとつとしか思っていなかったが、写真を見せられると姉妹と言っても違和感がないほどよく似ていた。上京するたびに真摯に口説かれ、何度も話すうちに情にほだされ交際を承諾してしまった。

 院長ともなると何人もの看護師と関係を持っているような悪いイメージしか持っていなかった里奈だが、驚いたことに彼は妻を亡くしてから女と寝たことはなかったらしい。そういう気持ちになったときは運動や酒を飲んで気を紛らわせるか、深夜どうしても我慢できないときには妻のことを想いながら自慰していたことを知って里奈は彼のことを本気で好きになってしまった。初めてベッドインしたときは低レベルだったセックステクニックも持ち前の生真面目さと愛する里奈を気持ちよくさせたいという情熱でたちまち上達し、今では百戦錬磨の里奈も何度もイカされてしまう。

 結婚を申し込まれもしたが、年齢差や、地方暮らし、自分と同じ年頃の息子が二人いること、そしてもう一人の男への気持ちから、イエスとは言えなかった。今は彼が用意してくれた高級マンションの2LDKに住み、彼が東京に来たときの“現地妻”をしている。


・もう一人は未だに正体を知らない30代半ばくらいの男性。イケメンだが眼光の鋭いがっしりした体格で危険な香りを漂わせている。ただマナーはしっかりしていて頭の良さを感じさせる話し方で口調も丁寧だ。ウイスキーのロックを飲み干すと、どの男もチラチラ目を向けるバニースーツからはみ出しそうな胸の谷間には一瞥もせずに里奈の目をビジネスライクにまっすぐ見つめ、ガールズバーを開きたくて色々な店の調査をしている者だが、美味しい食事をご馳走するから良ければこの店の仕組みについて教えてくれないかと提案してきた。

 里奈はそんな男に一目ぼれした。その後個室で焼肉会席をご馳走になりながらお店のことをべらべらと話してしまっただけでなく、お酒の勢いを借りて男に抱いて欲しいと懇願し抱きついてしまった。

 よくあることなのだろう、男は驚きもせず優しく里奈を引き離すと、淡々と三つの理由を言って断った。一つめは自分にとって女はサディスティックな性欲を満たす道具でしかないこと。二つめは仕事が忙しくてそもそもあまり会えないこと。そして三つめは自分の職業は公務員などとは正反対のもので親しくなることはデメリットであり危険でもあること。

 それでも里奈は食い下がった。なぜなら個室で多少気が緩んでいるのか、自分を見つめる男の視線の中に時折、獣欲の炎が灯っていることに気がついていたから。この人も私を抱きたいんだ、そう思うと里奈は欲望に突き動かされてこんなことを口走っていた。
「私はあなたのどんな欲望も受け止めます、いつまでも待っているから会えるときになったら連絡をください、私の連絡先をお教えしますがあなたの連絡先は聞きませんしあなたのことは名前を含めてなにも詮索しません、どうかお願いします!」と。
 男は驚いた顔をすると一瞬笑みを浮かべてこう言った。
「面白い女だな。そこまで言う女ははじめてだ。」

 しかしその時はそれだけだった。里奈はがっかりして抜け殻のような毎日を過ごした。
 

 3ヵ月後、非通知で電話があった。ハッとして慌ててでると男からだった。「今夜10時、Sホテルのメインバーで待っていろ」男はそれだけ言うと電話を切った。里奈はせいいっぱい背伸びして高級ブランドスーツとアクセサリーを身につけて出かけ、午後9時に到着するとカウンターに座り、まだ未成年だったが強めのカクテルを2杯飲んでタバコを吸い大人の女のふりをしてドキドキしながら男を待った。男は午後10時ちょうどに現れると黙って隣に座りウイスキーのロックを注文し、ゆっくりと飲み干すと里奈にこう告げた。「タバコも酒もそのファッションもまだ早い」そして二人分の会計を済ませ里奈を置いて去った。取り残された里奈は嫌われたと思い、泣きながら帰宅するとスーツをびりびりと破きアクセサリーを引きちぎった。


 しかし里奈の予想を裏切り1ヵ月後に再び連絡がきた。待ち合わせ場所は別の都内の高級ホテルのメインバーだった。里奈は着慣れた歳相応の服装で出かけ、バーではフレッシュジュースを注文した。タバコはあのあとすぐに止めていた。待ち合わせ時刻から1時間遅れて到着した男は隣に座ってウイスキーのロックを注文し、手早く飲み干すと会計を済ませ里奈に言った。

「ついて来い」

 里奈は黙って後をついていき、男を迎えにきたスモークガラスのベンツに乗せられ、夜だというのに黒いサングラスをかけさせられほぼ何も見えない状態で郊外の一軒家に連行されると、SM調教アイテムのそろった地下室で夜明けまで男に激しく犯された。緊縛され、鞭打たれ、牝豚と罵られ、口を性器のように使われ、遠慮なく中出しされた。そんな風に扱われて里奈は激しく乱れ、これまで経験したことのないオーガズムに到達した。男は早朝、地下鉄銀座駅の近くで里奈を下ろすと、こう言い残して去った。
 「良かったぞ、また会おう。」
 その言葉だけで里奈は絶頂してしまいそうだった。


 それ以降、里奈は1~3ヶ月に1度、急に呼び出されてはサディスティックな男の欲望をマゾヒスティックな激しい悦びとともに受け止め続けている。都内のホテルのバーに呼び出され、女を調教するために用意されたとしか思えない家の地下室で犯され、始発が出る頃に銀座の駅で降ろされる。 
 部下らしき複数の男達に輪姦されたり、セーラー服を着てタトゥの入った黒人に犯されたAVを撮影されたり、浣腸されて泣き叫びながら排泄するシーンをネット中継されることもあった。排卵誘発剤を飲まされ男と受精セックスし、妊婦となった状態で輪姦された。男の子どもを出産し、出産後には搾乳されながら犯された。
 里奈はどんな行為も耐えられた。なぜなら全ての行為を男がしっかりと見つめていてくれたから。生まれた子どもは里奈が両親の助けを借りて育てている。両親は激怒しどんな男の子どもなのか激しく追及してきたが里奈は黙秘した。両親は諦めて利発な初孫を可愛がるようになった。男から養育費として会うたびに高額の現金を渡されている。両親は大物政治家や有名芸能人が父親ではないかと誤解しているが、好都合なので誤解を解かずにいる。


 男はバーから里奈をすぐに連れ出すこともあれば数杯飲んでくつろぐ時もあった。そんな時、里奈は自分のことを赤裸々に話す、男に自分の全てを知って欲しくて。生い立ち、日々の出来事、子どもの様子、仕事の愚痴、ナンパや性生活、等々。男は黙っているが、ちゃんと聞いている証拠に時折ポツリと的確なコメントを漏らす。里奈が言ったことは覚えているらしく20歳の誕生日を過ぎた時には20本の赤い薔薇の花束をプレゼントされ、バーでお酒を飲むことを許された。タバコは禁止されたままだ。
 男関係で何か言われたことはない。ただ院長のことを話した後はいつも激しく責められる。最近はもしかしたら自分はこの男に愛されているのかもしれないと淡い期待を抱いている。何年も付き合っているのに今だ名前もしらぬこの男に。自分に子どもを生ませたのも愛しているからではないか。ちなみに里奈がマゾになるのはこの男の前だけだ。


 院長には結婚を申し込まれたときにこの男との関係を含む自分の男関係を包み隠さず全て話した。院長は「若くて綺麗な里奈がもてるのはわかるし、自分が一緒にいられる時間はわずかだから仕方ないけど、性病と妊娠には気をつけて」と寂しげに言うと、ピルを処方し、性病を定期的に検査するよう知り合いの東京の病院を紹介してくれた。それから里奈は男遊びを以前より控えるようになった。
 あの男の子どもを妊娠したと告げたときは、「好きな人の子どもができてよかったね」と心から祝福してくれた。里奈は院長が老人になって介護が必要になったときは全ての面倒をみるつもりで、介護の勉強をはじめた。


・今ではその二人の男のことが本気で好きで他の男と付き合う気持ちはない。ただ今回のように二人と2ヶ月も会えないようなときは、寂しくなってつい幼馴染の大輔や他の男とエッチしてしまい、深い自己嫌悪に陥るそうだ。


 芽美は里奈の濃い恋愛経験に驚いた。特に隠し子がいることは衝撃的だった。気軽にたくさんの男とエッチを楽しんでいるように見える里奈が、実は複雑な恋愛をしていることを話してくれて、ようやく本当の友達になれたような気がした。


 それと別に意味で驚かされたのは、里奈が経験があることは当然と思えるアナルセックスを、美咲までもが経験しているばかりか、里奈よりも頻繁にそれを愉しんでいることだった。一時期、忙しい彼と会えるのが生理中でエッチできない時が重なって、欲求不満で苦しんだ二人で解決方法を話し合った結果、アナルセックスに挑戦してみることになったらしい。

 また、野外でエッチすることが多い二人だが、高校生の時に生理が遅れて妊娠かと悩んだ苦い経験のある美咲は、彼がコンドームを忘れたときはエッチを断固拒否して気まずく別れることもあったから、避妊の必要のないアナルセックスは好都合だった。

 それで何度か経験してみたところ、妊娠の可能性がないという安心感と不浄の穴を犯す・犯されるという背徳感からの快感に美咲も彼も完全に嵌まってしまった。最近はデートの前に必ず自分でお尻の中をきれいにしてから出かけるそうだ。ローションとかなくて大丈夫なのかと下世話な質問をしたところ、フェラで唾液をたっぷり絡ませれば大丈夫、あとはハンドクリームとかあるもので何とかするの、とのことだった。とても慣れている感じ。


 里奈はともかく美咲までもがマニアックな経験をしていることは、芽美を安心させた。
 人は自分の身近な例を一般化しがちなものである。90年代以降の携帯の普及によるセックスの低年齢化とインターネットの発達によるセックス情報へのアクセスのしやすさが性行為の多様化を促したことは確かだ。しかしその一方、男女の草食化が進み2次元への興味関心が高まる中で、交際経験のない男女、恋人のいない男女が増加していることもまた現実だ。
 日本全体としてみれば、多種多様な経験を妄想したことのある男女は増えているものの、里奈や美咲のように実際に経験をしている若い女性はまだまだ少ないことなど、芽美にはわからなかった。


第4夜 日常化する調教
第二話 温泉宿にて②撮影されるマゾ牝奴隷の濡れた花びら


 ちゃぷん。

「ふ~、やっぱり外は気持ちがいいわね。それに一人で独占しちゃってるし♪」

 午前3時過ぎ、芽美は一人で露天風呂に浸かっている。灯篭型のガーデンライトの灯りが湯船の周辺を幻想的に照らし、深夜の静けさの中に鬼怒川のせせらぎがかすかに響いている。
 暗い空を見上げると、雲の隙間から時折月明かりが漏れる。どうやら今夜は満月のようだ。昼間は暑いくらいだった気温が深夜になってぐっと冷え込んだせいか、周囲には霧がかかりはじめて幻想的な雰囲気を醸している。

 あれから三人で追加のお酒を飲みながら恋バナ、という名目のエッチトークに夢中になっているうちに酔いつぶれてしまったようで、気がついたら灯りのついたままの室内に乱れた浴衣姿で横たわっていた。

 他の二人はどうしているのか見回すと、美咲は窓際のソファで座ったままスヤスヤ眠っていた。里奈は部屋の隅の板張りの床の上でパンツだけの姿で壁に向かってなにやら寝言を言っていた。

 二人を起こして布団に寝かせ、グラスなどを簡単に片付け、自分も布団に入って寝ようとした。しかし他の二人と違って一度完全に覚醒してしまったせいか、なかなか寝付くことができなかった。そこで夕食前のお風呂タイムには恥ずかしくて勇気が出なかった「混浴」の温泉露天風呂に、この時間なら誰もいないだろうと、酔いの残る頭で楽観的に考えてチャレンジしているところだった。


 といっても芽美は裸で入浴しているわけではない。この宿では、一箇所しかない温泉露天風呂を女性のお客様にも堪能してもらいたいとの高いサービス精神から、特製の湯浴み着を用意している。チェックイン時に、予め予約の際に注文しておいたサイズの湯浴み着を一泊につき二着わたされ、男女別の内湯から混浴の温泉露天風呂のスペースに入る時には、男性も女性も必ず着用しなければならない規則になっている。したがって、露天風呂に誰もいないことを確認したうえで入浴した芽美も、当然これをまとっている。

 乾性で肌触りがよく、上品な色の湯浴み着を芽美は気に入っていた。ただ、なるべく入浴の邪魔にならないよう最低限の箇所を隠すだけのデザインにしようとした配慮なのか、それとも他の理由があるのか、女性用の湯浴み着は妙に艶かしいデザインとなっている。

 ホルターネックのミニワンピースのような形状で色は白。可愛くてオシャレなデザインではあるものの、背中が腰近くまで大きく開いている。また丈が短く、立っているときも太ももが半ばまで露出してしまう。
 首の後ろと背中、腰周りの三点を紐でくくるようになっているから脱げることはないが、お湯に入ると身体にぴったりと張り付き身体のラインが浮き彫りになる。つまり、スタイルにある程度自信がある女性でないと似合わないということだ。
 しかも、白色の薄い布地はお湯に濡れると微妙に透けて、その濃さによっては乳首の色や下半身の陰りがうっすらと見えてしまいそうで、結果として露天風呂に入る女性を選別するものとなっている。
 つまり、選ばれた女性しか入浴できないことが、この温泉宿の女性人気(ひいては男性人気)の密かなポイントとなっているようで、女心の複雑さが伺える。


 以前の芽美であれば、体型に劣等感を抱いていて、こんな湯浴み着を身につけて入浴することはなかったであろう。しかし、拓海に何度も抱かれながら「お前の身体は素晴らしい、セクシーだ」と繰り返し賞賛されたことから、今の芽美の中では体型への劣等感は薄れていた。下の毛は拓海に剃られていたし、乳首の色はきれいな薄いピンクだから透けることを心配する必要もない。だから、この湯浴み着をまとって入浴することを躊躇う理由はなかった。
 またそれだけではなく、酔いが芽美を大胆にしていた。胸中には拓海以外の他の男性から自分の身体はどう見られるのか知りたいという微妙な女心があった・・・だから、誰もいない露天風呂にほっと溜息をついたのは、安堵というよりむしろ、残念な気持ちの発露だったのかもしれない。


 男女とも水着着用にしなかったのは、高級温泉旅館としてのこだわりがあるようだ。プールではないし、お客様に水着を家から持ってきていただく手間を強いるのも、癒しを提供するサービス業として避けたいということのようだ。

 男性用は湯浴み着といっても、見た目は黒い布を腰に巻きつけているような感じ。腰まわりにゴムひもが入っていて簡単には落ちないようになっている。布地は薄いが黒色なので透けることはない。


「それにしても、拓海さんは旅行を許してくれるとは思わなかったなぁ。」

 風向きが変わり冷えた空気が流入してきたせいだろうか、霧が深まり視界が狭まるが、そのぶん風情が増す。しんとする深夜の露天風呂にひとりでゆったりと浸かりながら、芽美は生理が終わったあとの先週末、2週間ぶりに例の部屋で調教を受けた時のことを思い返す。
 居間で食事をした後、お風呂で貴族の令嬢のように体をすみずみまできれいに洗われ、剃毛され、ナターシャによって娼婦のような派手なメイクを施された後、調教部屋に移動してこんな会話をしたことを・・その後の調教のことを・・・


「俺はお前の行動を縛るようなことはしない。可愛いお前には色々な新しいことを経験して人生を楽しんでもらいたい。より魅力的なマゾ牝奴隷に成長することにも繋がるからな。それに、会えない時間が愛を育むんだよ・・いや育むのは性欲かな?」

「え、じゃあ本当に行っていいんだ?ありがとうございます、拓海さ・・・ご主人さま。でも付け足しは余計ですよ、『色々な新しいこと』っていうのもエッチ関係のことに聞こえちゃう。愛も性欲も育みませんし。」

「それはメグがエッチなことばかり考えているからだろう?俺が許すのは、行ったことのない場所へ行ったり、食べたことのない料理を食べたり、会ったことのない人に会ったり、やったことのない遊びや運動に挑戦したり、知らないことを学んだりすることだ。俺以外の他の男とのセックスがらみの体験を許すつもりはないぞ、今のところはな。」

「そんなことありません!それは拓海ご主人様といるときだけですっ!」

「ほほう、俺といるときは常にエッチなことを期待しているんだな、良い傾向だ。」

「そんなことはないですけどっ?いやそれより、そういうことなら合コンにいったり他の男性とデートしたりしてもいいってことですか?エッチなことをしなければ?それに『今のところは』ってどういう意味ですか、すごく気になるんですけど!?」

 図星をつかれて話をそらす芽美。


「ああ、いいぞ。そうだな・・・いちいち俺の許可を仰ぐのは面倒だろうし、相談する時間がないこともあるだろう。だからこうしようか。今から言う行動指針に基づいて、自分で『やっていいこと』『やってはいけないこと』を判断して行動する。ただし、何をしたかは事後でいいから隠さずに報告すること、どうかな?」

「それは、その指針次第ですね。」

「『新しいことに積極的であれ』『常に肌をきれいに保て』『常に上品であれ』この3つだ。シンプルで覚えやすいだろう?」

「え、そんなのでいいんですか?」

「ああ。でも意外と奥が深いと思うんだが。」

「そうですか?うーん、確かにちゃんと実行するのはなかなか難しいかもしれませんねぇ。でもいいですよ、女として大事なことだし。」

「よし。これに違反したらお仕置きだからな。」

「え~、それはいやだなぁ。」

「どこがいやなんだ?」

「だって、指針に反したかどうかなんて、ご主人様のさじ加減ひとつだし。お仕置きだって、どんなやつかわからないと不安だし。それにエッチのときは、上品じゃなくなっちゃうかもしれないし。」

「なら指針に反したかどうかは、俺とメグの話し合いで決めることにしよう。それでお前が指針に反したと思ったときは、俺のバラ鞭を甘んじて受けろ。エッチのときは、上品でなくても色っぽければ許すとしようか。」

「それならまぁ・・・ちなみにお仕置きの内容は?」

「ナターシャの一本鞭だな。」

「ええ~!」

「当然だろう。奴隷のお前が俺に秘密を持つことは許さん。」

「はぁい。ところでそのナターシャは?お風呂に入ってメイクしてもらったあとから、ずっと姿が見えないけど。後でここに現れたりするの?」

「いいや、来ない。ナターシャにはお前を調教するときには帰宅してもらうことにした。」

「それはどうして?」

「今の俺はお前に夢中だからな。お前を敵視するナターシャに邪魔されたくない。」

「そんなことを言っても騙されませんから。どうせ私がいない日にナターシャさんとエッチしているんでしょう?」

「ふふ、気になるのか?」

「いいえ、ただの話の流れよ。」

「なら答えはノーコメントにさせてもらおう。ただ今後、調教のたびにお前に精を絞りとられてしまえば、ナターシャを抱きたくなるような気持ちも起きにくくなるだろうさ。」

「ふーん、そうなんだ。」

「ふふ、どうやら頑張る気になったようだな。」

「べつにそんなこと・・・さっさとはじめてください、ご主人様!」

「そうだな。近くへおいで、メグ。」

「はい、ご主人様。」


 調教部屋の中央付近の赤いミニソファに座っている拓海へ芽美が近づくと、お風呂用の細い銀色の金属の鍵付き首輪が拓海の手によってはずされ、調教時の太く赤い皮製の鍵付き首輪に付け替えられる。

「細い首輪もお洒落だが、お前にはやはりこっちのほうが似合うな。」

「・・・ありがとうございます、ご主人様。」
 不本意ながら褒められたお礼を述べるマゾ牝奴隷の芽美。 
 

「ところで、美容院にでも行ったのか?」

 首輪を付け替え終わった手で芽美のセミロングの髪を梳きながら尋ねられると、芽美は嬉しそうにこう答える。

「はい!昨日の夜カラーリングしてきました。本当はリタッチにしようと思ったんですけど、退色もしてるし、値段もそんなに変わらないので、フルで。」

「やはりそうか。きれいな色だな、光が反射すると特に。」

「ウォームブラウンベースに、ツヤ感出すのにブルーバイオレットのニュアンス入れました。職業柄、そこまで明るくできないので、ほぼ自己満足ですけどね。」

 そんな風に言いながらも芽美は満更でもなさそうな表情をしている。

「そうか。それならいっそのこと真っ黒に戻してしまうのもありかもしれないぞ。赤い首輪とのコントラストが強調されて色っぽさが増すだろうから。」

「もう、ご主人様はセクシーかどうかばかりを気にしすぎですよ。」

「すまん、お前がもっとセクシーになるかもしれないと思うとつい・・首輪のことは別にしても、和風の顔だちのお前には黒髪は似合いそうだが。」

「和風の顔だちって褒めてるんですかぁ?」

「もちろんさ。可愛いよメグ。」

「とってつけたように褒めても響きませんようだ。」

 しかし先程より芽美の表情は柔らいでいる。鏡面壁に映る赤い首輪の自分を見て芽美は確かにそれもありかもと思う。

「・・でもまぁ、そのうち、気が向いたらそうしてみますよ。」

「よろしく頼む。さて、マゾ牝奴隷芽美に命じる、chant(詠唱)!」

 拓海はそう言うと、調教時のBGMである、エリックサティのジムノペティをかける。


「はい、ご主人様。」

芽美は拓海の足元にひざまづくと、拓海と視線を絡ませながらマゾ牝奴隷の口上を抑揚をつけて唱える。

 「敬愛するタクミご主人様♪

  今日もマゾの私をお好みのままに奴隷調教してくださいませ♪
 SMセックスの快楽で
  ふだん上品ぶっている私にメスの自覚を叩き込んでくださいませ♪
 いつでもどこでもどんなときでも
  淫らなわたしのお口・牝穴・お尻の穴を自由にお使いいただき
   なんどでも気持ち良く射精してくださいませ♪
 ご主人様に性欲処理の道具として使っていただくこと♪
  それが処女を捧げてマゾ牝奴隷の契約を結んだ
   わたくし中里芽美の幸せでございます♪」  

 詠唱が進むに連れてに芽美の表情は淫靡さを増していく。唱え終えるとソファに座っている拓海の膝をまたいで座り対面座位の姿勢になると、首と背中に手を回して情熱的なディープキスをたっぷりと時間をかけて行なう。唇を離す頃には芽美の双眸は情欲でしっとりと濡れている。

 続いて拓海の股間にひざまづきフェラチオ。拓海の短パンを脱がし、半勃起状態のペニスを手を使わずに口だけで愛撫する。硬く屹立し先走り液の味を舌に感じるようになるとフェラを止めて床マットに仰向けに横たわる。すでに芽美の秘所は湿り気を帯びている。

 拓海は立ち上がってTシャツを脱ぐと、両足を軽く開き天上の鏡に映る自分を虚ろな瞳で眺めながら無防備に横たわっているマゾ牝奴隷の肢体に、特製の香油を使った性感開発マッサージの愛撫をじっくりと施す。「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・, sopping cunty・・・,rammy cunty・・・」と囁きながら。マッサージが終わる頃には、芽美の身体は湧き上がる激しい性欲と強い隷従心に支配されている。
 

Show and pose!

 次のステップは濡れ濡れの秘所の写真撮影。芽美は前の撮影時に抵抗したことで浣腸の懲罰を受けたこと、次回の撮影の際には淫らに映る工夫を考えるという課題を与えられたことを忘れていなかった。

「は、はいっ、ご主人様!」

 芽美はマッサージで弛緩した上半身をゆっくりと起き上がらせると、予め用意していたリボン付きの黒のレースのガーターリングを左脚の太ももにはめる。膝を曲げて両脚を大きく広げ、両手を大陰唇にあてて左右に押し開いた状態でご主人様の意見を伺う。女性器を撮影される恥ずかしさを隠そうと、ぎごちない笑顔を浮かべているさまが健気だ。
 

「いかがですか、ご主人様?」

「うむ、なかなかいい写真が撮れそうだな。課題はクリアだ。」

 芽美の手と足の爪は綺麗な真紅に塗られていた。

「よかった。でも、どうしてこんな写真を撮るの?」

 芽美はほっとして尋ねる。

「可愛いマゾ牝奴隷の女性器がご主人様とのセックスでどのように淫らに変貌していくのか記録するためさ。一眼レフの30倍の光学ズームだから毛穴まで綺麗に写るぞ。処女のときの写真も撮ってあるから安心しろ。」

「そんなの悪趣味よ!ご主人様の変態!」

「ふふ、その自覚はあるさ。しかしお前も同類だぞ?」

「違います!」

「それに女は写真に撮られるのが好きだろう?女性器だけじゃなく全身写真もちゃんと撮影してやるから楽しんでくれ。」

「そんなことありません!撮られるのべつに好きじゃありませんから!それにそんな撮影、破廉恥すぎて楽しめませんよ!」

「そうか?とにかく撮影してみればわかることさ。」

 拓海はこれ以上の口答えを許さず、照明をあて撮影を開始する。調教部屋の中にパシャ、パシャ、パシャというシャッター音が響き、同時にストロボの光が室内を明るく照らす。芽美は怒りと困惑の硬い表情を浮かべ大陰唇を広げたままの姿勢で全身撮影が終わるのをじっと待つ。
 

「さあ、次は女性器のアップだよ。」

 パシャ、パシャ、パシャ。パシャ、パシャ、パシャ。

 芽美の大事な部分がライトで照らされ近距離から撮影される。

―この距離、この角度なら顔は写らないわね―

 ほっとする芽美。緊張が解けたせいなのか、性器を撮影されているという事実に激しい羞恥心が湧き上がってくる。

―性器をアップで撮影されるなんて、恥ずかしすぎるっ!―

 そう思うと顔が真っ赤になり、身体全体が熱くなる。

「よし、今度は小陰唇を広げてみようか?おや、どうした?顔が真っ赤だぞ?」

 そう言いながら顔を上げた拓海に指摘されて芽美はますます恥ずかしくなり下を向いてしまう。

「なんでもありませんから...///

「それならいいが。さっきと違いを出すために小陰唇は片手で広げてみようか?中指と人差指でVサインをするみたいな要領で・・・まずは指をあててみようか?」

「はい、ご主人様...///

 芽美は拓海と目を合わさないように下を向いたまま小陰唇に指をあてる。

パシャ、パシャ、パシャ。

「さ、広げて!」

「はい、ご主人様...///

 芽美は自分の目で見ながら小陰唇をゆっくりと左右に広げる。

クチュッという音がして膣内から蜜が滴るさまを目にした瞬間、パシャパシャパシャというシャッター音が響く。

―なんでこんなに濡れちゃってるの?恥ずかしいっ!―

 そう思うと、膣内からつぎつぎと蜜が溢れ出てきて止まらなくなる。その様子を拓海のカメラが冷酷に記録していく。パシャ、パシャ、パシャ。
 

「うん、いい写真が撮れたよ。さっきの全身写真は表情が硬くていまひとつだったから、もう1回撮影してみようか?今度はいい写真が撮れそうだから。さ、顔をあげてごらん、メグ?」

 しかし芽美はさっきあんなことを言っておきながら性器を撮影されて性的に興奮してしまっている自分が恥ずかしくて顔をあげられない。

―私ってMってだけじゃなく、変態なのかな?―

 悲しくなって涙が零れ落ちそうになる。そんな芽美に拓海の厳しい命令がくだる。

「顔を上げてカメラのレンズを見ろ!」

 のろのろと顔を上げるマゾ牝奴隷に容赦なくフラッシュが浴びせられる。
 

「いいぞメグ!羞恥と淫靡さの篭もった凄く男をそそる表情だ!最高にいやらしいぞ!」

 賞賛の言葉を紡ぎながらもシャッターを切り続ける拓海。
パシャ、パシャ、パシャ。
 芽美は、ご主人様の股間にそそり立つ硬くて太い肉棒に時折もの欲しげに視線を落としながら、シャター音が静まり、グショグショの割れ目の中にそれを迎え入れる悦楽の時が来るのを、心の奥から湧き上がる情欲を抑えてただひたすらじっと待つ。



目次です(若干の修正の可能性あり)
※ネタバレがいやな方はご覧にならないほうがよろしいかと。
※現在、第4章(夜)掲載中。



<タイトル>

"Tacki"  for prudish Meg

-The absolute consensual kinky intercourse for prudish Megumi-

(上品ぶったメグミのための 疑問の余地のない 完全な合意の上での 倒錯的性行為 )
 

プロローグ 共謀する二人

第1夜:偽りの恋人契約

 第一話  街コンの後

 第二話  提案

 第三話  契約

~ interlude1 夢中の奉仕 ~

第2夜:躾けられはじめた女
  第一話  檻の中での目覚め

 第二話  「メグの憩いの部屋」

 第三話  マゾ牝奴隷化計画書

 第四話  スパンキングと鞭で覚えこまされるセックス奴隷の口上

 第五話  初めてのクンニに悶えるM字開脚姿のマゾ牝 

 第六話  飲まれる女 

 第七話  もう一つの調教部屋

 第八話  マゾ牝奴隷の初奉仕  

~ interlude2 望まぬ奉仕 ~

第3夜:セックス合宿で叩き込まれる性奴の作法と絶頂の至福

 第一話  レイプ未遂事件

 第二話  作法の意味

 第三話  初めての絶頂

 第四話  ナターシャの本性

 第五話  嫉妬する二人の女

 第六話  ポルチオ絶頂を覚えこまされる肉体

 第七話  芽美の長い一日①

 第八話  芽美の長い一日②

 第九話  芽美の長い一日③

 第十話  芽美の長い一日④

 第十一話 芽美の長い一日⑤

 ・報告書「中里芽美 マゾ牝奴隷化計画」 

  ―セックス合宿の実績とその評価 及び 芽美への効果に関する考察―

~ interlude3  戸惑いの奉仕 ~ 

第4夜:日常化する調教  

 第一話  温泉宿にて①姦しい女たち

 第二話  温泉宿にて②撮影されるマゾ牝奴隷の濡れた花びら

 第三話  温泉宿にて③美咲と里奈の男事情

 第四話  温泉宿にて④深夜のひとり遊び

 第五話  温泉宿にて⑤夜明け前の秘密のレッスン

 第六話  2回目の自宅奉仕①

 第七話  2回目の自宅奉仕②

 第八話  2回目の自宅奉仕③

 第九話  忙しいGW

 第十話  4回目の週末調教

 第十一話 新しい日常

 ・調教コマンド一覧

~ interlude4  淫獣奉仕 ~ 

第5夜:JK制服コスで達する夜のテーマパークでの初アナル絶頂

 第一話  合コンその後 

 第二話  高級ソープ「ω(オメガ)」での放置プレイ

 第三話  魅力談義

 第四話  鎌倉デートの秘密

 第五話  ボンデージ姿での自宅奉仕

 第六話  優斗とのデート 

 第七話  開発される不浄の穴

 第八話  夜のテーマパークで発情する偽JK

 第九話  自分を慕う園児の前で  

~interlude5 通い妻奉仕 ~ 

第6夜:南の島での淫猥なる婚姻儀式

 第一話  順風満帆

 第二話  南の島へ

 第三話  二人だけの“結婚式”

 第四話  島国の中の島“国”でランク付けされる女たち

 第五話  決意

 第六話  牝妻降誕の儀 開始前

 第七話  牝妻降誕の儀-20:00 宣誓の儀  

 第八話  牝妻降誕の儀-20:15 披露の儀

 第九話  牝妻降誕の儀-21:30 試練の儀 前半

 第十話  牝妻降誕の儀-01:00 試練の儀 後半

 第十一話 牝妻降誕の儀-04:15 審判の儀

 第十二話 牝妻降誕の儀-04:45 刻印の儀

 第十三話 牝妻降誕の儀-05:30 初夜の儀&祝福の儀

~interlude6  無人島でのハネムーン奉仕 ~

第7夜:peripeteias

 第一話  牝奴隷妻の一週間

 第二話  誕生日の試練

 第三話  寂しさに負けるクリスマスの夜

 第四話  語られる過去

 第五話  母として選ぶ道

~interlude7  貞淑妻奉仕 ~

最終夜:疑問の余地のない、完全に合意の上での、私のための性行為

エピローグ  15年後



4夜 日常化する調教

  第一話 温泉宿にて①姦しい女たち


 4月下旬のGW直前の週末、芽美は大学時代のアルバイトで仲良くなった女友達の美咲と里奈の3人で鬼怒川温泉に旅行に出かけていた。
 

 宿泊場所は、祖父が地元の名士である美咲が予約した、隠れ家のような落ち着いた雰囲気と美味しい料理、それに川沿いの景色の良い露天風呂が評判の、上品でこじんまりとした宿だ。サービスの質を維持するために積極的なPRはしておらず、WEBや雑誌等への掲載も断っているから紹介者なしでの宿泊は困難で、知る人ぞ知る高級宿として知られている。

 その分ややお高いが、煩わしい団体客や小さな子供連れの家族、マナーを知らない中国・韓国系の客などがおらず、リタイヤした品の良い老夫婦や大人のカップル、少人数の30~40代の女同士といった客だけなので、とても快適に過ごせる。

 その中で、芽美達のように20代半ばの若い女性だけのグループは珍しい。祖父が夫婦で利用する予定だったが急用が入ったため、孫の中で一番可愛いがっている美咲に譲ってくれたそうだ。
 

 一人分の追加料金と飲み物代だけを3人で負担すればいいとのことで、ラッキーな彼女達は、温泉と食事を堪能したあと、室内でお酒をのみながらガールズトークに花を咲かせていた。

 とはいっても、話をしているのはもっぱら美咲と里奈の二人。芽美はいつものように聞き役に回っている。清楚なお嬢様系の美咲がたまにしか会えない彼氏の愚痴を言い、肉感的で男好きのする里奈が最新のエッチ体験を自慢げに披露するのを、適当なあいづちを入れながらぼんやりと聞いていた。処女を卒業したことをどのタイミングで切り出そうか、拓海さんのことをどう説明しようか迷いながら。


「それで、一ヶ月ぶりに会った彼とのデートはどうだったの、美咲?」

「うん、いつもどおり優しかったわよ。美味しいイタリアンご馳走してくれて、新しいバッグ買ってくれて、素敵なホテルで一晩一緒に過ごしてくれて。」

「そのバッグ、初めて見るやつだと思ったら、また買ってもらったんだ!?KO大学卒・四菱商事勤務のお坊ちゃま商社マン様はお金持ちでいらっしゃって羨ましいですわ~、はあ。それなのにどうしてそんな不幸そうな顔をしてるのよ?」

「わかってるでしょ、里奈?今度会えるのがいつになるかわからないなんて、付き合ってるって言えるのかしら?」

「だから自由にしていいって言われてるんでしょう?合コンとか、他の男と食事に行ったりしても、秘密にしないで事前に言ってくれれば問題ないって。」

「それはそうなんだけど、私が会いたいのは翔さんだけだから。他の男と会ってもつまらないし。」

「あれあれ~、この間のお医者さんとの合コンでは随分楽しそうだったけどぉ?整形外科医の卵の翼くんと意気投合してさっさと二人で消えちゃったしぃ?先週も二人で会ったって聞いたけどなぁ?」

「べつにやましいことはしてないわ、ちょっとお酒飲みながら、仕事の愚痴聞いてもらっただけよ。」

「ふーん、そうなんだ?キスしたのはやましいことに入らないってこと?」

「え?なんで知ってるの!?」

「翼くんが、僕にもやっと彼女ができそうだって舞い上がって自分から言いまくってるらしわよ。年増女の毒牙にかかる前に、美咲に彼氏がいることを教えてあげないとね。」

「それは、ちょっと困るかな~、てへ・・・ていうか年増女ってなによ、同い年のくせに。」

「23歳の翼くんから見れば、25歳の私たちは年上だから間違っちゃいないわ。それに美咲は来週誕生日で26になるし。」

「それよ!もう2年も付き合っているし、26歳の誕生日を機にそろそろプロポーズとか、せめて結婚を匂わせるくらい、あってもいいと思わない?それなのに会えもしないとなると、不安にもなるわよ・・・」

「たしかにそうね。でも、乗り換えるならけじめはきちんとつけなさいよ?」

「わかってるわよ・・・ていうか、けじめをつけなきゃいけないのは里奈でしょう!」
 美咲が言葉じりをとらえて守りから攻めに転じる。 
 

「ん?わたし?」

「このあいだ付き合わされた相席居酒屋で会ったおじさんに口説かれてエッチしちゃったって言ってたじゃない。幼馴染の大輔さんがいるのに・・・」

「いやいや、大輔とは確かに高校生の頃に付き合ってたけど、今はもうただの友だちだからさ。」

「このあいだエッチしたって言ってなかった?」

「それは、まあ、、二人ともフリーだし~、大輔のとこで宅飲みして彼氏ほしい、彼女欲しいって愚痴ってたら、なんだかそういう雰囲気になってさぁ。」

「なら、また付き合っちゃえばいいのに。」

「それがさぁ、大輔とは性格は合うんだけど、エッチがいまひとつって感じで。別れたのもそれが原因でさ。そこは変わってなかったからねぇ・・・」

「付き合うならエッチが上手な人とってこと?」

「そこが難しいところでね、相席居酒屋のおじさん、徹さんていうんだけど、徹さんはすっごく上手かったの!でもねぇ、やっぱりジェネレーションギャップがあってねぇ、エッチの時以外は気疲れするというか・・・大輔といるほうがリラックスできるのよね。」

「大輔さんにエッチが上手くなってもらえばいいんじゃないの?」

「エッチは昔より上手になってたわ。それは向こうも感じたと思うけど・・・お互い、初めてのときは散々だったから。」

「それなのに相席居酒屋のおじさんとのほうが気持ちがいいんだ?」

「うん、そうなの。カラダの相性もあるのかなぁ?」

「その、徹さんて人?と付き合っちゃえば?慣れればジェネレーションギャップなんか克服できるわよ、きっと。」

「それがそういうわけにもいかないのよねぇ~」

「なんで?」

「だって、あの人、既婚者だから・・・」

「なるほどね!って、それはまずいよ里奈!」

「うん、まずいんだけどねぇ・・・」

「・・・まさかもう何度もエッチしてるとか?」

「ぎくっ!」

「まったく~、どうなっても知らないわよ・・・・まぁ気持ちはわかるけど・・・・私が翔さんと別れられないのも、カラダの相性がいいからだし。」

 そこで二人はいつものように優越感と哀れみの入り混じった表情を芽美に向けて口を合わせて言う。

「「こんな話をしても、処女の芽美にはわからないと思うけど。」」
 

 しかし、芽美の返事はこれまでとは違っていた。

「そうね、エッチが上手いとか身体の相性が良いとかって、凄く大事というか、理屈じゃないわよね。」

 酔っ払った赤ら顔でなにかを思い出すように上を向きながら衝撃的な返事をする芽美。美咲と里奈は驚いて顔を見合わせ、アイコンタクトで会話をする。

―これは、もしかして?!―

―とうとう?―

 酒臭い息がかかるほど芽美に顔を近づけ興味津々に問う二人。

「ねぇ、芽美!?」

「あなた、もしかして!?」

「「とうとう処女を卒業したの??」」

芽美は焦らすようにお酒の入ったグラスをゆっくりと口にすると、恥ずかしげに一言。

「うん」

「おめでとう芽美!」

「乾杯しなきゃ!」

「もう、もったいぶってないで早くいいなさいよ、お酒がもうないじゃない!」

「追加で注文すればいいでしょ、里奈の奢りで!」

「なんでそうなるのよ、美咲!」

「冗談よ、冗談。」

「それで、いつ?どこで?」

「相手はもちろん孝さんだよね?」

 答えを躊躇う芽美。二人ははっと顔を見合わせる。

「まさか、他の男と?」

「・・・うん」

「「きゃー!」」

「美咲、今日のお酒は私たち二人で割りましょう。その代わり、芽美には洗いざらい白状してもらうってことでどう?」

「いいわね!今夜は眠らせないわよ芽美!」

「それにしてもまさか芽美が彼氏以外の男と初体験しちゃうなんて!?孝さんとはもう別れたの?」

「まぁまぁ里奈、とりあえす追加注文して、尋問は仕切り直ししてからにしよ!」

「そうね、なににする?」

「お祝いといえばシャンパン!」

「そんなのこんな宿にあるわけない・・・あったスパークリングワイン!」

「ふふん、この宿はお酒の豊富さでも評判だからね~」

「美咲はほんとにいい宿知ってるわよね、さすがお嬢様!」

「おーほっほっほっ、なんて、凄いのはおじいちゃんだけどね。」

「あの、わたし、お酒弱いから・・・」

「「なに言ってるの芽美!私たちのお祝いのお酒が飲めないなんて言わないわよね?」」

「ははは・・・」

 若い女三人の姦しい夜は更けていく。


 性的なことに興味がないふりをして生きてきた25歳の保育士めぐみ。最近ようやくできた彼との初エッチも上手くいかず、未だに処女のままだった。


 しかし、仕事で偶然知り合った年上の魅力的な男に騙されてSMセックス契約を結ばされ、夢うつつの中、調教部屋で処女を奪われる。

 本性を現した男に、激しい性的快楽と奉仕の悦び、契約や脅迫・詭弁を用いて自分を追い込む狡猾さ、それとは裏腹な奇妙な愛情と細やかな気配りで、がんじがらめに縛られるめぐみ。週末ごとに調教部屋を訪れ、男の理想の性奴隷に仕込まれることに。


 そうした日々は潜在的な被虐・隷属願望を持つめぐみにとって決して不快なものではなかった。男の真意がわからないまま、与えられる官能に溺れマゾの素質を開花させつつ、次第に男への思慕と隷属心を深めていく。


 やがてめぐみは気づく。男との肉体関係が、

「上品ぶった自分のための、疑問の余地のない、完全な合意の上での、倒錯した性行為」

(The absolute consensual kinky intercourse for prudish Megumi)

であることに。

 そして・・・。


※この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。




戸惑いの奉仕


「セックス合宿」を終えた後、私は仕事のリカバリー、両親への説明、友人への連絡、引越しの片付けで目が回るほど忙しかった。

 4月6日の水曜日に1週間ぶりに出勤するときは、年度初めの大事な時期に土日をはさんで5日間も急に休んだことで、先輩達にどんな意地悪な対応をされるかと思うと胃がシクシクと痛んだ。

 ところが、実際は全くそんな事態は起こらなかった。なんと、妹の琴美がしっかりと対応してくれていたらしい。落ち着いたら、この姉思いの優秀な妹を彼女の大好きな千葉のアミューズメントパークに連れていって厚くお礼をしなくてはなるまい。
 

 琴美は、まず木曜日の朝、私達と別れた後すぐに弁護士さんからの電話要請を受けて、「姉がマンションの玄関を入ったところでストーカーに襲われ殴られた。事件処理と精神的なショックからの回復のため数日間休むことになりそうだ」という電話を保育園に入れた。私が室内でレイプされそうになったことは隠して。

 さらに改めて金曜日の夜、姉が忙しい時期に休んで職場の方々に迷惑をかけることへのお詫びの菓子折りを持って、弁護士さんと一緒に園長さんの所へ行き、事情説明と謝罪をしてくれたそうだ。

 だから出社した私は、むしろ同情と好奇の視線を集めることになった。休んでいる間すぐに事件のことを忘れて拓海さんとのセックスに没頭していたのだから、同情されるのはとても恥ずかしかった。年度初めで仕事が山積みなこともあって無駄話をしている暇がなく助かったが、余裕が出てきたときが今から思いやられる。

 もちろん私自身も、水木と、先輩達へのお詫びとして仕事を引き受けて残業したり、帰宅後に書類作成をしたり、土曜日のシフトを交代して欲しそうな性格のキツい先輩に空気を呼んで自分から交代を申し出たりと、悪化した自己イメージの回復にせっせと励んだ。

 土曜日のシフト交代は悩んだけれど、どのみち日曜日は両親に会って事件のことを説明しなければならなかったから。それで週末は完全に拓海さんの所へは行けなくなった。どうしよう。

 

 金曜日、一日中さんざん悩んで、仕事で凡ミスをしまくって迷惑をかけたあげく、夕方、残業の前に恐る恐る拓海さんにSNSでメッセージを送った。ちなみに登録名は私が『マゾ牝奴隷メグ』、拓海さんが『愛しのTakumiご主人様♡』だ。もちろん登録したのは私ではない。


–-----------------------------------------------------------------------

     愛しのTakumiご主人様♡


                <拓海ご主人様?

なんだ?> 

                <あの~

用件を言え>

                <明日と明後日なんですけど

来なくていいぞ>

                <え?いいんですか??

忙しいだろうからな>

                 <うん、でも・・・・・

でも?>

                 <ほんとにいいんですか?

なんだメグは俺に会いたいのか?>

                 <いえ、そうじゃなくて

ああ俺に犯されたいんだな>

                 <違います!

水曜日まで我慢しろ>

                 <ワナじゃないですよね?

ワナ?>

                 <行かないとオシオキとか

それはない>

                 <ならどうして?

契約書を読め>

                 <はい?

お前の生活を壊すことはしない>

                 <ああ、そんな記述もあったような?

契約は守る>

                 <契約ならお礼は言いませんよ?

お礼は不要だが謝罪は欲しい>

                 <え、なんでですか!?

連絡が遅すぎるだろうが!>

                 <ですよね~(汗)

社会人として恥ずかしいぞ>

                 <そうですね、ごめんなさい

というわけでオシオキ決定>

                 <え~、まだ社会人2年目ですよう

そうか、なら仕方ない>

                 <やった!

そのかわり>

                 <・・・・なんですか?

日曜の夜オナニーしろ>

                 <イヤって言ったら?

ナターシャにオシオキさせる>

                 <ええ~っ

する前に必ず連絡しろ>

WEBカメラで鑑賞させてもらう>

                 <わかりましたっ!

                 <ご主人様のヘンタイ!

そういうな>

お前を抱きたくてたまらないんだ>

だから頼むよメグ>

                 <・・・もう、しかたないですね

いい子だ>

アナル開発もしっかりな>

                 <もう!

–-----------------------------------------------------------------------            

と、いうことになってしまった、まったく・・・・。

  

 仕事の合間に、未読無視状態だった友人達へ返信。面倒なのでスマホが故障したことにして謝っておいた。返事を保留にしていたバイト仲間からの旅行の誘いがまた来ていた。この感じだと旅行も許してもらえそうなので、今度は前向きな返事をする。日程が決まり次第、拓海さんに話さないと。また「遅い」って怒られちゃうもの。 


 日曜日。父と琴美と私の3人でいつものお寿司屋さんで早めに夕食をとった後、実家で今回の件について話をした。琴美から正確な事実関係を聞いて、私と電話で話して無事なことを知っていても、実際に私の健康な姿を見て、私から話を詳しく聞いて、父はようやく安心できたようにみえた。母は趣味のソーシャルダンスのイベントに参加していたため帰宅が遅く玄関ですれ違うだけになってしまった。一言、「元気そうで安心したわ」と言われた。

 物心ついた頃から、なにかと大げさな父に比べて母は私に対しては冷静だった。琴美が生まれてからは特にその傾向が強まったように思う。明るく社交的な母と琴美は見た目も性格もよく似ている。いっぽうの私は生真面目で慎重な性格こそ父に似ているが、外見は両親にあまり似ていない。特に父はともかく、母とは全くといっていいほど似ていない。そのせいか私は家族の中で孤立しがちだったが、人懐こい妹がそんな私に気をつかって両親との潤滑油となってくれていた。本当によくできた妹だ。

 

 事件の詳細を説明する上で、私を助けてくれて、事後処理の弁護士を紹介してくれて、新しい部屋まで用意してくれた拓海さんのことを話さないわけにはいかなかった。「昨年近所の中華料理屋さんで知り合った年上のバツイチ男性」で「時々食事をしたりする関係」というところまでは、そうとう胡散臭い人物と思っていたようだ。

 しかしその後、「T大を卒業して大手広告代理店D通で働いた後、独立」「奥さんと子どもを事故で亡くして今は独身」「今回の事件では色々と助けられた」というと警戒が解けたのか、好意的な相槌を打つようになった。地方大学卒の中堅企業のサラリーマンである父にとっては娘が助けられたことはもちろん、名門大学と大手企業のブランドの威光はかなり眩しいらしく、お礼を言いたいから一度連れて来くようにと言われた。


 遠まわしに「付き合っているのか」「肉体関係はあるのか」と探りを入れられた。あらかじめ拓海さんに言い含められていたとおり、「彼は私に好意を抱いているようだけれど、私にとっての彼は仕事の延長線上の友人」「そういう相手としてみるには年齢が離れすぎている」「ただ、気は合うことは事実」と答えておいた。

 彼は私に好意を抱いているようだ、なんて自意識過剰の痛い女ぽくて言いたくなかったけれど、「言わないと俺が芽美に深入りする理由がなくて変に思われるから」ということで仕方なく。ぼそぼそと自身なさげに言ったら琴美から「喪女はこれだからな~。お姉ちゃんはもっと自信持っていいんだよ!」と呆れ顔で諭されてしまった。そんなこと言われても、ねぇ?

 おそらく父は、私と拓海さんが交際の一歩手前で、もしかしたらもう肉体関係くらいはあるかもしれないと思ったのではないか。「お姉ちゃんにも長い冬が終わってやっと春が来そうなんだよ」とか「お赤飯炊かないと」とか軽口を叩いている琴美にいちいちうなづいていたのだから。拓海さんと私の本当の関係を知ったら、真面目な父は卒倒してしまうにちがいない。絶対に秘密にしなければ。


 月曜日の明日も仕事だし、引っ越し先は実家から遠くなったから、大河ドラマが終わったあたりで早めに帰路についた。帰宅してからやらなければならないこともあるし。
 

 襲われた部屋の代わりに拓海さんが契約してくれた部屋は、ガードマン兼管理員が24時間在中しているセキュリティのしっかりした女性専用マンション。築年数の新しい5階建てで、4階の410号室が私の部屋だ。

 マンションは拓海さんの最寄り駅であるK駅より二駅ほど都内に近いA駅から徒歩10分の隅田川のほとりに建てられている。つまり職場から遠くなり電車通勤になったが、拓海さんの住居からは車で10分程度、時間と体力に余裕があれば散歩気分で歩けるほど近くに住まわされたということだ。
 といっても、通勤にも都内に出るにも便利な場所の快適な部屋に住まわせてもらって、とても感謝している。自転車通勤は雨のときなど想像以上に大変だったから、下り方面でそれほど混まない電車での徒歩含めて約40分の通勤なら何の問題もない。職場に近すぎると急に呼び出されたりすることもあったし。
 

 室内は独身者用の1LDKで、これまで住んでいたバブル期に建てられた典型的な1Rより広く、遥かに住みやすい。バス・トイレ別で独立洗面台となり、浴槽にゆったりと浸かれ洗面台でしっかりと髪を乾かしたりメイクしたりできる。キッチンスペースが広くなって料理しやすい。収納が増え、物を出し放しにせず部屋をきれいに維持できる。

 なにより一部屋を寝室に使えるため、居間に寝具を置かないで広く使えるのが嬉しい。角部屋で二面採光の広い居間は明るく、ベランダから見える景色は隅田川と遠くのスカイツリーだから洗濯物を他人に見られることはなく下着を安心して干せる・・・のだが・・・。


 引越しの荷物運びは、業者の手配から荷造りから荷降ろし後の設置から全てを拓海さんが行ない、私は全く関与していない。食器、洋服・靴、本、仕事関係の書類、寝具、テーブル、本棚、等々ほぼ全てがきちんと運ばれてきているのに、下着だけは一新されていたのだ。

 ショーツは若干のサニタリー物を除き全てGストリング系で統一された。ブラジャーはハーフカップを主とし三角ブラ、チューブトップ、ホルターネックなども揃えられている。色は、白・黒・赤・紫の四種類。他にベビードールやテディ、ビスチェ、オープンショーツなどのセクシーランジェリーが多数ある。私にはハードルの高いものばかりだが、ショーツを履けるようになっただけでも喜ぶべきだろう。お尻にアナルプラグが嵌められているし、他人に見られたら自殺も厭わないような恥ずかしいシーンを撮影されてしまった今、貞操帯はもはや不要だろうということで、装着しなくてよくなった。
 ここ数日、Gストリングだけで通勤しているが、貞操帯の厚いガードから解放された違和感、すなわち何も履いていないような気恥ずかしさに慣れるには時間がかかりそう。

 

 居間の家具のレイアウトは大雑把で、窓のカーテン、床のカーペットもまだ設置されていない。私の好きにしていいそうだ。時間ができたら買いに行こう。楽しみ。

 寝室のほうはレイアウトがきっちり決まっていた。楽器演奏用途として想定された部屋らしく防音設計がなされ、壁は全面打ち放しコンクリートで窓がなく、小さな換気口があるだけ。床には黒いゴムマットが敷かれ、奥の壁に大きめの鏡が設置されている。

 左側の壁はところどころ凹んで物が置けるようになっていて、WEBカメラやモニター、スピーカーなどが置かれている。それらの機器と対面する右側の壁のリビングに続くドアの近くには、小さな赤い一人掛けソファ。その脇に小さな黒い棚があり、引き出しの中には下着のほかに様々な「大人の道具」が入れられている。灯りも薄暗い間接照明のみで、調教部屋を彷彿とさせる。

 右側壁の奥にはセミダブルのベッドマットが置かれている。シーツと布団・枕カバーが濃い赤で統一されているせいか、ラブホテルの一室といったほうが近いかもしれない。

 こんな部屋で眠れるのかと思ったが、真っ暗で静かな部屋は、遮光カーテンの隙間から光が漏れ、薄い壁から外の騒音と隣室の生活音が聞こえた以前の部屋より遥かに熟睡できる。エアコンも効きがよいというか、外気温の影響を受けにくく温度が大きく上下しないから作動も安定していて、快適な温度湿度を静かに維持してくれる。


 家賃は高いに決まっている。前の住居の3倍以上ありそうで、払えるか心配で拓海さんに尋ねても教えてはもらえず、これまでと同額を振り込んでくれればいいと言われた。差額は拓海さんが振り込むそうだ。差額は身体で払ってもらうから、愛人みたいだね、いやセックス奴隷だったねとつまらない冗談を言われたあと、真面目な顔で幾つかの条件をつけられた。

 拓海さんが合鍵を持ち、いつでも事前連絡なしに訪問することを受け入れる。そのために家族や友人を招くことは極力避け、招く際は必ず拓海さんに事前に許可をとる。これは、まあ、そうだろうなという感じ。

 起きた時、帰宅した時、寝る時に一言、SNSか電話で拓海さんに連絡する。どうしてと聞いたら、「安否確認のためだよ、襲われて心配だから」と言われた。そう言われてしまったら面倒だと思っても断れない・・・・嬉しくなくもないし。

 それから―こういったことも、まあ、予期してたことだけれど―帰宅したら自分でお浣腸をしてお尻の穴の中をきれいにする。お風呂上りには香油マッサージをする。寝る時には裸で首輪をつける。最初は帰宅したらすぐに裸になって首輪をつけろと言われたけれど、抗議したら寝る時だけにしてくれた。今は抗議されるのを見越してハードルをあげていたんじゃないかと疑ってるけど一度承諾してしまったから後のまつり。寝室の扉を開けると、その脇の壁に拓海さんの家にあるのと同じ赤い首輪が掛けられている。鎖はついていないが、つけることは可能だ。


 日曜日の今夜も、午後11時になった今から、お風呂を兼ねて拓海さんの命令をこなし始める。深夜0時ごろには寝ようと決めているから。

 脱衣所で服を脱ぎアナルプラグをはずし、バスタブの給湯スウィッチを入れると寝室へ入る。

 黒い棚からイチジク浣腸を取り出し、WEBカメラに映る床に足を開いて座り、モニターに自分の姿が映っていることを確認したあと、自分でそれをお尻の穴に用いる。同じ映像が拓海さんの居間でも録画で見れるようになっていて、私が日課をきちんとこなしているか時々チェックするそうだ。

 すぐにトイレに移動し、時間をかけて、催してくる便意を完全に解消させると、お風呂に移動し、お尻の穴と使用済みアナルプラグをしっかりと洗浄。あとは普通に頭と体を洗い、ゆったりとお湯に浸かってリラックス。お風呂にも小さな窓があるのが嬉しい。

 体を拭き髪を乾かしたら裸のまま寝室へ。首輪をつけ、音楽をかけ、香油を取り出しWEBカメラの前に座る。音楽はジムノペティ。


 準備ができたところで、拓海さんに就寝前の連絡を入れる。拓海さんと連絡がとれたらヘッドフォンマイクをつけて、拓海さんからマッサージのアドバイスを受けながら自分で自分の身体に香油マッサージを施す。

 手の指先から肩、足の指先から太ももの付け根、両手両足が終わるとうつぶせになって手の届く範囲で背中。そしてあおむけになり、お腹、胸、脚を上げお尻、そして最後に乳房と陰部。

 あおむけになる頃には拓海さんのアドバイスは「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・, sopping cunty・・・,rammy cunty・・・」というささやきに変わり、私はその声をBGMに熱い吐息を吐きながら性感帯を弄っている。いつも、この頃にはマッサージは完全にオナニーになってしまう。だから拓海さんが私に日曜日の夜オナニーしろと命じたのは、ただその事実にご主人様の命令だというお墨付きを与えただけ。そして、この頃には私の頭の中は性欲と隷従心で霞がかったようになってしまっている。


 私のオナニーショーをカメラの向こう側で鑑賞している拓海さん、いえ、拓海ご主人様から時折指示がとぶ。

―メグ、もっと乳首もマッサージしないとコリがとれないよ―

―はい、ご主人さま―

 私はご主人様に見せ付けるように、勃起している両乳首を人差し指と親指で摘んでコリコリする。喘ぎ声が漏れる。

―アッ、アアンッ♡―

―股をもっと開いて、陰唇をよく揉んであげなさい―

 控えめに開いていた脚を限界まで広げて両手を陰唇に当てグニュグニュと揉みほぐす。

―はい・・・・アーン、アンアン♡―

―クリトリスがマッサージして欲しそうに顔を出しているよ?―

―そ、そうかな―

 敏感な突起に中指を伸ばし、優しくゆるゆると擦る。

―イ、イイッ!アアーン♡―

―オマンコの中はマッサージする必要ないのかな?―

―ううん、ご主人様の、アレをお迎えする、大事な、ところだから、 

 ちゃんと、しないと、いけないと、おもいます―

―そうだね、でもいちおう必要かチェックするからみせてごらん?―

 ヴァギナをVサインするように左手の指で広げ、右手でペンライトを当てる。

―ご主人様、ごらんになれますか?―

―うん、良く見える、ぐしょ濡れだよメグ・・・・すごくイヤらしいよ―

 その言葉に反応し膣内からさらに蜜が湧いてきてしまう。

―アアン♡―

―マッサージで感じているのかな?―

―メグ、感じてなんかいません・・・・香油が光ってるだけなの・・・・―

―そうか、ならしっかりとマッサージないといけないな、これから使うから―

―え、どういう意味ですかぁ、ご主人様?―

 拓海ご主人様はそれには答えず、ただ私にこう命じる。

―オマンコの中もしっかりとほぐして、ぐしょぬれにしておきなさい、メグ―

―はい、ご主人様♡―


 ヘッドフォンからは「nubile cunt・・luscious cunt・・sopping cunty・・rammy cunty・・」という呟きがやや大きな音で繰り返されるだけになった。同じ音量・トーンということは録音されたもののようだ。私はご主人様の命令に忠実に従おうと、右手の中指を膣内に挿入しGスポットを刺激し左手で乳房を揉みしだいて激しいオナニーにふける。ピチャピチャ、ピチャピチャと愛液がかき回される音を次第に大きくなる私の嬌声がかき消していく。

「ア、アン♡」

「アーン、アーン♡」

「イイ、イイの、気持ちイイの♡」

「たくみ、ご主人さまぁ、メグ気持ちいいのぉ♡」

「ご主人様に教えていただいたマッサージオナニー、すっごくいいのぉ♡」

―これからアナルセックスでもイケるように開発してやるからな―

 ご主人様の宣言を思い出しながら、左手の指でアナルを弄る。

「そんなの無理ですぅ、ご主人さまぁっ♡」

 口でそんなことを言いながらも、心は妖しい期待にときめいてしまう。

「そんなのダメ、ダメなのに・・・・でもきっと・・・・アアン、アアン、アアンッ!」


 頭の中をこれまでの淫靡な体験がフラッシュバックする。

 固定されて処女を奪われた映像、お風呂場での剃毛、お酒を飲みながらのセックス、寝室での恋人同士のような甘い交わり、調教部屋で様々な体験―奴隷の口上を暗記させられこと、フェラチオの訓練、スパンキング・鞭・浣腸体験、正常位・騎乗位・後背位で何度も交わったこと、そして何度もイカせてもらったこと。

 それらの甘美で被虐的な記憶で官能の炎がいっそう燃え上がって、爪が短く整えられた中指を拓海ご主人様のペニスに見立てて、ヴァギナを激しく出入りさせる。

 ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ!

「あん、あん、あん、ああん!」

 でも、硬さも、太さも、勢いも、逞しさも、何もかもがもの足りず欲求不満が募るだけ。生理が近いからだろうか。それにしてもオナニーでこんなに淫らな気持ちになってしまうなんて、今までの自分からは想像もつかない。ご主人様のせいだ。拓海ご主人様が私にセックスの悦びを教えこんだからだ。だからご主人様は責任をとって、私の性欲をちゃんと満たさなくちゃいけないの。

 肉欲の塊となったわたしは目を閉じ、寝室のドアの方向に尻を掲げて四つん這いになり、ご主人様の逞しいペニスでヴァギナを突かれている自分を想像しながら、大声で叫び、請い、願う。

「ご主人さまぁ♡」

「たくみごしゅじんさまぁ♡」

「メグを犯して♡」

「ごしゅじんさまの、ふとくて、かたくて、たくましい、にくぼうで♡」

「どれいのオマンコ、じゆうにつかって♡」

「きもちよく、しゃせいして♡」

「オンナのよろこび、あたえてください♡」

「それが、マゾメスどれいの、なかさとめぐみの、しあわせなのっ!」

 叫び終わった直後。
 カチャリ。
 ドアが開く音が聞こえた。そして。 

 ズブゥゥゥッ!

 蜜を垂れ流しているヴァギナが熱く逞しく懐かしい形状のモノで押し開かれ、わたしの奥に力強く分け入ってくるのを感じた。待ちに待ったその感触と、レイプされているような感覚に、あっという間に軽い絶頂に導かれる。

「アアアンッ!♥」

 目を開けると拓海ご主人様の顔が見えた。来てくれるような気はしてたけど、この前のこともあるから目を瞑って待つのはちょっと怖かった。でも嬉しい♡

「待たせたな、メグ!」

「ご主人さま♡、来てく・・ムグッ?」

 来てくれると思ってました、と言おうとした途中、裸のご主人様が体位を対面座位に変え、しっかりと抱きしめられキスで口を塞がれた。ご主人様だとわかってほっとする。両手両足を拓海さんの頭と腰にぎゅっと絡めて情熱的なキスに応える。身体が汗に濡れ男臭い匂いが鼻をつくが不快ではない。急いできてくれたってことだから。心の中でつぶやく。

―ありがとうございます、拓海ご主人さま♡―


 膣内の太くて硬いペニスに歓迎の愛液のシャワーを浴びせ、ゆるゆると蠢く肉襞でもてなしながら、ご主人様の長い舌が口腔内を蹂躙するに任せる。私の肉体に興奮していることが凄く嬉しくて、私もますます欲情してしまう。

 送り込まれてくる唾液を飲み込むと、満足したのか、ようやく舌を引き口を離す。そのお礼に唇をついばむようにチュッチュとキスをして口を合わせ、舌を侵入させてご主人様の口内を愛撫する。上手く口内の性感帯をつけたときに膣内のペニスがピクリと反応するのが楽しい。息苦しくなったところで舌を引っ込め、顔を少し離す。


「ごしゅじんさまがいらっしゃるなんて、ぜんぜん気がつきませんでしたぁ。びっくりさせないでくださいよ、もう~」

 肉壷での肉棒接待を続けながら、通常よりちょっと高めな舌足らずの甘え声で頬を膨らませて可愛らしく抗議する。

 セックスをしているときの私は恥ずかしいほど甘えん坊だ。侮られやすい外見なので普段クールに大人っぽくみせようとしている反動がきて、地が出てしまう。ご主人様がこのギャップを気に入っていて気を抜いている面もあるけれど。

「ヘッドフォンをして『マッサージ』に夢中だったうえに、大声で叫んでいたからドアを開けたりする音が聞こえなかったんじゃないのかな?目まで閉じていたようだし?」

 そのとおり。ドアの音は聞こえたけど、ご主人様を想ってのオナニーに没頭していたの。でもここは建前を通すのが奴隷の務めだわ。

「だって、ご主人様が教えてくださった『マッサージ』、とっても素敵だからぁ。」
 

 ご主人様の顔を流れる汗がひとしずく、私の口元にぽとりと垂れ落ちた。舌を伸ばして舐めてみる、塩辛い、でも美味しい。顔を少し上げてご主人様の頬をつたう汗をぺろぺろと舐め取るヘンタイな私。でもご主人様も嬉しそうだからいいの。

「『マッサージ』はもう終わったのかい?」

「だいたい終わったわ。でもまだご主人様の『専用のお道具』がないと上手くできない箇所が残っているの。」

「ならもう終わりにする?それともそこも『マッサージ』したほうがいいかい?」

「お願いします、ご主人様。だってそこが一番のポイントだもの。」

「可愛い牝奴隷のお望みとあれば喜んで。お好みの強さにするけれど希望はある?」
 

 やさしく、と言おうとして私は考える。セックス合宿でご主人様は私が気持ちよくなることを優先して何度もイかせてくれた。たまにはご主人様にそういう配慮ぬきに気持ちよくなってもらいたい。だって、そもそもご主人様に自由に使っていただいて気持ちよく射精していただくことがマゾ牝奴隷の私の務めなのだから。それに、セックス合宿を終えて、たくさんセックスをして絶頂を覚えた身体が変わったかどうかを確かめたかった。

 天蓋突きベッドでのセックスの痛みは忘れていないが、勇気を出してこうお願いする。

「はい、『専用のお道具』をご主人様の思いのままに使ってメグのアソコを強めに『マッサージ』してくださいませ。」

「『マッサージ』に慣れないお前にはまだ強力すぎて痛いかもしれないぞ?」

 私の身を案じてくださるご主人様にしっかりと目を合わせると、にっこりと笑って言う。

「ご主人様の『マッサージ』にもだいぶ慣れてきたからきっと大丈夫よ。それに・・・」

 続きを言うのは恥ずかしくて目を逸らす。顔が赤くなるのを感じる。

「ご主人様に自由に使っていただいて気持ちよく射精していただくことが、マゾ牝奴隷の幸せですもの。少々の痛みも今ならきっと快楽に変えられる気がするの・・・・」

 自分の発言で昂ぶる感情を持て余して、潤んだ瞳でご主人様を見つめ直し、濡れた唇の隙間から誘惑の甘い溜息を吐く。

「だから、おねがいしますぅ、ごしゅじんさまぁ・・・はぁ♡」

「ふふ、お前のマゾ牝奴隷化は順調に進んでいるようだな!」


 ご主人様の瞳の中の獣欲の炎が強まって、私の頭を床につけて正常位になると、停止していた腰をゆっくりと動かしはじめる。

 グシャッ・・・・・グシャッ・・・・・グシャッ。

 わたしはご主人様が腰を振りやすいように、巻きつけていた脚を下ろし、頭の後ろに回していた手を軽く背中に添え直す。一緒に夕飯を食べた娘がその数時間後にセックスしていると知ったら父はどう思うだろうか?恋人と婚前交渉に励むふしだらな娘? ごめんなさいパパ、芽美は恋人じゃなくて、もっと淫らなマゾ牝奴隷なの。


 グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ。

 天蓋付きベッドでのときと同様、なんの遠慮もなく私の中をえぐるストローク。

 グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ。

 カリで襞を擦ろうとか、Gスポットを突こうとか、私を気持ちよくさせることはみじんも意識してなさそうな、ただ強く押し入り、引いては突き入れるだけの利己的なピストン運動。ご主人様の表情はとても満足そうだ。

 グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ。

 レイプされているときってこんな感じなのかな、と思えるその暴力的なストロークは、予想どおり多少の痛みをともなうものだ。ただこれも予想どおり、私はそれを気持ちよく受け止めてしまっている。桐原拓海という強い男に屈服し、支配され、性処理の道具として思いのままに使われている。それが、とっても・・・・・。

「ああっ!ああっ!ああン!イイ!イイッ、きもちいいですっ!私のご主人さまっ!♡」

 ご主人様に身を捧げる悦びの嬌声をうけて、速さと激しさを増すストローク。

 グシャッ!グシャッ!グシャッ!

 グシャッ!グシャッ!グシャッ!

「アッ!アッ!アッ!」

「アッ!アッ!アッ!」

 ただ乱暴なだけ・・・・なのに、どうしてこんなにイイの♡

「気持ちいいぞ、芽美!お前はどうだ?」

「わたしも、すごく、イイっ!♡」

「どうしてかわかるかっ?」


 答えは明白だ。

「メグのオマンコが、ご主人様の肉棒に、慣れちゃったからっ!」

「それだけかっ?」

 もちろんそれだけじゃないの♡

「この先に、絶頂の幸せがあることを、身体が覚えちゃったからっ・・それにっ!」

「なんだ?」

「わたし、マゾだからっ!たくみごしゅじんさまにっ、じぶんのからだをつかわれて、きもちよくなってくださってるとおもうとっ、うれしくて、しあわせになっちゃうっ!♡」

 とうとう自分がマゾであることをはっきりと認めてしまった。心の奥底から被虐の昂ぶりが湧き出して身体がブルブル震えてしまう。

「そうだ!お前はマゾだ!俺にメスとして飼われ、俺に奴隷奉仕するマゾ牝奴隷だ!」

「アーン、そうですぅ、めぐは、たくみごしゅじんさまのぉ、マゾめすどえいなのぉ♡」

 興奮しすぎて舌がまわらない。でも気持ちよすぎて死んじゃいそう♡

 ご主人様の剛直が容赦なく私の秘裂に叩きこまれる。

 グシャッ!グシャッ!グシャッ!

「イイっ、イイっ、すごくイイーッ♡」

 ああーん、もういっちゃいそう、でもひとりでいくのはいや、ご主人様もいっしょがいいの♡

「ごしゅじんさまぁ、どえいのぎむを、はたさせてくださいませぇ♡」

「射精して欲しいのか!」

「うんっ♡ まぞめすどえいの、めすあなに、たくさんだしてっ♡」

 ご主人様の瞳を精一杯の媚びをこめて覗き込み、甘く淫らな声でおねだりする。

「よし!望みどおり出してやろう!お前も一緒にイクんだぞ、俺の可愛いマゾ牝奴隷メグ!」

「あいがとうございますっ♡ うれしいっ♡」

 グシャグシャグシャグシャッ!限界まで強まるピストン。


「いくぞッ!」

「きてぇっ♡」

 ご主人様の肉棒で子宮口が抉られ、奥に熱い粘性の液体がドバドバと注ぎこまれる。

 それが引き金となって絶頂の恍惚がわたしの意識を包み込む。

「ああああああああーん、イクイクイクッ!イックゥゥゥゥ・・・・・♥」

 視界がぼやけ、身体が痙攣する。そのままどこかへ飛ばされてしまいそうな気がして力の抜けた手足に鞭打って、拓海ご主人様の肉体にギュッとしがみつく。そんな私の気持ちを察してご主人様もしっかりと抱きしめ返してくれて、女心を満たしてくれる男への思慕の念が沸いてくるのを止められない。

「ああん!ご主人さまぁ♡」

 きゅんきゅんと締まり肉棒から精液を搾りだしていた膣襞の蠕動がようやくおさまり、放出を終えた肉棒から逞しさが抜けるのを体感する。
 

「今日もお前の名器にたくさん絞りとられてしまったな。」

 ヴァギナからペニスを抜きながら拓海ご主人様がそんなことを言ってくださる。お世辞かもしれないけど嬉しい。素直に受け取っておく。

「ありがとうございます、ご主人様♡」

「それにしてもお前の喘ぎ声は大きいな。イク時なんか特に。防音の部屋だが、あれだけ大きいと、お隣に聞こえちゃってるかもしれないぞ?」

「ご主人様の意地悪。大きな声を出しなさいって命令したくせに・・・」

 怒ったふりをしてプイと横を向く。

 ご主人様はそんな私の髪を手櫛で優しくすいて、ご機嫌をとる。

 首筋をくすぐるようにキスされ、耳たぶを甘噛みされると身体が嬉しげにくねってしまう。

「そんなふうにしても誤魔化されないんだからぁ・・・ああん♡」

「悪かった、これからも大声を出して俺を興奮させてくれよ。」

「今度来るとき差し入れ持ってきてくれたら、許してあげようかなぁ?」

「わかったわかった。ブルガリの高級チョコを買ってきてやるから機嫌直せ。」

「え、そんなのあるの?」

「ああ、楽しみにしておけ。」

「わーい!」


 機嫌を直したふりをしてご主人様を見上げる。潤んだ瞳を閉じ、口をうっすらと開けてキスをおねだりしてみる。唇に湿った柔らかな感触、ふふふ。もともと怒ってなかったわ。ちょっとイチャイチャしたかっただけなの。でも・・・目を開けて恥ずかしげに。

「お隣にほんとに聞こえてたらどうしよう?恥ずかしい・・・・」

「引っ越して1週間も経ってないのに男を連れ込んでエッチしてるビッチと思われちゃう、って?」

「うん」

「それは大丈夫だ。何度か下見に来たが女性専用なのにカップルを多く見かけたからな。彼氏がちゃんといる、私はモテるんだってことをアピールするみたいに。だからメグも堂々としていればいいさ。」

「そうなんだ・・・うん・・」

 何度か下見に来たってことは、かなり前から私をここに住まわせようと思ってたってこと?きっと私は拓海さんの計画どおりにされちゃってるんだわ。でも今更ね。もうここに住んでいて、今も拓海さんに思うままに犯されて、絶頂を迎えちゃったりしてるわけだし。どうでもいいや。


 ということで、話題を変えてご報告。

「あの、今回は全然痛くありませんでした。もう自由に使っていただいて大丈夫ですよ?」

「それは良かった。そんな優秀なマゾ牝奴隷にご褒美を与えないとな。次はお前を気持ち良くさせることを優先してセックスしよう。」

「え、うれしいです♡」

 ご主人様の頬に軽くキス。しばらくべたべたしていたいけど、夜も遅いし早く最後のおつとめを果たさなきゃ。

「ご主人様、あおむけに寝てください。」

「おう」

 ご主人様が隣であおむけになると、だるい身体をおこして股間に顔をよせ、口を使ってペニスをお掃除する。ご主人様はくすぐったそうな、気持ちよさそうな喘ぎ声をあげている。すると頭上でぐぅぅ~と急にお腹がなった。


「お腹が空いてるみたいですね?」

「ああ、実は忙しくて夕飯食べてなかったんだ・・・ふぁああっ。」

「無理してわたしのお相手してくださらなくてよかったのに。しかも欠伸まで。」

 表情をうかがうと、目がしょぼしょぼしていて眠そう。疲れてるんだわ。

「俺も忙しかったから息抜きがしたくてね。」

「わたしと?」

「そう、メグと。」

「ナターシャさんとか、ほかの女の人じゃなくて?」

「そう、お前といるときが一番楽しいからな。」

―そうなんだ、お世辞かもしれないけど気分が高まる。それならこういうのはどうだろう?―
 

「あの、ご主人様?」

「んー?」

「よかったら、軽くなにか作りましょうか?しょうが焼きとお味噌汁くらいならすぐできますよ、作りおきの野菜の煮物もあるし、ご飯も炊飯器に残ってますし。」

「おお、それは助かるなぁ。」

「でも、ご飯食べたら眠くなっちゃいますよ?」

「ううーん、そうだなぁ・・・・まぁ近いから大丈夫だろう。」

 迷っているところを見てもうひとつの提案をしてみる。

「夜も遅いし、このまま泊まっていったらいかがですか?ここの家賃を払っているぶん、泊まる権利があると思います。」

 ご主人様に帰ってほしくなかった。ひとり暮らしを経験した人ならわかるが、友人や家族が遊びに来て夜になって帰ったあとの部屋は、孤独感が増してとても寂しくなる。肌を合わせた相手に帰られて一人にされるのは、それ以上に寂しくなる気がする。ご主人様だって帰宅しても一人・・・のはず。だったら私と過ごしたいと思ってくれるかも。

「ここはいちおう男性の宿泊は禁止なんだが・・・建前みたいだし、メグの好意に甘えさせてもらうとするか。」

 案の定、泊まっていくと言ってくれた。よかった。

「そうですよ!お風呂にお湯入れて、ご飯の用意してきますから、待っててくださいね!」


 いきなり元気になった私は、室内着を羽織ると首輪を嵌めたまま、てきぱきと動き出す。バスタブにお湯をはり、着替えがないのにあたふたして服を着てコンビニにパンツとTシャツを買いに走り、途中で首輪をしていることに気づき慌ててはずし、コンビニではついでに歯ブラシも買い、汗と性交のあとを落すために一緒にお風呂に入り、背中を流し、体を拭き、料理をつくり、おかわりをよそり、お茶をだし、そのあいだに食器を洗い、一緒に歯を磨き、そして、セミダブルのマットで抱き合って一緒に横になって、逞しい男性の温かいぬくもりを感じながら、幸せな気持ちで朝までぐっすりと眠った。


 保育士になって他人の子どもの面倒をみるくらい、人に尽くすのが好き。けれども身体を許した男性に自分がこんなに甲斐甲斐しく尽くすなんて想像もしていなかった。性交後の気だるい様子から一変し、活発に動き回ってあれこれと奉仕する私に、いつも余裕たっぷりな拓海さんも、敬語を使ってしまうくらい戸惑っていた。それもしょうがないと思う。そんな私に対して、わたし自身でさえも大いに戸惑っていたのだから。

 

 

 アクセスをみると、楽しんでくださっている方もおられるようで嬉しく思います。今後も引き続き、ストックを修正しながら2日に1話程度のペースでアップしていく予定です。
 8章構成のうち7章まで書きおわっていて、最終章でどうまとめるか悩んでいましたが、最近ようやくストーリーが固まり書き始めました。拙い文章ですが、どうか完結までおつきあいください。
 また、感想をいただけると大きな励みになります。Sebastiano1102@excite.co.jp
 よろしくお願いいたします。
 

「中里芽美 マゾ牝奴隷化計画」 

 ―セックス合宿の実績とその評価及び効果に関する考察―


1.概要

 

 2××年3月末から4月初頭にかけての約1週間、監禁調教部屋(通称「メグの憩いの部屋」)において、中里芽美をセックス漬けにし性行為の快楽を教え込む「セックス合宿」を実施した。


 目的は、第一にセックスの快感を覚え始めた芽美に絶頂の恍惚を体感させセックスの虜にすること。第二にセックス奴隷としての自覚と作法を叩きことであった。目的達成のため、各々について幾つかの具体的な個別目標を設定し、進捗管理指標と成否の判断基準とした。


 期間、芽美を外界から隔離するために「レイプ未遂事件」を演出し、合宿終了後は今後の調教フォローに都合の良い新住居へ引越しをさせることに成功した。


 セックス合宿は、途中でナターシャの嫉妬と告白という想定外の出来事があったものの、ほぼ事前計画どおりのスケジュールで進行した。設定した個別目標を概ね達成、芽美の合宿前と後の変化を比較しても合宿の目的は十分に達成したと結論づけられる



2.芽美への影響・効果


 中里芽美について、合宿前と後で外見的な変化は見られないものの、内面的・心情的には大きな変化があったように見受けられる。


 合宿前までは、調教セックスを甘受しながらも、注意深く観察していると、憂いや戸惑い、怒りや哀しみなどの篭もった複雑な表情を無自覚に浮かべていた。おそらく彼女自身が置かれた状況に納得していないことの表れであったのだろう。

 しかし合宿の途中からは、開き直って覚悟を固めたようなすっきりとした表情を浮かべるようになった。私に作り笑顔や硬い表情を向けることがなくなり、命令にも恥じらいながらも素直に従うようになった。また笑顔に艶っぽさが増し、とても魅力的になった。

 このように芽美を変化させた要因はなにか?大きくは以下の3点ではないかと推測される。


 一つめは、芽美に絶頂(オーガズム)の恍惚感(エクスタシー)を何度も体感させることに成功したこと。25歳の芽美の性欲は、これから年齢を重ねるにつれてまだまだ高まっていく。もともと性欲と性的好奇心の旺盛な芽美がセックスの快感に目覚め、それを与えてくれる私に媚びるようになるのは女の自然な本能であろう。


 二つめは、ナターシャというライバルの登場。ナターシャは魅力的なルックス・スタイル・セックステクニックを持つほか、料理などの家事や事務処理能力などにおいても優秀なロシア人女性だ。ナターシャの告白以後、芽美の彼女への言動が敵対的になり、私にこれまで以上に従順になっただけではなく、ベタベタと甘えるようになった。

 子どもっぽいルックスや体型、身長の低さに劣等感を抱いている芽美が彼女に激しく嫉妬し、私を奪われまいと必死になってくれるのは調教を施すのに好都合だ。ただしナターシャの助力を得続けるために十分なフォローを実施する必要がある芽美に悟られぬようにように注意しながら。

 

 三つめは、「排便」という普通の女性にとっては最も恥ずかしい姿を私にさらけ出してしまったことである。しかも浣腸によるお漏らしという最悪な形だったうえに、その後処理までゆだねてしまった。

 私に全てをさらけ出した絶望的な開放感が、調教から逃げるという選択肢を奪っただけではない。その恥ずかしい姿をみて、また嫌がることなく後処理をした私に対して、「この人なら私のどんな姿も受け入れてくれる」という信頼感が強まり、私の調教を受け入れる覚悟を固めたようにみえる。この直後から芽美の態度が、先ほどのように劇的に変化したのだから。


3.今後の調教の方向性と課題

 

 芽美が調教を受け入れる覚悟を固めたことから、今後の調教はいっそう円滑に進められるものと予想される。よって調教を次の段階へ進める。


 すなわち、これまでは芽美がセックスの快感を体感することを優先してきたが、今後は「マゾ牝奴隷」としてご主人様である私に快感を与える役割をしっかりと果たせるよう調教していく。


 具体的には、隷従と奉仕の精神を育成・強化し、3つの穴を鍛え満足な性奉仕ができるようにする。


・口については、フェラチオテクニックの向上と喜んで精飲するよう意識付けることを当面の課題とする。ディープスロートやイラマチオにも応えられるようにすることが次の課題、将来的には精飲で絶頂するようになること、喜んで飲尿を受け入れるようになることを目指す。


・アナルについては、お互いに気持ちの良いアナルセックスを行なうためにはしっかりとした準備が必要であり、これから時間をかけて開発していく。当面は浣腸による腸内洗浄と括約筋トレーニング、およびアナルプラグを用いた拡張を課題とする。慎重に状況をみながら、指やアナルパール・アナルバイブ等のグッズを用いてアナル性感の開発を実施していく。この過程でアナルセックスに嫌悪感を抱かせぬよう繊細な注意を払う必要がある


・ヴァギナについては、すでにGスポットとポルチオによる絶頂を迎えることができており、大きな課題はない。膣トレーニングによって締め付けをよくすることを推奨しておく。騎乗位のときの腰の振り方に向上の余地が見られるが、これは気持ちの問題も大きく関与しているようだ(下記参照)。



4.芽美の性癖についての考察


 さまざまな体位で芽美を犯してみたが、最も興奮したのが拘束台に四つん這いで拘束・固定し、目隠しと口枷を嵌めて後背位で犯したときである。逆に、騎乗位で自由にさせたときは、鏡をちらちら見ながらのぎごちない腰使いで、最も興奮の度合いが低かったようにみえた。


 自分がただの「性欲処理の道具」として自由に使われることに被虐の悦びを見出し快感を上乗せしているものと思われる。その一方、自らが激しく動いて快感を貪ることには抵抗があるようだ。騎乗位は自分が快感を得るというよりも、動かない私に快感を与える奉仕のセックスをすることも、マゾ牝奴隷の大きな役割だという強い意識づけを図る必要があろう。


 監禁調教部屋での様子、セックス時の様子を詳細に観察していると、芽美がしばしば鏡に映る自分自身の姿をチラチラと見ていることがわかる。自分の、特にセックス時の情欲に染まっている姿がどのように見えるかをとても気にしているようだ。自分が見られることを意識させる性行為、すなわち露出調教や野外セックスにも適性が感じられる

 

 現状では室内で拘束器具が十分に使えることから未実施だったが、外出時には緊縛を施せば、さらに性感を煽れるようにも思われる。緊縛拘束は被虐心を煽るだけでなく、コンプレックスである胸を大きく見せ腹部を引き締めて身体をセクシーに演出することから、芽美への心理的効果は大きいものと見込める。


 今回の合宿中、鞭打ちで絶頂させられるかどうかも試行してみた。他の行為と組み合わせれば可能だが、課題が山積する今、この方向に開発する理由に欠ける。何より、芽美の白く綺麗な肌をあまり傷つけたくはない。



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1.取り組み実績


1)全体概要


0日目:3月 30日(水)「レイプ未遂事件」後、調教部屋へ軟禁

1日目:   31日(木) セックス指導

2日目:4月  1日(金) セックス指導

3日目:    2日(土) 反復練習

4日目:    3日(日) 反復練習  

5日目:    4日(月) 反復練習、合宿効果チェック

6日目:    5日(火) ご褒美の風呂&寝室セックスの後に解放し、新住居へ車で送る


・3~5日目はほぼ24時間芽美につききりで食事・洗面・排泄・睡眠全ての面倒をみることによって、芽美をセックスだけに専念させた。

・またセックスと食事・洗面・排泄以外の時間も、二人でセックス関係の話をするか、セックス動画を見るか、目の前でオナニーを命じて、芽美にセックスのことだけを考えさせた。


2)個別内容


◇「芽美レイプ未遂事件」の裏側

・芽美を約1週間、仕事や家族、友人から隔離し、軟禁するための方策として企画立案。

・自主制作の映画を撮るという名目で、隣室の役者志望の若者および知り合いの弁護士、医者、警察関係者の協力を得て実施。

・協力者には相応の謝礼や情報提供、夜の接待等の便宜を供与。詳細は伏せる。

・なお、若者へのスプレーはただの水、殴り傷も軽傷である。

・副次効果として、芽美の妹からの好感度が上昇した。


◇セックス指導(1日目、2日目)の主な項目

・浴室での飲酒セックス(座位)

・性奴隷口上の練習

・香油を使った性感開発

・主な体位体験(正常位、騎乗位、後背位、座位)

・拘束セックス(後背位)

・鞭体験

・フェラチオ見学、実践

・浣腸体験


◇反復練習(3日目~5日目)の内容

以下を1サイクルとする調教セックスを1日に3回、時間をおいて実施。

<初めの奴隷口上暗唱→アナル洗浄(浣腸)→香油塗りマッサージ(性感開発)

→ヴァギナ写真撮影→キス訓練→フェラチオ訓練→各種体位訓練→論評

→賞罰(セックスによる絶頂または鞭打ち)→終わりの奴隷口上暗唱>

①浣腸にはお湯とシリンジを用い、芽美に自らあおむけになり、足を持ち上げさせて実施。

  トイレを使わせ、排便後はシャワーで洗浄しアナルプラグを嵌めた。

②キス、フェラチオ、体位訓練時には淫らなセリフや喘ぎ声を出すよう命令した。

③論評評価は、高評価なら褒美としてセックスで絶頂させ、低評価なら罰として鞭打ちを遂行。

 ただし3日目が褒美1罰2、4日目が褒美2罰1、5日目が褒美3罰0となるよう恣意的に実施。 

④射精は1サイクルに1回。1日に1回は必ず精飲させた。


◇合宿効果チェック

 以下の項目を二人で別々に○△×で評価し、評価の異なる項目について話し合った。芽美に自己評価させ、評価について話し合った理由は、第一にセックス奴隷として調教されているという自覚を持たせるため。第二に緊密なコミュニケーションにより親近感を高めるため。第三にセックス面で評価してやることで自信と積極性を持たせるためである。

 (左が芽美の自己評価、右が拓海の評価)

・乳首、クリトリス等主要箇所以外の性感が開発された→○○

・セックスで確実に絶頂に達せるようになった→△△

・奴隷の口上を唱えると濡れるようになった→

・セックスのときご主人様と自然に口にするようになった→△○

・調教コマンドにに迅速に反応するようになった→○△

・セックス時に淫らなセリフや喘ぎ声を積極的に出すようになった→○△

・キス、フェラチオ、性交時の腰使いのテクニックが向上した→○○

・鞭に慣れた→×△

・浣腸に慣れた→×△

・女性器の写真を撮られることに慣れた→×△

・精飲に慣れた→△

・首輪と指輪をしている生活に慣れた→△○

・放尿、排泄する姿を見られることに慣れた→×△

・四つん這いで生活することに慣れた→○○

・口枷をされることに慣れた→×△

・手を使わずに皿から水を飲んだり食べたりすることに慣れた→△○


◇ご褒美の風呂&寝室セックス

 セックス合宿を終えたご褒美に芽美を5日ぶりに風呂に入れて王女様のような扱いで髪と体を綺麗に洗ってマッサージした後、ナターシャに芽美様と呼ばせて上品なメイクとランジェリーで身だしなみを整えさせて、寝室で恋人のような甘い言葉をかけて甘いセックスで絶頂に導いた。

 目的は、セックス合宿を、終わってみれば気持ちよい体験だったと印象づけて記憶させるためである。解放時の芽美の言動に鑑みると、印象操作に成功したと判断できる。


2.評価


1)計画達成度→◎

理由:

①「芽美レイプ未遂事件」から芽美を調教部屋へ軟禁し1週間ほどセックス漬けにし、解放後、調教に都合の良い新住居へ引っ越させることに成功。

②ナターシャが想定外の嫉妬とアプローチを示したが計画に影響はなし。

③両親や勤務先、友人等からの邪魔も入らなかった。


2)目的達成度→◎

理由:

①個別目標を概ね達成した(下記)。

②芽美大きな内面変化を生じさせ、マゾ牝奴隷の自覚を心に刻むことができた。

③今後の調教の方向性と課題が明確化された。


<個別目標とその達成状況評価>

目的A:セックスの快感を覚え始めた芽美をセックスの虜にする。

▽目標

Aー①:全身の性感を開発する○

A-②:様々な体位(拘束状態を含む)によるセックスを複数回体験させる◎

A-③:絶頂(オーガズム)の恍惚(エクスタシー)を1度以上、体験させる◎

A-④:セックスで必ず絶頂に達するセックスパターンを確立し、刷り込む△


目的B:セックス奴隷としての意識・作法を染み込ませる。

▽目標

B-①:奴隷の口上を完全に暗記させ、唱えるだけで濡れるようにさせる◎

B-②:懲罰(スパンキング、鞭打ち、浣腸)を体験させる○

B-③:命令に逆らったときは容赦なく懲罰を与え、無条件に服従させる△

B-④:フェラチオ奉仕のやり方を覚えさせる○

B-⑤:精飲への抵抗感をなくさせる△

B-⑥:女性器の写真撮影を受け入れさせる

B-⑦:ご主人様と呼ばせる◎

B-⑧:調教コマンドを覚えこませる

B-⑨:調教時にセックス奴隷の作法を正しく行なわせる◎

                         以   上



第3夜 セックス合宿で教え込まれる性奴の作法と絶頂の至福
十一話 芽美の長い一日⑤


―これって、もしかして・・・浣腸されているの?―

尻を振ってのがれようとしても、腰をがっちり固定されてい不可能だ。

―なんで?どうして??―

―いったいだれが・・・ナターシャ!?―

 あわてて後ろを振り返る。ナターシャが意地悪そうな表情で、大きな注射器を私のお尻に向けているのが見える。


「ウウーッ!ウウーッ!」

―どうしてナターシャにお浣腸されなきゃならないのっ!?―

―拓海さんも見てるのにっ!恥ずかしいっ!―

―浣腸なんていやぁあっ、いやいやっ!― 

―拓海さん、助けてっ!ナターシャを止めて!―

 淫らな気持ちはあっという間に冷め、ボールギャグの隙間から激しく唸ってナターシャを威嚇し、拓海さんと目を合わせて中止を訴えかる。その間も注入は止まらず、お腹がごろごろしてくる。


「懲罰だから我慢して受け入れなさい。」

拓海さんの残酷な言葉にうなだれる私・・・でも。

―でも罰はさっき受けたはずじゃあ?―

「ウー、ウー?」

 私の疑問が通じたのか拓海さんが答えてくれた。

「昨日の懲罰がまだだったろうメグ?」

―そういえばそうだった。でも浣腸なんて!しかもナターシャに!―

「ウウッ、ウウッ!」

「いい加減うるさいぞ!終わったらギャグをはずしてやるからそれまで黙ってろ!」

 拓海さんの剣幕に懲罰の追加を恐れて唸るのを止める。その間も腸への注入は続き、実際はそれからすぐだったのだろうが私にとっては長い時間が経って、ようやく終わる。


 口枷がはずされるやいなや拓海さんに問いかける。

「どうしてこんなことっ?」

「鞭はイヤだから恥ずかしい罰を受けるって言っただろう。」

「それはっ!・・・そうだけど・・・」

 セックスで忘れていたけど、そういえばナターシャに鞭打たれるのがイヤでそんな約束をしていたことを思い出して尻すぼみになってしまう。

「それに風呂で便秘を治す約束もしたしな。」

 確かにそんなこともあったような・・・。多くの女の子と同じように私も便秘に悩まされている。しかも貞操帯をつけさせられてからは我慢することが多くなり悪化していた。

「で、でもっ・・・」

「なにより、だ。」

 私の発言は拓海さんに遮られる。

「お前は俺のマゾ牝奴隷として、口、ヴァギナ、アヌスの三つの穴で俺のペニスを満足させなければならないことを忘れるな。ようやくヴァギナに挿入しても痛さを感じなくなりイケるようになったが、締め付けを強めたり腰の使い方を覚えたりして俺に快感を与えるようになるには、まだまだ訓練が必要だ。

 ファラチオの経験があるとはいえ、お前にはまだ俺をイカせられるナターシャのようなテクニックはない。しかもナターシャと違ってパイズリは難しいから、ナターシャの苦手なディープスロートを磨いたり、フェラで俺と一緒にイけるくらいにならないと彼女を超えられないぞ。

 そんな他の二穴とくらべてアヌスは当然ながら未開発だ。アナルセックスには腸内洗浄とアナル拡張、アナル性感の開発が不可欠で時間がかかる。だから、これからは毎日のように浣腸されてアナル開発されることになるぞ。覚悟しておくように。」


 そんな宣告を聞いているあいだにも、お腹の痛みはだんだんと激しくなり、ゴロゴロ音を立ててしまう。

「そんなっ、こんなのを毎日だなんて、絶対、ぜったいに無理っ!」

「大丈夫だ。今日は懲罰を兼ねてグリセリンを使い量も多めにしたが、明日以降はお湯かイチジクカンチョウで、刺激も弱くなるから安心しろ。」

「で、でもっ、でもっ!」

 そんな先のことはどうでもよかった。お腹がキリキリと痛み、今にも暴発してしまいそうな状況を必死にこらえている今この瞬間を、いったいどうやって乗り切ればいいのか。


「もうダメ、ダメなのっ!漏れちゃうからおトイレに行かせてっ!」

「ん?何を言っているんだ?それでは懲罰にならないじゃないか。お前はご主人様である俺と第一奴隷のナターシャの前で、生きていて最も恥ずかしい姿をさらすんだ。」

「そんなのいや!絶対にいやよっ!」

 額に脂汗をかきながら、ここでしてはいけない理由を必死に考える。ナターシャが第一奴隷なら私は第二奴隷なのという疑問が頭をかすめたが、そんなことは後回し。


「ここで、そのっ、しちゃったらっ、あと片付けが大変でしょっ?!」

「うれしはずかし初体験で周りがよく見えていないようだな。後ろと床を見てみろ。」

 首を回して後ろを見ると、すぐ後ろがシャワー兼トイレルームで、床をみると私が拘束されている台の後方はそのタイル張りの床の上だ。

「心配してくれてありがたいが、そこでぶちまけても水で流せるから大丈夫だ。お前の身体も俺がしっかり洗ってやるが・・・・」

 言葉を濁す拓海さんに不安が高まる。

「やるが?」

「グリセリンだからな。しかも初めてだから、おそらく便意が治まるまで時間が相当にかかるだろうな。」

 その言葉は私を絶望の淵に追い込む。

「もう、もう、だめ、ダメ、だめぇ、ダメですぅ・・・・」

 そこへ拓海さんの声。

「ナターシャが見ているぞ?」


 そうだった、あんな女に、これ以上恥ずかしい姿を晒すわけにはいかないっ!気力を振り絞って耐えながら拓海さんにお願いする。

「拓海ご主人さまっ!」

「なんだ、俺の可愛いマゾ牝奴隷メグ?」

「あのあのっ、お願いですからナターシャを部屋の外へやって!」

「やって?」

「いえ、やってくださいませっ!」

「どうしてだい?」

「そ、それはっ・・・・」

 ナターシャに見られたくないからと言っても通じないだろう。

「ナターシャに恥ずかしい姿を晒すまでが罰の一環だよ?それを止めて欲しいなら、それに代わる条件をださないと。」

 やっぱり。もうダメだわ・・・もう限界よ・・


 と恥をさらす寸前、拓海さんが私のお尻の穴に何かを刺し込んだ。

「もうダメって顔をしていたから、アナルプラグを差し込んで栓をしたよ。これでしばらくは耐えられるだろうから、その間に上手くご主人様を説得してごらん?」

 栓をされたおかげでもう少し耐えられそう。耐えているとピークに達したお腹の痛みがいったん収まった。少し余裕を持って思案する。

「えと、あの、ナターシャを外に出していただけたら、明日からのアナル開発、我慢しますからっ!」

「我慢?」

「い、いえ、積極的に頑張りますっ!」

「それは俺に喜んで浣腸されたりするってことかな?」

「そうですご主人様!」

「でもアナル開発は既定の調教路線だからなぁ。消極的に受け入れるのと積極的に受け入れるのとでは効果が違うから交換条件にならないわけではないが、これだけでは条件に満たないな。」


 希望の光が見えた。私は頭を必死に働かせる。さっき拓海さんはなんて言った?そうだこれなら?

「それに私の初体験はすべて拓海ご主人様だけに捧げたいのっ!初めての浣腸も拓海ご主人様にやっていただきたかったのにナターシャだったから残念でっ!だからせめて、その、しちゃうところはご主人様だけに見ていただきたいのっ!」

 拓海さんを注視していたから、股間がピクリとするのがわかった。それを見て閃く。アナルプラグで栓をされたこと、拘束台が階段状になっているのはこのためなのね。なんて変態的なのかしら。


「さきほどイカせていただき、ナターシャのお手本も見せていただきましたから、その、我慢している間、フェラチオの練習をするためにご主人様のペニスをおしゃぶりさせてくださいませっ!」

 拓海さんは感嘆の表情を一瞬浮かべたが、すぐに無表情を装う。私はそれを見逃さなかった。これならっ!

「無理に我慢しなくてもいいんじゃないのか?お腹が痛いだろう?」

「わたしは拓海ご主人様の奴隷ですから勝手なことはできませんっ!」

 私の返事に拓海さんは大きくうなづく。

「自分の立場も俺のこともよくわかっているじゃないか、素晴らしいぞ!さっきのお前の痴態を見て実は俺も興奮していてな。お前の望みどおりナターシャは外に出させる。その代わり、お前は限界まで便意を我慢して、その間おしゃぶりで俺を愉しませるんだ。それでいいな、芽美?」

「はい、ご主人様!」


 合意が成立し、私の横に立っているナターシャに拓海さんが命令する。

「そういうわけだ、ナターシャ。すまんな。」

 悔しそうに私をにらみつけて去っていくナターシャを勝ち誇った表情で見送る。彼女が退室すると緊張の糸がほどけてお腹が再度痛み出す。拓海さんが服を脱いで拘束台の三段目に座り、私の目の前に勃起しているペニスをさらす。だめ元で最後の交渉。

「あの、もうひとつだけお願いが・・・」

「なんだい?」

「もし私が我慢している間に、ご主人様をイせることができたら・・・」

「ふむ?」

 奴隷のくせに僭越だと懲罰を与えられてしまうかもしれないと思いながら、こわごわと口に出す。

「ご主人様も、部屋を出ていただけませんでしょうか?」

「いいだろう。お前が熱心にしゃぶってくれれば俺も気持ちがいいしな。だがさっき一度イっているし、お前の今のテクニックでは厳しいぞ。」

そうですね、でもがんばります!」


 難しいことはわかっていたが、失敗したときに条件をつけられたわけではないのだから、分のよい勝負だ。ただ時間も少なくテクニックに乏しい私は最初から全力を出す必要がある。眼前のペニスにチュッとキスをし、パクリと咥え込むと、感じやすい箇所だという口内の亀頭とカリ、裏筋に猛然と舌をまとわりつかせる。

「おおっ、なかなかいいぞメグっ!」

 口内の肉棒がピクリと動き、硬さと存在感が増す。その反応に光明を見出し、やみくもに舌を動かし続ける。鈴口から少ししょっぱいねばつく液体が出てきたけれど、それ以上の反応はない。わたしのお腹がシクシクと痛みゴロゴロと鳴る。焦りが汗となって頬を滴り落ちる。


「同じことを繰り返すのも悪くはないが、今は時間がない。ナターシャがどんなことをしていたか思い出して真似してみたらどうだ?」

 そんな私に拓海さんがアドバイスをしてくれる。


 ナターシャはどうしてたっけ・・・ペニスを褒めたり・・・鼻を鳴らしたり・・・唾液を垂らしたり・・・パイズリしたり・・・音を立ててしゃぶったり・・・飲ませてくださいって言ったり・・・最初から最後までさっと思い返して、その中でやれることを真似してみる。

 ペニスを吐き出し、拓海さんと目を合わせて瞳をうるうるとさせながら囁く。

「拓海ご主人様のペニス、固くて、太くて、とっても逞しくて素敵です♡」

 口を尖らせて、肉棒のあちこちにチュッチュとキスをする。

 口内に溜めた唾液を垂らし先程よりも深く咥える。

 ムフンムフンと鼻をならしながらジュボジュボと音をたてて激しくしゃぶる。

 口内のペニスが屹立する角度を大きくする。


「上手いぞメグ!先ほどの交渉術でみせたセリフといい、その飲み込みの速さといい、お前にはやはり素晴らしいマゾ牝奴隷の素質があるな!」

 そう言って頭を撫でられる。こんなことを言われても嬉しくない、嬉しくなってはいけないのに、私の口は勝手にお礼の言葉を紡ぐ。

「お褒めいただきありがとうございます、ご主人様♡」

 鏡面壁に映る私の顔には、男に媚びるメスの笑顔が浮かんでいる。

―男に奉仕してセックス奴隷の素質があると言われて喜ぶマゾメス―

 笑顔の下には赤い首輪とそこから伸びる鎖。その先には裸でアクリル製の透明な拘束台に四つん這いで固定され、尻穴からはプラスチック製のプラグがはみ出ている。

―こんなの、だれがどう見ても、変態きわまりない淫乱痴女だわ―

 お腹の痛みとはべつに、お腹の奥がキュンキュンする。しかもなぜかまた股間が濡れてきてしまう。そうした事実から逃げるように、ご主人様の逞しい男根にしゃぶりつく。

 ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ。

 首の動きに合わせて鎖がジャラジャラと鳴り、被虐的な悦びを盛り立てる。


「出来の良いマゾメスにサービスだ。」

 拓海ご主人様の両手が乳房に伸びてきて、指先で乳首をコリコリと弄られる。すかさずお礼を述べる卑しいマゾ牝奴隷の私。

「あんっ、ありがとうございますご主人さまっ♡ マゾ牝奴隷のメグうれしいっ♡」

 そのお礼にジュボジュボと激しくおしゃぶりし、さらに媚びたセリフを吐く。普段は決して出さない、舌足らずな甘え声。自分のこともマゾ牝奴隷のメグと呼んでしまう。

「拓海ご主人さまっ、メグも大好きなご主人様のせいえ・・・ザーメンミルク飲ませて欲しいな♡ どんなおいしいお味なのか、拓海ご主人様のご寵愛を一番に受けているマゾ牝奴隷として、一刻も早く知っておきたいのっ♡」

 淫らな気分で昂ぶっている今なら、ザーメンミルクなんていうイヤらしい言葉も抵抗なく口にできる。序列的には1番はナターシャかもしれないけど、拓海さんの気持ちは私に向いているから、一番の寵愛を受けていると言っても間違いじゃないわ。そんな言い訳を自分にしながら、鼻をムフンムフンと鳴らして美味しそうにおしゃぶり。

 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。


「それはそうだな。しかし、もう一段階上の刺激がないと俺は射精(いけ)ないぞ?」

 それを聞いて、私は悲しげに拓海ご主人様を見上げ、甘え声でおねだりする。

「ご主人さまぁ、メグは大好きな拓海ご主人様にメグのお口でイって欲しいですぅ♡」

 竿に吸い付きハーモニカを吹くように根元からカリまで舐める。舌先を伸ばして鈴口をヘビのようにチロチロと舐めつつく。舌を限界まで口から出し、裏筋をベロリベロリと根元のほうから亀頭へ向かって舐める。鏡面壁に映るその様子はとてもとてもイヤらしい。そしてまた咥えこんでジュボジュボとしゃぶる。


 拓海さんはそんな私の猛攻を受けても平然と耐えている。もはや私のお腹が限界に達しそう。そこへこんな提案がなされる。

「そうだな、もしメグがお漏らししながら激しくおしゃぶりしてくれたら、その背徳的な興奮で、俺もきっとってしまうと思うが・・・どうする?」

 私の目的は拓海ご主人様にも、その瞬間を見られないことだった・・・だったのだけれど、ご主人様の御命令で女のもっとも恥ずかしい瞬間をお見せしたときの、破滅的な興奮の予感が私のマゾ心をくすぐり迷わせる。迷いで動けなくなってしまった私に聞こえるように、拓海ご主人様が決定打となる独り言をつぶやく。

メグがフェラチオで俺を射精させられたら、ナターシャと同じレベル・・・いや、フェラチオ訓練を始めたばかり、しかも先ほど射精して2発目ということを考慮すれば、俺にとってナターシャより魅力ある女ということになるか・・・」

 それで意を決した私は、紅潮した顔と興奮に潤む瞳で拓海ご主人様にお願いする。


「拓海ご主人様・・・

 今からマゾ牝奴隷のメグが・・・

 ご主人様のご要望どおり・・・

 オンナとしてもっとも恥ずかしい瞬間をお見せいたします・・・

 ですから・・・

 拓海ご主人様も・・・

 めぐのお口の中に・・・

 おもいきり射精してくださいませ・・・

 おいしいザーメンミルクをご馳走してくださいませ・・・

 それが処女をささげて・・・

 マゾ牝奴隷の契約を結んだ・・・

 わたくし・・・

 なかさとめぐみの・・・

 しあわせでございます・・・」


 喉がからからに渇き、昂ぶりすぎて口がおもうように動かず、最後まで言い切るのに時間がかかってしまった。さあ、拓海ご主人様!私に命令してください!俺にお前のオンナとしてもっとも恥ずかしい姿を見せろ、と。


 しかしご主人様は残酷だ。

「いいのかいメグお前が死ぬほどいやなら、俺は部屋を出て行ってもいいんだよ?」

 表面的には私をいたわるような優しいセリフ。しかし、マゾヒスティックな悦楽とオンナのプライドから私自身がそれを熱望して後戻りできないことを確信していながら、ご主人様に命じられたから仕方なくするのだという逃げを許さず、私自身にその決断を強いてる。こんな酷いセリフを吐く拓海ご主人様が、たまらなく怖く、憎らしく・・・そして・・・。


「いいえ、拓海ご主人様。マゾ牝奴隷のメグは、自分の意思で、ご主人様に、わたしの、オンナとして、もっとも恥ずかしい瞬間を、お見せしたいのですわ。」

 今度は一言ひとことをはっきりと冷静に言い切った、心の奥底から噴出しようとする激しい情欲を、まだ早い、と必死に抑えつけながら。

「いいだろう、ぜひ見せてくれ!」

 拓海ご主人様は体を前のめりにして手を伸ばすとアナルプラグを抜き取り、崩壊へのカウントダウンが始まる。

 目の前の肉棒は凄い角度でそそり立ち、鈴口からカウパー液がだらだらと漏れている。咥えると、鋼鉄のような硬さだ。

―拓海ご主人様も、もの凄く興奮なさっているのね―

 そんな嬉しさを感じながら、ナターシャの最後の追い込みを真似てリズミカルに首を振って激しくおしゃぶりする

 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。

 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。

 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。

 ・

 ・

 ・

―もう、限界だわー

 あと5秒持つかどうかというところで、口を離して絶叫する。

「ご主人さまっ、マゾ牝奴隷メグのお漏らし見てっ!お口に射精(だ)してっ!」

 私の懇願に反応して凶悪さを増す剛直を咥え直し、5秒からのカウントダウンを心の中で開始。

 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ゴ)。

 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ヨン)。

 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(サン)。

 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ニ)。

 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(イ・・・ダメッ)!


「アアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 その瞬間の恥ずかしい音を打ち消すかのように咆哮する私。

 拓海ご主人様の目の前で、生理的な決壊と同期して心のダムも決壊し、理性、常識、尊厳、慎み、品性などの全ての殻が洗い流される。ダムの底に唯一残るのは、私がひたすら隠し通してきたマゾヒスティックな性欲のみ。

 露わになったその欲望が、拓海ご主人様のぎらつく視線としゃぶり直した肉棒が放つ灼熱の熱さで瞬時に乾かされ、燃え盛る炎となって私の身体中に広がっていく。

 わたしは、わけがわからなくなって、くるったように。

 ジュボジュボジュボジュボジュジュボッジュボジュボジュボッツ!

 自動おしゃぶり人形と化した私の頭が押さえつけられ、口内の肉棒が激しく脈動したかと思うと、先端の鈴口から熱い粘性の液体が奔出し私の喉を穿つ。肉欲に支配されている私は、それがなんなのか理解するのに時間を要する。


―・・・・・・あっ、拓海ご主人様が射精(だ)してくださったんだわ!―

 その思いが引き金となり真っ白に燃え尽きるような絶頂に達する。口をすぼめて肉棒に隙間なく唇を密着させたまま、次々と吐き出される獣欲のエキスを喉を鳴らして飲み込みながら、言葉にできない絶頂の叫びをあげる。

―ああっ、イクッ、イッチャうっ、真っ白になるっ、イクイクイクイク、イッ、クゥッッ~!― 

そして絶頂の恍惚感に意識を奪われた。


 気がつくと、私は激しく泣きじゃくりながら、まだ8割ほど勃起しているペニスに一心不乱に舌をまとわりつかせていた。見上げると、拓海さんと目が合う。戸惑いの表情を浮かべて、手を私の頭と頬にあてて優しく撫でさすってくれている。

「ようやく意識がもどったようだな、呆けた顔で泣きじゃくりながらずっとおしゃぶりを止めないから、どうしたものかと心配していたが。俺にあんな姿を見せてしまったことが相当なショックだったようだね。」

 横の鏡面壁をみると、泣きはらした顔の私が見える。私の後方は、相応の酷いことになっていて、臭気もしている。慌てておしゃぶりを止め謝罪する。

「ご主人様、申し訳ありません。」

「謝ることは何もないよ。めぐが無事で安心した。それに凄い快感だった。」

「わたしも凄い快感でした、でも・・・」

「でも?」

「いえ、なんでもありません、ご主人様。」

 拓海さんは私が無事で安心したと仰ったけれど、私は自分が本当に無事なのか自信が持てなかった。昨日から異なる感覚のエクスタシーを続けて経験したことで、心の奥底の深い闇に眠っていた何かが目覚め、自分を急速に変えていっているような気がする。でもそれを説明することは今は難しかったし、そんな状況でもないから言葉を濁した。



「そうか、なら話はあとにして、さっさとここを片付けることにしよう。」

「・・・・はい・・・・わたしが責任をもって・・・・やります・・・・」 

 この惨状を引きこしたことが恥ずかしくて消え入るような声を出す。そんな私を拓海さんはこう諭す。

「何を言ってるんだ?奴隷の世話はご主人様の仕事だぞ?お前はなにもしなくていい。ただ羞恥心と感謝の心は忘れてくれないほうがいいな、これからもこんなことが何度もあるかもしれないが。」

「こんなことが何度もあったら死んじゃいますよっ!」

「そうだな、お前が死なないくらいに留めておくさ。」


 そう私をいなすと、拓海さんはてきぱきと後処理を始める。固定された私にシャワーでお湯をかけて私と拘束台の汚物をさっと洗い流す。床を流し、排水口に溜まった汚物を幅広の小さなシャベルですくい取ってトイレに流す。

 私を拘束台からはずすと下半身にシャワーを浴びせ、お尻の穴を念入りに洗う。そこで私はいったん放っておかれて、拘束台の汚れを洗剤で落す。排水溝の流れきらない汚れをティッシュで拭き取りトイレに流し、その後の排水溝にシャワーを浴びせて十分に洗い流す。

 それが終わると拓海さんもシャワーを浴び私を呼び寄せて、ボディシャンプーを私と自分に手で塗りたくって二人の体を念入りに洗う。

 最後にシャワーを浴びせっこしてお互いの泡をしっかり落しバスタオルでお互いの体を拭いて終了。汚れが消えていくに連れて、私の恥ずかしさも流れ去っていた。


「俺はこれからしばらく出かけてくる。お前は俺が戻ってくるまで今日の復習と課題に取り組んでいなさい。眠くなったら寝てしまってかまわない。」

「えー拓海ご主人様、メグは寂しいです~」

 私達は調教部屋の中央で拓海さんがナターシャに命じて持ってこさせた温かい紅茶を飲んでいる。

 拓海さんはバスローブ姿で赤いソファに座り、私はその足元にじゃれつくようにして床にすわって。

これが調教部屋でのご主人様と奴隷の普段の正しい位置関係。ご主人様の膝に乗れるのは座位でセックスするときだけ。ましてお隣に座るなんて厳禁なの。

 拓海さんに鎖をくいと引っ張られ、顔をあげる。

「それもお前のためだから我慢しなさい。あの件の事後処理とかいろいろな。明日以降はたぶん一緒にいてやれると思う。」

「はーい、わかりましたぁ~」

「そうふて腐れるな。なんか甘いものでも買ってきてやるから」

「わーい、約束ですよう」

「よし、では調教終了のあいさつだ。」

「はい、拓海ご主人様」


 私はウェッジウッドのティーカップを小さなサイドテーブルのソーサーに置くと、拓海さんの前に正座し、手を祈るように組んで、上を向いて目を合わせてこう唱える。

「大好きな拓海ご主人様、今日もマゾの私をお好みのままに奴隷調教し、牝の自覚を叩き込んでくださって、ありがとうございました。またいつでもメグのお口・牝穴・尻穴を自由にお使いいただき、気持ちよく射精してくださいませ。それがご主人様に処女を捧げてマゾ牝奴隷の契約を結んだ中里芽美の幸せでございます。」

 唱え終わってもそのままじっとしてご主人様の裁可を待つ。

「合格。自由にしていいぞ、relax。」

 そう言うと拓海さんはティーカップの載ったトレーを持って調教部屋を出て行った。
 

―紅茶まだ残ってたのになぁ―

 すっきりと解放された気分の私は、暢気にそんなことを考えながら床にあおむけになり、鏡面壁に向かって股を開くと、与えられた課題であるヴァギナの写真撮影への対処方法を考える。

 この部屋では拓海さんとのセックスのことだけが私の頭の中を占めるようになってきている。それはとても楽なこと。か弱い私がこの安楽な世界から離れることは、すでに、とても困難だ。そのことになぜか私は無性に泣きたくなって、一人さめざめと泣いた。
                               第3夜 完 

 

第3夜 セックス合宿で教え込まれる性奴の作法と絶頂の至福
第十話 芽美の長い一日④


「待たせたな、芽美。」

 イヤらしいフレンチメイド服姿のナターシャとイチャイチャしていた拓海さんが、ようやく声をかけてくる。

―フェラチオさせられるのかしら?―

 でも拓海さんは口かせをはずそうとはせず、ナターシャに命じる。

「ナターシャ、あれを持ってきてくれないか?」

「かしこまりました、ご主人様サマ。」 


 倉庫に消えたナターシャが鞭を持って戻ってくる。先が幾重にも分かれたバラ鞭というやつ。鞭打たれることを覚悟する。一本鞭ではなくて少しだけほっとする。

「さきほど命令に背いた懲罰を与える。約束どおり刑を軽くして、一本鞭ではなくバラ鞭で叩いてやる。だが課題を実行しなかった場合、ナターシャによる5回の一本鞭打ち刑が追加されるから気をつけろ。」

 声を出せない私はコクコクとうなづく。

「それからもう一つサービスだ。俺かナターシャのどちらに鞭打って欲しいか選ばせてやろう。ただし俺を選べば10回、ナターシャなら5回だ。時間をやるからよく考えろ。」

 私はうつむいて考える。5回に比べて10回はたしかに多い。でもバラ鞭の痛みは一本鞭に比べたら遥かにましだ。拓海さんにバラ鞭で10回叩かれた経験ならある。泣いてしまうのは間違いないけれど、あれなら耐えられる。

 それに私のご主人様は拓海さん。その拓海さんの命令に背いたのだから、拓海さんに叩かれるのが筋というもの。拓海さんがナターシャさんを選んで鞭打たれるなら仕方ない。でも自分でナターシャさんを選んだら、彼女の奴隷ってことになってしまう。回数が半分なのは魅力的だけど、そんなことは断じて認めるわけにはいかないわ。

 顔を上げて拓海さんを見上げる。

「結論が出たようだな?」

 コクコク。

「ナターシャに叩かれたいか?」

 フルフル。

「俺に叩かれたいんだな?」

 コクコクッ。

「ほう、回数が多いほうの俺を選ぶとは、自分の立場がよくわかっていてよろしい。ナターシャを選ぶような馬鹿なら、俺が一本鞭で激しく打ってお前の身体に誰がご主人様なのか厳しく教え込んでやろうと思っていたが。お前の友人の話を聞いたりしていると、A女子短大生はバカなビッチばかりと思っていたが、25年間処女を守ってきて、大学卒業後も資格試験を受けて合格するようなお前は違うようだな。一途で努力家のお前ならフェラチオテクニックもすぐにマスターして、俺を十分に愉しませてくれるだろうしな。」

 私の出身校や処女暦の長さを揶揄しているのかと思ったら、真面目な顔で私の頬を優しくなでている。私を褒めているだけのようだが言い方が酷い。とはいえ、選択は正解だったようでほっとする。
 

 バレンタインデーの夜、深夜の居酒屋で悪酔いしたとき、拓海さんに友人関係についてこんな愚痴をこぼしたことを思い出す。
―お金持ちの優しい彼氏から貢がれて大事にされているのに仕事が忙しくてあまり会ってくれないからと不満を漏らし他の男とデートしている子。彼氏とのセックスに満足できずにクラブや相席居酒屋で男漁りをしてセフレを作っている子。会社の受付嬢をしていて何人もの男から口説かれて複数の彼氏を作っている子。そんな友人がいる―
―そういう子たちの話を女子会で自慢するように聞かされる私には、話せるような恋愛経験がなく黙って聞いているだけ。正直悔しい。私も彼女達みたいにもてるようになりたい。でも私は彼女達みたいに可愛くないから無理。孝さんという一人の男とさえうまくいかない私はきっと一生独り身なんだわ―

 私の長々とした愚痴を我慢強く聞いてくれた後、拓海さんはこんな趣旨のことを言って慰めてくれたのだった。

―ひと昔前は処女を早く卒業したほうがかっこいい、みたいな風潮が確かにあった。しかし援助交際やネットを通じた出会いによる事件が大きな社会問題となって法的な規制と監視が強化されている―
―また10代で妊娠して出来婚するも、すぐに離婚してシングルマザーとなって苦労している女の子の苦しい生活の実態が保育所の待機児童問題や、若い女性の貧困問題を通して明らかになっている―
―それに加えて、いわゆる草食系の男子や女子、つまり異性との交際に関心を持たない若者や、興味があってもアニメやマンガ好きの世界の2次元限定の男女が増えている―
―そういうわけで今はそんな風潮は薄れている。そもそも昔だって隠していたけれど、実際には20代で処女の子も多かった。だから処女であることを気にすることは全然ない―
 そういうものかと少し元気が出た私に、続けてこんなことも。 

―それに社会人になればだんだんと、そういう軽い女の子たちよりも、芽美ちゃんみたいな真面目で一途そうな子のほうが人気が出てくる。男も結婚を意識するようになるからね―
―その子達も今の彼氏に満足していないからそういうことをしているのだろうから可哀想だと思えば羨ましくもならないだろう?―

―孝くんとこれからどうなるかわからないけれど、芽美ちゃんは自分で思っている以上に魅力あるから大丈夫!芽美ちゃんを自分のものにしたいって男が必ず現れるさ―

 あのときは口説かれているのかと思った。あのまま誘われていたら、自棄になっていた私は無言でついて行って拓海さんとホテルで一線を超えていたのは間違いない、一夜の過ちってことで。

 でも拓海さんは弱っている私の心につけこもうとはせず、紳士的に送ってくれた。それで私は拓海さんを信頼し好意を深めたが、今思えばそれも作戦だったのだろう。部屋の準備などを考えれば、あの頃から私を自分のセックス奴隷にしたいと考えていたはずだから。


 そんなことをつらつら考えていたら、拓海さんがこんなことを言ってきた。

「それとも俺に鞭打たれるのが好きなのかな、ご主人様大好きなマゾ牝奴隷は?」

 薄笑いを浮かべているところをみると、今度こそ私を揶揄しているのだろうか?媚びを売って首を縦に振るほうがいいのか、はっきりそうではないと横に振るほうがいいのか迷う。

 そんな私に拓海さんが続けて問う。

「俺にバラ鞭で10回打たれるのと、スパンキングを100回されるのなら、どちらを選ぶ?」

 バラ鞭1回がスパンキング10回分てこと?前のときみたいに優しく叩いてくれなくてもスパンキングのほうが楽だと思う。でも自分の立場としては鞭を選ばなくてはいけない気がする。ああ、でも拓海さんがご主人様ってところを間違えなればいいのかな?今回はどちらを選んでも拓海さんに叩かれるわけだし。

 でも奴隷としては自分が楽をすることよりも拓海さんの意に沿う答えをしなければならないのかな?拓海さんはどちらを選ばせたいのだろうか?わからない。口が聞ければ、ご主人様のお好きなようにと答えて誤魔化せるのに。 


「バラ鞭10回?」

 私は首を動かさない。

「スパンキング100回?」

 これにも私は首を動かさず、拓海さんに結論を委ねる。

「ふむ、選べないようなら両方にするか。」

 私はあわてて首をブンブンと横に振る。拓海さんはそんな私を見て笑う。酷い。

「冗談だ。選べないなら前と同じゲーム形式にしてやろう。鞭を持っている手が右手か左手か選ぶやつだ。ただし前回は鞭10回かスパンキング10回の選択だったが、今回は鞭1回かスパンキング10回の選択だ、楽なものだろう?おまけに鞭を選んでしまっても気持ちよくなれるように1回につき10分間の愛撫をつけてやる。だから気楽に選べ。」

 拓海さんがなにを考えているのかわからないけれど、ずいぶん楽になった。ほっとして、承諾のしるしに首を一度縦に振る。

「その代わり、鞭の痛みをはっきりと感じるよう、目隠しだけでなく耳も塞がせてもらうし口枷もそのままだ。乳首を引っ張られたら首を右か左に向け5秒ほど静止しろ。俺が尻を触ったら首を戻して前を向いて答えが身体に文字通り叩き込まれるのを待て。」


 視界が塞がれ、耳にはヘッドフォンのようなものがかぶせられる。何も見えず、ほぼ何も聞こえなくなって、どきどきする自分の心臓の音だけを感じるようだ。

 1回目。拓海さんが右の乳首を撫でる。ちょっと考えて首を左へ向け心の中で5秒数えて戻す。緊張して身体に力が入る。

 パッ。スパンキングだ良かった、と思ったら右の耳カバーをはずされる。

「力を抜け!力をいれていると鞭のときに痛さが増すぞ。」

 右耳カバーが戻される。私は意識して身体を弛緩させる。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。

 力の抜けた柔らかい尻肉がプルプルと9回振動し、小気味良い破裂音を身体から直接感じる。これならやはり痛くなかった。一本鞭と比べたら、そよ風に撫でられているようなものだ。

 2回目。左の乳首が撫でられ、試しに同じ左方向へ向いてみる。忘れずにお尻の筋肉から力を抜く。

 バシィッ。体内を通して鋭い音が耳にとどく。

 今度はバラ鞭だ。それでもやはり一本鞭と比べたら楽なものだ。しかも1回だけ。さて愛撫ってどんなことをされるのかしらと思っていたら、ヴァギナにヌルリとした柔らかい感触を感じる。拓海さんの舌のようだ。どうやらクンニリングスをしてくれるみたい。

 乾いている私の女性器を拓海さんの舌がゆっくりとまんべんなく這い、全体を丁寧に湿らせていく。大陰唇、小陰唇、陰核、膣口内。10分間は長く、終わる頃には私の秘所は拓海さんの唾液で濡れ濡れになり、私も感じ始めてしまう。拓海さんの舌が離れるのが名残惜しい。

 3回目。右の乳首が撫でられる。右を向く私。

 バシィッ。

 どうやら今回の答えも簡単で、触った乳首と同じ手に鞭を持っているようだ。そして10分間のクンニリングスが始まる。ピチャピチャと私の秘所を拓海さんの舌が這い回り、10分経過する頃には鞭の痛さを完全に忘れさせてくれる。

 4回目。左の乳首が撫でられる。鞭を避けるために今度は左を向く。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。

 10回の小気味良いスパンキング。私にとっては気持ちよさを感じてしまうレベル・・・なのだが、クンニリングスの快感には劣る。

 5回目。右の乳首が撫でられる。どうしようか悩んでいると返事を催促するように、右の乳首がキュッと捻り上げられる。ゲーム開始時には慎ましかった乳首も、勃起して激しく自己主張してしまっているのだ。

「うっ」

 予期しない痛みに呻き声をあげ、思わず反射的に左を向く。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。正直、気持ち良い・・・・けれどなんというか、もどかしい気持ちよさだ。

 6回目。左の乳首がつねられる。迷いながらゆっくりと首を左へ振り、自ら鞭を選ぶ。

 バシィッ。

 そして始まる10分間の悦楽の時。クンニがいつもより気持ちが良いのは、快感メーターがゼロからプラスではなく、痛みのマイナスからプラスになる大きなギャップがあるからだろうか。嵌ってしまいそう。

 7回目。右の乳首がつねられる。迷いなく首を右へ。

 バシィッ。

 この痛みもクンニの快楽を高めてくれる重要なスパイスだと思うとイヤではない。拓海さんの舌が私の愛液を潤滑油として秘所を暴れまわる。私はボールギャグの隙間から動物のような悦びの喘ぎをもらす。

「ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ♥」

 8回目。勃起した左の乳首がギュッと捻られる。首を左へ。

 バシィッ。

 痛いはずなのに、クンニの快感を予期して膣襞がドロリと愛液を放出する。あふれ出るラブジュースを拓海さんがジュルジュル吸っている。恥ずかしい、でも嬉しい。高まる嬌声。

「ウウッ、ウウッ、ウウッ♥」

 9回目。右の乳首が摘んで引っ張れ、乳房がギュウギュウと揉みしだかれる。わけがわからなくなって間違って首を左に振ってしまい、あわてて、右へ振る。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。

鞭を予期していたところへスパンキング。想定外の甘い痛みに思わず大きく喘いでしまう。

「ウウーッ、ウウーッ、ウウーッ、ウウーッ♥」

 そして鞭。

 バシィッ。

 もはや痛いのか気持ちが良いのかわからない。叩かれる刺激で愛液が溢れ出すのだから身体はそれを快感を判断しているのだろう。拓海さんの口がクリトリスに吸い付き、舌の先端でチロチロとつついたり舌を回転させて女の一番敏感な箇所を責めたてる。私は首を左右に振り、手を握り締め、鼻を鳴らし、動物のように唸り、拘束された不自由な肢体を揺らして快楽に浸り、ご主人様に悦びを表現する。

「フーッ、フーッ、フッ、フッ、フフーッ♥」 

 10回目。左の耳カバーがはずされ拓海さんが甘くささやく。

「一度、絶頂(いか)せてやろう」

 両乳首が指の間に挟まれ、両方の乳房全体が手のひらで覆われ、痛いほどの強さで激しく揉まれる。

―拓海さんも興奮してるんだわ―

 その強さに彼の興奮を感じて嬉しくなりながら、コクコクと首を縦に振る。

 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。

 スパンキングの甘い痛みが私を柔らかく切り分ける。

 バシィッ!

 バラ鞭のスパイスが私にふりかけられる。

 クチュ、クチュ、クチュ、クチュ。

 拓海ご主人様の舌が私をトロトロに煮詰めていく。

 ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ。

 私の中に挿入されたご主人様の指がGスポットを擦り、私を快感の強火で煽る。

「フフーッ、ウウーッ、フウッ、フウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ♥」

 目を塞がれているのに目の前がチカチカする。身体が浮遊する感覚。

―あっ、もうイっちゃいそうです、拓海ご主人さまっ―

 そう思った直後、拓海ご主人様の指が抜かれると。
 

 ピシーッツ!

 尻肉を切り裂くような鋭い痛みが、最後のフランベとなって、私の肢体から絶頂の業火を燃え立たせる。

「ウ、ウ、ウッ、ウウウウウウウウウウウウウウウウウーッ♥」

 暗闇の中で目を見開き、しかし何も見ていない状態で、四つん這いに拘束された手足にギュッと力を入れて、背中を反らして首を上げ、狼が遠吠えするかのような姿勢で恍惚の咆哮をあげる。

 スパンキングとクンニリングス、それと鞭で迎えさせられた絶頂は、子宮口を突かれての絶頂とは違い、身体が浮遊したあとに快楽の谷底へバンジージャンプで突き落とされるような恐怖と興奮が表裏一体となった感覚だ。もう二度と経験したくないような、でもまた味わいたくなるような・・・。

 快楽の谷底を離れがたく彷徨(さまよ)っていると、耳カバーと目隠しがはずされ拓海さんが声をかけてきた。拓海さんの右手には一本鞭が握られている。

―最後のあれは、やっぱり・・・・― 

「一本鞭もそんなに悪くないだろう、芽美?」

 一本鞭で激しく叩かれて絶頂に達した事実に呆然としている私は反論することができない。快楽の谷底からゆるゆると這い上がりながら、心の中で自問する。

―わたしはやっぱりマゾなの?―
 

 しかし、その答えを考える時間は与えられなかった。

―え、なんなのっ?―

 お尻の穴に硬い何かが突き立てられて、そこから直腸内になま温かい液体がゆっくりと注入されるのを感じ、おぞましさに怯えと拒絶の叫び声をあげる。 

「ウウッ?」

 

第3夜 セックス合宿で教え込まれる性奴の作法と絶頂の至福
 第九話 芽美の長い一日③


 ナターシャを連れて戻ってきた拓海さんは、私を昨日と同じアクリルガラスの拘束台に固定しボールギャグを噛ませると私の目の前にイスを持ってきて横向きに置いた。拓海さんはガウン姿、ナターシャは例の露出過多なシースルーのフレンチメイド服姿だ。 

 同性の私からみても、勝気そうなルックスに大きなバスト、長い脚の彼女にセクシーで攻撃的なそのコスチュームはお似合いだ。拓海さんはああいうのが好きなのかな?チビで胸が小さい私には絶対似合わいそうもない。


「ナータ、この新米奴隷にお前の素晴らしいフェラチオテクニックを披露してやってくれないか?一昨日も自宅のパソコンでフェラのページを熱心に見て自習していたくらいだからな。集中しすぎていて不審な男の侵入にも気がつかなかったほど興味があるのだから、お前の超絶技巧を見ればすぐに上手になるのではないかな、この好き者のマゾメスは。」

 恥ずかしい行動を同性の憎たらしい女に暴露され顔が赤くなる。反論したくても口枷があるから無理。ナターシャが馬鹿にするように私を一瞥する。悔しい。


「かしこまりました、ごしゅじんサマ。残念ながら、ワタシのテクニックは簡単に覚えられるモノではありまセン。だからワタシがいる間はずっと、ワタシがおしゃぶりして差し上げますワ。」

「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。では始めてくれ、ナータ。」 

 拓海さんは服を着たままでイスに腰掛けるとナターシャがいそいそと前にかしづく。

「失礼いたしマス、ご主人サマ。」

 そう断ると、手際よくベルトをはずし腰を浮かせてズボンとトランクスを脱がせ、あっという間に拓海さんの下半身を裸にした。そこで拓海さんがナターシャを静止する。 


「普通ならこの状態でいいのだが、芽美が見やすいように上も脱いだほうがいいだろう。」

 そう言ってシャツと下着を脱ぎ全裸になって座り直す。先程はシャツの裾などで隠れていた拓海さんのペニスがはっきりと見える。まだ屹立しておらず、小さくふにゃりとしていて、柔らかそう。

―ゾウさんのお鼻みたい、色はピンクだけど。なんだかキモ可愛いわね―

「今はこんなにヘンなカタチでカワイイのに、ふふふ」

 内心で呟くのと同じタイミングでナターシャが同じようなコメントを口にする。

「それはどうも」

 苦笑する拓海さん。

―かわいいって言われるのイヤそう。やっぱり大きいとか太いとか言われたいのかな?―

「これがあんなに固く大きくなって、すばらしい快感を与えてくれるなんて、ほんとに不思議・・・神様の奇跡ですワ。」

 そんな冗談を言いながら、ナターシャが人差し指でペニスをツンツンしている。

「こらこら、冗談言って遊ぶのもかまわないが、今はこの新人にお前のテクニックを見せ付けるときじゃないのか、金髪巨乳奴隷メイドさん?」

「そうでしたネ。申し訳ありませン、ご主人サマ。でも少し勃ってきたようですヨ?」

 彼女の人差し指の刺激でペニスは確かに大きさを増している。それに気がついてニコリとしたナターシャだが、すぐに表情を引き締めて拓海さんの股間にずいと身体を寄せると、膝の内側を床につけ足首を外側にして、ペタンと床に座り込んだ。


「タクミご主人サマ、あなたの金髪巨乳奴隷メイドがお口を使って気持ちよくして差し上げマスワ。満足なさったら、ナータのお口にご主人さまの濃厚なミルクをたっぷりごちそうしてくださいマセ。こぼさず全部を受け止めて、舌でしっかりと味わったあと、一滴残らず飲んで差し上げますカラ。」

 祈るように両手を組み、拓海の顔を見上げてサファイアブルーの澄んだ瞳と彫刻美術のように整った顔だちで語る様子は、さながら神に祈りを捧げる聖女のよう。

―でも、お祈りの相手が神様じゃなくて拓海さんのペニスっていうのがねぇ―

 湿り気を帯びたような甘い声でねっとりと囁かれる淫らなセリフに、アップにされた細く長いブロンドヘアー、きれいに塗られた真紅のルージュが艶かしく濡れ光る唇、ハート型の胸あてエプロンの中央の穴から谷間をさらす豊満なバスト等々、男心をそそる魅惑のパーツの数々。

 女の私でさえ妙な気持ちにさせられるのだから、男の拓海さんが強く欲情するのもうなづける。かわいかった拓海さんのペニスが、ナターシャという魅力溢れる肥沃な土壌から潤沢な養分を与えられむくむくと成長し、お腹につくくらい力強く屹立する。私はその様子を好奇心に駆られて、まじまじと見入ってしまった。


―すごい、あんなに太く、長くなるなんて・・・それに、とっても固そう―

 見たところ長さは15センチ以上ありそう。太さは4センチくらいだろうか。全体的にくすんだ肌色で根元のほうがやや色が濃い。竿の部分はところどころ血管が浮き出たりしてややゴツゴツしている。亀頭の手前がぐるりと円状に窪み、段差を形成している。亀頭の先端には縦に小さく線が入っている。

 可愛らしさは完全に消えうせた。でも、あれが私の中に入って天国に連れて行ってくれたことを思い出すと、逞しさだけでなくグロテスクとも言えるその形状さえ魅力的に見えてきてしまう。


「蒸れたご主人サマのペニス、とっても汗臭くて、男らしい匂いをはなってますワ。ワタシ、この匂いを嗅ぐだけて濡れてしまいマス。」

 大きく息を吸い込み、匂いについて感想を述べるナターシャ。指先を慎重に竿に捧げ持つようにあてがい固定する。唇全体を舌で舐めて濡らすと口をすぼめて、亀頭にチュッと音がしそうな感じの軽いキス。ペニス全体が反応してピクッとする。

「まずは汗と汚れをぬぐってさしあげまス。」

 両手を拓海さんの太ももにあてがい、股をもう少し開かせると顔を斜めにして口を右の睾丸にをぐっと接近させる。口を大きく開き慎重に口に含み、唾液を貯めて全体を湿らせる。口から出すと睾丸についた唾液を舌でペロペロと拭いとる。右が終わると左。

 睾丸の次はサオだ。口を閉じてくちゅくちゅして唾液を口内に貯める。口を閉じたまま尖らせた唇を亀頭にあてる。口内の唾液をこぼさぬよう少しずつ口を開け、亀頭からカリ、サオの上部~中部~下部、そして付け根まで全てを口に咥えこんでしまう。


 ―ええっ、あれを全部口の中に!?―

 眼前でナターシャが汚れたペニスを口と舌で丁寧にきれいにする様子を眉をひそめて見ていると、勃起した逞しいペニスをナターシャが根元まで口内に収納してしまったことに驚愕する。

 ―あれって、ディープスロートってやつだよね・・・喉の奥まで男性器を咥えこむ・・・―

 ナターシャの喉をまじまじと見ていると、ナターシャがチラリと勝ち誇った表情で芽美を見る。あなたには無理ね。表情でそう語っている。苦しそうな表情を浮かべるのは、嘔吐感を我慢してるのだろうか。自分の小さい口で同じことができるとは到底思えない、まして嘔吐感を我慢するなんて。


 動揺する私をみて満足したのか、ナターシャはペニスをゆっくりと吐き出す。床からほぼ直角、天井めがけてそそり立っているペニスは唾液でテラテラと妖しく濡れ光っている。
 舌を出し、そのサオの右側を根元からカリの手前までペロリペロリと舐める。終わると次は左側を。腹部にくっつきそうになっている上側は、人差し指をあて横に軽く押すようにして腹部から離しながら舐める。最後は裏筋のある下側だがそそり立っているから一番舐めやすい。
 付け根からカリ手前まで下を出して固定したまま首を下から上に振って一気にペロンと舐めとる。敏感な裏筋を一気に舐めたせいで、拓海がビクッと震える。ナターシャは嬉しそうにクスリと笑って言う。

「ご主人サマのペニスは皮がなくて舐めやすくて好きデス。」
 

 ―たしかにそうね―

 孝さんのペニスは仮性包茎というやつで、勃起したときに皮が下のほうに丸まっていて舐めるのに邪魔だったことを芽美は思い出す。それに相当するものが拓海さんのペニスには存在せず不思議に思う。だがその疑問はすぐに解消される。

「学生の頃に手術をして皮を切り取ってしまったからね。」

「割礼(かつれい)ですカ?ご主人サマはもしかしてユダヤ教徒かイスラム教徒なのですカ?」

「違う違う。たんに美容衛生上の観点から包茎手術をしただけだよ。」

「そうですよネ。ご主人サマは日本人ですモノ。変なことを言ってしまいまシタ。でも、ご主人サマのペニスは確かにキレイで衛生的デスネ。」

「それはナータが帰宅した私のペニスをいつもこうやってきれいにしてくれていたからさ。」

「ありがとうございマス。でもあれの本当の目的は、ご主人サマが浮気してこなかったか確かめるためデシタ。ご主人サマはおモテになりますカラ。」

「そうだったのか。ナータは俺のペニスをおしゃぶりして精液を飲むのが大好きなんだとずっと思っていたのにショックだな。それで俺が浮気して帰ってきたことはあったかな?」

「いいえ、一度もありませんでしタ。帰宅するたびにご主人様はいつも私に濃厚なザーメンミルクをごちそうしてくださいましタ。それに最初は浮気調査であることがばれないように、ザーメンを飲むのが好きだからと言っていました、ほんとうは好きでもないのに。でも、毎日のようにご主人様から濃厚なザーメンミルクを絞りだして飲んでいるうちに、本当に好きになってしまったのデス・・・フェラチオも、ご主人様のザーメンミルクを飲むことも・・・それに浮気をしないタクミさんがますます好きになりました・・・だからガッカリすることはありませんよ、ご主人サマ♡」

 話している間も、ナターシャは右手の人差指と親指を陰茎にあてがい、円を作って軽く上下に動かしゆるゆると刺激を与え続けている。左手は拓海の太ももや腰のあたりをやわやわと愛撫している。拓海さんの性的興奮が持続するよう気を配っているのだ。


「そうか、それならよかった。そうだよな・・・だんだんとナータのおしゃぶりは場所も時間も選ばないようになったていったからな・・・。最初は夜遅く帰宅したとき寝室でだったのが、居間からダイニングキッチン、玄関、事務所出入り口と移っていって・・・。時間も夜から夕方、午後と俺が帰宅したら何時でも・・・。朝散歩して帰ってきたときにおしゃぶりされたときもあったな。」

「ハイ、そんなこともしてしまいシタ。」

「俺がトイレで小便したくて走って帰ってきて、事務所の扉を開けたらお前が待ち構えていて、私が飲みますからといって強引にペニスを咥えられて、小便と精液を続けて飲まれたこともあったな。」

「あの頃はもう、生理前になるとムラムラしてご主人様のザーメンミルクを飲まないと治まらない状態になっていましたカラ。ごめんなさイ。」

 精液を早く飲みたいがために小便まで飲んでしまうようなザーメンジャンキーだったことを知られるのはさすがに恥ずかしいのか、ナターシャは芽美のほうを見ないようにしている。


「俺もまぁ、お前が小便まで飲んでくれることが嬉しくて、その後も何度か同じようなことをさせてしまったからな。おあいこさ。」

 そう言って拓海はナータの髪を優しくすくように愛撫する。昔を懐かしむ会話が進むにつれ、二人の間に恋人のような雰囲気が醸し出されている。

「何度かどころではありません、何十回も、デス。そのせいで、ご主人様のオシッコを飲むのも癖になってしまいまシタ。」

「それはすまなかったね。」

「いいのデス。もとはワタシが原因なのですカラ。」

「ところで、前から疑問に思ってたんだが、俺の精液っておいしいの?」

「ええ、とても。仕事柄たくさんのザーメンを口にしたことがありますが、ご主人様のザーメンミルクは格別デス。」

「うーん、自分で舐めてみたこともあるけど美味しくはなかったなぁ。さすがに他の男のを味わったことはないから比較はできないけれど・・・。ナータにとってはどんな味なの?」

「そうですネ・・・ワタシにとってご主人様のザーメンは、フルーツの甘さと、くせになる生臭さと、少しの苦さとしょっぱさが加わった大人の味デス。飲むとご主人様を体内に感じられて、しばらくの間は幸せな気持ちに浸っていられマス。でも一眠りすると効果が消えてしまい、すぐにまた飲みたくなる、麻薬のような禁断の飲み物デス。」

「俺のなかでナータにだけ効き目がある特別なフェロモンが生成されているのかな?」

「きっとそうに違いありません、愛の奇跡デスネ。」

「「ふふふ」」

 二人の笑い声がかぶる。私は二人の関係の深さを思い知らされ心の中がモヤモヤする。それがナターシャへの嫉妬とは思いたくなかった。

「さ、続きを頼むよナータ。お前のおしゃぶりテクニックで俺を愉しませてくれ。」

「ダー、ご主人様。」


 ナターシャが舌を伸ばしペニスの先、亀頭からカリの凹みの箇所をチロチロと舐める。ムフン、ムフンと媚びた鼻声が聞こえ、赤い舌が前後左右に小刻みに艶かしく揺れる。先端の割れ目を舌の先端でくすぐる。

 ひと息つくと、ハーモニカを吹くように竿に口をつけ、口内で舌を竿に押し付けながら根元から先端まで何度も往復させる。また舌を出すと、首を下から上にゆっくりと動かし裏筋をペロリと舐め上げる。拓海さんは気持ちよさそうに目を閉じている。

「先走りの味がしてきましたワ。」

 嬉しそうなナターシャの言葉に亀頭に目をやると、濡れているようだ。

―拓海さんも感じているのね―
 

「次はどういたしましょうかご主人サマ?いつも通りでよろしいですカ?」

「うむ、芽美には難しいだろうが、いちおう参考までに見せてやってくれ。」

「かしこまりました、ご主人サマ。」

 口をグチュグチュと動かし、溜めた唾液をペニスにだらりと垂らす。ハート型の胸当てをはずしてバストを露出する。拓海さんにずいと近づき、豊満で柔らかそうな双乳で唾液まみれのペニスを挟み込むと両手でバストを上下にニュプニュプと揉みしだく。芽美をチラとみて薄く笑う。あなたには無理でしょうと言われているようで腹が立つ。


 ナターシャはパイズリを続けた状態で拓海さんを見上げる。拓海さんは目を開け、ナターシャの牛のような巨乳がゆさゆさと揺れ自分のペニスを扱くさまを欲情に満ちたイヤらしい目で眺めている。

「いかかでしょう、かっ。ご主人、サマッ?」

 声にかすれている。額に汗が滲んでいるし、けっこう重労働なのだろうか?いや、よく見ると、乳首がこすられて快感が生じているからのようだ。いびつに変形しながら、ヌチュッヌチュッとペニスを愛撫している乳房をじっくりと観察する。

―乳輪も乳首も大きめで黒ずんでるわ。わたしのほうが上品なピンク色で慎ましい形―

―衣装で誤魔化しているけど垂れてる。わたしのは張りのあるきれいなお碗型―

 大きさ以外の面では勝っている。そう思っても自分にできないことをあの女がやっているという事実は変わらず悔しさは消えない。


「ああ、柔らかくてぬるぬるの感触も、ゆさゆさと揺れる様子もすばらしいぞ。」

「お褒めいただき、ありがとっ、ございま、すっ。」

「ほら、芽美が悔しそうに見ているぞ。」

「もっと、悔しがらせてっ、あげますワッ。」

 勝ち誇った表情で私を見ると、再び唾液をたっぷりと垂らし、双乳からはみ出るペニスの先端に顔を近づけ亀頭をパクリと咥え込む。乳房で竿の部分を、亀頭部分を口でダブル愛撫するパイズリフェラだ。

 黒ずんだ下品な乳頭を見え隠れさせながら、垂れるほどに豊かな乳房を自らの両手でユサユサ、ニュルニュルと派手に揺らし、首を小刻みに上下させ、時折小さく回すように動かしながらジュルジュルと音を立てている。芽美には見えないが、口内では蛇のようにチロチロと舌がうごめき、亀頭に全方位からまとわりつき絶え間なく快感を呼び起こしている。


「ああ、いいぞ・・・」

 拓海さんは快感にかすれた声を上げ、手を伸ばしてナターシャの乳首を軽く引っ張る。それを合図にナターシャはパイズリを止め、口だけでペニスを扱きだす。

 ジュルリ、ジュルリ、ジュルリ、ジュルリ。

 白いカチューシャで細長い金髪をまとめた碧眼の美貌を穢すように、グロテスクな赤茶色の肉棒がその朱唇を割って根元近くまでゆっくりと吸引されては、舌と唇で扱かれながらカリ付近まで掃きだされる。吸引するたびに、肉棒の形に合わせて口が細長く伸びて頬が淫らに凹む。唇の赤いルージュが剥げかかっていて一部が根元にこびりついている。

―なんてイヤらしいの―

 ナターシャが時折自慢げにこちらを見るが、私はその淫靡さに悔しさを忘れて見入ってしまう。拓海さんは昂ぶっているのか、ナターシャの乳首をクリクリと弄っている。

「ムフン、ムフン、ムフン」

 それが気持ちいいのだろう、長いまつげをしばたたかせ鼻声で応えるナターシャ。おしゃぶりにもますます気合が入り、動きを早めていく。


 ジュルッ、ジュルッ、ジュルッ。ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ。

 おしゃぶり音が微妙に変化するのはナターシャが口内で舌を激しく使ったり唾液の量を調節したりしているからだろうか?

ジュルジュルジュルッ。

ジュポジュポジュポッ。

ピチャピチャピチャ。

 もうナターシャはこちらを見ずにキツツキのように激しく首を振っておしゃぶりに熱中している。水の跳ねるような音がすると思ったら、片手が股間に伸び指が小さく動いているのが見えた。私も自由なら自分を慰めたい気分。


「ナータ、そろそろイクよ。」

 拓海さんがそう言うと、ナターシャが口を離し上を向いて拓海さんと目を合わせて言う。

「はい、拓海ご主人様の金髪巨乳メイド奴隷のナータのお口にたっぷり射精してくださいマセッ!ご主人様さのおいしいザーメンミルクをご馳走してくださいマセッ!」

 軽くうなづいたのを確認すると下を向き、おしゃぶりのスピードをますます早める。

ジュポジュポジュポッジュポジュポジュポッ!

 すると拓海さんが私を横目で見て口を動かした。

―イクよ、芽美―

 そんな風に言われた気がする。

 拓海さんは私を見たまま、ナターシャの乳首をキュッと捻り上げる。

それが射精の合図なのだろう、肉棒を三分の二ほど咥えたままナターシャの動きが止まる。

「うっ」

 拓海さんが小さくうめき、身体を緊張させている。ナターシャは目を見開いてじっとしている。おそらく口内で射精を受け止めているのだろう。

 その間も拓海さんは私をじっと見つめている。おしゃぶりしてくれているナターシャじゃなくて私を見ているなんて酷い男だと思いながらも、私は優越感を感じてしまう。

―ほんとうは私のお口に出したいのね―

 拓海さんと目を合わせて小さくうなづくと、拓海さんも小さくうなづき返してくれた。たまらなく拓海さんのペニスが欲しくなる。
 

 射精が終わったのか、身体の力を抜いた拓海さんが私から目を離してナターシャに視線を戻すと、もう一度乳首を軽くつねって手を離す。射精終了の合図を受けナターシャは、口内の精液を零さないよう慎重にペニスを吐き出し上を向いて拓海さんと目を合わせる。

「よし」

 拓海さんの言葉にナターシャの喉が動く。

―あ、お口の中のアレ、飲み込んでいるんだわ―

 私も唾を飲み込む。ゴクリと喉がなり、拓海さんがチラリと私に視線を向ける。心を読まれたような気がして恥ずかしくなる。

 しばらく口をもごもごさせては喉を動かしていたナターシャが拓海さんに向かって口を大きく開いてみせる。全部きちんと飲み干したことを確認してもらっているようだ。拓海さんがナターシャの頭に手をおいてニコリとした。合格ということか。


「久しぶりのご主人サマのザーメンミルク、以前より濃厚で量が多くて、零さずに全部飲み込むのが大変でしたワ。やはりお気に入りのメスが見ていたからでしょうカ?」

 探るようなその言葉を拓海さんは笑顔で否定する。

「いやいや、俺も久しぶりのナータのおしゃぶりでとても興奮したからさ。凄い快感だったよ、ありがとう。」

 そう言ってナターシャの両頬を撫でる。褒められてにっこり笑うナターシャ。でも私も拓海さんも知っている。本当はナターシャが正解なの。

―増えた量と濃厚さを増したその分だけ、拓海さんはあなたより私に魅力を感じてるってこと。だからその分はあなたのものではなくてわたしのもの―

 そんなことを思いながら拓海さんの精液の味を想像する。以前も飲まされたはずだが記憶はあまりない。欲情してたまらなく喉が渇く。
 

「ささ、ちゃんと最後まで面倒を見てくれよ。」

「もちろんですワ、ご主人サマ。」

 ナターシャが拓海さんの半勃ちのペニスに舌を伸ばし、こびりついたルージュや残る精液を丁寧に舐めとる。再びフル勃起して唾液でてらてら光るペニスを根元近くまで口に含むと、先端までゆっくりと吐き出しながら、唇の内側で唾液を拭き取る。最初にしたように、すぼめた美唇を亀頭に軽く触れるキス。両手を祈るように合わせて拓海さんと目をあわせる。


「タクミご主人様サマ、今日もおいしいザーメンミルクをご馳走していただきありがとうございまシタ。これからもお命じいただければ、いつでも、どこでも、すぐにおしゃぶりいたしマス。タクミご主人サマにお口を自由にお使いいただき、気持ちよく射精していただくことが、わたくし金髪巨乳奴隷メイドナータの幸せでございますカラ。」

 あまりにも自然なその言動は、私にこの事実を突きつける。

―ナターシャも拓海さんに調教されていたんだわ―
 

 はだけた胸を素早く直した後、かいがいしく拓海さんの世話をしているナターシャを見ながら思う。

―わたしもあんなふうになっちゃうのかな―

 こうなってしまった以上、拓海さんにフェラチオさせられたりメイド服を着せられたりするのは仕方ない。あんな風に自らかいがいしく世話をするような関係になってしまうのかどうかはよくわからない。でも、自分が奉仕しているときに他の女のことを考えて射精させられるような惨めな女には断じてなりたくなかった。拓海さんがナターシャと楽しそうに話しているのをみるとイライラするのは、認めたくないけど嫉妬だろう。
 

―拓海さんのセックス奴隷に調教されることから逃れられないなら―

―過去の女、いやセックス奴隷だったナターシャには絶対に負けられないわ―

―でも、あの女みたいにみじめな奴隷にはなりたくない―

―だから、拓海さんの理想のマゾ牝奴隷になってやる―

 私は、そんな捨て鉢な気持ちを抱きながら、親密そうな二人をじっと見つづけた。


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