2010年11月

2010年11月18日

誤認逮捕死亡、県に賠償命令、警官馬乗り制圧は違法―因果関係は否定・津地裁

三重県四日市市のスーパーで2004年2月、窃盗犯と間違われ現行犯逮捕された男性=当時(68)=が死亡したのは、警察官の制圧行為が原因として、男性の妻が県に約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、津地裁であった。裁判長は「制圧行為は必要かつ相当な限度を超え違法」と述べ、県に880万円の支払いを命じた。制圧と死亡の因果関係は否定した。

判決によると、男性は04年2月17日、大型スーパーの現金自動預払機(ATM)コーナーで、女性に「泥棒」と叫ばれた。居合わせた警察官が逮捕し、約20分間うつぶせのまま押さえ続けたところ意識不明となり、翌18日に死亡した。女性はそのまま現場から立ち去ったが、防犯ビデオの映像から男性は無実と判明した。

訴訟では、逮捕の違法性と制圧行為の正当性、死亡との因果関係が争点になった。
裁判長は、女性が男性を犯人と呼んでいたことから、「買い物客らが男性を取り押さえ、警察官が逮捕したことは適法」と指摘した。

一方で「身長181センチ、体重94キロの警察官が、160センチ、65キロの男性に馬乗りになって制圧行為を続けた」と認定。「男性は後ろ手に手錠を掛けられ、逃走、反抗の危険性は減っていたのに、限度を超えた力を行使しており、過失がある」とした。

その上で、男性の死因について「ストレスで心臓に過度の負荷が生じ、心不全になった」と判断。「ストレスには、泥棒と叫ばれたことや買い物客に取り押さえられたことも含まれ、制圧だけで心不全を起こしたとは言えない」と因果関係を否定した。

時事通信 11月18日



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