2006年07月12日

過労自殺、厚労省が労災認定 係争中に国が一転、認める

富士通でコンピューターソフトの開発を担当していた神奈川県厚木市の男性社員(当時28歳)の自殺について、厚生労働省が労災認定を認めたことが明らかになった。自殺は長時間労働によるものだとして、両親が労災認定を申請したが、厚木労働基準監督署が却下、それに対する審査請求も棄却されていた。
両親が東京地裁に不支給取り消しを求める訴えを起こし、係争中に国が一転して認定する異例の展開となった。国側は理由として長時間残業による精神障害と認定したことを挙げており、あいまいだった過労自殺の労災認定に、新たな基準を示す事例となりそうだ。

男性の両親の代理人となった弁護士によると、男性は大学院を修了して同社入社。医療事務開発グループで、医療事務システムの操作マニュアル作成に携わっていた。午前8時ごろ出社し、午後10時を超えて帰宅する日が多く、自殺前7カ月間の時間外労働時間は月60時間を超え、自殺前1カ月は徹夜を含め180時間を超える時間外労働をしていた。
また、会社の業績不振やリストラを苦にして、「酒を飲まないと眠れない」などと周囲に訴えていた。02年3月に社員寮の自室で自殺した。

男性の両親は過労による労災だとして同年、厚木労基署に申請。04年に却下されたことを不服として、05年に神奈川労働保険審査官に審査請求したが「数週間にわたり必要最小限度の睡眠を確保できないような状況ではなかった」などと棄却された。同年に労働保険審査会に再審査請求、東京地裁にも不支給取り消しを求め提訴した。

先月30日に厚労省が一転して認定を決め、12日に厚木労基署が両親に謝罪した。その際、労基署は
再調査で残業を長時間と認定
自殺3日前に急性ストレス反応を発症していた
などと認定理由を説明した。具体的な残業時間の基準には言及しなかった。

(毎日新聞)- 7月12日

security_taisaku at 22:45│労働環境 | 労働災害
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