2015年05月26日

過労死ゼロへ数値目標 大綱素案まとめる

「過労死」の名称が入った初の対策法「過労死等防止対策推進法」(過労死防止法)の基本方針となる大綱を検討してきた厚生労働省所管の過労死等防止対策推進協議会は25日、2020年までに週60時間以上働く人の割合を5%以下にするなどの数値目標を入れた大綱の素案をまとめた。都道府県の啓発活動、相談体制の整備などの防止対策も盛り込まれた。過労死を巡っては、国連の「社会権規約委員会」が長時間労働防止の措置を日本政府に勧告するなど世界的な注目を浴びており、過労死防止法の実効性が注目される。

協議会は過労死被害者遺族や労働組合、経営者、学識者などで構成。昨年12月から大綱を検討してきた。今後成案にまとめ、閣議決定される。

協議会は現状分析として、過労死の危険性が指摘される週60時間以上働いている人の割合が30代男性で17%に達し、全体で468万人の「過労死予備軍」がいることや、16%の人が年次有給休暇を一日も取得していないと指摘した。

その上で20年までに(1)週60時間以上働く人の割合を5%以下にする(2)年休の取得率を70%以上にする−−など数値目標を明記した。また、14年の警察庁の統計では疲労や仕事、職場環境の悩みによる自殺者が2227人いたのに対し、未遂を含めた過労自殺の労災認定が13年度で63人と大きな差があることなどを挙げ、国が個々の過労死の分析や職場環境の影響など幅広い調査分析をして防止策に生かすよう盛り込んだ。

遺族や弁護士は、勤務時間が週60時間以上の労働者をゼロにすることや勤務日の間に必ず一定の休憩時間を設定する「インターバル規制」の導入を求めたが「現行の法制度を前提にする」などの理由で盛り込まれなかった。


毎日新聞 2015年5月25日

security_taisaku at 10:30│労働環境 
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