2018年01月02日

北の木造船船長起訴 正式裁判が解明へ大きな一歩

北朝鮮の木造船乗員による窃盗事件は、罰金刑という選択肢もあったが、正式な裁判で審理されることになった。相次ぐ木造船の漂着で国民に不安が広がる中、裁判で新たな事実や問題の背景が明らかになる可能性があり、犯行を主導した船長が法廷で裁かれる意義は大きい。

「窃盗罪の法定刑としては略式起訴も可能だが、被害額の大きさなどを考慮し、公判請求(正式起訴)に値すると判断した」。検察幹部はこう強調した。

木造船には「朝鮮人民軍第854軍部隊」とハングルと数字で記されたプレートが掲げられていた。軍が農業や漁業などの生産活動にも従事しているとされるが、多くの疑問点も残る。

日本海側の各地では木造船漂着が相次ぎ、今年は100件に達した。多くは日本海の好漁場「大和堆(やまとたい)」で違法操業をしていた北朝鮮籍の船とみられるが、なぜ11月以降、突然相次いだのか。正式裁判で、こうした問題の実態解明につながる可能性もあり、「船長が法廷でどこまで話すのか、期待はしている」(検察幹部)という。

一方、今回の事件は、7年前に中国人容疑者を外交的配慮から釈放し、世間の批判を浴びた経緯があったことから、検察当局の対応が特に注目された。

平成22年、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件では、中国側が強硬姿勢を示し、邦人4人がスパイ容疑で拘束されたことで民主党政権(当時)がうろたえ、「あらゆる外交ルートも遮断された」(当時の検察首脳)という。このため検察当局は、いったんは逮捕した船長を公務執行妨害罪で起訴する方針を固めたものの、「日中関係を考慮」(那覇地検)して釈放した。

今回、検察内では当初、北朝鮮が核やミサイルで日本側に揺さぶりをかけるなど事態の複雑化を憂慮する声もあったというが、「通常の事件同様、法と証拠に基づいて処分する」との意見で一致した。

2017/12/29産経新聞

security_taisaku at 16:52│裁判 
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