2004年08月21日

飼育観察記・2003年秋

 9月。ショボい池を見かねてか親戚から50匹の小赤が提供される。(うちの家系は質より量かも?)第一次小赤ブラザーズとこの第二次小赤ブラザーズの体格差は歴然。ひと月前に放した第一次小赤ブラザーズは3、4センチが8センチ程に成長。成長の早さに驚く。いっそ食える魚を放せば良かったかと一瞬、金魚を選択したことに後悔する。

sk03aki3 図書館にて金魚の飼育教本を発見。一度読んでみることにした。思っていた以上にデリケートな魚であること、水質管理の手抜きが致命傷となること、しかし露天の池で生きられない魚ではないことも発見。1冊の飼育指南で、これまでの失敗の幾つかの原因が明らかになる。もう一度だけオランダシシガシラを泳がせてみたい。今度は失敗しない・・か?
 オランダ3匹とセイブン(オランダシシガシラのブラックバージョン)2匹、売れ残りのシュブンキン5匹購入。今度は赤白更紗模様のオランダである。「あっアイツだ。」と見分けが付く。セイブンの体色はこの池では完全な保護色。数日に一度やっと「あっアイツだ。」と存在が確認できる。でもどっちのアイツかは判別不可能。魚は背中に入れ墨があるに限る。
 小赤ブラザーズがオランダ、セイブンに付きまとう。オランダの腹に擦り寄り離れない。今年生まれの幼魚にもう盛りがついたのか?しばらくしてオランダ、セイブンの体に塩をふったような白点が付く。その名もズバリ、白点病であることが判る。僅か2ヶ月で病名を言い当てられる程、進化したようだ。隔離治療用にとタライと小さなエアーポンプ、薬にメチレンブルーを購入。生まれて初めての魚の治療。約10日で白点が消える。もしや我輩は名医ではと錯覚する。再び池に戻す。小赤がまた突つき始める。白点病再発。今度は静観する。病気ならなんとかしてやれよと言われるのは承知だが、この頃から封印していた道楽者のDNAが騒ぎだす。既になにやら脳味噌が魚臭くなっていたのである。あるシナリオを描く。オランダの白点病が小赤ブラザーズにも蔓延、ヒョウタン池壊滅。今度はオランダだけのパラダイスを再構築・・自分の手を汚さずに白点病のオランダを利用して池の初期化を計ったのである。最後のオランダが数週間後に死亡。小赤ブラザーズ「白点病ってなに?」と、いたって普通。やはり自分の手で処分しなくてはならないのか。

 11月、脳味噌が金魚で生臭くなる。何かテーマが欲しい・・道楽なりの達成感が欲しい。高級金魚界に新鋭ブリーダーとして殴り込むか?・・金魚の最長寿記録を樹立するか?・・日々の苦悩を抱え眠りにつく夜が、この道楽のテーマを考えながら眠りにつく夜に変わる。これはこれで苦悩なのだが・・。
 ある風景が見えた。玄人も唸る高級金魚が自然繁殖・・高級金魚を演出するため睡蓮、蓮が豪勢に咲き誇る豪華絢爛系ビオトープ・・この勝手に大きくなあれ楽チン飼育法で品評会を総なめ・・瓢箪池式飼育繁殖法が世界のスタンダードになる・・突然、ビックプロジェクトが目の前に現れた。そして数日後、その豪華絢爛系ビオトープの王者としてランチュウをノミネート。当歳のランチュウ3匹をインターネットオークションにて購入・・。(この3匹のランチュウの飼育記は、魚ファイル『ランチュウブラザーズ2003』を御参考下され・・)

 11月末。9月購入のシュブンキン5匹のうち2匹が生き残る。それにしても小赤は大きくなったもんだ・・数は減ったが池の魚影は濃くなっている。瓢箪池の秋が終わる。

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