04年飼育観察記

2004年12月29日

飼育観察記・2004年12月

sk0412ike 池のワキン族の動きは鈍くなったが、日の当たる場所で苔をついばむ姿をよく見かける。下旬には山の8合目まで雪が降り、水温10度を超える日は無くなり、手を入れると痛いほど水は冷たい。玄関からほんの数メートル足を伸ばせば池を覗けるが、今月は池を見ない日もあった。ナンキンの居なくなった瓢箪池に興味を失ったのではなく、今は餌を毎日与える季節ではないし、水も痛まないので池に水さえ溜まっていれば何の心配もないと思っていた・・12月24日の朝までは。
 12月24日の早朝。管理人はまだヌクヌクと布団の中で眠っていたが、家族の「池にツル(鶴)が来ちょるでー。」と言う声で目を覚ます。寝惚けてはいたが、その鳥は鶴ではなくアオサギという鳥で池の魚を食いに来たことを一瞬で理解。服を着替えイソイソと現場検証へ向かう。池にアオサギはもう居ない。池一面に鳥が放出したと思われる正体不明の白い浮遊物が浮ぶ(鳥の唾液と推測)。そして池を覗くと僅か数匹の魚がチラホラ。裂傷を負い腹の肉が削げた魚もいる・・殺られた・・。数日前に近所でアオサギを見かけ、やっとその姿をカメラに納めることができ、この鳥について投稿(池にまつわる生物「アオサギ」参照)したばかり。思えばそれが前兆であった。賑やかだった池が一瞬で壊滅!・・と思ったが翌日には何処かに隠れていた魚が姿を現す。嬉しいことにお気に入りのランボーやサクラ(カテゴリー「魚ファイル」参照)も顔を見せた。石を積んだ入り組んだ池の壁面が緊急避難場所になっていたらしい。続々と生き残りの魚が集まるが「赤黒更紗のクロちゃんが殺られたでー。あんたは無事か?」と、お互いの無事を喜ぶ風ではない。これまで管理人が池の縁に立てば餌を求めて近寄って来たのだが、今は緊張感を漂わせ、よそよそしい雰囲気を感じさせるのは気のせいではない。御馳走で機嫌を取ろうとワキン族には内緒にしていたナンキン用の餌(乾燥ミジンコ)を池に放る。食べた。この単純なところがキンギョのいいところ。その後もアオサギは我家の屋根から池を窺う。家族は鶴が来たと嬉しがる。現在、確認できる生存魚、約20匹。半数以上の魚が野生で生きるアオサギの冬の糧になった。鳥を恨む理由も気分も無いが、クリスマスプレゼントは1度で十分だし、お年玉をやるつもりも無い。ナンキンパラダイス計画のためには邪魔者のワキン族であったが、鳥葬という処分法は本意ではない。家にある材料で応急のバリケードをこしらえるが、こんなんで良いのかは不明。いずれ恒久的な対策を考える予定であるが、瓢箪池は出来損ないのスパイダーマンのセットで新年を迎えることになる。
『追記』
青水がもっと濃ければ、殺られる魚も少なかったのではと考えるが、当池は冬になると水が透明になる。この原因について、幾らか理由らしきものが推測できるようになったので、いずれ『水のことなど』に投稿予定。

sk0412pura2 『別館のナンキン』
 怪鳥が舞い降りたのも知らず、プラ舟で暮らす世間知らずの21匹のナンキンは元気ハツラツ。冷たい水に強い品種かもしれない。晴天で水温の上昇が見込める日は、生きる希望ほどの餌をパラパラと与える。下旬には、こちらのプラ舟も池と同様に水温は7度から10度をうろつく。冷える朝は暗がりで群れて固まるが、日が高くなるとゴゾゴゾと泳ぎ出す。
 今月初旬、タライで窮屈そうに暮らす12匹のナンキンを新しく購入したプラ舟に移動。やはり広い水槽の方が気分良さそうに泳ぐし、こちらも見ていて気分がいい。此処で冬を越すことになると分っていれば最初から広いプラ舟で飼育すべきだったと後悔する。もっと大きく育ったはず。しかし未来が分らないのは人類皆平等。反省できるのも人類皆平等の能力。こちらはこちらで初めての冬を乗り切り、春を迎える魚が何匹いるのか気に掛かる。
 総勢28匹のナンキンが出雲より我家に到着して4ヶ月。7匹が池で管理人のワガママの犠牲になったが、此処の2つのプラ舟で暮らす21匹の中に死んだ魚はいない。単純に考えれば、このプラ舟の環境を瓢箪池で再現すれば、ナンキンパラダイスが実現するということになるが、その作業は単純で簡単と思うほど今の管理人はお調子者ではない。以前はお調子者だったが、これは進化の証か?アオサギ撃退対策だけでも途方に暮れる大仕事である。2005年の最大のテーマは「瓢箪池ナンキン快適環境構築」。この冬は炬燵で焼酎を舐めながら池の改善計画を練ることになる。まだまだ遠い先の話だが、この21匹の中の一匹でも体長30センチに迫る巨漢ナンキンに育ち、瓢箪池で巨体を揺らしながら泳ぐ正月が、いつか来るのだろうか?とシミジミ想う。

『瓢箪池物語を御贔屓にして下さる方々へ』
皆様の新しい年が素晴らしい年でありますように。そしてキンギョにウツツをヌカせる平和な日本であることを願っております。

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2004年11月27日

飼育観察記・2004年11月

sk0411neko 今月は9月、10月と違い暖かい晴天日が続くことが多く水温は18度にもなる日があったが、下旬の冷えた朝には12度程になった。池に覆い被さる様に茂る藤が落葉を始め落葉掬いが朝の日課になる。餌は晴天日のみ昼休み時間に一日一度だけ与える。よく食うが夏のガッツイタ食い方では無い。約50匹のワキン族はいつもと同じで異常無し。2歳魚の成長は鈍化。この春には秋には刺身がとれるほど大きくなるのではと思っていたが、現在でも平均18センチ程で唐揚げサイズ。ただ体高と体幅は増して太さが凛々しい。
 この池で泳ぐ魚に美肌の持ち主は居ない。イボがあったり、イカリムシがぶらぶらしてたり、鱗が剥がれてたり、擦過傷があったりと何処かが傷んでいる。それでも傷が悪化し体調を崩す魚を見ることは無い。恐るべしワキン族。餌を求めて寄って来る魚の群れに元気なナンキン達が混じっていれば・・とシミジミ思う。「魚は美肌より健康」ということが思い知らされる。
『池のナンキンのその後』
 今月初旬には3匹が残って居たが、一匹づつ見えなくなり中旬には何処にも発見することが出来なくなった。9月に池に放した7匹のナンキンは玉砕。既に敗因のいくつかは見当がついているが、この事については長くなるので改めて投稿予定。
 写真の猫はポカポカ日和にはこの位置で数回見かけた。ヒナタボッコを兼ねて金魚狩りを楽しむつもりだろう。ナンキンのお気に入りの睡蓮鉢を凝視している。ヤバいとは思ったが見張るほど暇ではない。そしてナンキンが池から姿を消すと猫も池に現れなくなった。このナンキン達は人慣れしていて網で追えば逃げるがゆっくりそっーと手で追えば捕まる。この猫は瓢箪池では見事な迷彩色の毛皮を纏う。このカモフラージュされた猫の手と管理人の手の区別はつくまい。しかし、実際にこの猫がナンキンを食った犯人かどうかの断定はできない。水中には沢山のヤゴもいる。仮に猫が犯人であっても悪いのは猫ではなく管理人の怠慢が原因である。「猫に金魚を食われて猫を憎む人間は友人にするべからず」が我家の家訓(今月つくった)。
 9月に7匹のナンキンを池に放してから、生きてるか死んでるかだけが観察日課となり少し気疲れた。今月に予定していた第二陣の突撃は延期。半端な小出しのゲリラ戦では消耗戦になる。ナンキンパラダイス・・やはりイバラの道かも・・。

sk0411nankin2 『別館のナンキン』
「体調を崩す魚も無く、21匹いたって元気」と言いたかったが、タライの中の一匹が傾いて泳ぎ、群れから離れる。以前より肥満で片腹(左右のボディラインが不揃い)であったが体表、鰓には異常は無い。ヤブ医者の見立てでは内臓疾患、伝染性は無いと判断し隔離はしない。しばらく餌切りで様子を見ることにした。その他の腹を空かせた元気な魚は「えっ!なんでオレらも?」と、この処置に不満があると思われるが、狭い水槽で共に生きる魚は一心同体、運命共同体。2日の餌切りで群れに混じり泳ぎ出す。消化器官の不調が原因だったと推測。その後、餌を以前より控えめにする。小さめの当歳魚とはいえ、水量約80リットルのタライに12匹は明らかに過密。体調不良の魚が出ても不思議では無い。隣の大きめのナンキン9匹が泳ぐプラ舟(120リットル)と同じ水槽をひとつ追加購入のうえ近日移動予定。
 池に移された魚と此処に残った魚は生死が分かれた(運命を分けたのは管理人)。この21匹のナンキンは、このままこの別館で冬を越すことになる。来春にはもう少し逞しくなってもらい瓢箪池へ全員一丸総突撃を予定。

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2004年10月31日

飼育観察記・2004年10月

sk0410ike 10月。秋が濃くなる。風が吹けば落葉が池に舞込む。9月よりは給餌も換水量も減らす。初旬は20度程の水温が末には15度。枯れて水中で溶けるように腐ってゆく睡蓮の葉を取り除きたいが水は裸足で入るには冷たい。中旬頃よりトノサマガエルが池から姿を消し、巡回パトロールの任務が終わる。
 「また大きくなった。」と言う以外はたいして語ることが無かったワキン族だったが、台風23号の来襲(10月20日)の翌朝、池に魚が見えない。とうとうアオサギが飛んで来て食って帰ったか!と一瞬動揺したが、よく見ると殆どの魚が睡蓮の葉の下や岩陰に動かず隠れている。一週間程は泳がない魚が数匹いたが10日経つ今では体調も良くなり普段と変わらない姿を見せる。しかし、幾らか魚が減った気配がする。
 今回の台風は余程こたえたらしい。今回の台風も多量の雨水が池に降り注ぎ、翌朝は池底の落葉まで数えられるほど透明な水になった。金魚は急な水質水温変化に弱いのだが、今年は台風の当たり年で今回以上の豪雨が数回あったが体調不良を見せることは無かった。台風は心配事リストから外したほどである。今回の台風がこれまでと違うことは10月下旬に到来したことであり、これまで以上に水温の低い季節の豪雨であったこと。このことは一つの事例として記憶しておく。(心配事リストに復活、ただし対策は無い)

sk0410nankin ・・9月末に池に放した7匹のナンキンのその後・・
 昨年、オランダシシガシラが小赤に突つかれ続けた同じ風景を見ることになる。やはりダメかと思ったが放置した。全てのナンキンが突つかれている訳でも全てのワキンが追い回してる訳でもない。中旬までは池を覗くたびに数匹はチラホラ泳ぐのを見かける。辺りで泳ぐ2匹を網で捕まえ様子を見る。瓢箪池生活でくたびれ果てた様子。2匹ともナンキン特有の銀のような輝きを失い、尾鰭が捲れささくれ、イカリムシが付着。ピンセットでムシを取り除きイソジンを患部に塗布のうえ再び池に放す。その後、チラホラも見かけない日も続く。睡蓮鉢の中で腑だけが無い一匹のナンキンの死骸を発見。死んだ後に何者かに食われたのか?生きたまま食われたのかは不明。
 掲載した写真は10月30日撮影のもの。写真では2匹のナンキンしか確認できないが睡蓮の葉の下にもう一匹いる。この3匹はこの10日ほど、この睡蓮鉢から離れずお互いの存在が感じられる距離を保っている。本当に不思議な感じがするが「広い池で迷った兄弟がやっと巡り会い、もう離れたくないのであろう。」などと根拠のない情緒的気分が違和感なく語れる。ただこの3匹も台風以後、体調が良くないらしくあまり泳がなくなってしまった。見かけなくなった4匹はトノサマガエルに食われたのか?他の天敵か?病気で死んだのか?もしやまだ何処かで生きているのか?・・もどかしさは感じるが、魚の運命を一匹ごとに見定められる池ではない。10月末、生存を確認できるナンキン、7匹中3匹。僅かひと月で4匹を失うことになる。しかし、この数字は、瓢箪池がナンキンの生存を許す環境に成りうる可能性は感じるのである。

sk0410pura ・・別館のナンキンのこと・・
 軒下で雨風当たらず、天敵防護ネット、エアーレーション完備、そして断熱材まで施されたプラ舟とタライでヌクヌクと育つ21匹のナンキン達は9月より、またひと回り大きくなり、大きい魚8センチ小さい魚5センチ程まで成長。ナンキンらしい「ラッキョに尾鰭」という体型も整い、それぞれの魚体の特徴も明らかになる。過酷な瓢箪池で健気に生きるナンキンと比べると色艶良くボディラインも艶かしい。本来はこういう環境で育てるべき魚と思うが、こういう環境で育てるために出雲から呼んだ魚ではない。鱗が落ちようが鰭がささくれようが池でデカイ面して悠々と泳ぐ姿を見たい。11月の天気の良い日を見計らい2回目の瓢箪池突撃を予定。池で4匹のナンキンを失った理由をよく考え、なにか策を施したい。ナンキンパラダイスなどという野望を持たなければキンギョに悩まされることなど無いのだが・・と、つくづく思う。

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2004年10月03日

飼育観察記・2004年9月

sk0409ike 9月。初旬は27、8度程の水温が末には21度。日も短くなり青水の進行スピードが落ち、換水量を少し減らす。給餌は天気が良ければ2回、曇りなら1回、雨なら無しが基本ペース。池を華やかに演出してきた睡蓮の開花が終わるが池の風景はまだ青々として秋の濃さはない。
 今月、大きな台風が3度来襲。近所の80歳になる爺さんでもこれほど強烈な風と雨は記憶にないと言う。今年の稲は台風でボロボロになり稲刈りを諦める農家もいるそうだ。豪雨による多量の雨水流入、水が舞い上がるほどの大風にも魚には被害はなく、総勢約50匹のワキン族は尊敬してしまうほど、いつもと変わらない。
 中旬から今年もサギの次に恐ろしいトノサマガエルが出没。(池にまつわる生物『トノサマガエル』参照)昨年、数十匹の小赤が殺られたので巡回パトロール開始。人影に驚き逃走を計るカエルは捕獲可能だが、いつも何処かに数匹が潜む。当歳魚がこのカエルに殺られたらしく、期待の星、大桜ブラザーズ(魚ファイル『当池のシュブンキンその二話』参照)の数匹が見かけなくなる。その他の早生まれの当歳魚は親に迫る勢いで成長、15センチに迫る魚も数匹。もうカエルの口には入るまい。約30匹の2歳になるワキン族、また一回り成長。数匹が体長20センチに迫る。「これ以上、住人を増やすな。」と言いたげで池が狭く見えるが、まもなく彼等の地位を脅かす新王者候補(ナンキン)の新メンバーが大挙入居することになることは彼等はまだ知らない。最近は水を触ることも水温計を見ることも無く、天気で水温が判るようになる。一年間、マメに水温を計った努力が実る。季節により生態を変える生き物のことを知るにも一年間のマメな観察が必要であることを知る。さらに金魚の生涯を語るには10年、20年の観察が必要になるが瓢箪池で寿命を全うできる魚が出るかは不明だし、管理人の寿命も不明。世の中で何人の人が金魚が犬猫に匹敵する長寿の生物であることを認識しているかも不明だが、もし全ての金魚が10年生きたら金魚業界が破綻することは明白。

sk0405nankin2  これまで瓢箪池史上初の稚魚稚魚稚魚、歴史的快挙快挙快挙と浮かれた管理人は今では瓢箪池の魚を忘れ、新設した別館・新メンバー養生施設『出会いの館』で泳ぐ28匹のナンキンの幼魚にかまける。初めて見る生きたナンキン、苦しがっているのか体調がいいのか判らないほどよく泳ぐ。もしや当地の水が合わないのではとちょっと心配になったが3週間経つ今でも全ての魚が元気そうによく泳ぐ。まさか、3週間も苦しがる気力と体力があるとは思えないので、こういう魚だと理解することにする。ナンキンはもともと丈夫で元気な品種なのか?生産者が特別元気で丈夫な魚に育てたのかは不明・・。人懐っこく人見知りをしない。飼い主にとっては可愛いく見えるが、猫にも「餌くれ。」と迫りそうでちょっと心配。同い年の瓢箪池生まれのワキン族の幼魚は涙なしでは語れない数々の修羅場をくぐり抜けてきたせいか、世慣れしたというか・・スレたというか・・無駄な動きは少なく愛想もない。生まれと育ちと環境と品種の持つ特性がこのようにさせるのだろう。
 ナンキンの飼育では沈下性の餌が推奨されているのだが、池底に溜まるヘドロの中に頭を突っ込まれるのが心配なので「餌は水面にあり」ということを慣れさせるため浮上性の餌を与え、来たるべき池での生活に備える。頭に肉瘤がない品種なので水面への視界も良好で問題なく食べるが、どちらかというと底に沈んだ餌の方が得意げには見える。しかし沈下性の餌を推奨される訳はこのことに由来するのかどうかは不明。ナンキンは特異性を持った品種らしいが、飼育者が少ないせいかネットで探しても飼育法が断片的にしか見つからない。出雲地方のナンキンに携わる方々がこの魚の魅力を伝え、美しく健康な姿で末永くつき合える飼育法の奥義などをより多くのサイトで公開していただけたなら、金魚の王様ランチュウの地位を脅かす日がいつか来るかも・・と思うのは管理人だけだろうか?
 到着時は3センチから5センチと今の季節にしては小さめだったが一回り成長し、容量120リットルの器に28匹は素人目にも窮屈に見え、病魚用に確保していた80リットルのタライに小さいめの魚を12匹移す。大きいグループがカエルの口より大きくなるのを待ち、池に放す時期を窺う。
 9月末、数匹のナンキンの背にうっすら赤い炎症が見え、4匹が2日ほど塩水浴で過ごし再復帰。魚の成長による水槽の過密が原因では?と思うが飼育水槽はもはやこれまで。予定より早くなったが大きめの7匹を第一陣の突撃隊として池に放すことを決めた(この7匹の選定には苦悩した)。昨年の今頃、池に放したオランダシシガシラが玉砕を遂げたので全然ウキウキした気分にはなれない。はたしてワキン族と瓢箪池がナンキンの幼魚の生存を許すのか?・・知りたいし、間もなく判る。慎重な水質合わせと水温合わせ・・運命の激変を察知したのか大人しい・・そっと池に放す。ヒラヒラと7匹が全員一丸となり池の奥地へと進撃する。はぐれまいと寄り添うが一匹づつばらけてゆき、しばらくして見えなくなった。半分生還できれば大成功の危険な戦場に若い兵隊鯀?蟒个控な?任△辰拭?ΑΕ淵鵐?鵐僖薀瀬ぅ更粁?悗僚蕕亮太錙ΑΕぅ丱蕕瞭擦?ΑΔ修譴曚匹里海箸任發覆い里?郎?鷲毀澄Αι暫獣喨?貘萋鷯呂?呂泙襦


ナンキン関係、2つのサイトのご紹介。
『出雲ナンキン振興会』
ナンキンを瓢箪池で泳がせたい!と思うキッカケを与えてくれたサイト。品評会での美しいナンキンの写真が多数あり、飼育法や良いナンキンの基準などが充実。管理人のように出雲まで足を運べないナンキンファンのために品評会の様子などを毎年継続的に更新をしていただき、次いでにもう少し飼育の奥義を公開していただけたら完璧なサイト。

『出雲ナンキン』
ナンキンの歴史的、学術的な考察が充実。掲示板にて全国各地のナンキン飼育者が情報交換。管理人も定期的にチェック。

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2004年09月22日

瓢箪池新王者その二話

sk0409oozya 金魚のサイトを巡るうちに出雲地方で保存されてきた「出雲ナンキン」という魚がいることを知る。人生でピーンと来ることなど滅多にないし、ピーンと来たからといって全てが当たりという人生も滅多にないが、このナンキンにはピーンと来た。しかし、なぜこの美しい魚の飼育者が少ないのか不思議・・いずれ解明したい。
 今年生まれの当歳魚が出回る今なら、美醜を問わなければナンキンの幼魚数十匹を購入しても、しばらく他の道楽を休めば捻出できる。来年はナンキンの単池完結型繁殖を成功させナンキンパラダイスを実現、瓢箪池物語は感動のフィナーレで完となる。(ならないかも・・)
 心の痛い問題はワキン族の処分。この「処分」というのは方法はどうあれ魚にとっては多くの場合「死」を意味する。なぜワキン族を処分しなくてはナンキンパラダイスが実現しないか?生存能力(環境適応能力・運動能力、免疫力など)の差が弱い方を死へと追いやるのである。ワキン族が残虐で非道ということではない。彼等はごく普通の温厚なキンギョであるが決してヨタヨタ泳ぐ魚に餌を譲ることはないし、彼等は発症しなくても病原体の保菌魚になり、免疫力の弱い魚に感染させるのである。体質が虚弱という意味が含まれるかどうかは現在不明だが、このナンキンは飼育が難しいと言われる品種に該当する。 
 ワキン族の処分・・初めての瓢箪池生まれの幼魚、大桜ブラザーズ(カテゴリー「魚のこと」『当池のシュブンキンその二話』参照)を生んだお手柄の親魚をブラックバスが持ち受ける溜め池に放せるほどこのナンキンパラダイスは大きな野望だろうか?と考えてみる。管理人の生活は今、キンギョどころではない。ケリを付けなくてはならない仕事が山程ある。そして、その「キンギョどころではない生活」にワキン族はずいぶん楽しみをくれたのではないか。人情と野望を秤に掛ける日を先延ばしすることにする。      
「池を仕切れば?」と簡単に言われる。「この区画にはワキンが泳いでます。こちらの区画ではナンキンが泳いでます。この区画ではなんとスッポンがいます。」・・かつてはこれもアリかなと考えたことがあったが、一つの池でワキン族とナンキン、異民族、老若男女が折り合い良く暮らせる池というのは存在しないのだろうか?それも瓢箪池物語の一つのテーマではないのか。
 良い方法など見つからないが瓢箪池の新王者候補「出雲ナンキン」の幼魚27匹が遥々出雲より我家に来たる。今年最初で多分最後の新規導入魚。新しい魚を迎えるあのトキメキとハラハラが蘇る。生産者によると決して品評会に参戦できる魚ではないらしいが銀色に輝く鱗とふくよかなボディラインは幼魚とはいえ管理人にとっては十分に美しい。この王子様王女様のその後の様子などはいずれまた・・。

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2004年09月19日

瓢箪池新王者その一話

sk0409ouzya1 池に金魚を放して一年と一ヶ月が経った。ワキン族ではあるが繁殖させることができた。産卵・繁殖期には随分凄惨な風景を見かけたが、今では瓢箪池生まれの幼魚と親魚とが仲良く泳ぐ。
 睡蓮が可憐に咲くキュートな池、死ぬ魚もいるが、餌を投げ、水を入れるだけで勝手に繁殖する楽チンで経済的な池。これで十分満足と思う努力はしてみたが、初めて池に放した金魚、3匹のオランダシシガシラ・・僅か10日のはかない瓢箪池での人生だったが腰をフリフリ、優雅にヒラヒラと泳ぐ姿がまだ記憶に残る。「金魚は鮒のように泳いじゃいかん!」とは言わない。ワキン族の俊敏で野性味溢れる生き様も路地池にはピッタシと思うこともある。もともとはボウフラ退治に購入した殺虫魚達である。最初の志の低さが道楽者魂が満たされない寂しさを生んでしまった。クーロンような50匹の素赤のワキンが群れて泳ぐ風景をどこかで見たことがあると思い、断片化した脳味噌を探したら、昔通った小学校の中庭の池の風景であった。
 池で泳ぐ魚は体に入れ墨のあるヒラヒラ泳ぐ魚であって欲しいといつも思う。更紗の高級魚を飼いたいというのとは少し違う。現在の池の王者は鮒尾の素赤ワキンがひしめくワキン族である。王者に相応しい運動能力を持つ。広さ6坪の足場の悪い池で秒速2メートルの俊足で移動する王様女王様を捕獲することは不可能。この池で彼等を網で追ってみれば誰でも無駄な努力というのがどんなものか良く分かる。そして、瓜二つの素赤のワキンだらけなのですれ違ってクルッと回ればどっちの魚か分からなくなる。この捕獲できないこと、見分けが付かないことが、産卵シーズンのオスメスの確認・産卵前の隔離・厳選交配・産卵後の保護養生、病魚が出た時の症状確認・隔離治療・追跡調査などが全て不可能になる。日常は王様女王様王子様王女様の下男として働く怠け者の管理人にとって、正当な言い訳で仕事をサボれることは素晴らしいことだと思うのだが、もし、粗食に文句を言わず、網で掬えるほどの穏やかな遊泳力で、体にゼッケン番号に代わる模様があって、近所のオバさんに「この鯉、大きょなったねー。」と言われない金魚らしいボディを持って、『睡蓮の花に寄り添い佇む美少女』を演じて、『泳げば芍薬、止まれば牡丹』という風情を漂わして、ついでにボウフラまで食ってくれる王様達なら少しぐらい仕事が増えてもいいと思うのである。 
 そして見つけたのである。もしかしたら瓢箪池の新王者に相応しいのではないかという魚を・・続きは次回の投稿にて。

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2004年08月29日

飼育観察記・2004年8月

sk0408ike この一年を振り返りドタバタと投稿を繰り返した瓢箪池物語、やっとこれよりリアルタイムレポートとなる。これからは飽きないようノンびり続けていきたい。
 8月。世間の影響で自分もブログをやりたくなる。閃いたテーマがこの『金魚が自然繁殖する豪華絢爛系ビオトープ』。ちなみにビオトープの定義は、「人為的に自然環境を造り自然の生態系を再現する施設」というのが一般的解釈。自然繁殖、ビオトープ(特に「自然の生態系を再現」という箇所)を唱うことについては「異議あり」を突き付けられそうだが、憲法でも解釈自由な世の中である。『6坪の庭池で金魚が自然繁殖する豪華絢爛系ビオトープのお話』というサブタイトルは客寄せのため訂正しない。
 さて、池のこと。1、2日、台風10号通過。数年に一度あるかどうかの大雨。二日間の総雨量は600ミリを超える。30度を下ることがなかった水温が26度になる。注水を多くしてもどんよりとしていた青水が透明になる。久しぶりの澄んだ池は気分がいい。はたして稚魚はどうなってしまったのかと池の隅を探す。数の増減は確認不可能であるが特別変わった様子はない。相変わらずイカリ虫をぶら下げてはいるが・・。雨水の危険を述べる飼育指南があるが当地の雨水は水質良好なのか?あるいはこの池の魚が水質変化に鈍感なのか?あるいはそのどちらもなのか?8月中旬、再び台風接近、再び数年に一度あるかどうかの大雨。魚に異常なし。もう大雨、台風は心配事リストから外すか。この雨の後、風が涼しくなる。

sk0408tigyo 繁殖には絶対条件と考えていたミジンコの大量自然発生はなかったが瓢箪池生まれ瓢箪池育ちという歴史的快挙を達成した当歳魚、約25匹。嬉しいことに素赤じゃない赤白更紗模様の魚も数匹生まれた。まだ池の隅や睡蓮の葉の下で小さいもの同士が群れているが大きくなるにつれ少しづつ2歳魚の群れに混じるようになる。管理人が勝手にハラハラしていただけで稚魚は管理人の手を煩わせることなく大きくなった。成功するには何年かかるか見当もつかなかった『単池完結型繁殖』(自然という言葉は外す)は、いとも簡単に達成。もちろん取材には誰も来ない。

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2004年08月26日

飼育観察記・2004年6、7月

sk040867tigyo 6月。5ミリから2センチほど、サイズはまちまちだが雑に数えても40は下らない稚魚が泳ぐ。池全体ではその数倍はいると思う。2歳魚には2、3ミリほどのぺレットを与えているのだがこの稚魚等は何を食って成長しているのか?相変わらず池の隅を漂う稚魚の観察が日課となる。観察であって飼育ではない。手は出さない。6月になっても、水質が変わり水温が下がる雨の翌日、例の狂乱状態(産卵行動)になる。そしてまた産卵後のメスと思われる魚が死亡。
 稚魚の魚影が濃くならない。数が減った模様。糸くずのようなものを付けた稚魚多数。吸血寄生虫イカリ虫である。僅か2センチほどの体に数匹付けた魚もいる。人間なら腕ぐらいあるエイリアンを2、3匹ぶら下げて歩いてるようなものか。池の清掃、水の全換水を考えたが一体何匹の稚魚を掬い取れるのか・・・断念。のどかな田園生活を送る管理人にとってはイラクってどこっ?アルカイダってなにっ?て感じなのだがイカリ虫の巣窟と化した水の中では壮絶な殺戮が続く。2歳魚の数匹にもイカリ虫が付着しているが悪化する様子はない。自力で虫を落とすらしい。大した奴らだ。数匹の稚魚がエイリアンをぶら下げたまま体が黒から赤く変わり始めた。バケモノ金魚になるか。 
 7月。水温が30度を下ることがなくなる。最高水温は35度を超える日もある。給水量を増やし給水に庭木の散水用のシャワーノズルを使用。いくらか溶存酸素量を上げられるだろう。
 稚魚の数が減ってゆくのが分かる。別の器に移して育てる、という誘惑にかられる。自然繁殖を語るならこれも禁じ手だがせめて餓死によるリスクを軽減するため採取したミジンコを池に投入。ますます禁じ手だがメダカの餌を与える。今年はテストドライブということで了解いただきたい。

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2004年08月25日

飼育観察記・2004年春

sk0408haru1 3月。まだ冷える日もある。水温、8度から13度あたりか。腹が膨らんだ魚と野球のバットのような体の魚の見分けがつく。これでオスメスの判別をしたとすればオス30匹、メス20匹ぐらいだろうか。今春の産卵を確信する。産卵場所として睡蓮鉢を増やす。池底に堆積する7か月分のヘドロをどうするかで迷う。生物科学的根拠はないのだが、このヘドロは孵化した稚魚の餌となるミジンコなどの微細動植物の発生を促すのではと考え掃除はしないことに決める。(迷った時、管理人はいつも楽な道を選択する)これが吉とでるか凶とでるかは不明。
 4月のある朝、池を覗くとやっているではないか。これが金魚の産卵というものかとしばらく観察。全速全開で逃げるメスに全速全開で追うオス。池中が呆れるばかりの狂乱状態である。餌を投げても無反応。やっと新芽が伸びた睡蓮にメスが追いつめられ数匹から10匹のオスが神輿を担ぐように一匹のメスを水面に持ち上げる。産卵を終えたと思われるメス魚が池の隅でボーとしている。鱗は剥がれ、擦過傷で赤い体が白くなっている。
 5月。数日小康状態が続けばまた狂乱状態(産卵行動)を繰り返す。この産卵シーズンの間に2歳魚は50匹から30匹ほどに減少。死んだ魚のほとんどはメスと思われる。産卵による衰弱と擦過傷から感染症を発症するのである。毎年この事態を繰り返せばオスだけの池になってしまう。産卵前、産卵後のメスの保護が重大な課題となるが『単池完結型自然繁殖』という譲れないテーマに抵触しない方法はあるのか。来春までには良い解決法を見つけねば・・・。
 5月下旬、とうとう孵化した稚魚が池の隅で見かけるようになる。管理人にとっても瓢箪池にとっても歴史的な出来事。池の隅で稚魚を探すのが日課となる。ミジンコの自然発生を期待しているがその気配はない。この池は大量発生ができる環境ではないのか?増殖する前に魚が食ってしまうのか?あるいはその両方ともなのか?当池の源水は川の水である。動物性プランクトンの幼生が必ず流れ込むはずなのだが・・・。壁面に付く苔、水中の植物性プランクトンだけでも稚魚は成長できるのか?ウオジラミやイカリ虫の幼生は稚魚の餌にならないのか?という疑問もあるがこれを知るためには別室での生体実験が必要となる。自然科学とはマコトに???が付きまとう世界である。横着ではあるがどなたか実験済みでご存じの方いれば教えてくだされ。
 果たしてこの中で堂々たる当歳魚として秋を迎えらる魚が出るのか?稚魚の運命はいかに・・・。

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2004年08月24日

飼育観察記・2004年冬

sk0408huyu 2004年1月。水温は寒い日で3度、暖かい日で8度ぐらいだったか。秋の勢いはないが水温5度以上なら餌も欲しがるし、よく泳ぐ。寒波来襲、池底で全メンバーが一点に固まり静止状態。数を数える。小赤ブラザーズ、ピッタシ50匹、シュブンキン2匹、総勢52匹。これまで池に投入した魚、小赤150匹その他高級金魚27匹。生存率29.4パーセント。この数字は飼育技術を物語るのか。
 2月。ほとんどの金魚の飼育指南が屋外飼育の場合は冬は青水(植物プランクトン密度が高い水のこと)で越冬すべし、とある。水温の安定と餌切り期間の栄養補給が目的らしいのだが当池では底のヘドロや沈んだ落葉まで見えるほど澄んだ水である。池に漏水があり減った分を新たに注ぐのだが給水が多過ぎるのかもしれない。この冬、雪も降ったし氷も張ったのだが魚には異常なし。強靭な肉体を誇るワキン族のなせる技なのか。なにはともあれ冬期の青水作りが今年の課題となる。
 魚がまた一回り大きくなり、あのショボかった小赤ブラザーズがなにやら凛々とした凄みを漂わせる。「オレらが瓢箪池の王者だっ!」と言うはずはないが、言ったとしても管理人には『睡蓮の花に寄り添い佇む、風情ある美少女』を演じられる魚以外は興味なし。その『風情ある美少女』を演じられる高級金魚の色変わりを終えた当歳魚が市場に出回る夏、遅くても9月までに現在のこのワキン族を全て処分するつもりなのである。(まだ良い処分方法は見つからないが・・・)まもなく春。今年最大のテーマは自然繁殖が出来る環境の構築。今年の繁殖期はテストドライブとしてワキン族の現メンバーで突入する。『単池完結型自然繁殖』・・・成功の暁にはTV取材が来るほどの大事業なのか、やれば以外に簡単なことなのかは、この時点では不明。
 小春日和と冷える日が交互に続く。水温10度を超え天気がよければパラパラと餌を少し与える。この冬、池で死ぬ魚を見ることがなかった。めでたしめでたし。

seebee at 18:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!