05年飼育観察記

2005年12月31日

飼育観察記・2005年12月

sk0512saboten 『瓢箪池の様子』

 初旬に訪れた寒波が、ずっと居座り近年には珍しく寒い12月であった。数回、池に薄氷が張った。今年2005年の最大のテーマであった「瓢箪池ナンキン快適環境構築」は全く進まず、「アオサギの襲撃に晒されるワキン池」という、昨年と同じ年の瀬の光景となった。これは管理人の怠け者の性分が原因。しかし、真の怠け者はホームページなど作って、せっせと更新したりはしないのである。池でアオサギを数回目撃したので、なんとか、この鳥が魚を襲う瞬間を撮りたいと思うが、我家の魚の命よりカメラマン魂が勝る管理人は果たして何者?とも考える。あと何匹の魚が残っているかは不明だが、水中要塞の隙間からは数匹の小さいワキンが見える。


『ナンキン荘の様子』

 初旬には水温10度になり、給餌を止めた。水槽の上部を簾で全面塞ぐ。越冬体制に突入。冬は飼育作業は少なく楽な季節だが、この越冬方法については疑問や疑惑や迷いがある(このテーマは、いずれ改めて投稿予定)。夏の飼育の方が遥かに忙しいが悩み無用で淡々と作業ができる。
 先月、猫に鱗を剥がされた一匹のナンキンの傷が癒えない(あくまで管理人の見た目であって実際は不明)。体液が、ちょろちょろと染み出ている様な傷口である。いっそ、隔離して塩水浴治療を施すべきか?と、思いつつも仲間の群れと行動を共にしている間は大丈夫かも?と、考える(これも実際に大丈夫なのか?は不明)。魚の自己治癒能力を過信するタイプの人間なので、早期発見・早期治療という医学界の鉄則を無視。実は真の怠け者である可能性は大きい。


『追記』
 2005年の年末、池の辺りで沢山の仔を付けたサボテンが夕日を浴びて輝くのを発見。もしや、来年はナンキンの子宝に恵まれる予兆かも知れん!・・と思い、今回はこのナイスショットを掲載。しかし、赤いフナの子宝に恵まれる予兆の可能性も否定できないのが辛いところ。
皆様の新年が素晴らしい年でありますように。キンギョにうつつをぬかせる平和な日本でありますように。

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2005年11月30日

飼育観察記・2005年11月

『瓢箪池の様子』

sk0511ike2 11月下旬のある朝、いつものワキンの群れが見えない。白い膜状の物体が水面に浮き、水が濁っていた。遂にアオサギが舞い降り魚を食って行ったのである(隣人が目撃)。昨年もクリスマスイブにアオサギが現れ、「もうそろそろ来るかな?」と、既に想定内の事態だったので動揺はない。防鳥対策の無い露天池で泳ぐ金魚の自然の運命である。「池に網を張れよ。」と、家族ばかりか隣人にも言われる。こんな魚達でも可愛いのである(ワキンを「こんな魚」と呼ぶ管理人は軽薄者であることを忘れてはならん)。しかし、網は張らない。もしも泳ぐ魚がナンキンなら網を張る。「動物愛護精神の無い、品種差別をする薄情な奴」と、罵られる方を選択している。しかし、品種差別主義者である事は認めるが、飢えた野生のアオサギに情けをかけるのが動物愛護精神に反するのか?・・は、不明。これまで池のワキンが欲しい方には差し上げた。金魚の飼育知識の乏しい方(あるいは子供)に飼われ苦しみながら死んで行った魚も多いと思う。腹を空かせた野生のアオサギ君に差し上げて「薄情な奴」と管理人を罵る方々の方が軽薄者の部類に入る可能性があることを忘れてはならん!・・と、考える管理人は、所詮、屁理屈を世を欺く正義にすり替える男なのだろうか?・・。金魚は1回のお産で数千の子を産む。その子等の殆どは死んでゆく。飼育者の寵愛と加護を受けた僅かの魚だけが生き延びることになる。魚の生死で飯の味が変わるなら、この道楽からはキッパリ足を洗う。『瓢箪池・出雲ナンキンパラダイス構築』の野望を持った時から動物愛護精神は封印。
 まだ池には百匹程のワキンが残っているので、この先もアオサギは来るだろう。網は張らないが、睡蓮鉢を池の中央に集め、水中要塞を作った。魚はこの睡蓮鉢要塞付近で過ごすことが多くなった。しかし、こんなんで何匹の魚がアオサギの空襲から逃れ、身を守れるのか?は不明。瓢箪池は、殺伐とした管理人の心情と秋枯の風景が絶妙なハーモニーを醸し出す。



『ナンキン荘の様子』

sk0511nankin 先月、3匹のナンキンを盗った猫がその後も来訪。ネットを二重にして猫に嫌がらせをしたつもりだったが数日後、5匹が殺られ数匹が傷を負った。今回の新顔の猫は獰猛らしく、二重のネットも被せていた簾も蹴散らし、水槽の底には数百枚の魚の鱗が沈んでいた。これまでも猫が水槽を覗き込むのは何度か見かけた。しかし釣り糸の様な細いナイロン糸で編まれたネットを水槽に被せていただけで1年間被害が無かったのである。金網のネットを被せてからは、殺られることは無くなったが、網の上で暴れているらしく、網は、ひしゃげて水中に浸る日もある。毎日の様にこれが繰り返され、ナンキン達は怯えて、天気の良い日でも簾の下の暗闇から出て来ない。元々、11月は水温も下がり金魚は大人しくなる季節だが、明らかに人影に怯えているのが判る。実は、以前から魚は大きくなるが水槽は大きくならず、魚の過密を心配していたが、猫に適正飼育密度を維持してもらうほど落ちぶれた飼育者になるとは思わなんだ。この猫は我家の活動時間には姿を現さず、深夜から夜明けに魚を襲う確信犯である。これまで魚の天敵には大らかな態度を気取っていたし、懸案の水槽の過密問題も解消して貰った恩があるが、もし、この猫を捕獲できたら考えられる限りの精神的苦痛を与えてやろうと考えるしだい。
 猫の爪で傷を負った魚にはイソジン(人間用外傷薬)を患部に塗布した。今のところ、悪化は無い様子。生き残りのメンバーには無事に、この冬を乗り切ってもらい、来春は生まれて初めてのナンキンの自家繁殖に手を染める覚悟だが、1回のお産で数千の子を産む金魚の生死を見つめて、楽しいか?楽しくないか?・・は、現在不明。またもや飼育能力を超えた魚を廃魚として瓢箪池界隈に住む生物の食料として提供するのか?・・ただ・・1度は踏み入れなければならん世界である事は明らか(個人的な世界ではあるが・・)。暗い話題が多い今日このごろ。

『追記』
明るい話題を披露。出雲でナンキンを飼育する方が、サイト『出雲ナンキン観察日記』をオープン。羨ましいばかりの美しいナンキン・・信頼出来る飼育アドバイス・・等々が掲載されている。何故このようなサイトが、これまで存在しなかったのが不思議中の不思議。素晴らしい出雲ナンキン・サイトに発展されることを祈願。

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2005年10月29日

飼育観察記・2005年10月

『瓢箪池の様子』

sk0510ike2 10月。涼しい日が続く。焼酎のお湯割りが似合う季節となった。天気が良ければ一日一度、池に三掴み程の鯉の餌をバラ撒く。水が減れば数日に一度、蛇口を捻り継ぎ足す。今月の日常の作業は以上。多分、来月も同じ。そしてこれが理想の瓢箪池式楽チン飼育法なのだが、いつかはこの池で泳ぐナンキン荘の魚達が、こんなんで喜んでくれるかどうか?・・は、今は不明。
 今年生まれのワキンが人懐こいのは群れの数のせいであることを発見。池の中央付近にはいつも100匹近い群れがいて、この群れはゾロゾロと餌を求めて人の足元まで近づく。池の隅にも小さい群れが居るが、こちらは人が池に寄ると散って遠ざかる。金魚は群れの集団が大きいほど恐怖心が薄らぐらしい。「金魚は群れるのを好む」と言うのはホントの話。しかし、魚を喜ばせようとして狭い水槽に多くの金魚を詰め込み、魚の首を締める飼育者は後を絶たない。池に蔓延ったホテイアオイとウォーターレタスの大部分を廃棄した。魚が良く見える。やはり三百近い数の魚が居る(池に多くの金魚を詰め込み、魚の首を締める管理人は果たして何者?)。今月一度、餌を切らしてしまい、管理人の餌を分け与えてみた。良く食べる。パン、ピザの皮、飯粒、かまぼこ、ソーセージ・・魚は全て平らげた。川で魚を釣ったり、生物の授業が辛くなかった人なら、ほぼ間違いなく金魚の餌のチョイスには失敗しないと思う。胃腸が丈夫なワキン限定の話???ではあるが、飼育者と魚が涙ぐましい努力を積み重ねればチョコレートぐらいは食うかも知れん。今ある餌のペレットが終わったら本格的に我家の残飯を与えようか?と、考えているが・・餌代をケチらねばならん程の数の魚を飼うものではない。
 
 
『ナンキン荘の様子』

sk0510nankin3 月末の水温は15度あたりで推移。以前より餌の量を減らした。中4日から5日だった換水ペースを1週間に一度にした。換水量は約半分。水温も下がり日差しも弱くなったので青水にならず澄んだ水になる。ナンキンは澄んだ水での飼育を推奨されるが、理由は良く解らない。一度、勇気を出して由緒あるナンキン掲示板に「教えて下さい。」と、書き込みしたが、「なるほど!」と、思える解答には巡り会えなかった。『世間を当てにする者、本人が当てにならず』(自作格言)。いずれ「ナンキンの謎の飼育極意」について投稿予定。
 先月から入院生活を送っていた1匹のナンキンは回復。餌も良く食うし良く泳ぐ様になった。痩せてしまったが、以前より俊敏に軽やかに泳ぐ。もしやナンキンにとっては、こういう体型を維持した方が長寿と健康に繋がるのでは?と考えてしまうほどである。「イアン・ソープ」と言う名を付けた。そろそろ仲間の水槽に戻そうと考えていたある日の朝。病室にイアンが居ないのである。まさか退屈な入院生活に飽きて無断外泊した筈はない。被せてあったネットが乱れていた・・そして誘拐犯は水面に3センチ程の白い毛を数本残して去った。我家に最近頻繁に出入りする猫が容疑者として浮上する。隣のナンキン荘にもチョッカイを出した形跡があるので魚の数を確かめると、桜組の9匹は無事。ところが桃組の11匹が9匹になっていた。本来なら5年10年20年の寿命がある金魚を死なせる殆どの理由は飼育者の不注意か無知か怠慢か故意である事を知っているので、猫を逮捕したり尋問したり出入り禁止にするわけではない。とりあえず防犯ネット二重張りで対応。お気に入りの赤頭巾が残ったのは絵に描いた様な不幸中の幸い・・。


 

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2005年09月30日

飼育観察記・2005年9月

『瓢箪池の様子』

sk0509ike3 9月、秋。オバーヒートし易い古い空冷エンジン仕様の体質を持つ管理人には、秋は一番の快適シーズン。今年の夏は我家界隈は雨が降らず、猛暑続きで堪えた。温暖化現象よりも肉体の老化がいつもの夏より堪えた原因では?とも考えられる今日この頃。
 8月に我家の庭に突然出現したアマゾンの湿原は9月になっても池を覆い、相変わらず金魚の安否は不明。毎日拝みたい魚は池には居ないが、久しぶりに魚の様子も見たくなりホテイアオイとウォーターレタスの一部を撤去した。魚には数週間、餌を与えなかったし、トノサマガエルもまだ数匹居るので少しは数が減っているか?と思ったが、そんなことはなく、やはり数百匹の魚達が泳いでいた。赤い魚だけではなく、黒い魚も沢山居て、この保護色の魚のせいで生息数が、はっきり分からない。これまで数十匹が他家に貰われて行ったが、減った気が全くしない。
 久しぶりに太陽光線を浴びた魚達は喜んでいる様で明るい水面で過ごすことが多い。昼間の金魚は日の光がお気に入りらしいが、夕暮れになると水草の下へ潜り姿を隠す。今年生まれのワキンの幼魚は何故か人懐っこく、池に佇めば餌を求めて足元まで寄って来る。その中の数匹は水中に手を入れれば指までしゃぶる(よほど飢えている可能性は否定しない)。昨年までの魚は、近寄っても1メートルを境に身を翻し遠ざかっていた。人間の寵愛無しでは生存できない運命の金魚は、甘えた素振りで飼育者の歓心を買う処世術に長けた方が種の維持には有効。瓢箪池の金魚は進化したのか?とも考えられるが、真偽は不明。
 池の漏水が激しくなり、4日ほど給水を怠れば水位が半分になる。壁面のモルタルが乾燥・収縮を繰り返した結果、亀裂が進行した模様。池の補修・改修は以前からの懸案事項だが、今、泳いでいる魚を他所へ移す術が無い。既に、この冬には池のワキンはアオサギに食われることを覚悟している。コウノトリやトキの保護のために魚を与える行為が薄情でないなら、地元のアオサギのために金魚を捧げる事も薄情とは言えまい。よ〜く考えて見れば、瓢箪池は世にも不思議な池で、春にオスメスが数匹残れば、また子孫を残してワキンパラダイスが復活してしまう。この連鎖を絶たねば瓢箪池ナンキン化計画はいつまで経っても進まない。来年はどんなメンバーが池で泳いでいるのかは不明だが、数々の懸案事項も悩みというほど苦い思いにならないのは怠け者の特技。
 9月中旬には睡蓮の開花は終わり、入れ替わってホテイアオイの花が咲く(なかなか渋い花を咲かせる)。


『ナンキン荘の様子』

sk0509nankin1 池に比べれれば、こちらのプラ舟水槽は何の季節感もなく水温計の目盛りだけが秋を物語る(9月末には22度を記録)。今月初旬に1匹のナンキンが異常を来たし、故障した潜水艦の様に水槽の底で横たわった。久しぶりにネタが出来たと喜んでいる場合ではない。ワキンでは無くナンキンである。これまでワキンには治療など行ったことは無いが、このナンキンには隔離塩水浴治療を施すことにした。人類も金魚も皆平等ではないのである。「品種差別だあ!」とワイワイと権利を主張しないのが金魚の可愛い処。
 魚を掬い、尻の穴までチェックしたが体表には異常は見つからない。もしや鰓病か?と鰓の動きを見ても明らかな鰓病の兆候は発見できない。感染症の可能性は小さいと考え、薬は使わず0.5パーセントの塩水浴と餌切りのみで対処した。約1週間後・・傾くこともなく、管理人が覗き込めば泳ぐようになったので数粒の餌を与えたが食べる様子は無い。瓢箪池クリニック(プラスチック製タライ)の隅々まで探しても糞も発見できない。この魚は隔離治療を始めて既に3週間以上経過したが、痩せてしまい現在は三つ尾のワキンと大して変わらない姿になった。しかし魚にとっては姿などはどうでも良いことで、苦しく無い事、飢えて無い事、生存している事が全て。管理人の能力では今以上の処置は思い当たらず、このまま死んでしまうのか?復活するのか?は、この魚の運命。
 その他の20匹のナンキン兄弟は異常無く、水温が下がってもバクバク餌を食う。「チビ揃い。」だとか「頭が赤い。」だの「尾が呪われた三つ尾じゃ。」だの「尾が捲れてる。」などと細かいことを言わなければ、全員見事なナンキンプロポーションをキープ(平凡の域を出るほどのナイスバディではない)。瓢箪池物語開設一周年、ナンキン兄弟生存一周年の祝いに我家のナンキン荘(今月からこう呼ぶことにした)、桜組9匹、桃組12匹の全員集合記念写真を掲載。桃組の一匹の仲間が病室での別撮りなってしまったのが残念。

『追記』
 乗り物嫌いの旅行回避派だが、いつの日か・・出雲の品評会で戦う本場の絶品ナンキンを見に行きたいと思う今日この頃・・。

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2005年08月28日

飼育観察記・2005年8月

sk0508ike3 我家に初めて金魚が来て2年。瓢箪池物語開設から1年。内容品質はともかくボリュームなら短編小説並みの投稿記事が積み重なった。壮大?なノンフィクション自然科学叙事詩?にしては、何の反響もなく、たまにコメントやトラックバックをもらっても、殆どが、世間では「あふぇりえーたー」とか呼ばれるアクセス至上主義者からのものと、管理人のポケットマネーを狙う胡散臭い組織からのエロメッセージ・・・瓢箪池物語は、まだまだ序章に過ぎない証。
 現在、池には多分300匹ほどのワキンが泳いでいると思うが、写真の様な風景なので確認不可能。8月の太陽光線のおかげでホテイアオイとウォーターレタスが大繁殖し、池はアマゾンの湿地を思わせる様相。小学生以下の子供にはワニを飼っていると語る。「ウソじゃ。」と言われるが、「夏だけワニをレンタルしてくれる処があるんじゃ。」と語ると、田舎の子供にはまだまだ素直なのが居て「何処でレンタルしてくれるんじゃ?」と尋ねるのが居る。それほど、ワニが泳いでも違和感の無い風情。



『別館のナンキン』
 8月下旬には涼しい風が吹き始め、プラ舟水槽の水温は25度近辺を迂路つく。全員、体調良好。来月になると我家に来てから1年の生存となる。1年というのもメデタイが、この水槽で死んだ魚が居ないのも大変メデタイ。「キンギョのアップの写真をもっと載せろよ。」と、おっしゃる愛読者の方が、いらっしゃるのでただいまアップの写真を撮影練習中(なかなか難しい)。金魚どころでない生活が続くので今月は、以上。



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2005年08月01日

飼育観察記・2005年7月

sk0507wakin2  毎月お約束の飼育観察記もマンネリ化。そして池は相変わらずの風景。トノサマガエルはまだ池に2匹ほど生息するが放置。毎日数匹の魚が食われても別に事件とか事故というほどでもなくなった。ワキンの稚魚は、また大きくなり、餌を投げればピラニアの如く突進してくる。金魚の餌代などで我家の家計はびくともしないと思っていたが、育ち盛りのワキンの幼魚が300匹もいるとジャブほどにはダメージを与える。餌をコストパフォーマンスの高い大玉の鯉の餌に替えた。餌の時間は、まさに運動会の玉転がし状態(皆さんに大変好評)。

 先月、オファーがあったワキンの幼魚の引き取りの件はキャンセル。鯉を入れてしまい金魚を飼う余裕が無くなったとのこと。スペインリーグやセリエAなどの海外のサッカークラブで暴れる野望を持つJリーガー達の揺れる心情とキンギョの心情とを無理矢理重ねてみるが、これは無意味。瓢箪池のオーナーだけが「コイツ等の移籍先をなんとかせねば・・。」とか「またアオサギに引き取ってもらうか・・。」とかで揺れる心情。8月に開かれる地元の盆踊り祭りのキンギョ掬い屋台に寄付という一瞬閃いた処分法も断念。もはやキンギョ掬いのチリ紙ネットで掬えるサイズではない。
 スーパースター揃いの『瓢箪池ナンキン化計画』は延期に継ぐ延期。いったい瓢箪池物語は既に後半に突入しているのだろうか?あるいはまだ前半の前半にも届いてないのか?・・は、不明。


sk0507nankin『別館のナンキン』
 スーパースター予備軍のナンキン兄弟達も大した事件も事故も無く、餌を投げればピラニアの如く突進してくる。ちょっと大きくなったと言う以外のネタは無し。個人的な意見だが、魚はハングリー状態の方が健康的に見える。暑いのか、餌の時間以外は簾の影でノンビリ泳いでいることが多い。

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2005年07月03日

飼育観察記・2005年6月

sk0506ike 先月の飼育観察記に掲載した睡蓮の写真を、とある愛読者に褒めていただき、調子に乗って今月も睡蓮のローアングルショットがオープニングを飾る。6月には池の主役は完全に睡蓮。暴力的なほどの勢いで池を埋め尽くすが、これはこれで嫌な風景ではないし、こういう花池もありかな?とも思う。魚なんかは居ない方が遥かに気苦労が少ない。サブタイトルも『睡蓮が狂い咲く庭池構築に燃える管理人と、そんなことは知ったことではない植物のお話。』にすれば今年あたりで瓢箪池物語を完にできたかも?と考える。
 5月に悩まされた藻は自然と消滅。光エネルギーを睡蓮に奪われたことが原因と推測。敵を倒すには敵の好物を奪うことは有効な打倒方法。増殖した睡蓮は近所のホームセンターに売捌く予定だったが面倒になり中止。幾らかは訪問客が持ち帰ったが、これからは、より強引に我家の土産物として訪問客に押しつけなくては・・(迷惑は承知)。
 先月から現れた死神(トノサマガエル)の逮捕のために、朝、池に近づく際には既に捕獲用の網を手にしている。池を覗くこの一瞬が勝負。カエルは危険を察知すると一瞬で水中に潜る。カエルの逃亡パターンを把握してからの検挙率は幾らか向上。逃したカエルの水中に潜り込む音の数で生息数を推測。常時2匹ほどは存在している。以前よりは少なくなった。もう金魚には飽きて何処かへ去ったのかも?とは考えられず本当の理由は不明。
 6月中にはワキンの稚魚はトノサマガエルに食われて絶滅かと覚悟していたが、ある日、突然、不思議な風景が現れる。まだ睡蓮の魔の手が伸びていない池の入り江で数十匹の稚魚が親魚と群れて泳いでいる。それも既に色変わりの終えた赤い幼魚もずいぶん居る。親魚も5匹の生存を確認できた。本当に突然現れた。管理人に次ぐ池の観察者(近所の人)に「新しい金魚、入れたんなー?」と問われるほどである。数ヶ月振りに餌を水面に撒くと続々と、また幼魚が現れ、睡蓮が邪魔で数えられる訳ではないけれど200匹以上の幼魚が存在する。全く瓢箪池の金魚の生態は読めん!いずれの魚も見事な鮒尾のワキンで、ただの鮒としか見えない魚も多数。
 こんな魚達がなんと!近所の方から「分けて貰えまいか?」とオファーが届く。管理人はこの方の人柄も所有する池も把握しており喜んで全て差し上げたいが、この方が所有する池の広さは約1坪(約3.3平米)。しばらくなら200匹の幼魚と数匹の親魚は生存できても、いずれは成長に伴う過密による環境悪化で生き残れる数はしれている。それでも、この際、ワキンとの縁をスッパリ切るためにまとめて処分できるこの機会を逃したくない自分はやはり薄情者なのかも?2005年生まれの幼魚は日ごとに魚体を赤くさせながら大きくなるが、複雑な気分。


sk0506nankin 『別館のナンキン』
 今年は雨なしの梅雨。晴天日が続き初旬より水温25度を超え下旬には30度に迫る日もある。水温の上昇を抑えるのと、青水が濃くならないように簾で水槽を3分の2は覆う。秋まではこの薄暗い水槽を維持する予定。週1回の換水では水質維持は不可能と判断し、週2回に換水ペースを上げた。換水量は半分であったり、3分の2であったりするが、このペースなら水槽の底の糞まで見通せる透明度を維持できている。以前より太い凛々しい糞が多いのは魚が大きくなったのと良く食う証。
 6月中旬のある朝。いつも以上にナンキン達が元気に泳ぐ水槽を見る。一瞬、不可解な気分になったが、しばらくして理由が判明。1匹のナンキンを数匹のナンキンが追っているのである。生殖行動である。この追われる魚は以前より水槽No.1の太鼓腹の持ち主であったので、もしや卵を抱いたメスでは?と考えることもあったが、既に産卵シーズンからは外れた季節なので元々こういう体質なのか?とも考えていた。今年のナンキンの繁殖は頭に無かったのだが、一瞬、ナンキン増産の欲望がムラムラした。本気になればミジンコ(稚魚の餌)も手に入る。が、その本気のために消費する時間・気力の捻出の見通しがつかない。最近は瓢箪池物語の投稿記事を書くのさえシンドイ状況なのであっさり断念。あっさり断念と語りながら別の案が浮上。ナンキンの受精卵を瓢箪池に沈めて後はホテマクリ繁殖法(ワキンではあるが連続2年成功の実績あり)を採用し静観という案。「これならイケル!時間も気力も必要なし!」と、これまた一瞬考えたが、数百匹のワキンに突かれ彼等の糧になるのは明らか・・。
 繁殖を断念すれば次に考えるのがメスナンキンの保護・隔離。以前よりこういう状況ではコイツを使おうと準備していたザルを水槽に沈める。絵に描いたような『備えあれば憂い無し』。もっと以前からこういうシャキシャキ者だったらもっとマシな生活を送れていた筈。メスをザルの中へ移動。ザルの編み目に魚体を擦り付ける様な泳ぎを繰り返す。その日の夕方にはザルに少量の卵が付着していた。そして太鼓腹も幾らか縮小していた。自然の生理と人間の管理下に置かれる運命との狭間で彼女は何を想うか?は不明。5日程は薄暗いザルの中で淋しく静かに過ごさせ、その後、異常もないので仲間と合流させた。もうオスに追われることはなかった。我家のナンキン達の中ではベスト3に入る美貌の持ち主がメスと判明したことが管理人には収穫。
 オスに追われるナンキンを発見したのは今回初めてだが、既に水槽内で産卵した魚は数匹はいたかも知れない・・と、いうのは寄生虫を落とす様にエアーチューブや水温計に魚体をぶつける魚を何度か目撃したことがあるが、ザルに卵を生んだ魚に動きが良く似ていた。
 

『別館のワキンの稚魚』
金魚の稚魚の水槽育成という貴重な初体験を管理人に与えてくれた4匹のワキンの幼魚は現在、池で仲間と生活。

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2005年06月14日

飼育観察記・2005年5月

sk0505suirenkaeru 遅ればせながら、5月の飼育観察記・・・睡蓮がいつもの年より早く5月初旬には今年最初の花を開いた。隣人が孫を連れて我家の庭を横切るのを散歩ルートにしており、この方も睡蓮の花はお気に入り。4月下旬に発見した池の稚魚は、スクスクと育ち5月の中旬には大きいもの4センチ、小さいものでも2センチとなり100匹は下らない数が泳いでいた(実際の生息数はその数倍と推測)。今年生まれた稚魚の数は昨年より遥かに少ない筈だが生存率は確実に高い。昨年との違いは親魚が数匹しか居ないので親に食われる仔が少ないことが理由と推測。あまり増えては困る事態になるが、嬉しい気分はある。昨年のホテマクリ繁殖(カテゴリー「魚のことなど」、『2004年・・・ホテマクリ繁殖』参照)を踏襲し餌は何も与えないのだが、昨年よりは幾らか気を配ったことがある。池の水位を以前より10センチ下げたことと、排水を控え水位が下がった分のみ新水を注ぎオーバーフローさせないことの2つ。水位を下げたのは幼い稚魚は浅い場所がお気に入りらしく水深の深い場所にはあまり近付かないという観察があったから。排水を控えたのは稚魚と数匹の親魚しか泳がない池なので水質悪化より、稚魚の餌となる水中の微生物密度を下げない方が生存率を上げるには効果的と判断したため。実際に池の水を掬い凝視すると田圃のミジンコとは種は異なるが動物性プランクトンが存在している。しかし今年は藻の発生が多く、これほど藻の撤去を行なった年は今年が初めて。池の換水量を抑制したことが原因では?と推測している。この春の池の観察で想うことは、金魚の繁殖においてミジンコを水槽で自家生産する必要はあるのか?ということ(現在、別館の水産試験場で生産している)と、稚魚をわざわざ水槽で隔離飼育する必要があるのか?ということ。有るとも言えるし無いとも言えるのだろう。更に言えば金魚を増やす必要はあるのか?・・などなど、道楽に付き物の義務も責任もない他愛のない問題・・。
 
 稚魚が順調に大きくなり賑やかだったのも5月の中旬まで。トノサマガエルが池に出没し始めた頃から池の稚魚の魚影が薄くなり始める。稚魚はみるみる減ってゆき、今では稚魚を生んだワキンの親魚さえ見かけなくなった。これまで「打倒、アオサギ」が最大のテーマだったが、このトノサマガエルも瓢箪池を滅びの道へ導く地獄からの使者には違い無い。「もう〜食えね〜。」と満足そうに睡蓮の葉の上で一服されると殺意が湧くが、個人的な憎しみで刑を重くしないのが管理人のエライところ(こういう自画自賛の性格が友人を失う)。既に20匹以上を逮捕して川へ流したが常時5匹ほど池のどこかに潜んでいる。以前、トノサマガエルのことをカテゴリー『池にまつわる生物』に投稿にしたが、ここ2年の観察では秋以外には池では見かけなかった生物であった。『たかが2年の観察経験などは語るべからず』と、肝に銘じようかと考えたが、そんなことするとネタがなくなるのでこれからもドシドシ語るつもり。なんにしても、もう「春は安心だあ」などとは考えまい。年中無休で数々の天敵が魚を狙う。カエルを捕まえても次から次へとやって来る・・多分、このままでは池の金魚は全滅・・「この瓢箪池でいつか出雲のナンキン仙人がたまげる魚が生まれたらエエのー・・。」と、池の辺りでビールを飲む夕暮れがあったが、その前にこのトノサマガエルの撃退法を練らねばという新たな難問がビールを苦くする。ナンキンの稚魚がスクスクと育ち、池の辺りで甘〜いビールを飲める日が、いつか来るのかは現在不明。瓢箪池には田舎暮らしの数々の恩恵があるが、田舎に生息する死神野郎等も呼んでしまうのである。


sk0505nankin 『別館のナンキン』
 殺戮地獄の瓢箪池を知らず、明2歳のナンキン達は性欲より食欲の5月であった。暴れん坊将軍のオスが現れることもなく平和な水槽であった。昨年の9月に我家にやって来た時は、毎日、病魚が出ないかと気になる日が続いたが、今は毎日2回の給餌と週一度の換水を淡々と繰り返す日常で「金魚は環境と水と餌に失敗が無ければ健康で長寿」というのは管理人が自信を持って語れる飼育極意であるが「どういう環境がいいの?」とか「どういう水がいいの?」とか「どういう餌がいいの?」とか問い詰められると目の焦点がグルグルする事態になるので、そういったことは金魚のカリスマを目指す方々に尋ねて下され。
 5月になると1週間で魚の輪郭がぼやけるほど水槽は青水で濁る。高性能濾過器があれば維持できるかも知れないが、銭をかけないことは手間をかけないこと同等に重要な飼育テーマなので1回の換水量を以前より多くすることで対応。一時、我家のナンキンはワキンと比べると成長が遅く、飼育方法に問題があるのかと考えたが、この成長の遅さは、この魚の特質らしい記述を目にしたので不安は解消されて今は気分スッキリ。今月の飼育観察記には『ナンキン兄弟、瓢箪池に決死の総突撃』という感動的な見出しの筈だったが、予定していた池の改修工事とナンキン兄弟の引っ越しは再延期。何をグズグズしてるのかと言うと春に生まれたワキンの稚魚の保護・捕獲が不可能と判断したためとトノサマガエルが出現したこと。

『別館のワキンの稚魚』
 4月下旬に、20匹程の稚魚を池から掬い、初体験の稚魚の水槽飼育を始めた。当時、4ミリから10ミリの針子と呼ばれる稚魚が5月の末には3センチから5センチほどに育つ。他の金魚の繁殖家の様に鰭がどうの体型がどうのとかは気にしない。管理人のレベルでは何センチという大きさのみが成長の証であり記録。爺さん婆さんが25円の身売り価格だったので孫も末端価格25円の金魚となるのが最初から明らかなので選別という作業もしない。ちゃんと立派な鮒尾のワキンに育っている。自家製ミジンコを水槽に入れ稚魚がミジンコをパクつく姿を見るとシメシメと嬉しくなる。我家のミジンコ生産能力は数十匹程の稚魚なら養えることを発見。夕方までにはミジンコは全て稚魚の腹に収まる様で水槽には殆ど残らない。何度かミジンコ水槽に湧いたボウフラを与えたらこれも夕方には消えている。ボウフラは稚魚の餌になるという事実を発見(好物かどうかは不明)。現在、水槽に4匹が残る。残りの稚魚はどうしたかと言うと、数匹の稚魚の死骸は掬い取ったが、多くの稚魚はいつの間にか水槽から消えた。もともと体の大きさにはムラがある群れだったので小さな稚魚は大きな稚魚の生きる糧になったらしい。生きてる仲間に齧り付いたのか、死んだ仲間を齧ったのかは不明。水槽で自家製ミジンコを与えるという金魚のブリーダーさながらの飼育経験は貴重には違いないが、池と同様に此処でも熾烈な弱肉強食が繰り広げられる。池で泳ぐ稚魚との違いは、体色が薄いこと(淡い茶色、池の稚魚は黒か褐色)と、体が太いこと。体色が薄いのは水槽への日光の照射量が少ないことが原因と推測。体が太いのは水槽が狭く、目の前にミジンコがウヨウヨするので運動不足で肥満なのでは?と推測。この稚魚水槽にはエアーレーションを行なっていない(管理人の生命維持装置嫌いは飼育哲学になりつつある)ので無駄な酸素を消費したくないのか普段はあまり泳がない。体色が赤くなる色変わりは、もうしばらく先だが、4匹のワキンの稚魚は管理人に懐くことなく大きくなる。

『追記』
写真の奥に並ぶ水槽はミジンコや植物プランクトンの培養試験水槽。別名、瓢箪池水産試験場。最近、ボウフラ(蚊の子供)が湧くのと異臭を放つので近日、撤去を予定している。2005年のミジンコ観察レーポートは昨年よりは進化した内容でご報告予定。

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2005年04月29日

飼育観察記・2005年4月

sk0504nankin 『別館のナンキン兄弟』
 欠かさず水温計をチェックするのが朝夕の日課だったが、もう水温フェチは卒業。今は、水温計を見なくとも天気と空気で大体の水温の予測が付く。やはり継続は力なりである。ついでに人間健康一番。四月になって春ウララどころか外を歩けば汗ばむ日もあり、明2歳のナンキン兄弟達は3月のウキウキモードからキャピキャピモードとなるが、メスをしつこく追尾するオスは現れない。発情したオスの証である追星が出た魚も見ない。何故だ?・・既に水温は18度から22度・・絶好のイチャイチャ日和が続くが、我家のナンキンは発育不良で生理不順なのか?・・と一瞬考えたが贔屓にしている掲示板を見ると「出雲ナンキンは奥手で2歳ではオスメスの判定は難しい。」という書き込みがあるではないか。なんというタイムリーな書き込み。この掲示板の運営者に感謝したい(出雲ナンキン談話室)。もともと今年はナンキン増産計画はないので淡々と我家のナンキンの生存を願うばかり。
 4月になると3月より魚が大きくなっているのが分る。この調子で30センチの巨大金魚になって貰いたい(現在9センチから5センチのチビナンキンが21匹)。デカイ魚ほど美しいとか価値があるとは言わないが、金魚の場合、大きさに依る存在感は美醜を越える(個人的な意見)。
 今の季節は週に一度、半分の水を換えているが、管理人が耐えられる換水作業はこれが限界。しかし、魚が大きくなり水温がまだまだ上昇するこれからの季節は換水ペースを上げる必要があるし、水槽も手狭になる。運命の瓢箪池突撃の日が迫るのを感じるが、池の最終改修案がまだ決定できないでいる。色々と案だけは増えるが、何れも落とし穴があるし、明るい瓢箪池生活をナンキン兄弟に提供できる自信が湧いてこないのである。2004年第一次瓢箪池突撃隊のナンキン達が玉砕した理由をもう一度じっくり検討してみたい。

sk0504ike 『瓢箪池のこと』
 睡蓮の株分けを行なった。小さな株は捨てたが、花を咲かせられるサイズの株は家にあったプランターを掻集め移植した。池は睡蓮畑の様相。こんなに増やして商売でもやるのか?と問われれば、実はやるのである。近くのホームセンターで睡蓮の株がなんと1200円で売っているのである。それもチッコク弱々しいのが・・魚の生き血を吸って大きくなった瓢箪池育ちの逞しい睡蓮で、しかも間もなく花が開こうとする蕾を持つ睡蓮なら卸売り価格でも1000円は堅い・・と、いうモクロミだが、もし思惑が外れた場合は瓢箪池物語を御贔屓にして下さる方の中で「我家にも池があって睡蓮を楽しみたい。」とおっしゃる方がいらっしゃればタダでお譲りいたす予定。
 魚の話。池には相変わらず生き残りのワキンが数匹泳ぐだけ。たまに魚を見かけると餌を撒くが魚は食べない。管理人の姿が消えた後に食べているのかも知れないが、この愛想が無いのは金魚のDNAレベルでの深い要因があることに気が付いた。池の隅でじっとしていることが多く、広い池では金魚は群れないと泳がないし人に怯えるということ。飼育密度と群れには深い相関関係があるが、この事はいずれ稚拙な考察を改めて投稿予定。
 4月下旬。池で繁殖した藻を取り除き、水を半分ほど入れ替えた。澄んだ水を覗くとナント!稚魚が数十匹泳いでいるではないか。確かに明2歳のチビワキンが数匹泳いでいるが、まさか子孫を残すとは思わなんだ。目出度く喜ばしい気分もあるが、5月には池を干しての改修工事を予定しているのにコイツらをどうすりゃいいんだ?!と新たな問題の発生に当惑。下流で達者に暮らせるなら排水口からまとめて川に流すのだが・・そんな魚はおるまい。既に我家には自家製のミジンコも居る。少しの稚魚なら養えるかもと思い20匹程の稚魚を掬い容量20リットル程のプラケース水槽に入れた。3ミリから1センチ程の生まれて間もない稚魚である。こんな風に水槽で稚魚を飼うのは初めての経験。昨年のホテマクリ繁殖(魚のことなど『2004年ワキン族による単池完結型繁殖 』参照)では得られなかった新たな観察を内心期待している。ある意味、これは生体実験と言える。
 今年はドラマチックな繁殖予定もイベントも無いと思っていたが池の魚はいつもネタをくれる。現在、瓢箪池別館にはナンキン水槽2つ、ワキンの稚魚水槽1つ、ミジンコ(稚魚の餌)水槽3つ、青水(ミジンコの餌)水槽2つ、各種試験水槽(バケツ)3つ計11つの水槽がズラズラ並ぶ。我家のガレージは水産試験場と化す。瓢箪池水産試験場の様子などはいずれまた・・。

『追記』
4月初旬からの3週間。川の上流で工事が行なわれていたらしく、昼間は川の水が濁り給水できない日が続く。夜間、水が澄んだ頃を見計らい給水するが、瓢箪池の命の源の行く末を安じる。

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2005年03月31日

飼育観察記・2005年3月

sk0503wakin5 3月のある休日。庭でゴゾゴゾしたら汗をかいてシャツ一枚になれる程の今年一番の小春日和。池を覗くと赤い小さな魚が泳いでいるではないか。もう2ヶ月近く池で泳ぐ魚が確認出来ず、既にアオサギに食われて全滅したと思っていたが7匹ほど居る。死んだはずの魚が蘇った様なトキメキを感じたが、もしや近所の人が魚の居ない池を見兼ねて放したのではないか?という疑いも一瞬湧いた。しかし魚は確かに見覚えのある素赤と鮒色の鮒尾ワキンである。全て体長10センチ以下の昨年、瓢箪池で生まれた歴史的快挙魚である。この小さく臆病なことがアオサギの襲撃から身を守ったらしい。この冬は岩陰で管理人の目も避けてじっとしていたらしく、健気でもあるが、悲壮な心情を察すると何か褒美を与えたくなり餌を池に投げたが食べない。秒速3メートル(正確ではない)で泳ぐかと思えば突然静止、管理人の影が動くと一瞬で岩陰に消える。野生化した・・と言うか・・先祖の鮒に戻ったと言うか・・世の中は恐ろしいという悟りなのか・・久々の対面でしばらく見ていたが彼等はもう金魚ではない。その後、毎日姿を現すわけではなく天気の良い日だけたまに現れる。そして見かけるのは何故か夕方が多い。
 今春からは池をナンキン専用仕様に変更できると考えて、いろいろ改修案を練っていたがワキンが居ては面倒なことになる。一緒に仲良く泳いでくれればいいが、間もなく壮絶な繁殖期を迎える。昨年の観察から、このワキン達の中にオスが居れば狂った様にナンキンを追い回す風景を想像できる。隔離したくてもワキンを網で捕まえるのはこの池では不可能。ワキンとの縁を自分の手を汚さずアオサギが断ち切ってくれたと内心ほくそ笑んでいたが、またしても腐れ縁復活(喜ぶべきか?悲しむべきか?は不明)。だからといって急遽、防鳥ネット工事の予定を早める気にはなれず・・「アオサギ君がまた来て食べられてもボクは知らないよー。」・・などと言うと薄情者と罵られるのは承知だが、何分、世間に疎まれる正直者の飼育記録なので・・。
 3月末、日本代表チーム(サッカー)は昨夜、バーレーンに勝って気分も天気も春ウララ。ワキンのことは忘れて出雲ナンキン快適池改修計画案を練る。


『別館のナンキン』

sk0503nankin3 ♪花・び・ら・の・・よ・お・に・散りゆく中でー♪・・好きな歌のワンフレーズ。散られたら困るが我家のナンキンは色白が多く、その色白の肌に赤い入れ墨の魚体が水中でヒラヒラ舞う姿を花びらに例えても過言ではない。過言ではないと言い切れる訳は、鮫の様にフテブテしく泳ぐ俊足で愛想無しのワキン族との付き合いが長かったせいだと思う。

 初旬に水温10度を超える日があり約40日ぶりに餌を少し与える。プラ舟水槽を覆っていた簾も3分の1は開け、春の気配を気付かせる。しかし中旬と下旬に雪が降るほどの寒波に襲われて数日は再び冬ごもりとなった。春の金魚飼育の極意は安定した水温を保つこと、ホントは春だけではないが3月は特に水温変化が大きい。下旬には水温10度を越える日が続き、餌も換水量も少しづつ増やしたらウキウキモードで泳ぐようになる。多くの魚は昨年の秋より少し細くなったが数匹、痩せるどころか以前より腹がふっくらした魚がいる。卵を抱いたメスの様だが、まだ明2歳のチビ小娘なので今年はオスに絡ませたくはない。3月はオスがムラムラするにはまだ早い季節だが来月には暴れん坊将軍に目覚める魚も出るだろう。もしかして管理人の方がムラムラして蜜の味するナンキンの繁殖増産をたくらむ可能性は皆無ではないが、昨年、池で沢山のメス魚(ワキン)が産卵後、死んでしまったので今年は速やかにオスメスを別居させ、管理人の欲望は封印したい。しかし金魚は別居させてもメスは卵を生むし、オスは精液を放出するらしく、手際良くこの面倒な季節を乗り切り、死ぬ魚0匹で、このナンキン達の瓢箪池総突撃の日を迎えるのが任務。今のところ狂乱の繁殖シーズンが下火になる季節を突撃予定にしている。

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