ニューデリーからボンベイまで36時間の列車の旅、二等席だったのでぎゅうぎゅう詰めの座席に座りましたが殆ど身動きができません。頭上の網棚にも下の座席と同じ人数の人間が座っていて暑苦しく、うるさかったのをよく覚えています。時には座席の下のスペースに人が入り込んだり・・
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 素焼きのツボに入った水を車内で買いました。一口飲んでほっとしていると、頭上の網棚に座っていたおじさんがそれをくれと手を伸ばしてきました、一人ぐらいいいかな?と思って手渡すと、それが見事にその周囲の人にバトンタッチされていき、しばらくして空になったものが私の手元に戻ってきました。エーーとガッカリしていました、すると次の駅に着くやいなや近くにいた少年がサッとツボを持って出て行きホームにある水道から水を汲んで持ってきてくれました。
 この人たちはこうやって生きているのだなと、心が和みました。
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網棚から撮った写真を見つけました、まさにこんな感じの旅でした

 まる一日半、インド人と肌をふれあいながら過ごした時間はインドと言う国、文化、人間模様を知るのに一番いい時間だったと感じます。そしてボンベイに着いた頃には足がパンパンにむくんで、元に戻るに2~3日かかりました。これも生まれて初めての体験でした。

 ボンベイ(ムンバイ)に到着して最初に驚いたのが、黒塗りのタクシーがバンバン走っていて、デリーでは一緒に道路を闊歩していた、牛やラクダ、像などがいないこと。街中は高層ビルが立ち並び道路もきれいでした。
Tシャツ、Gパン、サンダル、髭は伸び放題で歩くにはちょっと気が引けてしまうような街。
長旅で疲れていたので、ボンベイではバスタブのあるチョット高級なホテルに宿泊することにしました。


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 ホテルでせっかくバスタブがあるので、インドで初めての洗濯をしてみました。一週間近く着の身着のまま・・日本のようにジメジメしてなので意外と快適に過ごせていたけど、さすがに汚れがすごかった。洗っても洗っても底なしの汚れが出てくる・・洗濯ものを室内で干している間に街中を散歩してみることに・・。


 ホテル街を抜け、少し歩くと目を疑うような光景を目にしました、まさに難民キャンプ。道路を隔ててこうもハッキリと別れるものかと思うばかりの悲惨さです。道端で何やら作っている鍋の中を覗き込んでみたら、野菜らしきものがチラホラ入っているだけの、かすかに色のついたスープ。方や、クラーの効いたロールスロイスから颯爽と降りてきて金糸の入ったシルクのサリーを身にまとい、高級レストランに入って行くインド人女性。いったいこの格差は何だ?!
 そんなことを思いながら歩いていると、ドンドン人が寄ってきてめぐんでくれと言います。まだ少し残しておいた100円ライターやお菓子をあげては見たものの・・焼け石に水、あっという間に無くなってしまいました。

 「私一人では何もできない」と言う無力さ、「物をあげること」の無意味さを痛感した瞬間でした。そして「日本人として生まれて良かった」と心底思いました。私には自由に着て、寝て、自由に食べることのできる帰るところがあるけれど、この人たちはここで一生暮らすのか?、人間ってこんなに不公平で良いのか?・・ショックでした。

 しかしながら、インドはいろんな意味で魅力的な国でした、もし自殺を考えている人がいたら死んだつもりで一度行ってみたらいいと思う。日本でかかえる「悩み」は一体なんだったのか?と思えるかもしれません。「生きる」という事の意味が違って見えてくるかもしれません。生きるエネルギーをもらえるかもしれません。

 この後、またヒマラヤに戻ってエベレストまでの一人旅が始まるのですが、ブログの趣旨からずれて長くなりそうなので一旦ここで締めたいと思います。

 インド、ネパールの旅を通して、宗教・民族の問題、南北問題を象徴的に見せられたのだと思います。そして今もその問題は解決どころか深刻さを増しているように見えます。そして衝撃的な911、311などの惨事が私たちの良心を揺さぶり、既存のシステムや宗教の枠を超えた新しい取り組みが、一人一人の心の覚醒を原点としながらいたる所で始まっていることを感じます。

 最近は、社会貢献と言う言葉が当たり前になり、それを実現しようと言う企業の具体的な取り組みやNPO・NGOなどの組織を通じた取り組みが右肩上がりで増加して行っています。このような社会を構成する一人一人が国や制度に依存する立場から、倫理道徳的基準を備えた自立した個人となって、周囲の人と連体しながら本当の改革に着手する時が来たと思いますし、SNSなどの普及に伴いその様なことが可能な時代になってきたことを感じます。(こんなものも流行ってますね)

私もその一人になりたいと思っています。




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