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ヒーローの孤独




スパイダーマン(cinema)
監督 サム・ライミ
トビー・マグワイア 、ウィレム・デフォー 、キルスティン・ダンスト
2002年 アメリカ
2と後先が逆になってしまいましたが、とにかくやっと見ました。
昔のアニメの「スパイダーマン」は、何回か見たはずなのに、ストーリーは全然記憶に残っていません。アメコミによくある、能天気なヒーローものだと思っていました。ところが。


い、痛い……
痛い映画です。2はほとんどお笑いなのに、最初はこんなに暗かったのですね。





登場人物が、みんなものすごく不幸です。
お姫様なだけかと思ったヒロインMJさえ、1では貧乏長屋のシンデレラ状態。両親が喧嘩ばかりしている暗い家庭から、家出同然に都会へ出てくるという設定。けっこうすれっからし、もとい、庶民的な役柄なので、なるほどキルスティン・ダンストは、はまり役です。
親友は、大金持ちのお坊ちゃまだけど、父子家庭で、多忙なパパにはあまりかまって貰えない。贅沢なアパートメントにいつもひとりぼっちです。エリート私立高校を成績不振で退学になってパパの期待を思い切り裏切ってしまい、いつも低脳あつかい。それでも大好きなパパを見つめるときの、すがるようなまなざしが哀れを誘います。

そして、中でもいちばん不運で不幸せなのは、主人公ピーター・パイパー(あだ名かと思った)です。
両親とは幼いときに死別。育ての親の伯父さん夫婦は、いい人たちだけどすごく貧乏。頭脳は超優秀だけど、肉体的には貧弱でトロくさく、おまけに貧乏人と三拍子そろえば、乱暴者の同級生たちにいじめられてばかりのハズレ者です。ちなみに親友のお坊ちゃまくんとは、ハズレ者同士でくっついているという、非常に後ろ向きな関係です。

こんな少年が、偶然すばらしい力を授かります。そのおかげで、彼の抱える問題の一部は解決します。ところが、何の努力もなしに手に入れた新しい能力は、その使い道もわからぬまま、かえって大きな不幸を呼び込んでしまう。親友にもMJにも打ち明けられない秘密と傷を負った彼は、自分の力に怯えながら、ひたすら孤独な道を歩むことになります。


どうしてトビー・マグワイアがスパイダーマンなんかやるのか、ずっと疑問でした。少なくとも2では、彼でなきゃいけない理由が見えませんでしたが、これでやっとわかりました。
不幸に耐える、健気で繊細な青年。彼の得意分野だったのね。


ところで、この作品を鑑賞した理由のひとつはウィレム・デフォーです。
かなり昔の作品ですが、彼の助演したこの映画以来、とっても気になる俳優の一人なのです。
お。親友のお父さん役か。いい感じ♪ ちょっと老けたけど、やっぱり渋いわね。

………

……って、ええ?!
ちょっとちょっと、この成り行きはいったい????




しくしくしくしく……
すごく悲しいです。悪役。しかもあんなの。

はい。どうしてウィレム・デフォーにこの役を振ったのかは、よくわかりました。
ジキルとハイド。難しい役です。
二つの人格が交錯する表情、なかなかの名演だと思います。いいモンの顔より、悪役のほうがカッコよく見えたくらいです。

でもでも、あんまりです。
着ぐるみの中に入ってたの、本人なんでしょうか?
目は本人ぽかったですが。
考えたくないです。

ストーリーも痛かったけど、私にとってもかなり打撃の大きな作品でした……


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