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原風景





輝く草地(英国短篇小説の愉しみ (3) )(book)
アンナ・カヴァン他著 西崎 憲編 
筑摩書房 1999年
楽しかったこのシリーズも、とうとう最後の巻になってしまいました。
まだまだ未発掘のおもしろい短篇小説がありそうですね。
将来、再び編まれることを期待しつつ。





輝く草地 (アンナ・カヴァン)
何気ない日常風景が、狂気とともに変容します。
人生の果てにひろがる虚無は、みどり色に輝く。


殺人大将 (チャールズ・ディケンズ)
最初の訳者解題がおもしろかった。
英米文学のなかで、聖書とシェークスピアの次に引用が多いんじゃないかと思うくらい、あっちこっちに顔を出すディケンズですが、文学史上の位置づけなんて考えたこともありませんでした。たしかに、「エンタテインメント小説の元祖」というだけでは、彼の作品がこれだけ長く命脈を保っている理由を説明できないような気もしますし、その一方で、ただ単に、国語 (この場合は英語か英文学の時間だけど) の定番教材というだけのことじゃなかろうかと思ったりも (笑)。
「殺人大将」 はグリム童話のまぜっかえしみたいな単純なおはなし。


コティヨン (L・P・ハートリー)
からっぽの男。
コティヨンて、カドリールのことなんですね。この場合は仮面舞踏会でのダンスを指すようです。仮面をはずしたあなたは誰。


最後の笑い (D・H・ロレンス)
「チャタレイ夫人」 のロレンスからすると、何か意外な感じの短編ですが、これに照らすと 「チャタレイ夫人」 のべつの側面が浮かび上がるようにも思います。
長編を省略して短編になおしたような、奇妙な文章。
全体的に 「エクソシスト」 のふんいきです。怪談。


スフィンクスの館 (ダンセイニ卿)
死に瀕するスフィンクス。永遠は失われ、人々はもはや謎を畏れない。


写真 (ナイジェル・ニール)
魂を抜かれる? ブラッドベリに似てるかも。


ドン・フアンの生涯における一挿話 (V・S・プリチェット)
こらっ、自分で言うな!


ママが救けに (アンガス・ウィルスン)
大どんでん返し。かわいそうな一人ぼっちのシーリア。


ユグナンの妻 (M・P・シール)
ポオの「黒猫」プラス「アッシャー家の崩壊」、ギリシャベース。
派手で、しかもかなり変な話です。


世界河 (A・キラ-クーチ)
冒頭の 「緑の草地」 に対応する、死と救済の風景。



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